アラフォー男子の米国婚活 (2)

あ、メールの返事が来た

バタッと立ち上がり、携帯をつかむ。

 

「Thanks for the email…(中略)… Take care, and keep in touch」

 

ん?

返信された礼儀正しい内容には彼女の連絡先が含まれていない。

 

ま、こんなもんだわな。

しつこくするのもな、と草食男子的オチをつけ、メール受信程度で一喜一憂している自分に、かわいいものだな、と少々苦笑い。

ここは素直に諦め、前を向くとする。

 

—–

 

数日後。

この時点で、貯まっていた仕事の有給は現職側の買い上げという形で消化が決まるが、退職予定日まで自分のオフィスに居ても、とにかく暇。やれることと言えば、新入生の雑用の手伝いと周囲への挨拶くらい。

新しい職場からは、仕事関連の連絡が引っ切り無しに届くが、先方から給料が発生している訳ではないため、「気にしなくて良いからね」と新しい上司からは言われている。

「まぁ、せっかく受信しているし」と違う件名で書かれた膨大なメールに目を通していると、今度は個人のGmailアカウントにメールが一通届く。

 

あ、彼女からだ。

 

「By the way, my contact info is…」

(ところで、私の連絡先は…)

 

よっしゃー

 

—–

 

他愛もない内容ながらも、メールのやり取りをこうして無事開始。

携帯番号は手元にあっても、通話は緊張する(苦手な)ので、携帯メール用として登録はするが、やはりメールが楽。

たまたまお互いによく見ている、米国公共放送「PBS」のフランス料理番組についてやり取りをしている最中、以下を聞く。

「Do you happen to be a vegetarian, by any chance?」

(まさかベジタリアンだったりする?)

 

アメリカは(宗教、文化など無関係に)各種ベジタリアン人口が意外と多く、食事を一緒にする場合に結構気を使う。また、極めて好き嫌いが多い(こだわりが強い)人も多い。

どうせ「その気」があり後々食事に誘うなら、その辺も知りたいもの。

ちなみに、あまり好き嫌いなく、肉・魚・野菜、何でも食べれるのが理想だし、なんて先々のことも気にしてみる。

 

「No, not a vegetarian. Why, are you?」

(いや、違うけど、なんで?ベジタリアンなの?)

「Good! Then I’d like to ask you out for a lunch or whatever sometime if you had time and felt like it.」

(よしよし。じゃ今度都合良くて気が向いたら、お昼ご飯か何かにお誘いしたんですけど。)

 

電話や直接口頭で伝えるのではなく、メールでのお誘いは、日本だろうがアメリカだろうが賛否両論。「ま、話の流れとしては悪くないんでないだろうか」など内心ビクビク肯定しながら相手の出方を待つ。

 

「Okay! Lunch sounds good. Where and when were you thinking? 」

(オッケー、お昼ご飯いいね。どこにいつ頃?)

 

結局その週末に約束を取り付ける。

よっしゃー

 

—–

 

いい感じの(美味しそうな)お店を適当に選び、その住所を送信。

すると、その前夜、急に緊張し始めた。

 

「試しにデート」というのが当たり前(な印象)のアメリカと、「告白で、はいスタート」がまだ通常(なはず)な日本。この文化(意識)の差、はっきり言って僕ぁ埋められないし、「さて、何を話すのか」という基本的な部分から緊張して止まない(相手が日本人でも同様だが)。

 

あんなに図書館やメールでのやり取りは問題なかったのに…

 

これは「その気がある・ない」ではなく、「話が弾まなかったらぎこちないなぁ、やだなぁ」というところが難点であり、何歳になろうが、何度経験しようが、場所(国)がどこであろうが、越えられない壁であると悟る。

 

そうこうしている内に、約束の土曜。

 

真冬なのに比較的暖かな日差しが射していたその日、事前の心配をよそに、無難に会話は弾む。

会計後、「まだ時間あったら、散歩でも行かない?」と言ってくれたので、自然公園なるものに立ち寄ることに。

 

ありがたいことに外を歩いていると話題が尽きることや、間の悪い沈黙もなく、あっと言う間(無難)に時間は過ぎる。

 

—–

 

「初デートの後は~日間を空けて連絡をすると、ガツガツして見られない」

 

アメリカでも多々取り上げられる、この「どのくらいの間隔を空けて連絡するのが好ましい」という話。変に前のめりじゃ気持ち悪いだろう、とは思うだが、いまいちサジ加減とやらが分からん。

