オバマケア加入~新移民 in Arizona(3)

USA_flagこんにちは、Junです。日本に住んでいた頃は当たり前だったから知らなかったのだが、実は日本の国民/社会健康保険って素晴らしいのである。最初に渡米した時、アメリカの健康保険の高さにはビックリした。そもそも免責金額が高い。更に、基本的に目と歯はサービスに入っていないので、別途目や歯の保険に入るか、無保険で支払うかになる。

アメリカでは詰め物が取れてちょこっと虫歯を治療しただけでかる~く250ドルは取られてしまう。主人の友人(アメリカ人)は、酔っ払って駐車場で転げて倒れ、目覚めたら病院でMRIを取られていて請求が4000ドル来たと言っていたし、とにかく全てがバカ高いのである。私的にはアメリカの薬が悉く強力なのは、なるべく病院に行かずに治すためではないかと思っている。

その後2年間住んでいた香港は、公立病院に限り、市民IDカードがあれば一回につき一律100香港ドル(1500円程度)で診てくれるが、救急でないと3~4時間は待たされるらしい上、やはり目と歯は別。渡米前に詰め物が取れた主人は、診察の結果、根の治療(神経を抜く)が必要となり、結局8万円位かかった。しかも、香港人に安い歯医者を紹介して貰ったにも拘わらず、である。いっそ飛行機で日本に帰って治療した方が安いんじゃ?というお値段…。でもアメリカで根の治療をすると、もっととんでもない価格のようなのである。

さて本題。時間は少し戻り、まだSSNが届いていない4月頭の事である。何はともあれ健康保険に入らないといけないので(もしも事故等に遭ったら洒落にならない)、主人がオバマケアの受付に電話。電話受付は24時間OKというのは有り難いシステムである。最初に対応してくれた人は「加入期限は過ぎていますが、新移民という事で4月いっぱいならまだ加入出来ます。但し、2人ともSSNが出てからの方が良いです」と教えてくれた。

それ故に前回のように、SSNを求めてソーシャルセキュリティセンタに行ったのである。そして漸く手に入れたSSNを手に、急いで加入手続きを開始すべく再度電話。だが…主人は現在フリーランスで確たる雇用先はない状態なので、「オバマケアより更に収入が安定していない人用のメディケイドの加入審査をします」と言われてそこでまず待機せざるを得ない状態に。

予想通り、数日経っても何の連絡もナッシング。まぁ、アメリカできちんと連絡がある方が珍しいので、メゲずに主人は何度も電話。しかし、担当者が都度違うので全然話は通じず、「アメリカあるある」の担当者によって全然話が違う攻撃を毎回受け、「だーかーらー、新移民だから4月いっぱいまでなら加入出来るって言われたんですって!」と逆にこちらが担当者に説明し直す事も多々。で、結局「お待ちください」で終了という、見事なスタック状態に陥った。

一難去ってまた一難、何故に加入するのにこんなに待たされないといかんのだ? このままじゃ時間だけ無意味に過ぎていく…。かと言って無保険で居続ける訳にはいかない。という訳で、【困った時はGoogle先生に訊け!】で、主人が保険の相談に乗ってくれる窓口「Helping Family In Need」というものを探して来た。早速電話で月曜のアポイントメントを取り、いざフェニックス近郊へ。

ナビに導かれ着いてみると、建物の何処にもそのような看板や表示は出ていない。取り敢えず中に入り、一番近くの受付に訊いてみると、「その通路を右に行ってまっすぐの所よ」と教えてくれた。だがしかし、通路を右に行ってまっすぐの所は、非常口…。通路左側の奥まった所には簡易長テーブルに2人男女が座っていたが、そこにはロープが横にかけてあって行けない雰囲気。

更に右に行った場所のブースに人が居たので訊いてみたら「通路を戻ってまっすぐの所」と言われる始末。それって、さっき入って来た場所じゃないの?と訝しがりつつもまた戻り、今度は最初と違うブースで訊いてみたら、やはり右の通路を渡った所だと言う。

