アメリカに移住するまで Tamami編 -3

私のアメリカに移住するまでシリーズ、前回の続きです。

 

私の母は高校の英語の先生だったので、小学生のころから母に英語を教わり、中学や高校では英語は私の得意科目でした。

大学も語学教育が有名なところに入学したのですが、この大学は帰国子女がたくさん入学することでも有名でした。

それまで「英語が得意」と言えた私も、日本中から「英語が得意」と言っていた生徒が集まってきたキャンパスで、またネイティブのように流暢な英語を話す帰国子女に囲まれて、別に英語が得意とは言えない普通の学生の1人となってしまいました。

この大学では、「文学部」の下に「英文学科、仏文学科・・・」などの学科があるのですが、それとは別に「外国語学部」があり、その下に「英語学科、仏語学科・・・」と、純粋に語学を勉強する学科が設置されています。 

語学で有名とは言っても、この大学で本当に「英語が得意」と言って良いのは、この「外国学部英語学科」通称「外英」に所属する学生だけでした・・・ 

そしてバイリンガルの学生・卒業生が多いために、大学名を言うと「あら、じゃあバイリンガル?」とイメージだけで嬉しい誤解を受けることもあり、そのたび申し訳なくなりましたが、多くのバイリンガルが卒業しているのはキャンパスも入試形態もまったく異なる学部で、そこは主に海外からの留学生を入学対象にしていました(この学部は今思うと、後に留学することになったMonterey Instituteとちょっとコンセプトが似ていました)。 

ちなみに私が卒業した学部は英語にまったく関係ない「新聞学科」というジャーナリズムを専攻する学科です。英語に直接関係ないのですが、それでもやはり、帰国子女、高校留学経験者がたくさんいるのです。やはり、とても「私は英語が得意」なんて言える環境ではありません。 

小学校から地道に英語を勉強していたのに、親の仕事の都合で海外で数年生活していた「だけ」の人たちにまったく太刀打ちできないなんて・・・と、ちょっとした挫折感も味わいました。 

今なら、彼ら・彼女たちが決して海外生活していた「だけ」ではなくて、自分の意志に関係なく子供時代海外で過ごしたことによる苦労があったことを想像できるし、ただ発音がきれいで流暢かどうか、だけでは本当の語学力は測れないことをよく知っているのですが・・・当時は単純に「今からどんなに頑張ったって、帰国子女にはなれないものね」とあっさり英語にこだわることをやめてしまいました。 

そんなわけで、前回書いたように流暢な英語を話す通訳者に出会って「かっこいいな」と思ったものの、「じゃあ、私もなろう」とは決して思えなかったのでした。 

しかし、紆余曲折のあと、LSATを乗り越えられずロースクールを断念、「じゃあ、私に向いていることってなんだろう」と考えてみたとき。 

自分の好きなこと、これからも関わって行きたいこと、を挙げていくと、その中にまだ「英語」はありました。 

それからもうひとつ、「書くこと」が好きでした。小学校、いえ幼稚園までさかのぼっても、私はいつも本を読むことと、文章を書くことが大好きな子供だったのです。(書くことが好き→新聞や雑誌の記事を書く人になりたい、それで大学でジャーナリズムを専攻していたのです。) 

このふたつを組み合わせて思いついたのが、「翻訳」です。 

通訳は無理だとしても、翻訳ならできるかもしれない、と思った私は、有名な通信添削のバベルで翻訳講座を受講し始めました。 

そうするうちに、「やはり、英語圏での生活経験がないのは不利だなぁ」と痛感することが多くなり、また「留学」というオプションが浮上してきます。 

でも、どこで何を勉強する留学をすればいいのか・・・ 

大学は日本で卒業しているので、留学するなら大学院レベルにしたいと思っていました。 

ではなぜすぐにモントレーに行こう!と決めなかったかというと、単純にその存在を知らなかったからです。ロースクールやビジネススクールのほかにいろいろな大学院があることは知っていましたが、まさか翻訳・通訳そのものを専攻できる大学院があるとは想像もせず、何か少しでも自分が興味を持てる分野の大学院に行こうと、いろいろ探しているうちに時間が過ぎていきました。 

