子供にスポーツ

こんにちは、美加です。

雨で急に寒くなって来た日本から帰ってきて、サンディエゴのお天気を満喫しています。朝晩は寒くなってきて、秋だなあ、と感じるこの頃です。

「スポーツの秋」という言い方、アメリカでは聞きませんが、サンディエゴは真夏以外は年中スポーツの季節ですね。あれっ、マリンスポーツする人は真夏が旬か。

アメリカではリトルリーグやフラッグフットボールに代表される子供のスポーツが盛んです。小学校、ときには5歳くらいからスポーツをさせるのはあたりまえのような文化があると思います。週末には子供の(練習)試合観戦に家族総出で出かけます。(おじいちゃん、おばあちゃんたちも来て、とてもほのぼのです。)

うちの子たち3人もスポーツをすることが生活の一部として育ちました。もちろんわたしは子供たちがスポーツを通してチームワークやリーダーシップを学び、ひいては社会のしくみを学校以外の場所で学ぶのは大賛成。でも始める前にちょっとわたしの体験談聞いてみますか?

 

まずアメリカでのスポーツクラスの説明と解説から。

うちの3人の子供は小学校の低学年からスポーツを始めました。近所のレクリエーションセンターやYMCAのクラスをシーズンごとにとっていました。空手、バスケ、スイミング、サッカー、次男は、ポップワーナーでフットボールを始め今も高校でプレイしています。

たくさんのスポーツをやっていたように聞こえますが、アメリカではチームスポーツのクラスは一年中ではなく、シーズンごとに開催されます。

高校、大学、プロのスポーツと同じシーズンに練習するのです。代表的なところでは秋のスポーツはフットボール、冬がバスケ、サッカー、春が野球です。夏はスイミングやサーフィンのクラスもあるでしょうか。

例えば今はTVでもフットボールたけなわですが、子供たちもフットボールのクラスを取る時期です。期間はだいたい夏休みが終わって秋学期の間です。11月には終わって、次はバスケが12月から始まります。一年中やればいいのに、なんでかな、と思いますがそれが普通のようです。

 

アメリカの子どものスポーツ

スポーツクラスの選び方は送り迎えや友達関係のことも考えてなるべく近所がいいと思います。近所のクラスだと、チームメイト、クラスメイトが通う小学校は違っていても、その後、中学や高校でまた一緒のチームになったりするのも楽しいものです。学校から子供たちがチラシをもってくるのでそれでよさそうなのを選ぶのもよし、YMCAやレクリエーションセンターのをインターネットで探すのもよしです。(記事の最後にリンクを載せておきます。)

 

練習時間や試合の回数はプログラムによって違うかと思いますが小学校高学年だと夕方週一か週二回練習して、練習試合が週末、土曜にあるのが普通だと思います。送り迎えと応援の日々が始まります。アメリカ人はこの練習試合の応援に家族でくりだします。

日本人のお父さん。ゴルフはお断りして、ぜひ練習の応援に行ってあげてください。とにかくお父さんの参加率は高いのでお父さんがいないとお子さんは淋しく思うでしょう。笑ってしまうのが、子供の試合に熱くなりすぎてコーチや審判とけんか(殴りあい)するお父さん、というのは風物詩で、ニュースやYoutubeを賑わします。

 

レジストレーションを済ませ費用を支払ったら、チーム編成とコーチの紹介があり、その後、練習の日時が決まります。子供チームには必ずボランティアのチームマム(ママ)がいて、初めての顔のときに紹介があるでしょう。チームのためになにかと世話焼きしてくれる役割で、スナックの手配を各選手の親に依頼します。スナックはシーズンに約一回、持ち回りで試合の後こどもたちに渡します。普通は飲み物(当時はカプリサンが定番でした)とスナック(ライスクリスピーバーやグラノラバー)などを人数分、ですがチームマムに相談するのがベストです。

 

