青い州、赤い州(後編)

こんにちは、Erinaです。

前回の記事では、あるニュースをきっかけに、アメリカ国内でも考え方の違いがとても明らかなことがあるというお話をしました。

今回は、それがどういうものなのか、書いてみたいと思います。

 

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各州が、リベラル(つまりデモクラ系)か、コンサーバティブ(つまりリパブリカン系)かと言うのは、”Blue State”または”Red State”とも呼ばれます。

 

Blueはデモクラ(民主党)を象徴する色であり、“Blue State”はリベラルな州

Redはリパブリカン(共和党)を象徴する色であり、“Red State”はコンサバな州

 

という意味です。

 

時代や選挙時期によって変わる州もあるのですが、一般的に言うと、こんな感じ。

  • 西海岸(カリフォルニア・オレゴン・ワシントン):
  • 東海岸北部(ニューヨークとかあっちのほう):
  • 五大湖周辺(ウィスコンシンとかシカゴとか):
  • 残り:(アリゾナ・テキサスなんて真っ赤!!っていうイメージ・・・)

 

Wikipediaに、過去4回の大統領選挙で、デモクラとリパブリカンのどちらが勝ったのかを示す地図があったので、見てみましょう。

  • 4回すべてがリパブリカンだと
  • 4回中3回がリパブリカンだとピンク
  • 2回リパブリカン・2回デモクラだと
  • 4回中3回がデモクラだと水色
  • 4回すべてがデモクラだと

という色分けです。

From wikipedia
From wikipedia

 

やはり沿岸部と、真ん中に取り残されたネバダ(左の紫)、コロラド(真ん中の紫)、ニューメキシコ(その下の水色)を除いては、アメリカの中心部はRed Statesばかり。

カリフォルニアとアリゾナはお隣同士ですが、こういう見方をすると天と地くらい違います。日本でも「県民性」なんてものがありますが、それをもっともっと顕著にして、政治とか法律に現れるくらいにまで、とイメージしてみてください。

 

 

 

ではでは、「リベラル」と「コンサーバティブ」はどんな違いがあるのでしょうか。

 

「リベラル」と聞くと、みなさんはどんなイメージがありますか?

 

自由

何でもアリ

ちょっとヒッピー系

後期のビートルズみたいな感じ・・・?笑

 

まぁそんな感じでしょうか?

しかし実際は、アメリカの「コンサーバティブ」に対してリベラルという意味であり、「何でもアリ」とは違います。

 

なのでまずはコンサーバティブ、つまり「アメリカの保守派」とはどういう考え方なのかを知る必要がありますので、ちょっと見てみましょう。

 

コンサーバティブ(保守派)は、「アメリカの建国時代の思想に戻る」ということを念頭においています。

つまり、Founding Fathers(アメリカ合衆国建国の父:トーマス・ジェファソンとか、ベンジャミン・フランクリンとか・・・ドル紙幣に載ってる人たちです)が、アメリカを立ち上げたときにもっていた思想、文化などを保持するべきだという考え方です。

ここではアメリカ史に深く突っ込みませんが、それらはキリスト教に深く基づき、銃器保持の自由があり、伝統を保持するというものです。

 

有名な独立宣言にサインするシーン (From wikipedia.org)
有名な独立宣言にサインするシーン (From wikipedia.org)

 

なので、コンサーバティブな人は、

  • 白人
  • キリスト教徒(ここから同性愛の禁止、中絶の禁止などが支持される)
  • 銃器保持者

というグループに多く支持されるわけです。

また、伝統を保持するということはつまり、「個人の裁量に任せる」ということ。経済成長には欠かせない自由競争や資本主義、アメリカの実力主義という考えは、ここからやってきました。

 

これに対して、リベラル思想は生まれました。

当初はヨーロッパからやってきた白人かつキリスト教徒が占めていたアメリカ合衆国でしたが、他の地域からの移民が増え、国内で多様性が広まっていきます。

宗教だけでなく、文化、思想など、新しいものが現れてくるわけです。

それを受け入れ、どんな人間であれ、平等な機会(=法律)を作り、政治と宗教を分離すべきだ、というのがリベラルな思想です。

 

アメリカ市民権を得る上で宣誓する人たち from cnn.com
アメリカ市民権を得る上で宣誓する人たち from cnn.com

 

なので、リベラルな人は、

  • 非白人
  • 非キリスト教

というグループに多く支持されています。

地理的に見ても、西海岸などの沿岸部は移民が多いわけですから、やはり多様性が生まれます。五大湖周辺でもそうですよね。

つまり、移民が多い=都会は、リベラルになる傾向があり、田舎に行けば行くほどコンサバな人が多いというのがだいたいの傾向です。かといって、「コンサバ=田舎」というわけではない(必要充分条件ではない)ので注意です。

 

また、東海岸側では、北部がリベラル、南部がコンサーバティブというのは、アメリカの歴史的事実にも現れています。英語ではCivil Warと呼ばれる、南北戦争。中学か高校でやったの、覚えてますか?

