あなたはどれだけ客観的ですか?

こんにちは、Erinaです。

唐突ですが、今日は読者の皆さんに参加してもらって、ある実験を行ってみたいと思います。テーマは、まぁ・・・なんというか、「自分の客観性テスト」とでも呼んでみましょうか。

自分がどれだけ客観的かどうかを測ってみたい方は、ちょっと読んでみてください。キーは、まず最初に頭を真っ白にして、知っていることを全て知らないフリをして読むことです。

 

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ステップ1

以下の、架空のシナリオを読んで、感じたことを心に留めておいてください。

 

ケースA-1:

某日、アメリカのある都市で、ある事件が起こりました。

18歳の少年が、パトロール中の警官に些細なことで注意されたところ、言い合いからもみ合いになり、結果、警官が少年に向かって発砲。 少年は死亡しました。

裁判の結果、この警官は不起訴となりました。

 

ケースB-1:

某日、アメリカの別のある都市で、ある事件が起こりました。

公園で銃を振り回している男がいるとの911通報を受け、警官が向かったところ、12歳の少年が、銃を振り回していました。

近寄った警官に対して、少年は自分の銃を抜こうとしたので、それに対して、警官が発砲。 少年は運び込まれた病院で死亡しました。

少年が振り回していた銃は、模造銃でした。

 

この2つのケースを読んで、どう思いましたか? どんな感情が生まれましたか? もし嫌悪感が生まれたとしたら、それは誰のどんな行動に対してでしょうか?

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ステップ2

ケースA-1とケースB-1に、もう少し詳細情報を加えてみたいと思います。それぞれを読んで感じたことは何でしょうか。

 

ケースA-2:

某日、アメリカのある都市で、ある事件が起こりました。

18歳の黒人少年が、パトロール中の白人警官に些細なことで注意されたところ、言い合いからもみ合いになり、結果、白人警官が黒人少年に向かって発砲。黒人少年は死亡しました。

裁判の結果、この白人警官は不起訴となりました。

 

ケースB-2:

また某日、アメリカの別のある都市で、ある事件が起こりました。

公園で銃を振り回している男がいるとの911通報を受け、白人警官が向かったところ、12歳の黒人少年が、銃を振り回していました。

近寄った白人警官に対して、黒人少年は自分の銃を抜こうとしたので、それに対して、白人警官が発砲。黒人少年は運び込まれた病院で死亡しました。

黒人少年が振り回していた銃は、模造銃でした。

 

ステップ2では、「黒人」と「白人」という表現をそれぞれ少年と警官に追加しました。 これを読んで、ステップ1から、みなさんの感想はどう変わったでしょうか?

 

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ご存知の通り、ケースAもケースBも、最近のアメリカで起こった事件です。

ケースAはミズーリ州ファーガソンで今年8月に起こった事件。(詳細はErikoさんの記事で

ケースBはオハイオ州クリーブランドで先日11月22日に起こった事件です。

おそらく、このニュースを知っている方のほとんどはすでに、情報をケースA-2とB-2の状態で受け取ったはずです。なぜなら、現在、大きく報道されているのは、この事件が「人種差別」とつなげられているからです。

ケースA-2とB-2の状態で情報を受け取った人は、「アメリカの人種差別はひどい」「黒人だから殺された」「警察だったら何をしても良いのか?」などと思ったはずです。

 

しかし今回のテストのステップ1で、情報をケースA-1とB-1の状態で受け取った場合、ニュースの印象はどうだったでしょうか?

