アメリカで退職を考える

前回、この記事で、アメリカの退職金システムについてお話しました。

 

今回は、ちょっと別の視点から「退職」というものを見てみようと思います。

というのも、私と旦那は超年の差夫婦であり、彼も御年、退職を考える年齢になっています。

また、周りのリタイヤした人たちを見ていて、「リタイヤ生活とはどんなものか?」を考える機会がありますので、お若いみなさんのために(笑)ここで少しシェアしてみようと思います。

 

 

まず、リタイヤしたいのはなぜでしょう?

そういう年齢だから?

もう会社で働きたくないから?

他にやりたいことがあるから?

周りが退職してるから?

 

これらは切り離せない答えでしょうね。

 

では、リタイヤした後の計画はありますか?

趣味?

旅行?

勉強?

孫と一日中遊ぶ?

楽しいですね~。考えたらキリがないですね~。

 

 

人間、「変化」というものは誰だって怖いものです。

それが自分にとって良い変化であろうと、明日からまるっきり違う生活になると思うと、楽しみでもある反面やはり不安はあるでしょう。

私自身が退職を考えたときに何をするか、というと、お金を貯めることではありません。

退職後に何をしたいかを考えて、それをお金をかけずにエンジョイする方法を考えます。

 

例その①

私は世界旅行をするのが夢です。

自分の子供たちが大きくなって成人したら、貧乏旅行でもいいから世界の色々なところに行きたい。

学生時代に作った友達が住む国々を訪れて周りたい。

世界中に友達を作って、その場所の言葉を話し、その土地の人が食べているおいしいものを食べたい。

ビジターじゃなくて、その土地の一部になりたい。ってのが夢です。

 

じゃあ、それをかなえるためにはどうするか?

 

今から、世界中に友達を作っておくんです。

「ちょっと行きたいんだけど」と言ったら「じゃあ遊びにおいでよ」って言ってくれる友達を、世界中に作っておく。

または、「特にここに行きたい」とか、「一年の大半はここで過ごしたい」と思える場所に、不動産を買っておく。

そうすれば、リタイヤした後に必要なのは旅費と生活費で、これはまぁSocial Securityと自分の貯金でなんとかなるかな、と考えます。

こういうことを今からやっておくと、「老後=想像できない世界」という考えがなくなりませんか?

 

 

 

例その② 

私には大学時代から仲の良いインド系アメリカ人の友達ソニーがいます。彼女も同じ数学専攻で、現在は大手軍需企業でアナリストをしています。

そんな彼女と日々、「早く退職して一緒に何かやりたいね」と話しています。(こないだ卒業したばっかりなのに・・・・笑)

一緒に何らかのビジネスをするか、ハワイか中米に不動産を買ってパーティ三昧(笑)か・・・・と考えていたとき、彼女の料理の腕前が素晴らしいということを知りました。私は彼女のお母さんの手料理が大好きだったのですが、彼女自身もそこまで素晴らしい料理家だったとは知らなかったのです。

ソニーの義兄がレストランを出したり、弟がダウンタウンでコーヒーショップを経営してたり、ソニー自身も色々なビジネスを体験してきたこともあり、「ふたりでレストランをやろう!」という話になりました。

実は私、レストラン経営なんかもやってみたかったのです。笑

ソニーが料理長、私が経営で・・・・なんて二人で想像を膨らませます。そんなわけで、今年は一緒に色々なレストランを研究に行くことにしました。

これを「リタイヤ後の楽しみ」と捉えるかどうかは自分次第ですが、「やりたいことを毎日、楽しめる」のであれば、お金に関係なく楽しいですからね。

 

 

 

例その③

うちの旦那はゴルフが大好きです。

彼は一日中、一年中ゴルフをするのが夢なので、リタイヤしてゴルフコースの目の前に住みたいと思っています。 

彼の現在の大学の仕事はフレキシブルで、午後は休みとか、毎週金曜日は休みといううらやましいスケジュールです。クリスマスホリデーもあるし、夏休みもとろうと思えば2ヶ月お休みです。

この休み中、彼はもちろんゴルフをしています。

サンディエゴには、車15分で行けるゴルフ場が4つ、5つありますし、天候にも恵まれているので冬だってゴルフはできます。グリーンフィーだって日本に比べて格段に安い。

こういう人は「セミリタイヤ」と言います。

妻の私から言わせてもらえば、現在の収入をキープしながらこれだけ好きなゴルフをできるなら、わざわざリタイヤしなくてもいいじゃない・・・・というところです。

もちろん、これからプロになるから四六時中ゴルフをしたいんだ!っていうなら別です。または、息子をプロゴルファーに育て上げるってのならこれも別。

だけど彼もすでに好きなゴルフをやりながら、好きな仕事をしている以上、特に「明日からリタイヤです!」という節目を迎える必要はない気がします。

 

 

例その④

私の学生時代のホストファミリーの話。

ホストファザーのジャックは、郡のシェリフ(シェリフとポリスについてはこの記事で!)でしたが、50代前半でリタイヤしています。

若い頃からビジネスパートナーと不動産に投資していた彼は、現在、そのレンタル収入で生計を立てています。

テナントから「水道が壊れた」と電話がかかってくればかけつけて自分で直すし、運用できない不動産を売っては新しいのを買って、修理してレンタル・・・ということをやっています。彼は70歳ですが、これが大好きなようです。

元シェリフということで(かどうかはわからないけど)、彼の好きなことは「人とおしゃべり」。笑

朝から何かの用事に出かけては、出先で会った人と何時間もおしゃべりしてふらっと帰ってきたり、帰って来なかったり。楽しそうです。

ちょっと健康の問題もありますが、自分が楽しめることをやってるからあまり気にしてないようです。

 

ホストマザーのフランシーは、ホストファミリーで収入を得ていましたが、それも7年前に止め、今は馬や犬やネコの世話をしたり(ブレーメンの音楽隊か?)、人(昔の留学生)が訪ねてきたり、なんだか色々と忙しそうです。

人や動物の面倒を見るのが好きなので、きっと楽しいんでしょう。そんな彼女は66歳。

彼女は40代まではスクリップスの海洋研究所で助手をしていたそうで、海に出ては色々な海図を作っていたそうです。想像できません。

 

 

 

こうやって、将来やりたいことにはたいてい「他の人たち」も必要になってくるはずです。

これはお金を貯めているばかりではなかなか広がりません。

退職を考える場合、その後にやりたいことをまずは探す。そしてそれを仕事と収入のあるうちからちょっとずつやり始める。それが機能していくか、自分が本当にやりたいことか、ちょっとずつ試してみます。

 

「よし!これだ!もう会社なんて行っちゃいられね~!」ってくらいはまったら、仕事を辞めてもいいんじゃないでしょうか。と、妻の立場から言ってみる。

と勝手に言ってみますが、もちろん私には責任が取れませんので、奥さんや旦那さんと相談してくださいね。笑

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