アメリカで子供が入院

3歳の娘がかかった副鼻腔炎という病気と入院の記録です。

子供のアメリカでの入院の体験談をメインに、検査や薬のこと、そしてずばり入院費はいくらかかったのか!?など書いてみたいと思います。子供のかかった病気についても参考にしてください。

三歳の娘が今年3月、旅行先のカリフォルニアのモントレーで急性の副鼻腔炎にかかり入院しました。

一週間ほど前から鼻かぜを引いて、鼻水を流していた彼女。

娘が風邪を引くときはいつも鼻水だけで、咳が出たり熱が出たりすることはほとんどないので、またいつもの風邪だからそのうち治るだろうと思っていました。鼻水が出る以外は元気だった彼女。旅行先でも公園で遊んだり、有名なモントレー水族館の中ではしゃぎまわっていました。

副鼻腔炎(ふくびくうえん・ふくびこうえん)は英語でsinusitis(サイナサイティス)。副鼻腔の感染症(バクテリア感染)です。sinus infection(サイナスインフェクション)という簡単な言い方もあります。

風邪が元となって副鼻腔炎になるので、予防としては風邪を引かないことなんですが、風邪を引かないって言うのも難しいし、風邪を引いたからって副鼻腔炎になるわけではないので、風邪から副鼻腔炎になって、しかもかなりの重症になったというのは、まぁ、運が悪かったのですね。

一週間の旅行ももう明日で終わりという日。前夜からの熱に加えて右目が腫れてきたので、これはおかしいというとこですぐERへ。インターネットで調べてCommunity Hospital of Monterey Peninsulaという総合病院を見つけ、電話で加入している保険を受け付けてくれるかどうか確認のうえ出かけました。アメリカのERについてはこちらの記事でぞうぞ。

Community Hospital of Monterey Peninsulaのロビー。アメリカの大きな病院はホテルのようにきれいなところが多い。

 

 

 

 

このときはウイルス感染でしょうというドクターの見立てで、解熱剤と念のための抗生物質(私が処方してくれるようお願いしました)だけ処方されて帰ってきました。ウイルス感染だということでとりあえず解熱剤だけ与えて様子を見るも・・・次の日のお昼には右目がもうほとんど開かないくらいぼんぼんに腫れていて、これはいかん!とまたERへ(午後1時)。前日診てくれたドクターが驚くほど劇的に悪化していました。

腫れた目のところをドクターがスマートフォンで写真を撮り眼科医へ送信(ドクター同士でこういうことするんですね!)。そして急遽ophthalmologist(眼科医)に来てもらう事に。眼科医の到着を待たずに(ドクター同士は電話で会話している)すぐ点滴で抗生物質投与開始

3歳の娘ですが、病気で元気がなかったのと、点滴が何かということがわかっていなかったので、怖がることもなく、あまり痛がることもなく、点滴の処置をすんなり受け入れていました。

2時間ほどして眼科医が到着して診察。目が開けられないほどまぶたが腫れているけれど、眼球はまだよく動いているし、目そのものにはまだ影響は出ていないよう。そして「Sinusitis(副鼻腔炎)で副鼻腔に溜まった膿が行き場がなく目の周りに出てきているので、点滴で入れる抗生物質がすぐ効かなければ手術で取り除きます」とのこと。そして頭部、目の周りのCT-Scanのオーダーが出ました。小さい子供へのレントゲン撮影はなるべく避けられますが、彼女の場合は必須でした。

点滴同様、元気がなかった上、何が起こるかわかっていなかった娘は、CT-Scanも怖がることなく無事終了。普段から聞き分けの良い子なのですが、このときは親の私もびっくりするほどの良い子で驚きました。検査技師のお姉さんもとても上手に子供を扱ってくれました。

入院治療が決まったので(夜6時ころ)、眼科医に加えて担当の小児科医が到着。一通り診察の後「二種類の抗生物質を投与してaggressivelyに治療します(様子見ということではなく強い薬で細菌を積極的に叩きにいく)」とのこと。眼科医によると「6歳以上だと手術をしなければいけないケースがほとんどだけど、6歳までなら点滴で治まる事が多い」とのこと。眼科医は翌朝早朝にまた様子を見に来ることに。