そうするうちに時代は2000年に近づき、「インターネットで情報を検索する」ということが一般的になってきました。 

それまでは本当に書店の英語学習コーナーなどの片隅に数冊ある「大学院留学ガイドブック」みたいなものを買って、その巻末にあるリストなどを見るしかなかったのですが、そういうリストも今思えば包括的なものではなくて、留学エージェントなどを通して積極的に日本の学生を招こうとしている学校のリストだったと思います(おそらく、財政的な理由が大きくて)。 

最終的には、図書館とか書店ではなく、初めて買った自宅のラップトップ(Windows 3.5!)で、翻訳+米国大学院というキーワードで初めて、「Monterey Institute of International Studies(MIIS)」を発見したのです。 

「これだ!」と思った瞬間でした。 

そのあとはもう、迷うことはありませんでした。 

以前に投稿した記事のとおり、入学に必要なTOEFLのスコア取得を目指して、英語の勉強の日々。 

モントレー情報を見つけた年の願書受付には間に合わなかったので、実際に申し込んだのは翌年です。 

今ではインターネットで入学申し込みができますが、当時は入学に必要な書類を航空便で取り寄せ、翻訳と通訳の課題とともに願書を郵送。 

入学許可をもらったのは、モントレーを目指そう!と決意してから1年半が経過した春でした。 

新学期が始まるのは9月ですが、その前にサマースクールに通うことにしたので、渡米したのは6月。 

日本は梅雨真っ只中、大きなスーツケースを押しながら移動した空港までの道のりも雨が降りしきっていました。 

その灰色の雨と雲をくぐりぬけ、光あふれる晴天のカリフォルニアへ。 

最初に降りたのは、今思えばLAでした。今は毎日の通勤で真横を通り過ぎているLAX(LA空港)です。 

そこでモントレー空港に向かう小さい飛行機に乗り換えたときのことをよく覚えています。 

本当に小さい飛行機で、乗り込むのに空港の地面から直接タラップをのぼっていくのですが、私の前にいたアメリカ人の小さい男の子が、そのタラップを上りながら「We are going to Monterey! We are going to Monterey!」と嬉しそうに何度も叫んでいるのです。 

それが「Monterey」という地名をネイティブが発音するのを聞いた最初だったのですが、それは「モネレイ」という風に聞こえました。 

日本語でカタカナにすると「モントレー」なので、それまで、最後の部分を「Trey」というように、Tを子音だけで発音するのかと思っていました。良く見るとTのあとにEがしっかり入っているので、むしろ「モンテレイ」のほうが近く、「レ」の部分にアクセントがくるのです。 

アメリカ人でも、モントレーという地名を初めて聞く人、あまりカリフォルニアの地理になじみがない人が発音するとTの音がしっかり残って「モンテレイ」のように聞こえるのですが、地元の人はそれを崩して「モネレイ」というように発音します。 

きっとあのときの男の子はモントレーに住んでいるか、カリフォルニアのどこかに住んでいて訪ねるところだったのでしょう。 

私がインターネットで発見したMontereyという地名を、こうやって発音する地元の人が目の前にいる・・・本当にアメリカに来たんだなあ、と思いました。 

日本より何倍も明るく輝く太陽、カラカラに乾いた風、頭上いっぱいに広がる青空。数時間前までいた、降りしきる雨の日本とは何もかもが別世界。 

We are going to Monterey! 

無邪気な男の子の声に元気づけられて、私も前向きな気持ちになりました。 

それからもうひとつ。 

右を見ても左を見ても、Tシャツに短パン、サンダルというカジュアルな服装のアメリカ人たちの中で、1人、東京を引きずっていた私は、ゴールドラメの入ったカルバン・クラインのワンピース、足にはストッキングを履いて、5センチヒールの黒いパンプス・・・、思い切り浮いていました・・・ 

とにかく、こうして2年間のアメリカ大学院生活が始まったのでした。

 

次回へ続きます

 

 

 

Visited 30 times, 1 visit(s) today

15 comments on “アメリカに移住するまで Tamami編 -3”

  1. はぁ~、Tamamiさん、ジャーナリズムだったんですね!読むことも好きですか?
    私もジャーナリズム、勉強したかったんです。
    なのでこのアメ10もその一部です。

    私も渡米した日のことはよく覚えています。3月だったんですが、故郷の札幌ではまだ雪が降ってましたね。
    そこからLAXの青い空とやしの木は、本当に衝撃的でした。このお話も来週アップします!