と、ここまでは一般的な活動ですが、チームで運動神経が発達しているお子さんが実力をつけ、才能あり!と自他ともに認めるような存在になったとします。そうすると出てくるのが、クラブチームです。上手い選手たちが集められて、より専門的なコーチがつき、地域のトーナメントに活発に出場し、ひいては大学の奨学金をもらえるような優れた選手を養成するシステムです。高校のチームで活躍する生徒はほとんどクラブチーム出身といっても言いすぎではないでしょう。バスケットボール、バレーボール、サッカー、ソフトボール、野球がクラブチームの主なスポーツです。

 

親としては子供がそんなふうに認められれば嬉しくて、がんばって!と応援することになります。ただ、ここで一応知っておいて欲しいことは、クラブチームは、第一にお金と時間がかかること、一度始めると辞めるのが大変、大学の奨学金枠は人気のスポーツほど狭い、ということです。やくざの世界のように一度入るとぬけるのが大変な世界、とくに子供がそのスポーツを好きで続けたいと言われると、親としてはだめ、と言えないジレンマに遭遇します。

 

そこでここからがわたしの体験談。娘のバスケットボールチームの話になります。彼女は現在も大学のチームでがんばっていますので止めなくてよかったのですが、そこまでたどりつくには紆余曲折ありました。

娘は小学校2年くらいにバスケをはじめ、知り合いのつてで地元のバスケアソシエーションに参加したのですが、同時にクラブチームにも参加していたのでした。レジストの時は普通のチームとクラブの区別もろくに知らずにいいトレーニングがうけられるのなら、と続けていました。

そうしているうちに同じ年齢のチームメイト7~8人で地元のトーナメントに出始め、それで力がついてきたのでLAやオレンジカウンティーへの遠征が始まりました。そのあいだも運営費、ユニフォームやトーナメント費用に出費はしていましたが、遠征するとトーナメントの2日間はホテルに一泊して、親が車を出して子供たちを連れて行くパターンが始まりました。

このあたりでさすがにのんびりやのわたしも、「あれ、出費が多くなってる、でもチームスポーツだからうちだけ参加しませんって言えないよ~」と気がつきました。あとの祭りです。

同級生4人とも高校のバーシティ(一軍)チームにもフレッシュマン(一年生)からスターター(先発)になり、高校のチームとしての活動だけなら出費が減ると思いきや、甘かった。もっと強くなる為によりレベルの高いクラブチームに入りましょう、大学のD-1(ディビジョンワン)の奨学金も夢じゃない、と話が大きくなりレベルの高い(ので料金もたかい)クラブチームに参加することに。高校10年生から3年間、夏休みの遠征はアリゾナ、オレゴン、はてはノースキャロライナ、アラバマ、ジョージアといろんなところで試合しました。

そんなに努力してもバスケチームの定員は13~15人。新入生は3~4人とるだけです。残念ながらフルライド(学費、住居費、生活費込み)の奨学金がでるD-1の大学からのオファーはなく、D-2から学費のみの奨学金で進学し、バスケチームのメンバーになり活躍しています。

 

以上が私の体験談。単に金銭的負担のみではなく、こういう世界なんだよ、と知っていれば心の準備があり、戸惑うことなくお子さんの活躍を楽しめるのでは、と思いました。娘にはかけがえのない思い出ができたと思いますし、親としてもいい経験をさせてもらったと思っています。いろいろなところへ旅行できました。(観光はほとんどなし、試合観戦のみでしたが。)

 

ちなみに息子はフットボールでトレーニングを受けていますが、こちらはクラブチームで遠征というものはないようで、個人でコンバインとよばれるスキルトレーニングキャンプに参加して実力をつけるシステムのようです。クラブチームに比べると安くすみます。

娘さんのスポーツを選ぶときはバスケットよりはサッカー、サッカーよりはソフトボールがよいかもしれません。女子で奨学金の数が一番多いのはソフトボールのようです。

言い忘れましたが競争率のたかい大学、UCLAなどは申し込みの際スポーツ、ボランティアなどいろんな活動をしている生徒は有利なので、あまり競争率の高くないスポーツに参加して高校4年間続けるのが良いかと思われます。では、スポーツの秋お子さんたちと楽しんでください。

 

参考リンク

YMCA

サンディエゴのレクリエーションセンター

ユースフットボール

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13 comments on “子供にスポーツ”

  1. おお!
    これからうちの娘が通る道。
    とても参考になりました!

