アメリカ大統領選挙 2012 – 民主党と共和党編

こんにちは、Erinaです。

前回の記事では、11月6日に行われる大統領選挙の候補者たちについて紹介しました。

今回はそれに付随して行われる州政府や自治体政府の選挙について書こうと思いましたが、その前に、アメリカの二大政党、民主党(Democratic Party, Democrats)と共和党(Republican Party, GOP)についてもう少し突っ込んだ話をしようと思います。

(民主党のロバと、共和党の象のロゴ)

 

他にも”Green Party”などの小さな政党も数多く存在しますが、やはりアメリカの政治で実質的な力を持つのはこの二つの政党です。

 

この記事がどちらかの政党に偏らないような言葉遣いを心がけていますが、私は政治のプロではありませんのでその辺はお許しください。そしてこれはアメリカ社会の「世論」であり、普遍的な定義ではありません。あくまで、現在のアメリカ政治を噛み砕くという意味の記事です。

また、アメリカで「政治の話」はと~ってもセンシティブなトピックです。下手をするとその人との関係が破綻することも可能ですので、自分の意見を述べるときは、相手と場所をよ~く選びましょう。

 

それではこの民主党(通称「デモクラッツ」)と、共和党(通称「リパブリカン」)を紹介してみます。

 

民主党(Democratic Party, Democrats)

成り立ち:経済的な援助や、差別などを理由に社会構造の変化を必要とするグループ (“underprivileged”) が支持していることが多く、革新的な「変化」を望む。

Philosophy(理念):”We leave no one behind.”「誰一人として後ろにまわさない」

つまり、政府が介入して、経済的格差や社会的差別をなくし、平等を目指しますよ、ということ。

キーワードは「平等な社会」

結果:

社会保障(Social Security)や生活保護(Welfare)などの社会福祉(Social Program)の予算を増やす→増税

経済規制→自由競争の減退

 

批判:

  • “Big government”「大きな政府」
  • 社会主義

 

他の政治的スタンスとしては

  • リベラル
  • 全国民健康保険を支持
  • 同性結婚を支持
  • 堕胎・中絶の選択を支持 (“Pro Choice”)
  • 幅広い高等教育の促進
  • 代替エネルギーの促進

 

支持層:

  • 貧困層から中産階級層(=労働者階級)
  • マイノリティグループ
  • 労働組合
  • 教育分野

 

「市場(マーケット)は需要と供給の理論に基づいて、自然とあるべき形になる」という共和党に比べて、民主党は直接的な政策を取ることで、経済の建て直しを図ります。

私は二政党の役割を「医療」に例えるのですが、民主党が行うのは、瀕死状態にあるアメリカ経済に薬を与え、悪いものを取り除くという「治療」の段階。注射したり手術をしたりですね。

歴史的な政策を見ても、良くない状態のアメリカ経済を持ち直してきたのは民主党の大統領就任時に多い気がします。

 

民主党出身の政治家

Franklin Roosevelt(大恐慌後の「ニューディール政策」)

 

 

 

 

 

John F. Kennedy(冷戦後の国交建て直し)

 

 

 

Bill Clinton(湾岸戦争後の国内政策にフォーカス)

 

 

 

 

 

Nancy Pelosi(現・下院議長)

 

 

 

 

 

 

共和党(Republican Party, GOP)

成り立ち:「需要と供給」論に基づく自然な市場価格と、個人の生活の責任は個人にあると信じるので、政府の介入は最小限であるべきと考える。

Philosophy(理念):”Small government”「小さな政府」

政府による規制は最小限にとどめ、自由競争による資本主義を目指しますよ、ということ。

キーワードは「個人の自由」

 

結果:

個人の責任力を尊重→社会福祉の削減→国家予算の削減→減税

自由競争→弱肉強食

 

批判:

“The rich gets richer, the poor gets poorer.”「裕福はより裕福に、貧困はより貧困に。」

 

その他の政治的スタンス

  • 保守的(革新的な変化を好まない)
  • 堕胎・中絶の反対(Pro-life)
  • 同性愛結婚の反対
  • 自己防衛としての銃器保持を支持
  • 自国防衛としての強い軍隊を支持

 

支持層

  • 富裕層
  • ビジネスパーソン
  • 投資家

 

民主党のように「医療」を使ってたとえると、共和党が行うのは、治療後の「自然回復」を見はっているという段階でしょうか。

政府規制が少なく、お金の回りも良いので、アメリカの景気が良いときはもっぱら共和党の大統領が就任していることが多いです。

 

共和党出身の政治家

 

George W. Bush

 

 

 

 

 

Condoleeza Rice

 

 

 

 

Abraham Lincoln

 

 

 

 

Ronald Reagan

 

 

 

 

 

 

なんだか学校の授業みたいになっちゃいましたが、アメリカの二大政党の違いがなんとなく理解できたら光栄です。

ただ、現実は、「私はデモクラ(またはリパブリカン)です!」と胸を張って主張する人やキャンペーンに参加する人はほんの一部で、ほとんどの人が「中間層」。

これはどっちつかずという意味ではなく、「経済に関してはリパブリカンだけど、外交に関してはデモクラかな」というミックスだからです。この中間層の有権者を“Independent”と呼び、選挙の結果を左右するこのグループは、”Swing voter”とも呼ばれます。

 

上記でも書いたように、アメリカで「政治の話」というのはとってもセンシティブなネタです。「支持する政党が違うのであなたとは結婚できない!」、または「デモクラの男と結婚なんてさせない!」なんていう話も(どこまで冗談かわからないけど)聞きます。ありえないと言い切れないところが微妙です。職場での政治ネタでの失敗は絶対に昇進に響くだろうし、まぁとにかく気をつけましょう。笑

そして、政治は白黒ではなくて、グレーのグラデーションだと思うので、対極化させるのではなくて程度の問題なのではないでしょうか。

アメリカ大統領選挙 2012 – 民主党と共和党編” への6件のフィードバック

  1. すごく、解りやすかったです。ありがとうございます。 先日のDebate見て、余計に混乱してしまったので… なるほど納得(一般論で)です。 ま、私はCitizen ではないので、なんとなーく傍観ですが。 日本は今、誰が首領になっても、すぐ、こき下ろされるから、コロコロ政策変わるけど、アメリカはちょっと違うようですね。 月曜日の最終Debate. 楽しみです。

  2. アメリカの社会構造は知りませんでした。大変興味深い記事です。ありがとうございます!

  3. 分かりやすくて面白かった!!勉強になります。
    ヒトの車に貼ってある色んなステッカーも、今の時期は目を引くよね。
    戦争に反対ってことを大きく主張してる人もいるけど、そういう人たちはどっち寄りになるの?

  4. >風空さん
    コメントありがとうございます!
    そうですね、ディベートもちょっと知識を持って見ると、面白さが違いますね。月曜日は外交関係がトピックだそうですよ。

  5. >Isseiさん
    アメリカの社会構造の記事、参考になりましたか。今後もこういう記事は書いていきますね。ご意見、ありがとうございます。

  6. >カズミ

    久しぶりの登場、ありがとう!

    反戦はリベラルな動きなので、どちらかというとデモクラかな。デモクラは軍隊の縮小を望む人が多いかな。まぁ「反戦=デモクラ」とは一概には言えないんだけどね。

    ここ数年、よく見かけるのが紺色の地に黄色の横線2本のスティッカー。あれは人権運動(human rights)の活動で、これも「社会の平等」を目指すデモクラの動きと共通していることから、サポーターが多いみたい。
    こういう政治とは直接関係ない社会運動も、書いていこうかな。

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