アメリカで難治性血液癌の治療 vol. 2

アリゾナ在住、Jun です。初の病院シリーズ2回目の今回は、抗がん剤治療について述べていこうと思います。
主治医から、多発性骨髄腫に詳しいがん専門医にバトンが渡り、我々はノースフェニックスの方にあるHonor Healthというグループのがんセンターへ通う事になりました。がんセンターなので、そこに来ている患者さんは全員何らかのがん疾患を抱えているという訳で、「そうか、夫は本当にがんになってしまったんだな…」と改めて現実を突きつけられ、何か胸に迫るものがありました。
続きを読む

アメリカで難治性血液癌の治療 vol.1

ご無沙汰しております。アリゾナ在住、Junです。

アメリカに住む人なら、医療費のバカ高さはご存知でしょう。それ故に、保険には入ってはいても、滅多な事では病院には行けないと我々も常々思っておりました。しかし、今まで風邪一つ引かなかった夫が、まさかの希少血液癌と診断されてしまい、現在も絶賛闘病中です。

アメリカで癌の治療、一体どのようなプロセスで行うのか。ならないのが一番ですが、もし、いつか誰かが似たような状況になってしまって困った時に、少しでも参考になれば、と思い、現在までの闘病生活を綴っていきます。

時間は戻って、昨年8月。夫が「背中が痛い、背中が痛い」とやたら口にするようになりました。マッサージをするとマシにはなっていたようですが、仕事が仕事(アイスホッケーコーチ)なので、まぁ背中が痛いのは一種の職業病のようなもので、単に疲労だと二人とも軽く考えていました。

が、背中痛は一向に治る気配がなく、カイロプラクティックに通っても悪化の一路を辿るばかり。やむなく9月には保険適用の近所のホームドクターにアポイントメントを取って診察して貰いましたが、「背中の筋肉が凝ってるね、ただのBack spasm(背中の痙攣)だよ。レントゲンを撮るまでもない。カイロは止めて、フィジカルセラピーに行け」と言われて終了。しかし、フィジカルセラピーや鍼に通ったりしたものの、やはり効果無し…。

そんな状態でも夫は指導には行っていたものの、氷から降りるとヨチヨチ歩きしか出来ない状態に。グループレッスン後、あまりのヨロヨロっぷりを見たとある父兄(医師)が、「えらい調子悪そうだな、明日俺の診療所で見てやるから来ないか。」と声をかけてくれ、有難く行く事に。幸い、保険適用のグループでした。アメリカでは入っている保険により、行ける病院・行けない病院があるので、この点もややこしいのです。我々にはまだ決まった主治医(ホームドクター)も居なかったので、彼に主治医になって貰う事になりました。

彼の診断も「やっぱりBack spasmだとは思うけど、念の為レントゲンも撮っておこう」でした。が、レントゲンを撮って帰って来て明けた月曜日、朝から電話がかかって来て、「お前の背骨、何か所か折れてるぞ! 事故にでも遭ったのか?」と言われました。「いやそんな事はない」と答えると「これは異常だ、じゃあ骨密度のテストを受けろ」と言われて、アレンジされるがままに骨密度のテストを受けると、背骨だけが彼の年代の40%の骨密度しかないとの事。「この年代でこれは異常だ」と次は血液検査、MRIとアレンジが出来次第、検査に行くという状態に。

                      ※写真はイメージです。

 

そして10月頭の金曜、レッスンに息子を連れて来ていた主治医の元に、木曜受けたMRIの結果が届いたようで、レッスン後に夫に伝えられたのは、考えもしなかった結果でした。

医師:「今考えられるケースでは、癌の可能性が高い。最悪で、多発性骨髄腫(Multiple Myeloma)。

夫:「それは何?」

医師:「脊髄の稀な血液癌だ。」

夫:「・・・その他の可能性は?」

医師:「白血病とか、リンパ腫とか…」

夫:「全部悪そうな癌じゃねーかよ!(←思わずツッコミを入れてしまったらしい)」

医師:「ともかく、確定させる為にも、明日ラボに来て、もっと詳しい血液検査と、丸一日分の尿検査をしよう」

との事で、土曜日、血液採取の後にハーフガロンの牛乳用みたいなペットボトルを持って帰宅し、その週末、24時間分の尿を全て採取し、提出。

私は、最初の検査を受けてからというもの、毎週月曜朝にかかってくる医師からの電話が憂鬱でした。思いもしない事が毎週毎週起こる訳ですから。そして尿検査後の月曜朝かかって来た電話。医師の声も沈んでいて、「残念だが、数値から見ても多発性骨髄腫だと思う。次は骨髄の生検、PETスキャンを取って、ここからは癌の専門医を紹介する。」と告げられました。

