ゼネラルモーターズのリコール問題にアメリカ人気質を垣間見た

GM小型車事故
Photo: NHTSA

こんにちは。Masaです。

 

このところ名前を聞かない日がないほどお騒がせなゼネラルモーターズ。日本では、キャデラックとかシボレーで有名なアメリカの自動車メーカー。

 

ことの発端は、2月に行ったイグニッションスイッチのリコール。その台数、なんと160万台。リコールは2003~2007年の7車種にのぼります。その不具合によって、米国内で12人が亡くなったとのこと。

米運輸省道路交通安全局(NHTSA)の調査によって、GM社内では2004年にすでにその不具合がわかっていたことが判明。つまり、10年近くも事態を放置していて、組織的なリコール隠しがあったんじゃないかと考えられています。詳細は調査中らしいのですが、GMの隠蔽は誰がみても明らか。

さらなる詳細な調査によって、不具合の事実は、実はその開発段階からわかっていた!車載部品ってのは、開発に2年以上かけるので、不具合の事実は2001年ごろからわかっていたってことです。

第三者機関の調査によって、この不具合で亡くなった人は12人ではなく、実は303人もいると言う話も出ています。GMはこの数字を否定しているようですけどね。

 

隠蔽工作をしでかしたお騒がせのGM、「もうこれ以上隠蔽はできない!」と観念したのか、2月のリコールに続き、「実は他にもあるんですけど...、隠しててすみません。」とばかりに、さらに175万台ものリコールを今月にしたのでした。

リコールに要する費用の総額は、ななな~んと、日本円で300億円。この他、支払わなければならない制裁金をあわせると、どれくらいの額になるのか。他人事なのに少し心配になります。

わたし個人的には、これらは氷山の一角に過ぎず、まだまだ出てくると思っています。GMだけじゃなく、FordやChryslerからも出てくるのではないかと...。

これでGMは会社の信用を完全に失墜しましたな。怖い話です。信頼を築くには長い時間がかかりますが、失うのはほんとうに一瞬ですね。これからGMさん、どうするつもりなんでしょう。

 

今回のブログ記事は、GMの悲惨なリコールの話をするためではなくて、その裏にある、「アメリカ人気質」についてお話するためです。

 

いつものように誤解のないように言っておきますが、ここでの話はあくまでも「私見」であって、そうでない場合もいくらでもあります。また、多少脚色も入って、大げさに感じることもあると思います。その辺はご容赦ください。

 

では、その「アメリカ人気質」について...

 

アメリカ人(アメリカに住む人ってことね)と一緒に仕事をしていると、よく思うことがあります。それは、物事を小さな部分部分で見ることに長けているってこと。逆に言うと、物事を大局的に見ることができる人が少ない。もしかしたら、その理由は、私が技術屋で、一緒に仕事をしている人たちも技術屋だからなのかもしれませんけどね。物事を細分化して、その一つ一つをしっかりと分析できる。でも、その部分部分をあわせて、ひとつの技術的現象を説明することが苦手。もちろんすべてがすべてそうであるとも言えませんが。

ある仕事を与えられる。与えられた仕事の範囲がある程度狭いと見事にやってのける。でも、一歩その範囲を出ると、とたんに理解力が鈍ったり、分析力が落ちたり。その結果、

 

「こっから向こうは俺には関係ないから」

 

ってことになる。

私の今いる分野でも、会社によっては業務を非常に細分化しているところがかなりあります。それは業務効率が上がるから。

たとえば携帯電話の設計を例に取ると、

 

  • 表示部分
  • 充電部分
  • 音声部分
  • カメラ部分

 

などなど、それぞれ設計担当者がいます。それぞれの技術にめちゃ長けた人が担当しているわけで、ま、それに命を賭けてるっていっても良いような人たちです。でも、自分の専門分野から一歩外に出ると、

 

「いや、それについては良く知らないから、その担当者に聞いてくれ」

 

となります。じゃぁ、

 

カメラの映像がうまく表示されない場合には、どこの誰に聞けばいいのさ?」

 

となる場合も。個々の部分部分の間には「隙間」がある感じで、それぞれの技術者にとっては、その隙間を乗り越えるようなことはない。

 

さて、今回のGMのリコール問題に戻りましょうか。

 

結局、今回の事件、組織ぐるみの隠蔽は明らかなのですが、その裏側には、この「隙間」を埋めるような人がいなかった、あるいは、「隙間」を埋めようとする人がいなかったことが原因なのではないかと思うんです。

 

2001年にはすでに不具合がわかっていた。でも、それはごく限られた技術者の間での話。

 

「これって、まずいんじゃないの?」
「でも、これ以上のことわからないからな」
「XXグループに聞いてみるか?」
「やつらもこの現象見てるはずだから、調べてるんじゃないの。」

 

のような会話があったかどうか知りませんが。で、問題をそのまま放置...。

本来、この「隙間」を埋める人は、プロジェクトマネージャだったり、グループマネージャだったりするんですけどね。

 

GMの社風、体質がよく見える事件です。 

ゼネラルモーターズのリコール問題にアメリカ人気質を垣間見た” への4件のフィードバック

  1. 私もそういう体験があります。
    しかもわりとはっきりと、「そこから先は自分の分野じゃないからわからない」と認めますよね。そして特に申し訳なさそうでもないところがちょっと腹立たしいですが。

    この体質って、エンジニア系、特に大企業に多いと思います。大企業ってプロセスがとても細分化されていて、「誰がこれをやる」ってはっきりしてますよね。中小企業だと、一人がいろんなことをやらなきゃいけないから、わりと「隙間」が埋まるんです。

    私もこのアメリカ人の体質を見てきて、円と円の間の隙間を埋められる人材になることが必要だな、と思いました。空白だらけだと、企業も潤って行けませんから、これから先はそういう「良い意味で都合の良い人材」って重要視されると思うのですが、まささんはどう思います?

  2. エリナさん、コメント感謝です。

    「円と円の間の隙間」

    うまいこと言いますね。確かに円と円の間は隙間だらけです。そこにピッタリとはまり込めるような形って簡単ではありませんよね。それが、難しさを語っていると言うか。

    空白を埋めることは、「それを埋めようとする人」しかできないことです。プロセスをどんなに細かく細分化しても空白は埋めることはできません。良くないことだと思います。「それを埋めようとする人」が会社にとって本当に良い人材何だと思います。

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