働くママ、学校に行く (2)

学期も半分を過ぎた頃、初日は12人いた学生も半分になりました。

前回のお話はこちらから

クラスに出席する顔ぶれもだいたい決まってきて、誰がどんな仕事をしているか、将来はどんなことをしたいか、資格取得まではあと何クラス必要か、なんて話題で盛り上がる休憩時間。

 

From http://ucsdnews.ucsd.edu
From http://ucsdnews.ucsd.edu

 

教授が、来学期から始まる自分のオンラインクラスについて、学生に質問します。

教授:「みんなは、オンラインのクラスってどう思う?」

学生A: 「便利だとは思うけど、僕には向いてません。」

学生B: 「私も。」

学生C: 「出張で家にいないときがあるから、オンラインが良かった。」

 

などなど、様々な意見が飛び交います。

 

ここ数年のアメリカ大学におけるオンラインコースの飛躍は目覚しいものがあります。オンラインでMBA、オンラインでナース、オンラインで教師・・・・などなど、ライブ授業に参加することなく、単位や資格、学位まで取得できるのです。

私がコミカレに通い始めた2003年には、一番大きな学部である英語学部や数学部でも一学期に2, 3クラスしかなかったオンラインコースですが、10年後の現在では40%ほどがオンラインになりました。プログラミングなど、パソコンベースのクラスなんかは80%以上がオンラインかもしれません。

 

ここでライブクラスとオンラインクラスになじみのない方にちょっと説明します。

ライブクラスは、従来の、決まった場所と時間に講義を受けるというコース。

「月・水の朝9時半~11時に教室203で」みたいに、曜日・時間・講義室などが決まっています。

オンラインクラスは、そのような物理的な時間や場所はなく、教授が用意したオンラインの講義などを見て、教授の決めた曜日ごとの宿題やテストを提出期限までに出すことで講義を受けます。

交通手段やライフスタイルなどに左右されないことや、インターネットが普及したおかげで、オンラインコースの需要は年々高まっています。今では、ここサンディエゴの街中で「サウスダコタ大学のMBA取得」とか「MITのエンジニア学位取得」という看板も目にするようになりました。

この2つがミックスした、ハイブリッドなんて呼ばれるクラスもあります。講義はオンラインで受けて、テストだけは決まった時間に講義室で3回受ける、なんていうクラスです。

こうやって物理的な壁を乗り越えて、高等教育が広がることは素晴らしいことだとは思いますが、オンラインコースの好き嫌いは、やはり人それぞれのようです。

 

私自身は、学生時代はすべてライブクラスでした。

というのも、本来(超がつく)怠け者な性格の私にはオンラインのクラスは向いていないと悟ったからです。笑

「いついつにどこどこで授業」というコミットメントがないと、どうも勉強はできないようで、社会人になってとったプログラミングのオンラインコースは、内容的には簡単だったもののグレードはC。自分に甘かった結果でした。

 

そんなわけで、今回も仕事後に自分を奮い立たせて、3時間でも講義を聞くライブ授業にサインアップしました。

自分で勉強時間を作らなければいけないオンラインコースに比べて、「火曜の夜は学校です!」と決めてしまうことで、自分にも家族にも仕事にも、メリハリをつけられるのです。

 

今回、私のとっている授業にやってくる学生のほとんどは、同じように昼間は仕事をしているという人たち。年代も近く、会社内でのポジションも若手中堅という似たような位置にいます。

黒いハイヒールにミスマッチな巨大バックパックを背負ったジャクリーンは、この授業が終わったらCPA試験を受けます。

毎回、ワイシャツで疲れた顔のライアンは旅行代理店の会計士で、良い質問をしては教授と盛り上がっています。

音楽系のNPOで働くデレックは、出張でクラスを欠席しながらも良い成績をキープ。

CMA試験を受けるマットは、他に2クラスを受講しているフルタイム学生。昼間はアルバイトをしながら勉強しています。

こうやって異なる経験を持ち合わせながらも、同じ目的を持ち、同じ講義を聞き、同じ問題に苦しみ、伸ばしあっていけるのはやはりライブクラスだからこそ。お互いに刺激し合い、目標を持って一日一日積み上げていく経験は、いったん社会人になってしまうと、とても貴重です。

 

アメリカに来て10年ちょっと、年功序列という文化のないこの国で、私は年齢に関係なく様々な人たちとつき合う機会に恵まれてきました。様々な年代の人と分け隔てなくつき合える状況になると、なんでも話せる友人が同年代とは限りません。

私の旦那も、親しい友人たちも私より年上の人が多く、彼ら・彼女たちに囲まれていると、常に上を見ていられるので向上心がなくならない反面、自分の未熟さに焦る気持ちがあるのも事実です。

 

そんな中で、同年代のクラスメイトと時間を過ごし、似たような悩みを共有していると、

「日本にいたら、同期と過ごすのってこんな感じなのかなぁ・・・。」

と、高校まで同年代と過ごした日本が懐かしいような、切ないような感覚に気づきました。

 

「やっぱりライブ授業にしてよかったな。」

 

教授のベテランCPAとしての個人的な体験や、同級生たちのモチベーション、共感できる失敗談や教訓、各業界のちょっとした裏情報なんかを聞けるたびにそう思います。

同時に、自分だけでなく、クラスメイトたちの成功も応援したくなるのです。

 

子供たちが寝た後、キッチンのダイニングテーブルで宿題に向かう夜9時過ぎ。

「あぁ、きっとみんなも勉強してるのかな。」

なんて想像しながら、もう一問やっておこう、とがんばれるのです。

 

 

 次回:働くママ、学校に行く(3)

働くママ、学校に行く (2)” への2件のフィードバック

  1. 情報ありがとうございます!すごく臨場感溢れる記事で雰囲気が伝わってきました。
    会社や学校に関しての考え方は、やはり日本とアメリカは違いがありますね。
    人生、学生以降の方が何十年もあるので、社会人になってからも、学び成長し充実できたほうがいいなぁって改めて思いました。。。

  2. aya*さん、コメントありがとうございます!

    そうですね、勉強するということが、若い人だけの特権じゃないのはアメリカの素晴らしいところですね。必要に応じてその都度、知識をプラスしていける環境は整っているし、これからもオンラインクラスのおかげでますます充実していくと思います。

    教科だけじゃなくて、こうやって他の業種の社会人たちと出会えるのも、仕事だけしてたらなかなかないですしね。

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