多発性骨髄腫は、日本では、「大介花子」の花子さんが罹患したという事で、少しは聞いた事がある方もいらっしゃるかも知れません。血液細胞の1つである「形質細胞(けいしつさいぼう)」の癌で、本来形質細胞は、体内に侵入した細菌やウイルスなどの異物から体を守ってくれる「抗体」を作る働きをもっています。しかし、形質細胞が癌化して骨髄腫細胞になると、役に立たない抗体(Mタンパクと呼びます)を作り続け、さまざまな症状を引き起こします。夫の場合は、背骨の骨密度が著しく落ちて、背骨が何か所も圧迫骨折を起こして、それが背中の痙攣に結びついていたのです。

結局のところ、

主治医は「この病気ではないか」という診断をし、専門的な診断を下すのは、専門医 続きを読む

英語が微妙な私がバイリンガル●●職に…の巻

ご無沙汰しております。Junです。
昨年秋から色々な事が起こり、10月から未経験業界にも拘わらずフルタイムで働く事になりました。
これが予定が立てづらい結構な激務で、酷い時は日付が変わってから家に帰る事も有りました…。
現在はまだ雇用中のため守秘義務があるので、職場や職種についての詳細は書けませんが、某日系企業の日米語バイリンガル●●的な仕事です。

そんな私の英語のレベルはっつーと、まず、2010年の初渡米時はほぼ会話力ゼロでした。
留学経験も無ければ、英語に興味も無い、更に英語を習う金も無い。そんな私が英語を喋れる訳がありましょうか、いや無い(反語)。
ちょろっと外国人と飲みに行ったりもしたけど、もう殆どノリと笑顔で適当に乗り切っておりました。
更に、国際結婚組とは違って、夫は日本人。日常生活で英語を喋る事はほぼ無し。おまけに彼は外で英語ばかり喋っているので、家の中では日本語喋りたいって言って喋ってくれないし。

そんな私でしたが、アリゾナの後、トルコ、香港と渡り歩いて、英語(やトルコ語や広東語)を話さないといけない時もままあり、流石に上達しました。そもそも、元がほぼゼロだし、落ちようがありません。
が、やはり自分の言いたい事を即座に言えるほどペラペラって訳ではない状態が現在。にも関わらず、まずはとある日系企業と提携している派遣会社に登録し、その日系企業で英語で面接を受ける羽目になりました…。当初は日本語と英語は半々って言われましたが、実際その会社のアメリカ人ボスがひたすら喋っていたので、9割英語・1割日本語でした。

面接前日には超~ナーバスになったし、面接時も言いたい事を正確には言えませんでしたが、とりあえず出来る限り迅速にハッキリと答えたら、先方には「英語も出来る(自分的には全然出来てない…)し、通訳が必要な時は、通訳も出来る?」と訊かれました。でも即答で「No, I CAN NOT!」と答えた、「No」の言える日本人です、私。無論、理由も思いつく単語を並べて説明(単に「専門用語を英語で何て言えば良いのか判りません」と言っただけ)し、何とか伝わりはしました。

実は私、日本では面接で落ちた経験無し。今回のアメリカでの初面接もそのジンクスでクリア出来たのか、めでたく採用となりました。が、11月に会社のイベントでバブルサッカーに参加し、2シフトめに膝の外側側副靱帯を部分断裂するという怪我を負ってしまいました。デスクワークではないので、今一つどころか、今二つ役に立たない状態になってしまったものの、とりあえず膝サポーター(英語ではブレイス)に氷嚢を挟んで、仕事は休まずに行きました。

バブルが結構重くて、私は運悪く斜め後ろからヒットされ、捻れたバブルに振られて膝が変な方向に捻られて、何か「ブチーン」という鈍い音が…。そのまま立てなくなり、知らない人にお姫様抱っこされてベンチに運ばれました。 続きを読む

アリゾナに一番近い海。

メキシコビーチ

メキシコビーチ
ホテルの部屋からの眺め。基本オーシャンビュー。
お久しぶりです、Junです。
先月の話になってしまうのですが、今回はアリゾナから行ける素敵なビーチの紹介です。灼熱の砂漠アリゾナは内地なので、海はありません。ですが、実は、3時間ちょいのドライブで、美しいビーチに行けるのです。