  2. 私もすごく参考にさせていただきました!
    アメリカスポーツ界はとにかくすごい。幅が広いですよね。

    レベルが上がってくると、親も子供もコミットメントが必要になりますから、子供に何かをやらせたい反面、面倒くさがりやな我が家は、考えてしまうところです。
    私自身も日本でテニス、バドミントン、ソフトボールなどをずっとやってきましたが、「平日は仕事をして、週末は子供のスポーツ。親は大変だったなぁ」と今になって感じます。

    でも子供のスポーツって考え出すときりがないですね。
    息子は、野球、サッカー、バスケ、フットボール、マーシャルアーツ、テニスにゴルフ。
    娘は、ダンス、バレエ、バスケ、テニスにゴルフ。
    どれにしようかな~・・・と完全に親の目論見で進めてますが、本人の意志がないと続きませんね。笑

  3. Makiさん、Erinaさん、そうそう、子供が楽しんでいれば一番なので、親はサポートすることのみ頭に入れていれば大丈夫です。子供たちに音楽の機会が足りなかったと反省しています。だいたいアメリカは音楽や美術の時間なさ過ぎですよね。上ふたりはそれでもトランペットとバイオリンを少しやりました。こう思うとほんとにお金がかかったわ。

  4. あらま、サンディエゴでは音楽・美術不足してるんですか?ウィチタ、意外に結構激しいので、「カルフォルニアはすげぇんだろな」とか勝手に想像していましたが…

    楽器、嫌がっても、やはりピアノを幼少期に続けさせるといいですね~。ギター、ベース、ドラムその他は高校とか大学からやっても上手くなれますが、ピアノはほぼ不可能なんで。ピアノができれば他の楽器なんかとっつき易いし…

  5. TATさんそうなんですよ、小学校では音楽は課外授業で希望する人だけ週何回かやっていただけです。今思えば日本ではちゃんとカリキュラムに入っていてよかったですよ。そう、ピアノ。わたしも幼少の頃ピアノさえ習っていれば今さらサイトリーディングで苦労することもないのに、と悔やむこのごろです。小学校の頃習い事がいやでなんとかダンスのクラスだけやっていました。

  6. 小学~中学でショパンとかベートーベンのソコソコ中級向けとかが弾けるようになれば、その後は「趣味ピアノ」て言えるレベルなんでしょうけど…そこまで続くかは、ほぼ親の後押しだと思います。

    僕は母が実家でピアノ教室という家庭だったので、反抗しまくってギターとかに逃げてしまいましたが…ひたすら後悔しました、二十代に入ってから。

    先日遊びで楽譜読んでましたが、いやぁもう何となく弾ける楽器でクラシックやる程度に逃げてしまいますわ。

  7. 日本の音楽教育ってクオリティが高いな、とアメリカの音楽教育を見て感じたんですが、どうなんでしょうか?

    ピンからキリっていう意味ではアメリカが優れているかもしれないけど、まんべんなく音楽教育という意味では、日本はすごいと思います。
    カラオケもみんな行くし。
    それに比べて、アメリカは歌嫌いな人が多いことにすごくビックリでした。
    うちの旦那は自分で「音痴だよ」って言ってるんですけど、すごいです。笑 (あ、こんなところでバラしちゃった)
    もとの歌がなんなのかわからないくらいで。
    そういう人ってけっこう多くないですか?

