たかが英語、されど英語 

385496_263212267124576_487214397_nアメ10読者の皆様こんにちは、KAZでございます。

アメリカに来て早や、まる3年が経とうとしております。
マクドナルドの無愛想な黒人や、
トイレの個室の下が丸見えな事にはもうスッカリ慣れたのですが、
いまだに、英語にシックハックしております。

ボク自身、それまで海外留学の経験など全くなく、
アメリカ人と英語でコミュニケーションがとれる自信などなかったのですが、
「まぁ、アメリカ行けばなんとかなるんちゃう。」
みたいな軽い気持ちでした。

しかし実際、アメリカで生活を始めてみると、
買い物でレジのおねいさんに話しかけられても、
なにを言っているかさっぱり分からず、
作り笑顔でヤーヤーしか言うことができない自分がいました。

またカフェに行っても「Can I get a cafe latte?」が通じず、
バーにいっても「Boulevard wheat」が通じず、
さすがにこれではやばいと思いました。

実は、研究の話ならわりとスムーズにできるんです。
生命科学を研究している人は皆、自分の研究に必要な英語論文を読んだり、
また自分の論文を英語で書いたりしていますので、
専門的な語彙や慣用句に限り、頭の中に入っているんです。

問題は日常会話。

 

アメリカに来る前にある先生に言われたことは、

「横文字は横になって学ぶものだ。」

この言葉の真意は、英語はリラックスして学ぶものである、ということだったようですが(後になって友達の指摘によって気付いた)、ボクは別の意味で理解してしまったので、アメリカでブロンドの彼女を作ろう!!と、意気揚々でした。

考えが甘かった・・・

英語の喋れない日本人男性に振り向いてくれるアメリカ人女性など、いるはずもありません。
(ゲイには好かれましたが)
なので、邪念は捨て、普通に英語を勉強することにしました。

しかしボクは学生としてアメリカに来た訳ではないので、学校の授業で英語を勉強することができません。

さらに、一日中実験をやっているので、
研究室内でさえ他の同僚と話をすることなどはなく、
普段の生活で英語に触れる機会は(論文を読むこと以外で)本当に少ないです。

ボクが想像していたアメリカ的な月曜の朝とは、

「おはようボブ、週末はどうだった?」
「あぁ、友達のバースデーパーリーでケリーが酔っぱらっちゃって大変だったよ」

みたいな会話がなされると思っていて(あくまで想像)、
こういうので英語になれていくんだなぁと思っていました。
ところが研究室っていうのは、そういうのがまったくなし。
朝、実験室に着くなり週末の出来事をしゃべる間もなく
実験にとっかかります。
(みんな早く帰りたいからなんでしょうけど。)

なもんで、研究室での会話といえばもっぱら
週一回行われる研究室ミーティングのみ。
さっきも書きましたけど、研究の話なら(わりと)大丈夫なんです。

ほかにアメリカでポスドクをやっている日本人の友人に話を聞くと、
学生向けのESLクラスに参加させて貰ったりしているとのこと。
しかし、ボクの職場はメインキャンパスとは違う場所にあるので、
そういうのがありません。
なので、大学外でESLをやっているところはないかとインターネットで調べてみると、
近くのコミュニティカレッジでESLのクラスがあるということが分かったのですが、
なぜか、「グリーンカード保持者に限る」と書かれており、ダメ。

次に見つけたのが、Don Boscoというところが移民者向けに英会話レッスンをやってくれるとのこと。しかもタダ。
さっそくカウンセリングの予約を取り、オフィスに向かいました。
そこでボクは、
「英語の読み書きはわりと大丈夫なんだけど、ヒアリング&スピーキングがダメなんです。」
と説明したところ、ペーパーテストを受けることになりました。
どんな問題かというと、衣類のタグの図が書いてあり、
「この服はドライクリーニングしても大丈夫か?」
みたいな問題が50問。
簡単すぎる・・・

で、採点してもらったところ、50問中48問正解。
「今までうちに来たヤツの中で満点に近い点数と取ったのはユーが2人目だよ。」
いや、最初に言ったと思うけど、リーディングは全然大丈夫なんです。
ヒアリングとスピーキングがダメなんですって説明したのに、

「ここはユーのような賢い人間が来る場所じゃない。
どうしても来たいっていうんなら来ても良いけど、
それはユーにとっては時間の無駄だよ。
ここで英語を勉強したいっていうヤツは他にいっぱいいるんだ。」

と、遠回しに断られてしまいました。
その後、大学のInternational officeが期間限定的にvocabularyのクラスを開いているというの教えてもらい、参加してみましたが、あくまで中学生の頃に習ったようなvocabularyの勉強で、ボクが必要としているものではありませんでした。
「ボクは英語のコミュニケーション能力を身につけたいんだよぉぉぉぉ」
と、International officeのスタッフに相談したところ、
「conversation partner program」というのを紹介してくれました。
大学で働く教職員や学生がボランティアーとなって、
留学生向けに会話の相手になってくれるのです。

これを始めて約2年ですが、おかげで最近ではけっこう喋れるようになってきました。

さらに、International officeのスタッフに、
ボクはアメリカでFaculty jobをゲットしたいんだ!!
と常々アピールしていたら、

「それならユーは発音をもうちょとしっかりやった方が良いわね。
その英語じゃぁ、あなたの授業を受ける学生がかわいそうよ。
特別に個人レッスンやったげるから水曜日の10時にオフィスにいらっしゃい。」

と言ってくれたのです。
そこで週に一回、特にRとL、MとNで終わる単語の違い等々、発音の特訓を受けています。
30年以上にわたって身体に染みついたカタカナ英語はなかなか抜けません。