正直、色々と関連記事なるものを読み漁り「一日?二日?」と小ッちゃいことチマチマ悩んでたら、先方から連絡がきた。

 

なんだかんだ、次の週末も出かけることになった。

よっしゃー

 

—–

 

この後もお出かけを繰り返し、ありがたいことにトントン拍子で一応「オフィシャル」になる訳だが、同時に(去年めでたく「男闘呼」になられたカズシ君や幼馴染みなど)同世代男子には、「春到来」等の報告とその他を相談。

アラフォーでも、同学年とこの手の話になると、中学生の頃とノリは同じな気がする。

ただ、「あちらの世界」に飛び立たれた諸先輩方が若干多勢でもある、この歳でする恋話というのは、エピソードがより具体的で助言(?)もより直球。

(中々興味深いご本人のエピソードを聞かせていただいた)カズシ君には「結婚は勢いです」「『この子といっしょで大丈夫かな』じゃなくて『なにがあっても一生この子を守っていく』って気持ちを持つのが大事」というありがたい、マジ男闘呼なお言葉をいただき、その他は「きたー」「お前ぇ、この野郎」という叱咤激励と「とっとと指輪ゲットしてプロポーズして後に退けなくしてしまえ」的様々な反応と結構無茶なご指南を多々いただく。

年齢を意識し、「チャンスがある内に決めてしまえ」という、今まで以上に限られた時間内での決定力を問われることに間違いはない模様。

ここら辺は、まだまだ「何歳になっても春はそこに」というアメリカ文化に染まりきれないようだ。

もはや独身が当たり前だった次男からの突然の報告に、母は「おーーー朗報ッ、やったッ」と反応。やはり心配してはいたのだな、と実感。まだお嫁さんになってくれるなどの話にはなってないのに、この喜びよう。

姉妹からは「お~タッちゃん、やる~」と言われる。

決まって、すぐ「で、日本にいつ連れて来んの?」という話題に飛ぶ。

いやいやいやいや、まだまだ、そんな…

 

—–

 

「てか、タツヤみたいにAMWFカップルは珍しいんだよ」

そんなことを職場の台所でコーヒー飲みながら同僚(米国白人男性、ガールフレンドは中国系アメリカン)に言われる。

 

AMWF?

 

馴染みのない、この略語を調べてみる。どうやら英語では「アジア人男性と白人女性の組み合わせ」を「Asian Male White Female」と呼ぶらしい。試しに、その略称「AMWF」を検索すると、星の数ほど記事が表示される。

 

身近な例で、アメ10のNao-Tさんと奥様はAMWFカップル。過去の投稿に書かれていたように、断然少数派の様子

どこで調べたのか、また誰から聞いたのか、そしてなぜそんなことを知っているのか不明だが、その友人の話だと、米国内のAMWFは約219,000組。ちなみに、米国内のAsian Male Black American Womenカップルにおいては、約9,000組しかいないのだとか。

 

まぁ「だからどうした」という話なのだが、数字で見ると若干の逆風を感じるような、感じないような…

 

—–

 

そうこうしていると、ある日彼女が聞いてくる。

 

「Do you wanna meet my Dad?」

(ウチのお父さんに会いたい?)

 

は、お父さん?FullSizeRender 

アラフォー男子の米国婚活 (2)” への2件のフィードバック

  1. とても懐かしい気持ちで読みました。そうか、AMWFね。興味深い。

    確かに、日本だと”告白”から始まって、双方合点がいったらオフィシャルだけれども、ここでは”お試しデート”から始めるんでしたよね。”ねるトン”を思い出した!
    時々エドと外に出て食事をしている時に、”あ、あの二人は今日が初めてだな。”など興味津々で二人で見てたりするけれど、このパターンの方が順を得ているようでいいなと思います。

    何だか中学時を思い出すようなTatさんの婚活日。次回が気になってしょうがありません。あの時は携帯なんて無かったけどね。

  2. ナユさん、どうも。

    デートなのか、普通に友達同士でカジュアルに飯食ってんのか。難しいところだとは思うのですが(日本でも)…てか、誘う時点で、(ねるとんで言うところの)「お願いします」とやってるので、まぁ行動はそこまで違うことはないのか、と思いますが(授業中に手紙が回ってきて、体育館の裏に何時ね、というやり取りは、さすがに米国では有り得ないかと思うが)…

    てか、実家に電話かけてた時代。懐かしいけど、ハードルが高過ぎ。

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