    貴重なお話、ありがとうございます。興味深かったです。

  2. Erinaさん、本を読むのは子供のころから大好きでした。日本語の本が思い切り読めないのだけがアメリカにいて不便に感じることですね・・・

    早春の北海道からLAっていうのもまた、強烈でしょうね、確かに(笑)そのお話を読むのを私も楽しみにしてます!

  3. そうですよね〜!
    私も日本の本屋が恋しくて。
    そんな悩みを解決するべく、「移動図書館」というプロジェクトを企画中です。ってこんなところでネタバレしちゃうけど。笑

    サンディエゴで今、日本人プロフェッショナルのネットワーキングを広げています。
    その活動の一環として、「移動図書館」を考えました。
    もう読んでしまった本とか、人に読んでもらいたい本、ありますよね。そういう本をワークショップのたびに持ち寄ってもらって、代わりに読みたい本を持っていってもらうんです。ワークショップは、サンディエゴ在住の日本人すべてが対象です。
    で、またワークショップに来る時に持ってきてもらう。または、知り合いに貸してあげる。読んだら、最後のページに自分の名前をサインしていって、そのリストが長くなるように次の人にパスオンし続ける・・・っていうプロジェクトです。
    この図書館が大きくなったら、ぜひたまみさんにもチェックしてもらえるようにしましょう!!
    初回が29日なので、その後、報告しますね!

  4. 移動図書館、すばらしいですね〜。ブッククラブみたいなのを兼ねれば、電子書籍が一般的になっても存在価値がしっかり続きますね。ご報告楽しみにしてます!

  5. はじめまして。MIISに来年入学を試みようとしている者です。TAMAMIさんのブログ、大変楽しく読ませていただくと共に、通訳や院での勉強がいかに大変なのかという不安も抱いています。
    私は仕事とは全く関係のない英語を、趣味で習っている内に、もっと本格的に話したい、アメリカの学校で思い切り勉強をしたいと思うようになり、MAIISをネットで見つけました。

    tamamiさんのブログで、ドロップ・アウトする学生もいるとのことで、それが自分にとって不安になっています。せっかくいくなら最後まで頑張るつもりなのですが、本人がそのつもりでも、Bマイナスで成績を落とされるとなると自分の気持ちだけでは学業を継続できないことになっていしまいますよね。
    1年目の基礎科の授業も、バイリンガルや帰国子女並の英語力がないとついていくのは難しいものなのでしょうか。
    私は来月からIELTSの勉強を始めます。入学基準を満たすには時間がかかることが予想されるので、3月の奨学金枠は全く目指さないで、とにかく入学基準を満たすまで勉強しようと思っています。

    入学基準をいつ満たせるかわからないような英語力で(自分では半年以内にと思っています、授業についていけるのか不安です。tamamiさんがMIISで勉強されていた時は、生徒達の英語力は問題なく英語でコミュニケーションを取れるレベルの人ばかりだったのでしょうか。
    入学がもし許可されれば勉強しに行くつもりなので、手厳しいことを書かれても、じゃあ止めます、というつもりはないのですが、体験者のお話はすごくためになりますので、もしお時間あれば、実際に授業で必要な英語力はこの位のレベル、というものがあれば教えていただければと思います。 例)BBCのニュースが半分、70%、理解できないとだめとか。 長くてすみません。

  6. Whitomaoさん、コメントありがとうございます。MIIS志望の方がいると嬉しいです。
    まず最初に、私が在籍したのはもう10年以上前、当時と今とではカリキュラム、教授陣、評価基準、いろいろと変わっているはずです。私の話はあくまで参考にとどめておいてくださいね。

