アメリカで大らかに生きる方法 【時間の感覚】

「アメリカ人は時間にルーズだ」とよく言われますが、待ち合わせの時間や会議の終わり時間などに関してはこときっちりとしているアメリカ。

「人と決めた時間を守る」 というのは、この国でもとても大切なことです。

 

でもやはり、「大らかだなぁ・・・」と思う場面はよくあります。それは、「時間」を量的に見た場合。

これはどういうことかというと、「日本人の3分間」と「アメリカ人の3分間」は全くもって意味が違います。

アメリカの時間感覚

 

 

ラッシュ時には3分おきに電車がやってくるような日本。

その 「3分」が一日の生活を決めるといっても過言ではありません。

 

アメリカでは「3分」は時間ではありません。笑

3分間という意識はほとんどないからです。

 

【カップラーメン】

「3分間」を考える意味で、使える「カップラーメン」。

日本でカップラーメンにお湯をいれると、タイマーを使ったり、時計をきちんと見て、「あ、12時38分に出来上がるな。」とチェックします・・・よね?

アメリカ人は「3分間待つ」という感覚があまりないようで、「ちょっと待つ」の「ちょっと」が全くかけ離れています。

うちの旦那の場合。

彼はカップラーメンにお湯を注ぐと、ガレージに行き、乾燥機が止まっているだろうから洗濯物を取り込みます。

その間に楽に3分は過ぎます。そのまま帰ってくれば良いものの、私が出しっぱなしにしていた延長コードを巻きなおしてしまい、子供たちの使ったおもちゃを拾い、とやって戻ってくる頃には、ラーメンなんて全く理想の姿からかけ離れているのです。それでもあまり気にしないうちの旦那。笑

とまぁ、これは彼に限ったことかもしれませんけど、こういう時間の感覚は我が家では日常茶飯事。そのわりには、約束した時間には遅れないよう、出発前にはピリピリする旦那です。

 

 

【マイクロウェーブ(電子レンジ)】

アメリカではこういう人が多いのか、オフィスなどの共用電子レンジ(マイクロウェーブ)にはアラームがついています。

たとえば、何かを3分間温めるとする。で、3分経ったらアラームがなるのは当たり前ですね。

でも、そこで電子レンジのドアが開けられなかった場合、また数分後にリマインダーのアラームがなります。つまり、「あなたの食べ物、もうだいぶ前にできあがってますよ」というお知らせです。

当初、「マイクロウェーブで温めたものを忘れる」という事実が信じられなかったのですが、あまりに多くの人が時間通りに戻ってこないのを見て、「あぁ、これはあるべくしてある機能だな」と感じました。

学生時代、私のホストファミリーでは、電子レンジを開けると、それこそいつ温められたのかわからないホストファザーのコーヒーが、再び冷たくなって待っているということも多々ありました。

 

私がIT系の企業で働いていたとき、同僚には多くの中国人がいました。

彼らは夕食の残り物などをガラスの容器に入れてよくランチにもってきていました。いつもおいしそうだな~と思って見ていたのですが、ランチ時にはキッチンの電子レンジはフル稼働。

ただ、彼らは自分の食べ物を電子レンジに残して立ち去るということはしません。そこにいる人たちとおしゃべりするか、きちんと3分間、そこで食べ物が温まるのを見守っています。

コレを見て、「あぁ、きっと彼らも日本人と同じ時間の感覚なんだな」と感じました。

 

 

【時計】

アメリカに来てめっきり時計というものを身に着けなくなりました。みなさんはどうでしょうか?

街中でも、日本のように公共の場所の時計というものはほとんど見かけません。

唯一の時間を知る方法は携帯電話のデジタル時計ですが、それも分単位のところはあまり細かく見ません。(暴露)

 

たとえばある時間に設定を決めたとき、私は30分単位で時間を見ます。

どういうことかというと、何かを「2時前に」と決めたとします。そうした場合、現在は1時半前なのか、1時半を過ぎて2時前なのか。

つまり、1時半前なら、1時10分だろうと1時25分だろうと同じ感覚で、1時35分と1時50分も同じ感覚です。

これは渡米してすぐの頃は、15分単位だった気がするし、日本なら5分単位くらいだった気がしますが、今では30分単位。大らか(大雑把)になった証拠ですね。

(注意:私は約束の時間は守ります。笑)

 

 

こんな感覚ですから、「3分」は時間のうちに入らないわけです。

こんなことを書くと、またエリチャベさんに「さすがサンディエゴ」と言われそうです。

確かにアメリカでも場所によっては、車と車の間をぬってでも他人より先に行きたいという町もありますし、サンディエゴでもそういう人はいます。

私はそういう人を見たら、「きっと奥さんが陣痛の真っ最中で、病院に向かってるんだよ。(だからほっとこう)」と言うようにしています。そうすると、自然と腹が立たないのです。

 

【横断歩道】

それを踏まえて、横断歩道を渡る人を待つアメリカ人たち。

車を運転していて、右折するときに、横断歩道を渡る人がいました。(日本なら左折ですね)

日本ではどうでしょうか?

