ダーリンはモーティシャン ~星条旗~

こんにちは。Norikoです。

私の住むLone Pine周辺では空にはうろこ雲が広がり、朝晩は気温も下がり過ごしやすくなってきました。皆さんがお住まいの場所ではどうですか?

今日は、アメリカの国旗、Stars & Stripes「星条旗」について書きます。

初めてLone Pineにやって来て、この町唯一(笑)のメインストリートを歩いた時、店表に星条旗を掲げた所が多くて、『ああ、本当にアメリカに来たんだなあ。』と感激した事をおぼえています。アメリカって、星条旗を掲げてる場所、多いですよね。商店だけでなくて、住宅地を歩いていても普通のお宅の玄関先に星条旗とか。この辺は田舎のせいか、ハイウェイ沿いのキャンプ場では、ダブルベッドのシーツほどの大きさの星条旗が風になびいていたりします。

モチロン葬儀屋兼検視官事務所である我が家の玄関先にも Flagpoleがあり、ダーリンの気が向いた時、いえ、時間がある時に星条旗が揚がります。本当は毎日揚げるべきなんですが、なにせ忙しい人なので・・・。

(家の前のFlagpole)

そんなある日、ダーリンに呼ばれ≪星条旗の正しい揚げ方≫を伝授されました。

  • 決して、上下を間違えて揚げてはいけない。
  • 半旗と呼ばれる揚げ方をする以外は、しっかりと上ま で上げる。
  • 揚げ降ろしの際は、旗の端っこすら地面に触れてはいけない。
  • もしも、地面に落としてしまったり、誤って地面に旗が触れてしまったら、直ちにその旗は焼却処分し、二度と使用してはいけない。
  • 夜間に旗を揚げておくには、夜中ず~っと旗を照らす専用の照明器具を設置しなければいけない。照明設置が無理なら、日の沈む前に旗をしまう。

『めんどくさ~~~~い。』

そう思いつつ、Flagpoleを見上げていた私の後で人の気配。なんと、隣のモーテルの宿泊客らしき人が、胸に手を当て旗が揚がるのを見上げているのです。これには本当にびっくりです。アメリカ人の星条旗に対する想いってすごい! 

一度ダーリン不在の際、日の沈む前にと、一人で旗をしまった事があったのですが、意外と旗が大きく、背の低い私が抱えるとまさに地面すれすれ。それ以来、なるべく触らない様にしています。

ちなみに、半旗の意味は、弔意を示す為に旗を上まで上げず半分よりちょっと上のほうに揚げるやり方です。
例えば、有名な方が亡くなった。マイケル・ジャクソンやホイットニー・ヒューストンの時もそうでしたし、大統領、天皇が亡くなればもちろん、半旗の対象です。自分の、大切な人が亡くなれば、自宅で半旗を揚げるでしょう。他にも、大規模災害が起こった時などに弔意を示す意味で揚げます。
これはもちろん日本でも行われています。

 

話は変わりますが、よく映画やドラマの葬儀シーンで、星条旗で覆った棺桶とか出てきますよね。大体が、戦地で活躍したヒーロー、ヒロイン。捜査途中で殉死した刑事、FBI捜査官。救助活動中に命を落とした消防士などなど。

あれって、公官庁に勤めていた方、或いは軍人や元軍人さんだけに許される名誉。私はそう思っていたのですが、実は違うんですって。誰でもあの旗、購入可能。もちろん、火葬の場合もOK。そしてあの星条旗は、必ず星の部分が見えるように三角にたたんで、保存します。(ハチマキとか、買い物袋を長細くたたみ三角に折ってまとめるあの方法。)それ専用の、保管ケースもあります。

 

(専用ケースに保管された星条旗)

 

先日、亡くなった、アメリカンインディアンのB氏。その葬儀(火葬後サービス)に使う星条旗をたたむお手伝いをしていた時の会話。

私  『この旗も地面に着いたらいけないの?』

ダ 『当然。』

私 『この人インディアンでも偉い人なんだ?』(特別な人にしか使用を許されないと思っていたので)

ダ 『え!?別に誰が使ったっていいんだよ。僕が死んだら僕の為に、絶対買ってね。Norikoには日の丸用意する?』

私 『いらない!!』

日本人とアメリカ人の国旗に関する想い入れって、温度差が違いすぎる。

 

(B氏のために畳まれた星条旗)

 

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3 comments on “ダーリンはモーティシャン ~星条旗~”

  1. 面白かったです~。
    興味深いですよね。アメリカの国旗にまつわること。
    国旗を掲揚するのにいろいろ決まりがあるってことに感心します。

    細かく決まりがあるけど、半旗を掲げる基準は、その旗をあげる人の判断なんですよね。ちょっとびっくり。お棺を旗で覆うのも自分で決めてできるんですね!

    >>隣のモーテルの宿泊客らしき人が、胸に手を当て旗が揚がるのを見上げている

    って記事の中のエピソード、アメリカ人がアメリカ人であることを誇りに思ってるのが伝わってきますよね。

    こういうシーンを見ると、「アメリカって幸せな国だなぁ」って思います。

  2. makiさん ありがとうございます。
    アメリカの人って、本当に国旗とか、アメリカ人である事に
    誇りを持ってる方多いですよね。
    日本人も見習わなくっちゃって、思います。

  3. ずいぶん昔の投稿にコメントして恐縮ですが、
    今こちらはダラスにいます。
    こちらへは先の8月6日に半旗だったため、
    その日はヒロシマの原爆投下日と関係があるのかなと、
    こちらのBlogへ伺いました。
     
    旗の掲揚方法としては、私は元海上自衛隊員ですので、
    日本人ですが「国旗」に対する敬意表明は全然珍しいものではなく、
    日本人も昔は同じ旗の掲揚方法をしていました。
    普段掲揚してなくても、祭日には玄関先に出すなど。

    日本人は、ではなく、先生方とその組織が学校で教えなくなった、
    そのうちに国旗を揚げれる場所もなくなったのが
    「今の日本人」と言われる意識でしょうが、
    しっかり世界共通の(この場合、
    旗の掲揚方法は万国航海法から来ているので)
    正しい認識を海外に出ている日本人に持って頂きたいです。
    国旗は、旦那さんが仰るように、敬意を持ち、手間暇を掛けるものです。
     
    問題は世界共通であることを、
    日本人として避けられて教えられてしまったことを
    取り返さなければいけないと思って下さい。
    決して日本人が国旗や掲揚方法に疎い、
    蛮民や公的なしきたりを知らない程度の低い国ではなく、
    「(教育されず)奪われたもの」として、
    そしてこれからはそれをアメリカで取り戻して下さい。

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