    授業についていける英語力ですが、英語で行われる授業もあるし、たしかに英語で問題なくコミュニケーションがとれないとちょっときついですね。英語でディスカッションが問題なくできるかどうか、を基準に考えるといいかもしれません。

    GSTIは通訳・翻訳の勉強をするところであって、英語の勉強をするところじゃないので、少なくとも通訳専攻するのであれば、入学する時点でバイリンガルになってることが前提だとは思います。

    私も含め、MIISの前に一度も海外生活経験のない人も中にはいますが、非常に少ないです。

    また質問があればいつでも聞いてください(私個人の経験の範囲でしかお答えできませんが・・・)。
    頑張ってくださいね!

  7. tamamiさん、早速のお返事ありがとうございました。嬉しいです。
    願書要件を再度見たところ、大学の成績が悪い場合は、GREという試験を受け、その成績表を提出することを強く薦めると書いてあることに気づきました。
    GREについて少し調べたところ、とても難しいもののようです。
    IELTSの勉強とディベートできるような英語力の特訓に励もうと思っていたのに、来年の受験には間に合わない気がしてきました。
    それか、GREは義務とまでは書いていないので、一応出願してしまうかですね。

    とりあえず、卒業はだいぶ昔のことですので、成績表を大学に再発行してもらい確認してみようと思います。多分悪いと思います。
    MIISの願書提出期限は、奨学金を申し込まない場合は、いつでも受け付けているとのことですが、学期が始まる前に住居を決めたり、ビザの手配が必要なので、やはり夏には願書を申し込み終わっていないといけないということで良いのでしょうか。
    私の場合は行きたい学校がMIISしか無いので、留学斡旋会社に相談する必要があるのか今迷っているところです。複数校受験する方や、行きたい学科や学校がわからない人などは相談しているようですね。
    英語力の低さから、来年は相当頑張らないといけないとプレッシャーですが、英語のできる自分を想像して頑張りたいと思います。

  8. GREはGPAが3.0以下の場合推奨すると書かれてますね。まずは大学の成績表を取り寄せて3.0以下かどうかを確認してからGREのことを考えればいいと思います。その際に計算方法を確認してくださいね。GPAはアメリカで一般的な計算方法に基づいてるので、ご出身の大学が同じ計算方法をしているとは限りません。実は私の場合も出身大学のGPA計算方法が違ったせいで一見すごく悪い成績に見えてしまい、説明を添付してMIISに送ったのを覚えてます。

    GREが必要となると、GREは本来アメリカの学生が受験するものなので、英語(彼らにとって国語)の試験が確かに非常にレベルが高いですね。TOEFLの比じゃありません。大学卒業したアメリカ人が必死で単語帳を作って覚えなきゃいけない難解な語彙が出てきます。

    で、日本からアメリカの大学院に留学するためにGREを受験する日本人は、この英語のセクションについては最初からあきらめる人が多いみたいですよ。かわりに数学で点数を稼ぐんです。数学の方は、大学を卒業した日本人なら楽勝です。理数系の人なら満点取れるんじゃないでしょうか。GREのスコアは全体の合計だから、数学を満点近くとっておけばスコアをかなりひきあげられると思います。

    でもGRE受けずにすむといいですね。

    MIISへの願書ですが、これもあくまで10年前の記憶ですけど、たとえば来年9月に入学する場合は今年の年末までに願書を送れば確実なんじゃないかな。遅くても来年の2、3月。夏じゃちょっと遅いと思います。入学試験の結果によっては「入学前にサマースクールを履修すること」という条件つきの入学許可となることもあります。サマースクールは6月に始まるので、その前にビザとか住居確保とか考えると、一番遅くても5月には入学許可をもらいたいところですね。(この情報についてはぜひ、直接MIISに問い合わせて聞いてくださいね!私が書いているのは古い記憶に頼った推測ですので。)

    留学斡旋会社っていうのは、何故必要なんでしょうか?おっしゃるとおりMIISしか行きたい学校がないのであれば不要な気がします。というか斡旋会社なんて今でもあるんですねぇ。インターネットで何でも調べられるし、大学院に直接メールで問い合わせられるようになって、斡旋会社ってとっくに廃れたかと思ってました(笑)