多くの日本人留学研究者のように、2-3年で日本に帰るのであればそれほど英語の能力は気にしなくて良いと思うのですが、やはりボクは将来的にアメリカでラボを持ちたいと思っているので、研究と同じぐらい英語も頑張らなければいけません。

もちろん、ネィティブレベルになろうとは思っていませんが、
少なくともjob interviewがパスできるレベルにないと、夢は叶いません。
アメリカに来る前、ある先生に言われたのが、

「おかだくん、外国に行ったからといって
すぐに英語がぺらぺらになると思っちゃぁいかんよ。
まず、英語の聞き取りに慣れるのに1年。
英語を発することができるようになるのに1年。
3年目になって、やっとアメリカ人と対等にディスカッションができるようになるんだ。」

・・・3年経ちましたが、全くそのレベルに達していません。
もっと積極的に英語に慣れていかなくてはと思っています。

なかには、「別に英語なんて喋れる必要なんてないよ。論文の数(すなわち業績)さえあれば良いんだ。」
なんて言う人もいますが、それは違うと思います。

これだけ、科学が進歩してきた昨今では、一報論文を書くだけでも沢山の手法を使った研究が求められます。もちろん、自分がやったことのない実験を要求されます。
そんなとき、外部の研究者とコミュニケーションがとれないと、共同研究をすることすら不可能なのです。
なので、やはり英語はとても大切なのです。

でも、それ以上に、いろんな国の人とそれぞれの文化や習慣などを英語でディスカッションしたい!!というのが一番なんですけどね。

 

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6 comments on “たかが英語、されど英語 ”

  1. KAZさん
    はじめまして、イサオです。
    去年アメ10を見つけていつもチェックしています。
    僕もアメリカは8年いるんですが、英語が全然だめですね。
    もうほとんどあきらめていたんですが、最近就職活動を始めて
    やっぱりもう一度がんばろうと思い練習しています。

    やっぱり自分でいろいろ行動したほうがいいですね。あと常に自分の夢(やりたいこと)
    をアピールするのはいいことですね。特にアメリカでは。

    お互い頑張りましょう。
    ちなみに僕も福山出身なんです。

  2. KAZさん、なるほど。。。英語のレベル、日常会話と研究論文、のギャップに悩むポスドクの姿がありありと受け取れました。(あ、笑っちゃあいけませんね。失礼) 研究で時間がないというのが大変ですね。会話は結局は慣れなので、話す+聞くの総時間数が多ければ多いほどこなれていくと思います。ディベートのクラブとかに入るのはどうですかね?ELSの発音のプロからプライベートレッスンを受けて、徹底的に違うカタカナとちがう発音を頭に入れるのもいいかも。お気に入りの映画を丸々暗記してしまう、ってのもやったことあります。英語のみ話す人たちのグループに入ってボランティアとかで定期的に時間を過ごし、英語を話すのもいいでしょうね。。。まあ、お忙しいので大変でしょうが。。。わたしもティーンエージャーとの早口独特会話には緊張しますし、日本語でぴったり来る言葉があるのに英語では見つからないこともあり、いらいらしますし、何年こちらに住んでもESLの苦労は続きますね。

  3. KAZさんと同じように私も自分の専門なら何とかなるのですが、その他は一向にダメです。今、大学でオンラインの学生をしていますが、日本のクラスの受け方とは全く違うので、毎日課題が出るたびに四苦八苦しています。これでもかというくらい書かせられる。。。。けど、書けない。。。それも日本語で書いて英語に直して書いて行くととんでもない英語になったり、校正する主人をうならせたり。。。息子は遠慮なく、「英語ではこういう書き方しないんだよ!」と冷たく言い放つ。。。(涙)これじゃいかんと、英語で書き始めると、文章がみんな短い?接続詞?関係代名詞?みんなどうやって文をつないでいるの?状態です。
    英語の会話も私はほとんど家にいて、あまり人と交わる事がないのでそれも原因ですね。自分でもわかっているのですが。ESLのクラスでもKAZさんと同じ経験です。私も今後は今取っているコースのボランティアでも始めようと思っています。もう若くはないので、乏しい思考力と消え行く記憶力との戦いです。お互い頑張りましょう。(主人はアメリカ人ですが、なぜか日本語での会話が多く、あなたの性よ、と自分の英語力のなさを人になすりつける私です)

  4. イサオさん、はじめまして。
    同じ福山出身だなんて感激です。
    ボクの日本人の友達は、
    しばらくアメリカで暮らしていると、
    ある時期に英語の低迷期が来て、
    それ以上は上達しなくなるといっていました。
    日常生活をする上で十分なレベルになると、
    知っているvocabularyだけで話そうとするので、
    それ以上努力しなくなるんだそうです。
    しかしvocabularyはあったほうが
    微妙なニュアンスを表現したいときに必要ですよね・・・?

    頑張ります。

  5. Mikaさん
    いろいろサジェスチョンありがとうございます。
    ボランティアには参加しているのですが、
    ごくたまに(2-3ヶ月に一度程度)なので、
    あまり身につかないんですよね・・・
    あと、人見知りなので・・・

    映画の台詞を覚えるのは良さそうですね。
    大好きなpixerの映画から始めてみようと思います lol

  6. Rosaさん

    僕も論文を書くときは、どうしても一文が短くなってしまいがちです。
    それで、ヘタに繋げると、逆に意味が分からなくなってしまう・・・
    構文の基本は分かっているのつもりですが、
    センスがないのですかね・・・
    Rosaさんの息子さんの仰るように、理論的には正しくても、
    一般的には使わない文章ってのは感覚で覚えるものなんでしょうかね。
    そういった部分も含めて経験を積んでいかないといけないと思っています。
    Rosaさんのされているように、
    自分ももっとタスクをかけていかないとダメですね。

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