副鼻腔炎は鼻を中心に症状が出ることが多いようですが、うちの娘のように目が腫れてしまうケースもままあるようです。今回の眼科のドクターはこういうケースを専門に扱うドクターで、彼は「ものすごく珍しいことではない」と言っていました。小児科の先生によると、「以前Hep B(B型肝炎ウィルス)の予防接種を子供にしていなかったころは、こういう患者を良く見たけど最近は珍しい」とのこと。Hep Bと副鼻腔炎がどう関係してるのか・・・。うちの子はHep Bの予防接種はしているので、まぁ、感染するときは感染するってことですね。仕方がない。

さて、この時点で私たちはまだERにいました。

ERの個室で入院準備が整うのを待っている間に、ディナーが配膳されました。食べさせてくれると思っていなかったので、ちょっとびっくり。ちょっと嬉しかったです。子供が入院するということで、子供用と付き添いの大人用の二食分でした。これが結構おいしくて(疲れてお腹が空いていたからかも?)驚き。

 

 

娘はほとんど食べませんでしたが、看護婦さんからもらったpopsicle(アイスキャンディー)をなめながらテレビを見てご機嫌さんでした。アイスキャンディーをくれるなんて、アメリカ的。病院から支給された入院患者用の服もかわいい。とりあえず投薬は始っているので、気分的にも一息つけた時です。

 

 

入院準備が整い、患者を移動させる担当者がやってきて一同入院病棟へ

病室は個室で、テレビ、シャワー、ソファーベッドのある広い部屋でした。ソファーベッド用のリネン・毛布・枕もそろっていて、かなり快適です。

翌日早朝、眼科医が様子を見に来てくれました。そして薬が効いてきて腫れが引いてきているということで、手術はしないでOKということに。やれやれ。引き続き投薬治療をすることになりました。何日間投薬するのか、いつ退院できるかはまだ判断できないとのこと。ただ、退院できても飛行機に乗ってサンディエゴへ帰るのはダメ(気圧の変化で症状が悪化する可能性あり)ということで、あぁ、レンタカー借りなきゃ・・・(飛行機は入院が決まった時点ですでにキャンセル済)。

夫は仕事があるので先にサンディエゴへ帰ることにして、退院するまで私が付きっ切りで病室に泊まりこむことになりました。

旅行中だったので、洗面用具や着替えなど、必要なものがすべてそろっていたのは不幸中の幸い(?)。取り立てて入院のためにそろえなければいけないものがなかったのは良かったです。ただ、一週間の旅行の最終日に入院することになったので、洗濯しないと服が足りず、それだけは夫に病室で留守番をしてもらってコインランドリーに行ってきました。

フライトのキャンセルにレンタカーの手配、洗濯に加えて家族三人分まとめて詰めてあったスーツケースの詰め直し。

旅行先での急な入院ということで、サンディエゴの友達や、病院のドクターも看護婦さんたちも「大変ね!」と心配してくれましたが、いや~、こんなのなんてことないっ!言葉の通じない外国で入院するのに比べたら!・・・以前夫が台湾で入院したとき、暑い中ホテルから歩いて病院に通ったことに比べたらどうってことないです、ほんと。人間、経験をつんで強くなるんですね。。。。できれば違う種類の経験を積みたいが・・・。

入院二日目の朝には、今度はUCサンフランシスコからinfectious disease(感染症)専門のドクターがわざわざやってきてくれました。特に診察ということでもなく、娘の様子を見ただけですが、そのときには目の腫れは大分引いてきていたので、彼も「手術はしなくて大丈夫」と念を押していってくれました。この「感染症専門ドクター」、以前夫が敗血症で入院したときにも、もともとのドクターに加えて感染症専門ドクターが付いたのですが、さすがアメリカの大きな病院だなぁと感心したのを覚えています。

入院生活はかなり快適でした。

一日に数回の薬の投与に加えて、ほぼ1時間おきの計温。おしっこの量を測ること。一日一回の採血。

熱があったり目が痛かったりしたときは解熱剤をもらうのですが、これが甘くておいしいらしく、おかわりをせがむ娘。。。。頭が痛くないのに、薬を飲みたいがために「頭いたい~」と言ってみたり。

