サンディエゴ大停電のあとで

(AP Photo/Denis Poroy

サンディエゴの歴史上、最大の大停電から一日が経ちました。夜中にほとんど全ての電気が復旧し、今日は平常通りに仕事に向かった人が多かったようです。

この大停電は、大きな被害や事故もなく、私たちに色々な課題を残していってくれた気がします。昨日は私の個人的なことを書きましたが、忘れないうちに、今回の停電について、ニュースや人から得た情報をまとめておきたいと思います。

昨日の停電中の状況はこちらの記事から。

 

 

停電の原因について

これははっきりとは言われていませんが、どうやらアリゾナの電気会社 The Arizona Public Services Co.の作業員が、メンテナンス作業を行っていたところ、人為的なミステイクをしてしまい、電力がシャットダウン。このシャットダウンのおかげで、サンディエゴから少し北のサンオノフレ(San Onofre)原発からの電力もシャットダウン。東方向と北方向から入ってくるはずの電力が、全く入ってこなくなったことで、サンディエゴカウンティは全域で停電になりました。

そもそも、どうしてアリゾナでのミステイクがサンディエゴで停電につながるのか?その答えは、”grid”(編み目状)の電力供給システムにあるようです。電力供給システムをシンプルな直線関係でつなげず、編み目のように複雑にしたこと、それに加えて電力の需要が大きいサンディエゴで影響が出たのではないか?と言われています。つまり、大停電を起こす、いくつかの要因はすでに用意されていたわけです。

しかし、サンオノフレ原発からの電力がどうして同時にシャットダウンしてしまったのか、というのはまだ未解決のようですが、これもgridシステムのために、何かよくない影響を受けてしまったのでしょう。

原因についてはサンディエゴの電気会社 SDG&E (San Diego Gas & Electric)も一生懸命に解明しようとしていて、記者会見でかなりわかりやすく説明していると思います。私はまったくの電気の素人ですが、ラジオで聞いていて、かなりわかりやすく、安心しました。

 

停電中の一般市民の対応について

私個人が目にしたものには限りがありますが、ニュースや人から聞いた話によると、サンディエゴはそれほどパニックにならなかったように見えます。

・コンビニでは、ぬるくなっちゃうからビールが半額になって、みんなビール片手に渋滞の道路を運転しながら2、3時間かけて家に帰った。「とりあえず・・・ビールでも飲んでおくか。」とかそういうノリらしい。

・レジの会計も適当で、「あ〜、それは5ドルでいいよ」とかそんな感じだった。もちろん四捨五入しまくり。

・アイスクリームなどの冷蔵や冷凍が必要な食べ物は、無料で道行く人に配られた。コールドストーンの近所に住んでる人はかなりラッキー。

・自家発電のあったメキシカンレストランは、食べ物を買ったお客さんにテレビを見てもらった。商売も繁盛。

・ラジオで、ホテルに滞在している観光客のために、食べ物を持ってきて〜とメッセージを送っていた。

・一人でホテルの部屋にいるのも何だから、ホテルのプールサイドに集まって知らない人同士でごはんを食べた。レストランは使えないので、みんなで外でバーベキュー。

アメリカっぽいですね。楽観主義というか、なんというか。”Just relax…”なんて言葉が聞こえてきそうなエピソードばかり。私もかなり楽観主義ですが、アメリカ人に「君はマジメすぎる!」って言われる原因がわかった気がする・・・。

まぁ確かに、焦っても車は進まないし、ビールはぬるくなるし、テレビもエアコンも点かないし。とりあえず酒でも飲んで、お隣さんと楽しく過ごそうかな、と思った人がとてもたくさんいたようですね。カリフォルニアだからかなぁ?

 

Emergency Management(危機管理)について

日本は防災、つまり災害を事前に防ぐことや、事態を最小限にとどめるためにエネルギーを費やす文化です。Beforeですね。

アメリカは逆で、緊急事態が起こった後に、事態を収束するためにエネルギーを注ぐ文化です。つまりAfter。

日本は小学校からの避難訓練にあるように、防止、防災、そういう意識が小さい頃から備わっています。「これが起こったら、こうする」、そういう心の準備があるので、東北地震の時にも大きなパニックは起こらなかった。規模の問題ではなく、「こういうことは起こりうることだ」と教わってきたからです。

アメリカには、そういう意識は(たぶんあまり)ありません。「とりあえず起こってから考えよう。何とかしよう」と考えます。なので、多くの人の中で、緊急時に対する心の準備ができていない。(季節ごとのハリケーンとか山火事は別。)だけど、対処は速く、それに費やすエネルギーや資金も大きい。

これは文化、考え方の違いであり、どちらがよいとも悪いとも私は言えないと思いますし、もちろん例外の人間だっています。両方備わってるのがベストですが・・・。

ただ、日本の東北大震災後の、政府の対応と、それに対する日本国民のフラストレーションから見ると、アメリカ(サンディエゴかな)の対応の速さに、今回、私は感動することになりました。

警察は至る所で、作動していない信号機の代わりに交差点の真ん中で誘導している。(もちろんこういう緊急事態中の交通違反は、罰金が数倍になったりするので注意)

会社はあきらめもよく(?)仕事を終了させて、社員を家に帰らせる。(これは単純に、みんな家に帰りたいだけかも)

そして驚いたのが、学校。サンディエゴカウンティ(カウンティは郡ですね)内の市教育委員会(school district)は、夜9時に、次の日の学校閉鎖を決定。公立の小学校から高校まで、全てが休校になりました。それに続いて大学やほとんどの私立校も休校を決定。彼らの意思決定の速さ(ちょっとフライング気味だったと私は思うけど)にはとてもびっくりでした。

 

もちろん東北の地震の被害と、今回のサンディエゴでの停電を比べるわけにはいきません。だけど、「緊急事態」に陥った場合の人々やローカル政府の対処の仕方、それがとてもはっきり見えることになりました。

次回は、アメリカでの「責任問題」とそれに対する取り組み方について書こうと思います。きっと、原因となった作業員とシステムについても、数日中にもう少し情報が入ってくるはずだと思うので。

 

アメリカの責任問題についてはこちらの記事で。

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