第16代大統領エイブラハム・リンカーンは、南部で盛んだった「奴隷制度」を批判し、解放するように働きかけました。彼は北部のユニオン(日本の労働組合で、リベラル)を代表していました。(もとはイリノイ州から選出された人)

 

この時代、アメリカ南部(ルイジアナ~ジョージア・テネシー・ケンタッキーとかその辺)では、コットン(綿)やタバコなどの農作物が作られていましたが、それはアフリカから強制連行された奴隷による労働がメインでした。

北部のリベラルはこれを批判し、奴隷たちの人権を守り、解放することを伝えましたが(奴隷を解放しなさい!)、南部のコンサーバティブたちはこれに反発。(うちのやり方にいちゃもんつけんじゃね~!)

こうやって起こったのがCivil Warです。

つまりこういう歴史的背景もあり、地理的に思想の違いがあります。

 

 

 

☆ここで銃器保持について補充☆

私の中で、「どうしてリベラルは銃器保持に反対なのか?」というのがなかなかわからなかったのですが、ちょっとリサーチをしてみました。

そもそも、「銃器保持の権利」というものはアメリカ合衆国憲法のSecond Amendment(改正第2条)に書いてあります。

 

A well regulated Militia, being necessary to the security of a free State, the right of the people to keep and bear Arms, shall not be infringed.

 

(訳そうと思いましたが、解釈手段がたくさんあるのでやめました。本文を読み取ってください・・・。)

 

「個人が銃器を持つ権利がある」と主張するコンサーバティブは、”the right of the people to keep and bear Arms”という部分に注目している気がします。

逆に、「銃器は国を守る人だけが必要に応じて持つべき」と主張するリベラルは、”A well regulated Militia, being necessary to the security of a free State”の部分に注目しています。

 

う~ん・・・・難しいですねぇ。もっと具体的に書いてくれよ・・・と思いますが、まぁ1700年代ですからねぇ。

 

 

 

そんなわけで、最初の子供が置き去りにされた事件に戻ると・・・・・(う~ん、戻れるかなぁ・・・不安)

 

カリフォルニアなどのリベラルな州では、一般的に、刑が重いし、法律も厳しい。

これは、州民の命と安全は、政府(法律)によって守られるべき、というのがリベラルな視点であり、伝統的には裁かれなかった(または刑が軽かった)ものを、一人の人間の命として計るから。

子供だろうと、大人だろうと、ナニジンだろうと、悪いものは悪い!と裁くんですね。

 

だから、コンサバな人から見たら、カリフォルニアなんかは「ちっ!いちいちうるせーな~」って感じかもしれません。(なぜか今日は不良風)

カリフォルニアで有罪になったら、大変ですよ。ってなったことはないのでわかりませんが、ニュースから推測するに。

もちろん、その州に住む人が全員リベラルだとかコンサーバティブというわけではありません。当然のことですね。

ただ、それぞれの州の世論(つまり大多数)が政治や法律に反映されると、同じ国の中で、こういう違いも生まれてくるんだなぁという考察です。

 

 

どうか、このジョージアの父親がガッツリと裁かれ、おなじ悲劇が繰り返されませんように。

 

 

追記:2014年7月現在、子供を車に置き去りにすることは違法であるのは、アメリカ50州のうち19州のみだそう。う~ん・・・。

 

 

みなさんの州はどうですか?

 

青い州、赤い州(後編)” への6件のフィードバック

  1. おお、とても勉強になりました。夫が凄いPoliticsの話が好きなのですが、こうやって書いてもらえると分かりやすいです。私は長く日本に居たので日本でしっかり育った日本人の目線でアメリカを見てしまう+選挙権もないので夫に政治ネタを吹っかけられるとほぼ口論で終わります(w)
    アメリカの方がずっと日本より政治に興味がある人が多いと思います。それも愛国心から来ているんでしょうか?引っ越しの話になる時、その州はリベラルかコンサバかで決めたいみたいな事も聞きますよね。

    日本は投票に行かない人が多すぎます。政府/政治自体が遠い所で行われている+政府内だけの利点の為に政治がおこなわれているイメージが強いので「私の一票がどうなる?」と言う気持ちになるのかな~。(私はここからでも投票してますけど。。)