それは何処か?というと、国境を跨いで南下した、メキシコ。
フェニックスでは「Rocky Point」、メキシコだと「Puerto Penasco」と呼ばれている場所です。アメリカ人の友達がFBに美しいビーチの写真をアップしているのを見て、「一体何処のビーチ?」と訊いて教えて貰ったのがキッカケです。フェニックス在住のアメリカ人には、結構ポピュラーなビーチリゾートのようで、夏だけでなく、冬でも行っている知人をチラホラ見かけます。

夫はビーチが大好きなので、いっちょ行ってみよう!という事になり、去年は2人で行ってみました。平日ならビーチ側のホテル、Penasco Del Sol Hotelが一泊$99と安かったので、火曜出発の金曜帰りで行く事にしました。豪華なホテルではなかったですが、オーシャンビューだし、プールの中のバーでは一杯買うともう一杯無料で付いてくるサービスをやっていたので、2人で飲んでも一種類$5~。ホテルから離れれれば離れるほど、ゲットーっぽい風景にはなりますが、歩いて行ける範囲内は問題無し。

で、そんな話を日本人の駐在友人夫婦と飲みながら話していたら、彼らも共に行きたいと言うので、一緒に行く事になりました。ただ、あちらのご主人が仕事の休みを取る関係上、金曜午後出発の日曜戻り、という日程しか不可能との事。それで検索すると、同じホテルでも倍以上…。やっぱり週末はえらい上がります。

コテージも見てみましたが、こちらも高い上に、実際の金額がいくらになるのだろうかとチェックしてみたら、基本の宿泊料金に掃除代等の追加料金が$70位上乗せされ、むしろホテルより高い! 人数がもっと居て、もっと早く予約を入れれば割安になりそうだけど、4人では損なので却下。結局、去年と同じホテルを倍以上の価格で取りましたが、一部屋を2組で割れば大して差は出ないので、4名一部屋という事で話はまとまりました。

夏のフェニックスはクッソ暑いですが、実は紫外線は大した事はなく、日常生活程度であれば、日焼け止め無しでも火傷するような事態にはなりません。が、去年の初メキシコビーチでは、5分で尋常でない熱さを肌に感じ、慌てて腕や背中に日焼け止めを塗ったものの、時すでに遅し。塗った範囲はまだしも、手が届かなかった背中の一部分は真っ赤になり、寝返りが打てない状態に。元がそれなりに灼けていた故に油断していて、海から戻って来た後に日焼け止めを塗った夫は、背中一面が真っ赤になって更に酷い事になりました。

日焼け止めは必須です! 全身むらなく塗るようにしましょう。特に足の甲。また、湿度がかなり高く、湿度10%を切る事もざらなフェニックスから行くと、蒸し風呂のように感じます。

さていよいよ出発。金曜午前中働いて午後休を取った友人夫婦の車に乗り込み、いざ南下。

ホテルにチェックインしてすぐ、2日めの夜に「海賊船サンセット・クルーズ」を申し込みに行くため、向かいにあるツアー代理店にGO。その名の通り、海賊船っぽい船に乗って、海賊の格好をした人達にお酌をされつつ海に出て、サンセットを見て帰って来るというツアーです。マルガリータ、テキーラサンライズ、ビールが飲み放題で、軽食(サンドイッチ)もついて1人$30。出航前からガンガンお酒を注ぎに来てくれるし、色々なイベントも船の上でやってくれるし、何より海に沈む夕陽もキレイで、とっても楽しいツアーだったのです。

今年はその代理店はどこぞのリゾートと提携したらしく、「明日の朝食付きで90分のバケーションレンタルの説明を聞いたら、$30×4人のクルーズ代$120を$50にするけど、どう?」というオファーが…。でも、バケーションレンタルって押しが強くて面倒なイメージ有るし…と夫共々悩んでいたら、「断ればいいだけ、テキーラも1本付けるから!」と言うではないですか。友人夫婦にも訊いてみたら「面白そうだし、そんなに安くなるなら良いですよ♪」と言うので、説明会にも行く事に。