もしかしたら、「確かに警官たちだけを責められないかもしれない」「少年たちにも非があったと思う」「警察は自分の仕事をやっただけ」と反対の立場から見た方もいらっしゃるかもしれません。もしそうだとしたら、180度違う意見にもなりうるわけです。

 

私は今日この記事で、これらの事件に対する自分の意見を述べるつもりはありませんが、ある事柄に対する自分の嫌悪感や第一印象、意見というものはそれだけ変わりやすいものであり、ニュースの「書かれ方」で影響されやすいものであることを知ってほしいのです。

特に、アメリカという社会で生きていくならなおさらです。 これだけ社会構造や歴史が複雑なアメリカだからこそ、「人種差別」という言葉を使うときには、もっとセンシティブになるべきです。

 

もしかしたら、人種差別はあったかもしれない。

白人警官たちの中で、黒人市民に対する嫌悪感が1ミリでもあったかもしれない。

黒人少年たちの中で、白人警察に対する反逆心が1ミリでもあったかもしれない。

白人同士、黒人同士だったら生まれなかった何かしらの感情が、これらの事件をこれだけ大きなものにしたかもしれない。

でもそれは、「事実」として現れるものではなく、本人たち以外に知るすべは絶対にないのです。

 

私は世の中に「真実(truth)」というものは存在しないと思います。なぜなら、当事者たちですら、絶対に同じことを言わないからです。

その代わり、あるのは「事実(fact)」と「意見(opinion)」のみ。

今回のテストでは私はなるべく「事実」だけを抽出し、「意見」の部分は読者のみなさんにお任せしました。

ステップ1とステップ2で、みなさんの感想にギャップはありましたか?そのギャップは、どれだけ先入観や偏見を持って、私たちが日ごろのニュースを聞いているか、というものさしになるかと思います。

このテストの感想をぜひシェアしてください。

 

これらの事件で亡くなった若い命の冥福と、そのご家族に、心よりお祈りします。

 

 

あなたはどれだけ客観的ですか?” への2件のフィードバック

  1. 私が住んでいるところは、カリフォルニアで 、黒人のパーセントはほかの州に比べ圧倒的に少ない。ケース1の文章を読みながら最初に頭に浮かんだ男の子の人種はメキシカンであった。ケース2を読んだとき、ジョージアや オハイオなど圧倒的に黒人が多い地域で起こった事件だと想像してみた。昔から人種差別の(特にアメリカ黒人)映画を、私はよく見ていたが映画「ルーツ」を全巻見ると、画面に登場する人は、人間の姿をしてはいたが、見るに堪えられない残虐な動物映画だったのではないかと思うほど息が苦しくなったものだ。日本で平和な時代に生まれた私には、この国の人の心の奥底に今も根付く不安や恐怖の観念からくる差別を理解することは到底不可能であると、今まで縁あって出会った素敵な褐色の肌をした男の子たちの発する言葉から感じたことが幾度となくあった。ちなみに私の今の相方は黒人だ。彼が幾度となく息子に対し「このアメリカで黒人が白人に差別せれ続けてきた生きてくことの人生のつらさ」を切々と説いている光景を見ていると 日本には「部落」という差別言葉があるが、差別は伝承され マインドコントロールされるものであることは、確かであろうと私は自分の経験からそう思う。私が働く小学校は80%メキシカンで黒人白人ベトナムアジア、ハンディを持つ先生や生徒までいる世界の縮図のような、ナショナリティーのオンパレードだが、無駄な観念を持たない子供たちは、「みんな仲良く」という大人の言葉どおりに皆手をつないで遊ぶ。
    最後に、ケース2を読んですぐに思ったことは、その警官が自分の相方であった場合、どんな手を使ってでも、お願いだから打たれて死なないで!と祈る家族の切なる願いだ。

  2. >和美さん
    こちらでのコメントは初ですね。
    貴重なご意見、ありがとうございます。

    自分が、カリフォルニア州外にいたら、また同じことが違って感じたり、見えるんだろうなと思うと、アメリカって本当に広いですよね。
    完全に共通の価値観なんて一つも存在していなくて、それは親子ですら違うかもしれない。夫婦で違うのなんて当たり前。
    そういうハードルをクリアしていかなきゃ、アメリカ生活は難しいですね。和美さんもアメリカ生活が長いでしょうから、特に感じてらっしゃると思いますが。
    そのために必要なのが、education(学校だけじゃなく)とrespectだと思っています。

    コメント、ありがとうございました。
    またゆっくりとお話したいです。

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