こうなったら片っ端から訊くしかない!と、通路を渡り、行く手を阻むロープを乗り越え、簡易長テーブルの男性に訊いてみると、何とそこがアポイントメントを取った「Helping Family In Needs」であった…。ブースですらなく、空いているスペースに簡易長テーブルを置いただけという簡素さ。どうやらこの建物は、色々な団体の相談受付複合施設になっているようで、それならせめて案内図や表示を入り口に掲示して欲しいものである。

対応してくれたのは、メキシカンな外見の男性とおばちゃま。おばちゃまに至ると我々が行った時はキャンクラ(キャンディークラッシュというゲーム)やりつつランチ中で、食べ終わるまではそのままご飯を食べつつキャンクラを無言でプレイし続けていた(笑)。

現在の収入が判るものを持参せよとの事だったが、主人はまだ本格的に仕事している訳ではないので、取り敢えず渡米してからの臨時収入及びこれからの見込み収入をExcelシートに纏めたものを提出し、男性とカウンセリング。たまにおばちゃまが口を挟んでくるのだが、基本スペイン語で、それを男性が英語に訳して説明してくれた。

オバマケアには40種類以上ものプランがあるらしく、その中から「多分これがあなた達に一番良いと思う」というプランを3つ抽出して内容について詳しく説明してくれた。プランは後で決めてネットで申請しても良いし、今決めればそのまま申請してくれるというので、迷わずそこで決めて申請して貰った。すんなり行くうちにやってしまうのがアメリカでは肝要。あとは、翌日サプライヤーにお金を振り込めば、6月1日から保険が適用されると聞いて取り敢えず一安心。

本当にここに来て良かった!と大満足でお礼を言って席を立つと、後ろには10人以上の列が出来ていてビックリ。確かに軽く40分以上経過していたが、やっぱり困っている人は多いんだなと実感。それにこのカウンセリングは、何と無料なのである! 無料でこんなに丁寧にやってくれて、電話では埒が明かなかったオバマケアの加入がアッサリ出来るとは…。しかも過去の保険と比べると激安! 非常に有り難いケアである。

だが、それから翌日もそのまた翌日もお金を振り込みたいと電話をしても、「まだコンピュータに情報が反映されていないので無理です。あと2日位待ってください」と言われた。これまた「アメリカあるある」で、結局1週間後にようやく振り込みが出来て、サプライヤーからメンバーカードも2枚送られて来て「やれやれだぜ…」と一安心したのも束の間…。更に問題勃発!

今度はオバマケア事務局の方から、「私の移民資格を証明する資料が足りない」と言われて、再度送信する羽目に。今現在、返事待ち中…。一体いつになったら安心出来るんだ!? でも、これがアメリカなのよね…。オバマ大統領、オバマケアは本当に素晴らしいけど、このヒューマンエラー的な二度手間も何とか改善して貰えないものでしょうかね!?

最後に。これから渡米して、自分達で保険加入をしないといけない方、もし手続きがスタックしたら、このような民間の相談施設に行く事を強くオススメします。

 

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4 comments on “オバマケア加入~新移民 in Arizona(3)”

  1. お疲れ様でした・・外国で新生活、落ち着くまでいろいろ大変ですね。手続すれば問題勃発・・当たり前ですよね(笑)
    アメリカの医療費は本当に高い!
    私が医療費の高さを実感したのは出産を機に仕事を辞めた時。
    会社の補助がないと同じレベルの保険をキープするのに一家(3人)で一月1200ドル必要という事を、辞めてから理解したという・・汗 
    それまで会社の補助つきで600ドルほどでした。高いけどまぁなんとか払ってこれたんですよね。・・しかし収入が減って、月千ドル以上の保険なんて払えるわけがありません。
    職を失う=無保険
    とは、この事だったのか!そこで実感しました。
    私の地域では、年齢が40代~50代健康良好状態で、ゴールドからプラチナレベルの安心して使える保険が欲しいとなると、一人350-500ドル位が相場みたいでした。
    だけど国民みんなが自腹でこんなに払えるわけがない・・。
    この現状を、国が1家の収入に応じてある程度補助して、すべての人に保険を・・というのがオバマケアですよね?間違っていたら指摘して下さい!なんせ上で書いたように、仕事を辞めるまで良くわかっていなかったのです。
    もちろん会社が補助してくれるなら、一家の収入に関係なくディスカウントがあるので得・・ですよね。
    例えば50代くらいで夫婦合わせてある程度の収入があったらほとんどほとんどディスカウントは無理で、ゴールドプラチナレベルの保険を自腹で月$800-1000近い出費になる。でも、各夫婦の会社が保険を補助しているなら夫婦でせいぜい月$300位で済む・・。そんな感じでしょうか。
    もちろん会社によって保険のレベルも補助のレベルも違うので様々だと思うので「これだ!」という金額は出せないのですが・・とにかく仕事を辞めて困ったことの一つが自腹で保険を買う負担でした!

