カルチャーショック 銃所有権とガンコントロール

美加です。アメリカでどうしてもわからないのが憲法でも許されている、銃を所有する権利。日ごろはあまり政治に興味がないわたしも、今日はちょっと私の体験を書いてみます。

 

生まれて初めて本物のライフルとピストルを見た。

どうしてか心臓がどきどきするのが自分でもわかった。それもガンショウやガンショップでではなく、友人宅でハウスツアー(初めて訪問したお宅を案内してもらう)の途中で。

まず友人がクロゼットから真っ黒なライフルを出し、「ここにしまってあるんだ。」と言いながら銃弾?がぎっしり詰まった箱もみせてくれた。全長で1メートルはないだろうか、おもちゃだよと言われれば信じてしまうかも、映画で見るのとおんなじだ。

他の友人二人はふんふんと興味深げに普通に見ている。「オーマイガッド!本物のガンなんて見るの初めてだから怖いよ~。」と心臓どきどきを感じながら、言ってみた。「そうかい。」と言いながら今度はベッドのサイドテーブルの下から、「ここにはこれがあるんだ。」と刃渡り20cmはある短刀と箱に入った小型のピストルを開けて見せてくれる。「自己防衛はこれで万端さ。」パタンと箱を閉めて彼はにっこり笑い、はじめて見たのかい?と明るく聞いた。「そうよ~。」と言いながら深くため息をついた。

彼はプロフェッショナルな仕事を持つミュージッシャン。ギャングメンバーでもないし、ガンが趣味でもない。武装するのは単に自己防衛だという。

 

実はハウスツアーで二階のべッドルームのクロゼットでそれを見る羽目になる前にはこんな会話があった。キッチンに置いてある非難食料セットから始まった。ニューオリンズで洪水の大被害を経験した彼は政府からのサポートに頼っていられない、と実感したそうだ。食料も自己防衛も自分が頼りだ、と。

わたし:「日本出身だからだと思うけど、わたしはどうも政府が何とかしてくれると思ってるのよ。日本では警察の取り締まりもしっかりしているし、暴動や略奪も別世界のような気がするわ。」

友人:「それはMikaがナイーブ(世間知らず)だよ。ニューオリンズでは店の略奪だけじゃなく、うちの兄のうちのボートを盗もうとガンをもって賊が襲ってきたりしたんだぜ。こっちもガンで守るしかないんだよ。」

友人2:「そうよ、人のものをとるためにガンで他人を傷つける、っていうクレージーがいっぱいいるのよ。銃所有は必要よ。」

 

おりしもその日はコネチカットでスクールシューティングが起こった日のことでしたので話題がそちらに移る。

友人:「あんな事故が起きると自分の子供を学校にやるのも考えるよ。ホームスクールも考慮するね。」

わたし:「ガンコントロール(銃取締り=銃所有を禁止する)すればこんな事故がなくなるのに。日本ではああいう頭のおかしい人もせいぜいナイフで通行人を刺すけど20人も殺せないもの。」

友人:「理論ではそうだけど、自己防衛にガンは必要だよ。うちには二階にショットガンとピストルがあるよ。自己防衛ができなかったら、賊に襲われて僕が撃たれて妻がレイプされたらどうするんだ。ガンを取り締まられたら悪人だけがガンを持って僕たちは素手だ。アメリカは歴史上銃で自分を守りながら生きてきたから憲法にある銃所有の権利はとても大切なんだ。」

 

その理論づけは以前から何度も読んだことはあったが、人の口から聞くのは初めて。20何年前ルイジアナで訪問先を誤った日本人留学生服部君が銃で殺され、撃った家人は自己防衛で無罪になった事件やつい去年、キャンディをセブンイレブンに買いに行った帰り18歳のトレイボン・マーティンが近所の住人に撃たれ殺された事件が頭に浮かんだが、議論しても勝てないと直感し反論はしなかった。議論は得意ではないし人の意見は尊重しようとも思う。

 

皆さんならどう反応されたでしょうか?

 

アメリカに住んで22年。カルチャーショックを感じることが無くなっているな、と感じているこのごろ、久々の本当のショックでした。

身近に銃による自己防衛に賛同する日本人はいないのでこんな議論はしたことがありません。正確にはこの話題で友人と話すこと自体ありませんが、ほぼ100%が銃所有に反対すると思います。基本的に文化の違いに正否はないと信じているので彼の信念を尊重しますがこのままで良いのかと強い懸念は取り除けません。

 

日本人として育ち、最近仏教や禅の考えに興味を持ち始めたわたしは、人生に起こることは素直に受けよ、といった哲学を持っています。もし泥棒に襲われて撃たれることになったら素直に撃たれてしまうのをよしとするような気がします。殺す人になるよりは殺される人になったほうがいいと思うのです。それとも撃たれる瞬間に自分も銃を持っていればよかったと後悔するでしょうか。

 

“Imagine”で平和を詠ったジョンレノンは自宅前で撃たれて亡くなりました。ジョンさんに聞いてみたい気がします。「自分も銃を持っていて撃たれる前に犯人を撃てばよかった、と後悔していますか。」と。

どんな答えが返ってくるでしょう?多分ジョンさんはそれには答えずにただ笑顔であの世から下界のわたしたちを見守ってくれている気がします。いつの日かほんとうにこの地球に平和が来ることを祈ります。 

カルチャーショック 銃所有権とガンコントロール” への1件のフィードバック

  1. こんにちはMikaさん、私も岐阜県出身です。

    もし自分が泥棒に撃たれて死んじゃったら、まぁ怖いけどしょうがないかなぁと私も思います。
    ただ、もし目の前で自分の家族とか大切な人が銃を持ったクレイジー野郎に撃たれて死んでしまったら・・・と考えると、そうゆう運命だったのね~なんて気持ちにはきっとなれないと思います。手に届くところに銃があったら、きっと撃ちたいと思うでしょうね。
    「僕が撃たれて妻がレイプされたらどうするんだ」っていうお友達の言葉も、大切な人を守るための銃っていう意味合いが強いんじゃないでしょうか。

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