アメリカで出産【出産体験記Erina編 その5】

10人いたら、10人それぞれのお産がある。

アメ10人気シリーズ「アメリカ出産体験記」Erina編です。

 

感動の出産から少し時間が経ち、ちょっと意識もはっきりとしてきた産後。母親としての最初の一時間はこんな感じでした。

 

10. Postpartum (産後)

遠くで人がしゃべってる・・・・旦那がいるような・・・・・いないような・・・(います)

「戦いのあと」とはまさにこんな感じでしょうか・・・・・?

意識が戻ってくると、ナースがこれからの処置のことを説明し、子宮内の残り物を出すために、全力で私のお腹をグリグリと押します。というか、全身で乗っかります・・・・・ぅお〜っ!痛いっ、痛いよ〜!!(本気で涙目)

でもここできちんと残留物を出しておかないと、あとで大変なことになるらしいので、大きめな体格のナースが全体重をかけて、今さっきベビーがいたところに乗ります。

そういえば、へその緒がどうなったのか、胎盤もいつ出てきたのかさっぱり覚えていません(実は自分の胎盤をちょっと見たかった)。自然に裂けた会陰を縫うとミッドワイフに言われ、裂けたことをそこで初めて知りました。それまでは心配していた会陰切開も、実際には全く感じませんでした。陣痛でそれどころじゃなかったのね。

 

ベビーが保温器の中でいろいろな検査や処置を受けているのを、旦那が質問をしながら見ています。Hepatitis B (B型肝炎)の予防接種を打たれ、目の感染症を防ぐために軟膏を塗られました。

 

出産から30分ほど経ち、ベッドの上で起き上がってみると、急に体がガクガク震えだしました。寒くもないのに自分じゃ止められないような震えで、しばらく続きました。

旦那がびっくりして、ナースに「エリナが震えてる!!」と言うと、ナースは「たった今、体にとってものすごいショッキングなことが起きたんだから、当たり前の反応なのよ。心配しないで」と言って、私の体を毛布でくるんで、やさしくハグしてくれました。

このときになって初めて、入れ替わったナースの顔を見て話をすることができました。

肝っ玉的なこのナースはたぶん30代後半〜40台前半で、トラベリングナースだそう。テンションの高い旦那は今までになくおしゃべりで、この二人の静かな会話が、なんとなくリラックスさせてくれました。

 

そして考えてみるととってもお腹が空いている!産後のなんだかんだでもう夜8時くらい。朝から12時間以上、何も食べていません。

ナースが患者用のサンドイッチとスプライトを持ってきてくれると、一瞬で食べてしまいました。(ってか、もっとないの?) この状況であれだけ食欲があることがすごい。笑

その後は、母乳が出るようにと、ベビーにすぐおっぱいを吸わせます。きっと何も出ていないんだろうけど、息子は生まれてはじめてのおっぱいを、チューチューと吸い始めました。

 

 

11. 産後回復病室へ・・・・・そして孤独な夜

事務的な処理に手間取り、産後回復病室に入ったのは夜の10時半を過ぎていました。

病室はめちゃめちゃ狭い二人部屋で、先客のママがすでに奥のベッドに入っていました。

仕切りのカーテンにも、ベッドから手が届くような狭さ。「これは・・・・」と旦那と二人で絶句。旦那が寝る(むしろ座る)場所ももちろんありません。休むために旦那は家に帰らせることにしました。

私のベッドの横にベビーのベッド(というかケース)を置き、産後回復病棟のナースが、ベビーの体の洗い方をそこで見せてくれて、トイレの使い方などを教えてくれました。

 

11:00pm

さぁ、これからベビーと私の長い長い夜のはじまりです。

一通り説明とケアをしてくれると、ナースは「とりあえずベビーをおっぱいにくっつけといて」とだけ言い残して部屋から出て行きました。

 

「エ? How long?」とも聞けず・・・・。

 

お隣の夫婦も疲れたようで、静かな時間が過ぎていきます。

私は小さい小さい息子を胸に抱いて、時折おっぱいを吸わせては、また眠る長男の顔を見ながら、早く朝にならないかな~、と時計とにらめっこ。病室の外ではたまに響くナースコールに混じって、新生児たちの泣き声が遠くで聞こえる以外、とても静かです。

気持ちも高ぶっているため眠くもなく、ただものすごい疲労感が体中に残っています。

そして、何より孤独・・・・・・暗くて狭い部屋のカーテンの中、「あれ?もしかして私、今日は寝られないのか?!」と気づいたのは1:00am。

そうらしい。徹夜らしい。

あらら〜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

そんなことを一人でぼんやりと考えていると、夜も明けてきたようです。 

産後病棟のあの静けさの中、太陽が昇って朝日が病室に差し込んできたときのゆる~いスピード感はとても独特。ドクターもナースも、旦那すらいない、ベビーと自分だけの空間です。

思えばこのとき初めて、「母親になる」ということをきちんと考えた気がします。ベビーというものは自分の予定や思い通りにならないこと、ベビーにとって母親という存在が100%であること、生まれて出てきたばかりの小さな小さな息子を見て、そんなことを感じていました。

 

次回はいよいよ最終回です。

この産後病室に思いもがけないことが起こり、一泊二日で退院することになりました。

 

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