  8. 「できるレベル」に達してる確率は日本人のほうが圧倒的に多いです。
    基本雑なアメリカ人と比べると、なんか几帳面というか丁寧というか…

    「褒める社会」なアメリカでは、内容がどうあれ基本的に褒め倒されるので大半の生徒は勘違いが多く、その無駄な自信が努力の芽を摘んでしまう感じ。

    それでも、そこそこ音楽に力を入れてる大学レベルに達すると、競争の激しい環境出身のアメリカ人教授(大体年配)や、ヨーロッパ出身の厳しい先生達が超スパルタで「こんなのもできないんだったら、やめちまいな」とトドメを差してくれます。

    あと、黒人のゴスペル系教会でのシステムも物凄い競争率なんで、4~12歳くらいまでトレーニング。それまでに芽が出なければ、ステージに立つこともなくサヨナラみたいな。

    平均的に日本人は優秀ですし、アメリカ教育界でもアジア人の中では一番好かれてるのは間違いないです。みんな言うこと聞くし、約束守るし、みたいな…

    「でも英語下手だよね」みたいなオチですが(苦笑)。

  9. あるドキュメンタリー映画の予告をちょっと前に見たんですが、それを思い出して笑っちゃいました。

    確か、

    「世界の先進何十カ国の中では、リタラシーレベルがアメリカは下から数えて何番目である。
    それなのに世界で一番飛びぬけてるのは・・・・

    『自信』」

    っていう内容。
    映画自体は、パブリックスクールの教育レベルを上げるためのある政治家の話、みたいな感じだった気がします。

    本当、この「褒める社会」も、なんでも野放しに褒めるのはどうかと思いますね。締めるところは締めないと。
    そういう意味では日本のめちゃめちゃなスパルタも受けておいてよかったなと思うこともあります。

  10. 日本人はまじめ、に尽きますね。アメリカの音楽教育に関しては?が多いです。毎年サンディエゴのローカルの小学校と中学校がテレビでクリスマスの曲をコーラスで歌う番組があるのですがその下手さといったらはんぱじゃないです。TVにでるならもうちょっと練習しろよ、と先生に腹が立ちます。
    日本人が英語が下手なのは教育制度のせいでしょうね。リスニング、スピーキングを重視した英語教育を少4くらいから始めればちょっとは良くなるかな?

  11. 日本、「これでもか」て塾とか予備校とかに皆さん通うから、そのエネルギーを英会話に向ければ…とか昔は思ってましたけど、中国、韓国とかと共通する「テストで点を取る」勉強が主体なので、日本国内での英会話習得はほぼ無理なんじゃないか、と今は思います(諦めちゃいかんのですが)。よほど大きな変化をもたらさない限り…

    ま、そんなこと言っても、一部で成功されてる例は見たことがありますが(ウチの父とか幼馴染みとか、みなNHKラジオで独学でしたし)…

    楽器もそうですけど、「レッスンに通えば」と安易に思ってる人はそこで止まってしまうのかな、とか。結局「英会話教室に通ってんだぁ」程度じゃはっきり言って観光中に買い物出来るくらいで壁に当たってしまうし。

    (韓国内も最近比較的そうですが)中国・上海出身の生徒達、幼少時からの英語教育が本当に浸透してるので、ほぼ英語に問題ないですね。ちょっと羨ましいです。

    ただ、英語面をクリアすると「生徒としての質(性格または民族・文化的な傾向)」が問われるので…

    やっぱし、アジアの中では日本人が扱い易いという私見。

    は~日本人最高。お昼は家帰って納豆食お。

  12. 娘さんのお話参考になります。うちの娘は、スポーツは高校で選手に選ばれるほどうまくないので、コミュニティーサービスやガールスカウトなどをがんばろうと思うのですが、それでも大学進学には大丈夫なのでしょうか?

  13. Kumiさん、娘さんはアメリカの高校からアメリカの大学へ進学されるのですね?大学入学のプロセスは大学によって大きくちがうので大まかな情報は高校のカウンセラーや大学説明会から得られるのが一番だと思います。一般的に私立(ハーバード、スタンフォードなど)や競争率の高い公立(UCバークリー、UCLAなど)はコミュニティーサービスなども考慮するとは聞いています。でも進学に関係なくご本人のためになることなのでとても素晴らしいことだと思います。どんどん励まして褒めてあげてください。

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