    私は保険会社で働いているわけでもなく、保険について理解しきれていないのでいろいろ情報をシェアできると嬉しいです。

  2. しぇろさん、コメントありがとうございます!
    一家とは言え、一月1200ドルとはホンットーに高いですね。600ドルアップは厳しすぎます。
    オバマケアは、我々のような新移民には非常に有り難いシステムです。収入が上がれば上がるほど保険料も上がって行きますが、それは日本も同じですし。
    私も詳しくはないのですが、オバマケアの認識は同様です。メディケイドの対象にはならない所得者層には非常に有り難いものだし、多くの国民が保険に入れる事は重要な事だと思います。
    ただ、オバマケアに変更したいとトライした友人家族は、変更は認められず、結局高額な保険代を月々支払っていると言っていたので、どういう背景なら入れるのかは私も理解出来ていません…。
    これからも何か有用な情報をゲットしたら、都度シェアしていきたいと思います。よろしくお願いします。

  3. Junさん、行って来ましたよ、Helping Family in Needs!お蔭様ですごく助かりました。

    夫のリタイアで私も仕事を辞めて他州からアリゾナに移ったものの、私はメディケアに入れる年齢じゃありません。オバマケアに入るための手順はわかってアカウントも作ったものの、どんなプランを選ぶべきか相談できるところを探していたんですが、いちかばちか日本語で検索してみたらこのブログを発見できました。

    アカウントに必要項目を入れる際のいろいろなトリッキーな箇所についても、Helping Family in Needsのスタッフさんが親切に教えてくれたので問題なく進むことができました。もちろん最後のプラン選びの時にも、今までの事例から的確なアドバイスをいただくことができました。良いスタッフさんに当たったというのもあるのかもしれませんが、支払いについて注意することやアカウントに情報が反映されて振り込みができるようになるまでの所要日数(ブログでも書いていらっしゃいましたが、2-3日から最長1週間だそうです)、今後再就職した場合の手続き、納税申告の場合に覚えておくべきことなど、今後にミスをしないための注意点も要領よく説明していただけて安心感がありました。

    なお「手続きがスタックしたら相談機関に行くといい」とブログに書いていらっしゃいましたが、私が当たったスタッフさんによると、手続きの途中で質問や選択肢の意味を勘違いして間違った入力をした後だとリバースするのが大変(電話をかけて訂正、など)なので、最初から相談に行った方が早い、ということでしたよ。私はアカウントを作って基本情報だけ入れてから行きましたが、アカウントを作るところからでも時間をかけて1対1で手伝ってもらえるので、本当に頼りになりますね。カトリック系の公認保険申請補助組織のようですが、最後に「神様が守ってくださいますように!」と言われてちょっとほっこりしました。

    今朝、「全ての保険手続きが完了しましたので来月からカバーがスタートしますよ」という通知が保険会社からきました。Junさんに感謝して、このコメントをお送りしたいと思います。Helping Family in Needsに相談に来る人は95%がメキシコ人で、私を担当した人は過去に出会ったアジア人は韓国人一人だけだと言っていました。この情報、もっと広がっていくといいですね。

  4. KTさん、返信遅くなってすみません!
    私の体験がお役に立ったようで、何よりです。ホント、あのサービス素晴らしいですよね。結局私達も2年めはまた違うプランを探さなければいけなくなり、迷わず最初から行きました。書き方が悪くて申し訳なかったですが、「手続きがスタックする」というのは、我々のように電話でたらい回しにされて何も進まなかった状態です。なので、やってもらったのは最初からでした。だから余計良かったんですね。
    今後、このケア自体どうなるか不透明ですが、非常に有り難い制度なので、形を変えても続いてくれる事を切望しております…。

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