  9. Tamamiさん、GRE情報ありがとうございます。私も調べましたが、日本人は800点満点のところ700点以上を数学で点数を稼ぐのが基本と書いている方ばかりですね。数学の苦手な私が、英会話の勉強もしながら、IELTSの勉強もしつつ、どこまでGREにも取り組めるか問題が山積みという感じです。
    最高の通訳の勉強を大学院で、英語で受けるのですから、これくらいはできてから願書を出すのが当然なのでしょうし、できないくらいだときっと授業にもついていけないのだと思います。

    大学時代、単位を取っておけばいいくらいの勉強しかしていなかったので、十中八九GRE受験必須です。
    成績の算出の仕方、参考になります! 気を付けてみます。

    願書は、IELTSの勉強をこれから始めるので、2か月後から受験を始めて、2か月置きにしか受験できないそうなので、1月、3月、5月と受験してみようと思っています。私は40代ですし、趣味で勉強を数年前に始めたところで、先月初めてTOEICを受験し、840点でした。
    ILETSはまたTOEICとは違った、本当の英語力を求められるそうなので、英語力を伸ばす意味でもがんばりたいと思います。

    MIISの入学資格として、バイリンガルかネイティブ並みの英語力が条件とあり、その点で言えばまず私は入れません。来年の8月まで英語を猛特訓して一番下の成績でも良いから、来年からMIISで勉強をしたいと思ったのですが、入れたとして6月から補修クラスに行くとなると、IELTSの勉強をしている内にあっという間に渡米することになりますね。
    仕事は夏頃に辞めるつもりでしたが、それでは間に合わないですし、色々な調整が必要とわかってきました。

    入学条件の下の方に、バイリンガルの実力がない場合は、3年計画のような形での勉強方法もあるということで、全く受け入れてくれないわけではないので、その枠にかけて実力不足のまま頑張って応募するか、3年の授業料や滞在費のこと、実力が伴わないまま無理に入学を許可してもらい、途中で脱落する可能性を感がえると、今は迷いも出てきました。
    まずはIELTSの勉強を始めて、自分が授業にどれだけ参加していけるのか5月位までの自分の実力を考えて、人からも判断してもらって願書を出すか決めるのも良いかなと思っています。

    Tamamiさん、MIISのサイトで願書について確認してくださったのですね。ありがとうございます。あまり何でもかんでも質問すると、自分の将来のことなんだから必要なら、お金払って業者に確認するべき!、なんてお叱り受けるかなとも思ったのと、留学経験がないので一度は斡旋業者の話を聞くべきかなと思ったのです。留学はおろか、海外旅行はしますが渡米はしたことがなかったものですから、長期に渡るVISAのことなど調べることも山積みなためです。 でも、Tamamiさんに、こんなに親身になってアドバイスいただけて嬉しいです。

  10. 連続のコメント、失礼いたします。1つ疑問に思ったのですが、通訳課に入る前に、通訳としての技術、例えば逐次通訳がある程度できるとか、通訳学校のレッスン内容をサイトで見ると、色々な訓練方法があるようですが、それらは習得したり経験した人の入学が前提なのでしょうか。
    それとも基礎の1年目でそれらについて学んでいけるということでよろしいのでしょうか。

