アラフォー男子の米国婚活 (5)

「お前がプロポーズの準備してたとき、『Xデー』てどうやって決めた?」

日本や米国他州の友人達数人に、そう相談すると、皆さん「(特に思い入れがある日がないならば)憶え易い日」という答えが圧倒的に多い。

どこの国でも「記念日を忘れる男」は多いからなのだろうか。

 

無難に「7/7」「8/8」など「ぞろ目の日」や「いい夫婦」の「11/22」。または「1/23」「12/3」など。

 

なるほどなるほど。

 

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さて、まずは場所か。

出会って一年経過していないなりに、何か思い出深い場所と言うと、ひたすらだだっ広いFlint Hills。カンザス州では有名で、ウィチタから車で一時間強にある大草原。

地産池消の超美味しいレストランが近くにあったり、誰もいない草原を水牛の群れがゆっくり横断する、のどかな風景が広がる。初めて二人で車移動に数時間かけて向かった地でもある。

「(ウィチタ内ではない気がして)やはり、Flint Hillsか」

 

次は、いつにするか。

(米国なのだが)「七夕に合わせるか」とか思ってたが、あッと言う間に「7/7」が過ぎてしまう。

「じゃ、次は8/8か」

若干ベタ過ぎるが、そう心を決める。

 

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当日、朝から一応ソワソワしている自分がいる。指輪をカバンに入れ、出かけるが、その時になったら何て言おうか、台詞が頭の中をグルグルする。

こういう時にサクッと気の利いた事が言えるスマートな大人になりたかったが、そういう器用さなんてどこで身に付けれんだ、みたいな脱線をしながら、彼女と外出する。

少し遅い昼食をとり、心に決めた場所に向かい始めると、少し遠くの空が灰色に染まってきた。

Flint hills dark

「うーむ、Flint Hills内に入る頃には泥だらけ、て展開も嫌だな」

そんなこと思いながら、一応予定通りに現地へ足を運ぶ。

 

着いてみると、遠くには青空が広がる。

Flint hills bright

 

ただでさえ天気が変わり易いカンザス。

 

「うーむ」

 

このソワソワ、何とも言えん。

 

—–

Flint Hills

実際、その時を向かえると意外とサッパリしたものだった。

米国では、通常(?)男性側が指輪を手に片膝をついてプロポーズするものなのだが、「えっこらせっと…」と改まり、その体勢に入ろうとするなり、彼女がニカニカ笑い出す。

 

「…あ、でも膝つかなくていいからね」

 

その一言に若干腰抜け、こっちも苦笑いしながら、「それじゃ」と立ったまま。

 

「えーと、う…う…う… Will you…」

FullSizeRender

—–

 

その晩、帰りの車中の彼女は何度も指輪を見ながら、「エヘエヘ」と壊れた笑いを繰り返していた。まぁ嬉しく思ってくれたのなら、それだけで良いのだが、もう少しロマンチックなものを想定していた。

ま、少々予想とは異なる反応でも、こちらも単純に嬉しくなってきた。

なんか自分のことという実感が湧かず、いかんせん距離を感じるが…

 

そんな訳で、無事に婚約成立。

わーい、わーい(この、やり遂げた安堵感が強烈)。

 

 

早速その晩、母や家族に電話。

母の「おーーーーーー」という反応だけでお腹一杯だが、その後上司や職場の友人には出勤直後に報告し、日米の友人数人には軽くメールで連絡。

 

—–

ドキドキしたのも束の間。

こうなると、次は「式」について話が移るのだが…

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8 comments on “アラフォー男子の米国婚活 (5)”

  1. 付き合うとかプロポーズとかに関して、男性側の思いとか戸惑いってあまりブログとかで目にすることがないので、とても興味深く読ませていただきました。私の主人もクールを装いながら内心は「どう切り出そうか」とドキドキだったのかなと思うと少し微笑ましいです。主人はアメリカ人で英語ネイティブなのに Will you… のところで少しどもってました。緊張してたんでしょうね。 次の式のお話も楽しみにしています。

  2. Keiさん、
    ご拝読どうもありがとうございます。
    事前に具体的に「仮に…として…」と色々と細かくつめて、間違いない、みたいな立ち位置に持っていってたつもりなんで、緊張するような「賭け」の状況にはなかったのですが…

    まぁ改めて「あの、先日お話させていただきました件についてなんですが、一応そちらの方向にお互い歩み進んでいるということで間違いない…ですよね?」て感じではあるので、やはり緊張しました。

    なるべく早く続きを書くようにします。

  3. お〜ついに!!!
    おめでとうございます!!
    こんなリアルタイムでアメ10ブロガーのめでたいプロセスを読めるとは、とっても歴史的瞬間ですね。笑

    続きも楽しみにしてます!

  4. エリナさん、
    あーざまーす。そう、自ら歴史的瞬間をキャプチャーしてしまうという…

    遠い目をしながら秋空を見上げては、「思えば、ここまで長かった…」なんて。実はずっと一人でいてもおかしくなかったのですが、貰ってくれる方がいる内にウリャウリャと攻勢をかけさせていただいたら、結果こうなるという、とてもありがたい話。

    しかし、人生て色々あるもんすね。

  5. おめでとうございます。いつもこの連載を楽しみにしてます。彼女さんの反応がとてもかわいいですね。こちらまで嬉しくなりました。イラストもいつもniceです。また続きを楽しみにしています。

  6. Nanaさん、
    いつもご拝読と温かいコメント、どうもありがとうございます。

    イラスト、必ず一度は下書きして構図を決めて…
    エッチラホッチラやってる甲斐がありました(男嬉泣き)。

    ありがとうございます、ありがとうございます。

  7. はじめまして。たまたま通りかかった者です。。
    とてもほほえましくて羨ましくもなりました。
    自分もアラフォーのAMWFカップルで結婚10年目
    になります。自分のプロポーズは詳しく覚えてないんですが、場所は横浜
    でした。2010年にイリノイ州へ移住して来ました。
    またウェディングの話も楽しみにしています。

  8. Tyさん、
    ご拝読とコメント、どうもありがとうございます。
    たまたま通りかかっていただけて、とても嬉しいです。

    あらま、近い世代でしかもハマっこ?(僕は栄区ですが)
    あ、たまたま場所が横浜なだけですかね。

    なるべく早く続きを書きます。
    また気が向いたとき通りかかっていただけると嬉しいです。

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