きっとみんな、小走りで渡りますね。子供も老人もです。「人を待たせちゃいけない」と教わっているからです。

アメリカでは、健康な人であれ、特に急ぐことはなく普通のペースでわたります。

おばあちゃんが、カートを押しながら一歩一歩進んでも、子供連れのママが荷物を持って歩いていても、急かしたりイライラする運転手はいません。ただ、じっと待ちます。携帯をいじりながら歩いている人だったらイラッとする人もいるかもしれませんが。笑

 

私がアメリカに来てすぐ、驚いたのはそこでした。

「みんな、よく待つなぁ。偉いなぁ。」と、助手席に乗っていて感じたものです。(うちの母も同じことを言っていた気がする)

他人に対する寛容さは、明らかにアメリカ社会のほうが高いです。これもあまり、「ちょっとの時間」にこだわらないからかもしれません。

 

 

どうでしょうか?アメリカで大らかに生きる方法。

こんな感覚なので、日本に帰るのがちょっと(とても)怖い私です。

 

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6 comments on “アメリカで大らかに生きる方法 【時間の感覚】”

  1. うちの研究室にある実験機器にも、電子レンジと同じような「再お知らせ機能」がついていますよ。
    機械の中にサンプルを入れっぱなしにしておくと、ピーピーピーって鳴ります。
    全く同じ機種を日本で使っていましたが、日本のものにはついていませんでした。
    なるほど、アメリカ人の特質に合わせた機能だったんですね。

  2. いつも楽しく拝見しております。
    実家(日本)の電子レンジには「再お知らせ機能」付いてました。購入して6年以上になるものですが・・・。とっても便利な機能でした。

  3. アメリカ人化してるのか??私もよく電子レンジの中のもの取り出し忘れるので(朝レンジの中で冷たくなっている昨夜の夜ご飯の一品を発見して、がっくりすることしばしば)、再お知らせ機能欲しいです。

    あ、でも、私も日本で持ってた電子レンジ、再お知らせ機能だけでなく、なんと「再加熱機能」までついてました。加熱が終わっても取り出さないと、最初はピーピーってお知らせしてくれるんだけど、それでも取り出さないと、なんと再加熱スタート。その後は取り出すまで、ピーピー・・・・再加熱・・・・ピーピー・・・・再加熱。取り出すのを一時間忘れていようが、あつあつの物がレンジの中でスタンバってるっていう。ここまでやられると、余計なお世話というか、電気代の無駄というか。

    アメリカの電子レンジ、ワット数が高くて早く温められるからいいですよね。

    車でめちゃくちゃ飛ばしてる人を見たら、私も「きっと親が危篤なんだ」って思うようにしてます。サンディエゴの走り方、のんびりしてて私も好きです。譲り合いができる余裕がありますよね、みなさん。

  4. Kazさん、
    そんなところにもあったんですね!でもありそう・・・。
    放置された実験器具で後がつっかえたりすることはあるんでしょうか?
    「あ、あいつまだおきっぱなしだ!」みたいな・・・。笑

  5. tkwさん、
    初めまして。コメントありがとうございます。
    日本の電子レンジにもあるんですね!最近の仕様でしょうか。
    ただ、アメリカでは、この「お知らせ機能」の意味があまりない、ってところがアメリカですねぇ。というのも、お知らせでピーピーなったからと言って、すぐに人が来る、というわけではないことも多々あり・・・それじゃ結局は意味ないんですよね。笑

    これからもよろしくお願いします!

  6. Maki-Kさん
    「再加熱機能」?!
    それは至れり尽くせりな日本的な考えですねぇ。
    電子レンジって二度温めるとあまりおいしくなくなるものが多いから、私もあまりありがたいと思えないかな・・・。そして確かに電気代がもったいない。笑

    うちの乾燥機は、シワを防ぐってことで、ほおって置いたら数分おきにいつまでもゴインゴイン回ってしまうんですが、これもちょっと嬉しくないんですよね。ってさっさと出せばいいんだけど。

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