続「行ってから踏ん張んべ」(13)

金髪女子・キキからの突然のお誘いに少々ビビりながら、これは会話を成立させなくてはいけない気がする。

 

俺「何時頃の話?」

(“What time are you thinking?”)

キ「うーん、八時とか九時頃にみんな集まると思うけど…」

(“hmmm, I’d say everybody will be there by eight or nine.”)

 

あ、いきなり二人きりではないか、やはし…

 

俺「オケオケ。」

(“Got it got it.”)

キ「マイクとか、ルイスとか、音楽関係のコばっかだから、みんな知ってると思うよ。」

(“I’m sure Mike will be there, Louis will be there, and other guys coming to that are all musicians. I bet you know them all.”)

俺「オケオケ。」

(“Cool.”)

キ「てかさ、今ちょっと飲み物を買いに行くけど、一緒に来ない?」

(“Oh hey, do you feel like grabbing something to drink with me for a sec?”)

 

つくづく積極的な展開に冷や汗しながら、固く返答。

 

俺「あ、はい。」

(“Ah yes.”)

キ「よーし、レッツゴー!」

(“All right, let’s go!”)

 

笑顔で手を引かれ、そのまま彼女の「おじいちゃんからカレッジ入学祝いに貰ったの(“Grandpa gave me this truck as my graduation gift.”)」という、とても年季の入ったトラック(以下、そのトラックと超そっくりなイメージ写真)に乗り込む。

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(Photo courtesy of dunphymall.com)

 

英語での会話はまだ基本的に緊張するのに、突然金髪女子の二人っきりという「なんか話さなきゃいかんのではないか」というこの極度の緊張感。

 

でも、運転席で鼻歌フンフン刻みながら、少し小躍りしている陽気な彼女の横で、(空調なんてない)トラックの車窓から手をブラ下げ、眩しい夕日に向かって走る。もともと乾燥しているアメリカの空気が、少し涼しくなったかな、とか一人思いながら窓の外に目を向ける。

downtown+twin+falls

(Photo courtesy of media.kmvt.com)

なんか、もろアメリカだな、この感じ。

少し嬉くなり、ニヤけながらキキのほう向くと、少し笑顔になりながら彼女が聞いてくる。

 

キ「なんで、アメリカ来たの?てか、なんで、アイダホなの?」

(“…so why America, why Idaho, if you don’t mind me asking?”)

たぶん、あのままシアトルいたら、こんな風にアメリカ人の女の子と二人で夕方の田舎道をヴィンテージのトラックで走りながら、飲み物の買出しに出かけるなんてなかっただろうな、なんて頭に過ぎりながら一言。

 

俺「英語うまく話せるようになりたかったから。」

(“ I just wanted to learn and speak English.”)

キ「えーじゃー私も、そしたら日本語話せるようになるー。」

(“oh cool, I wanna learn Japanese, too, then.”)

俺「なんだ、じゃ、ちょうど良いじゃん。」

(“Ah that’s perfect.”)

 

買出しと行っても、キャンパスから車を走らせて少しのガソリンスタンドで軽く何かを買って持ち帰るか、ファーストフード店でバケツのようなサイズのジュース買うだけなのだが、こうやって(面倒臭がらず)顔を出すことは大切だな、とふと思う。

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(Courtesy of bp.blogspot.com)

キャンパスに戻って、彼女はバイト、俺は練習に戻る。

 

キ「じゃ、またね。金曜夜ね。」

(“OK then, I see you later. Definitely Friday night, right?”)

俺「連れてってくれて…てか、声かけてくれて、ありがと。」

(“Thanks so much for taking me out to… actually thank you for stopping by to say hi.”)

キ「あと次から、日本語と英語を教え合うの、やるからね。」

(“Yeah. Oh and next time we’ll have that language tutor session. Got it?”)

 

ニコニコ笑顔が途絶えないキキに、少し笑いしながら手を振ると…

 

キ「あ、ギブ・ミー・ア・ハグ。」

(”Give me a hug.”)

 

それまでも他の人に何度かさせられてた(?)ハグ。

ぎこちなく手と腕を絡めると、あちらはギュッとくる。

なるほど、通常はこうするものなのか…

アイダホ、マジ来てよかったっす。 

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