症状は日に日に良くなっていき、目の腫れはあるものの娘もどんどん元気になって行きました。

薬に加えて生理食塩水(saline・セイリーン)も点滴で入れていたので、トイレへ行く回数がかなり多かったのですが、これが結構大変。トイレへ行くためにはまず点滴を落としている機械をコンセントから抜いて、管が絡まらないように娘を抱きかかえ、トイレまで点滴一式が引っかかったポールと一緒にカラカラと歩いていく。そして管が絡まらないように娘をトイレに乗せて・・・。最初はおたおたやってましたが、一日に何回もやっていると慣れてくるもんですね。娘は計量カップにおしっこを入れるのが楽しかったようで、トイレに行くのを楽しんでいました。

一日三回運ばれてくる食事は、栄養バランスはとれているしなかなかおいしくて、毎回私は楽しみにしていました(食べることしか楽しみがなかったからかも)。前日に次の日のメニューが配られ、メインディッシュやデザート、飲み物の種類をが二択で選べるようになっていて、自分の食べたいものを選んで提出しておくと、次の日はそのメニューが提供されます。写真は朝ごはん。見た目は質素ですが、このスクランブルエッグはホテルの朝食並みに上手でした。朝食にはホットケーキやオムレツもありました。

テレビも見放題だし、インターネットも使い放題。コーヒーメーカーが部屋のすぐ前にあったのでコーヒーも飲み放題。子供を置いて病室を離れることができない軽い軟禁状態ということをのぞけば、かなり快適でした。飛行機で旅行してるみたい~なんて、食事が運ばれてくるたびに思っていました。これでワインが飲めたら良いんだけどな~って。。。子供が病気だというのに、のんきな親ですね(汗)。

つづく。

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5 comments on “アメリカで子供が入院”

  1. Maki-Kさんへ、
    大変でしたね。子供が病気になると辛いですよね。うちの娘も1ヶ月ほど前に、スキンインフェクションでERに連れていきました。簡単な検査と、抗生物質の処方箋をもらっただけで自己負担が300ドルでした。保険をかけてなかったら5、6倍はしたと思います。

    主人曰く、病院はオーバーチャージするもんだからと言って、現在病院と交渉中です。いくらになるか乞うご期待。

    主人はPersonal Injuryの弁護士で、病院と毎日料金の交渉をしているのでほとんどの場合は治療費は請求書の金額より安くなるそうです。

  2. Naoさん

    コメントありがとうございます。
    Naoさんとこもお子さんがERでしたか・・。歯医者さんの記事でのコメントも同じ娘さんですよね?歯医者さんでの体験も、ほんとかわいそう!まだ小さいのにね。

    ERの自己負担は、うちはCo-payが50ドルだったのでそれほど痛くなかったんですが、入院費のほうはびっくり。また後日各記事で発表しますね←じらし作戦。

    医療行為を受けるときは、患者は金額が書かれていない白紙の小切手にサインを要求されているようなもの・・って以前にどこかでききましたが、まさにそのとおりですよね。

    ご主人が専門家とはうらやましい!
    うちも、もし保険がカバーしなかったとしても、はいはいって払うつもりはありません~。っていうか、無理!

    この副鼻腔炎にかかるまで、うちの娘は体が丈夫だから大した病気はしないだろうと信じていたんですが、今は子供が病気や怪我をしないよう、よく効くお守りがあったら飛行機乗ってでももらいに行きたい気分です~。

  3. ですよね〜。本当、アメリカで、歯医者や普通に病院へ行くの怖いですよね。あとあとくる請求書が。そのてん、日本はだいたいどれくらいかかるかわかるのでいいですよね。

    やっぱり健康が一番。去年、旦那と私は病院に通いちょっと辛かったですが。私は特に13年間医者いらずだったんで。。。やっぱりがたがきたのかな。。

  4. 忘れてました。そうです。娘一人です。二人目ほしいんだけど。。年齢的に難しそうです。

  5. >Naoさん

    Naoさんのところも病気が続きましたか。ありますよね、そういう年。
    うちもこの一年で、夫が二回、娘が一回入院してます。真剣にお払いに行こうかな、とか考えちゃいます。。

    アメリカの医療費でひとつだけいい点をあげるとしたら!
    退院する時に会計窓口で支払いをしなくて良い。
    退院する時は、さら~と病院から出てきて、後から請求書が来る。
    会計窓口で「今日のお支払いは10000ドルになります」なんて言われたら。。その場でまた倒れて入院しそうです。

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