  11. そうですね、たしかに、通訳の仕事をしてる人とか、日本でサイマルやインタースクールを卒業してきた人がけっこういましたね。でも、現役で何年もバリバリと活躍していた人はそんな多くなかったです。そういう人は1年生を飛ばして2年から入学することができますし。
    だいたい、バイリンガルなのでなんとなく通訳の仕事ができてしまってるんだけど、ちゃんと系統だった教育を受けたことがないのでMIISに入りたい、という人とか、企業内で通訳的な仕事をやっているんだけど、通訳のみを仕事にしたフリーランスに移りたいのでMIISで勉強したい、とか・・・、そういう感じの人が多かったかな。
    なので、MIISの授業でも、たとえばシャドウイングとか、サイトラするときに文章をわけていくチャンキングとか、ちゃんと一から教えてくれますけど、実際の授業では「ああ、やったことあります」と言う人が多くて、そういう人は本当に通訳を学ぶというよりも「腕に磨きをかけに来ている」感じです。現場のたたきあげで通訳になった人にとっては、現役トップクラスの通訳でもある教授にじっくりと教えてもらう機会はとても貴重なものなので、そういうことを期待してMIISに来るんだと思います。
    ただ、1年生のときは全員同じ授業を履修し、2年生になるときに通訳か翻訳の専攻を決めるのですが(今はどうなってるかわかりません)、中には最初から「翻訳専攻しよう」と考えて入ってくる人もいるわけです。そういう人たちは通訳の仕事経験がない場合も多いし、通訳トレーニングも始めて学ぶものです。なので、1年生の最初のクラスで全員が通訳トレーニングについてよく知ってる、ってわけではないと思います。

  12. Tamamiさん、授業内容など興味あることなど聞けて嬉しいです。
    願書要綱を改めて見たら、少なくとも半年間、第2か第3外国語を使って国内で仕事をした経験があることが好ましいとあります。ほとんどの学生が2年以上の経験を持っているとも。
    recommendなので、必須条件ではないようですが、私は英語を使う仕事ではなく、英語に関わる産業でも無いため、もしIELTSで7.0以上取れたとしても、かなり入学条件が厳しいのかなと思えます。
    駄目もとでもしIELTSで合格点が取れたら願書を出してみるか、やはり英語での仕事をキャリアを半年以上つけて再来年受験するか悩むところです。
    Tamamiさんは、英語はお仕事で使われていたのでしょうか。ブログを拝読した限りではわかりませんでした。読み落としであればすみません。

  13. 追加の質問です。6月から8月は大学院は休みだと思うのですが、その間に課題などがあって忙しのでしょうか。無い場合は、足りない英語力を、日本に戻って、今通っている学校で集中して勉強したいと思っています。

  14. whitmaoさん、お返事遅くなってすみません。
    1つ目の質問ですが、私は商社で働いていて、たまたま取引先がアメリカだったので、アメリカのお客様と国内のお客様の間のやりとりをサポートするときなどメールを英語で書いたり、アメリカのお客様が日本にいらっしゃったときにビジネスショーに同行したり、といった程度です。でも、私が入学したときはそういう経験を何か文書で証明する必要もなかったし、経験がないから「入学許可されない」ってことはないんじゃないでしょうか?ただ、入学したあと、そういう英語を使った仕事の経験もなく授業についていくのはとても大変なので、学校側としては親切心で「それくらいの英語力を目安にしてくださいね」という情報として提示しているんだと思います。
    2番目の質問は、夏休みの課題はないです。でも英語力を強化するのに日本に戻ってしまうのはちょっともったいなくないですか?!MIISのサマースクールには英語強化プログラムもあるし、アメリカに住んでいられる留学中は、逆に日本に帰国しない覚悟で、英語に囲まれた現地で勉強したほうがいいような気がします。

  15. Tamamiさん、お返事ありがとうございます。Tamamiさんは、通訳経験などある方達と机を並べて卒業されたこと、とてもすごいと思います!
    MIISの生徒さんのブログを見たら、他の学生は英語がブロークンでも意見を発信していく力があれば大丈夫だけど、通訳科は英語はある程度問題ないというレベルでないと難しいと書かれていたので、なるほどなと思いました。
    Tamamiさんの奮闘記を拝見して自分も頑張ろうと思ったり、まだ来年は早いとしり込みしたり...。
    まずはIELTSから頑張ってみようと思います。それで合格基準を取れなければ話にもなりませんね。ディベートのレッスンも取ることにしたので、自分がいかに話せないかをチェックし英語力を鍛えて行こうと思います。半年位したら自分の実力がどの位までいけそうかとか、やる気などわかると思うので、まず半年必死に勉強してみます。
    また何かありましたらご相談したいと思います。
    詳しく何度も教えていただいてありがとうございました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です