    せっかくアメリカに居るのだから政治にも少し興味を持ってみようと思います。。

  2. Erikoさん、コメントどうもです!
    旦那さんも好きなんですね!うちもです。笑

    政治の話が好きな人は本当に多いですよね。愛国心もあるでしょうけど、やっぱり自分が生きているシステムを理解するってことは、大人として当たり前っていう感覚が強いと思います。法律とかと一緒の感覚でしょうか。
    しかも、アメリカの政治って、日本に比べて動きが速い。変化が目に見えてわかるし、一般市民への影響もすごく直接的で、面白いんですよね。

    日本は何をやるにも時間がかかりすぎだから、見ていて飽きちゃうし、途中でわからなくなっちゃうんですよ。そうなるともう全然、「国民のもの」じゃないですよね。

    うちはけっこう普通に夫婦の会話が政治だったりしますね。
    全てが同じ意見ではありませんが、二人とも妙に偏ってるわけでもないので、どのトピックをとっても、「まぁ、こんなもんよね」で終わりますけど。

  3. Hello! I am reading your blog with Google translate. It’s fascinating to see a Japanese person’s perception of America.

    Not all liberals however are non-white. I am white and a liberal. But I am “open minded.” Are there any questions you might have for me? Are you still at UCLA or is this blog old?

    I assume since you are studying at UCLA you speak English well. But just in case don’t and where only here for a short time…I am including the Japanese Google Translate of my response. (it doesn’t seem to be very good however, at translating from Japanese to English…I wonder if it’s any good the other way around lol)

    こんにちは!私は、Googleが翻訳であなたのブログを読んでいます。それはアメリカの日本人の認識を見て魅力的です。

    すべてのリベラル派は、しかし非白人わけではありません。私は白だと自由主義。しかし、私は「オープンマインド。「AMあなたは私のために持っている可能性のある質問がありますか?あなたはUCLAで残っているか、このブログは古い?

    私はあなたが英語を上手に話すUCLAで勉強しているので、想定しています。しかし、念のためではない、どこここだけ短い時間…私は日本のGoogleが私の応答の翻訳を含めていない。 (それはLOL逆にどんな良いことだかどう日本語から英語への翻訳で…私は疑問に思う、しかし、非常に良いではないようです)

  4. Hi Jocelyn,
    Thank you for your comment! It’s first time I received a comment from English speakers on my article, and it’s very exciting!

    Yes, of course this is not the absolute rule of liberalism and conservatism. This is to give the idea of “majority” in American society. I have people who are white and also very liberal, but speaking of the entire country, I know it’s not very popular.

    This blog is contributed by several Japanese bloggers all around US, Canada, and from Germany, to provide real-life perspective of Japanese immigrants in those countries. I believe one blogger wrote about spending a summer in UCLA dorm a while ago, but everybody has different visa status – students, engineer, translator, in education, researcher, house wives, and so on.

    I’m very happy to hear you enjoyed our blog. Please come visit again!

  5. アメリカの政治は、今後の十年間に大きな変革を遂げますよ。水面下では、支持基盤の基本を大きく変える大変動が着々と進行しています。それは、世代の交代とデモグラフィーの変化です。ヒスパニックの増加は、国境沿いの州を数年で青い州に変えると思われています。あのテキサスでさえ十年後には青い州になっている可能性が濃厚。そして、中西部では保守化が進行しています。オハイオやウィスコンシンは、すぐに赤い州に変わりそうです。

    若い世代には、民主党が有利。これもこの数年間に加速します。女性の共和党離れも加速しています。

    共和党は今年の総選挙と、二年後の大統領選が、最後のチャンスかもしれません。従って、彼らは今必死になっています。特に、大統領選は支持基盤の衰退を遅らせるのと、恒久的な影響を最高裁判事に残す為の最重要項目です。もし、大統領選に負けたら、衰退は一気に加速するでしょう。オバマのチグハグ政策と、民主党の次のリーダーの欠如が共和党に最大のチャンスを与えています。

    ここ数年のアメリカの選挙は面白いですよ。

  6. 直さん、コメントありがとうございます。

    私も直さんのおっしゃること、ずっと思ってました。テキサスがブルーに、オハイオ/ウィスコンシンがレッドにというのは知りませんでしたが、テキサスは最近、新しいビジネス(バイオ医療/IT)が続々と移転してますから、若い世代がどんどん増えてるみたいですね。だからブルーになるのは納得。
    最近の移民ニュースも見てますか?これをきっかけに、オバマ大統領がどう動くのか見物です。時間もそろそろなくなってきましたしね。

    本当、共和党はかなり強い候補者を持ってこない限り、これからかなり厳しいですね。次に誰を立てるのか、これも見物だと思ってます。

    どっちの党にしろ、次の大統領は女性かも・・・・というのが私の予想ですが、誰か良い候補者いないかなぁ。

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