その後はビーチ、プール、海を見ながらジャグジー、と一通り楽しんで、夕食へ。去年行ったクーラーが効いている店はイマイチだったので、オープンタイプの混んでいる店に行ってみました。やはり混んでいるだけに、美味しくて安かったのですが、お酒は置いてありません。ピナコラータがあったので頼もうとしたら、それもノンアルコールとな。それってただのパイナップルココナッツジュースやないけ!という事で却下。この店は、カルネ・アサダが特に美味でした。しかし、夜でもかなり蒸し暑いので、スパイシーなメキシカン料理を食べていると汗がダラダラ流れて来ます。

2日目の朝は、代理店の前集合で、バケーションレンタルのリゾートまで「メキシカン・リムジン(という名のボロっちいバン)」で連れて行かれました。他にもかなり人々が連れて来られていて、受付まで暫く待たされ、担当者と挨拶後、まずは朝ご飯。リゾートのレストラン的な所に入って「好きなものをお好きなだけどうぞ」はいいのですが、パン、フルーツ、シリアルの他にあったのは、野菜入りのスクランブルエッグ、プレーンのスクランブルエッグ、少し肉入ったスクランブルエッグ、の3つのみ。何でスクランブルエッグ3連発やねん? これはもうちょっと頑張りましょうよ…。

夫はのっけから担当者に「良いディールを貰ったから来たけど、我々いつ日本に帰るか判らないから、買う気はない!」と先制攻撃をし、担当者も「了解了解、でも仕事だから一応案内するね」と世間話をしつつ施設を案内してくれました。現在6年経っているらしいけど、まだまだ大分発展途上で、ゴルフリゾートと銘打ってはいるものの、ゴルフ場なんていつになったら出来るのやら?という感じ。プライベートビーチと言えば聞こえは良いが、周り何にも無いし、飯とかどーすんの?的なロケーション。

一通り説明が終わると、契約書等が並べてあるテーブルへ案内され、ここでも一通り説明を受けて、夫が「言った通り、無理だから」と言うと、担当者は「だよね、最後にお偉いさんが挨拶だけしたいっていうから連れて来るね」と、年配の男性を連れて来ました。この人の英語は訛り過ぎてて何を言ってるか聞き取り辛い事この上ないのですが、流石ラスボス、押しが強いのなんのって。

「No.」と言えば「Why no?」って返してくるし、「すぐ日本に帰るかも知れない」と言えば、「他のリゾートとも提携していて、好きなホテルにも泊まれる、日本にもこんなに泊まれるホテルがあるぞ」と資料を見せてくるのです。日本には全然魅力的な土地に契約ホテルが無かったので、マイナス要因以外のナニモノでもなかったのですが…。そしてどんどん値下げが始まり、しまいには、日本へ帰る飛行機チケット2枚付ける!とまで言い出す始末です。

「90分話聞いたし、もう良いでしょ」とキッパリ跳ね除け、海賊船のチケットを貰い、代理店まで連れて帰って貰いました。が、「テキーラまだここにない。1時間位したらまた来て!」と言われて、半信半疑で1時間半後に行ったら、ようやく1本くれました。どうせ安いヤツだろ~と思いつつ早速試飲してみたら、意外にもすごく美味しいではないですか。何処で買ったのか聞けば良かったと後悔したのは、言うまでもありません。

その後は、去年行って気に入った樽の形のタコトラックに行ってランチ。ここのシュリンプタコスは、しっかり味のついた衣で揚げてあり、プリップリの身がたまりません。当然シュリンプケサディーヤも同じエビなので美味。メキシコのタコトラックにしては割高だし、注文してからイチから作り始めるので、時間もそれなりにかかりますが、オススメです。トラックの横は屋根があって簡易テーブルもあるのでそこで食べられます。湿気があるから暑いけど…。

Puerto Penascoの海は、干潮と満潮の差が凄まじく、朝夕はかなり遠くまで潮が引き、午後1時位にかなり満ちて来ます。ランチから帰って来た頃には潮が満ち始めていたので、早速着替えて海へ。今年は簡易テントも持って行ったので、交代で海に浸かって長めに遊べました。日陰がないとビーチに居るだけでも疲れるし、何より暑くて耐えられません。今年は結構波が大きかったので、浮輪を持ってくれば波に乗れたかも…と思いつつも、波と戯れ海を満喫しました。

しかし、夕方、海賊船ツアーの港まで歩いて行くと、事務所が閉まっているではないですか。何か書いてある紙が貼ってあるけどスペイン語じゃサッパリ判らず、Google翻訳にかけたら、「強風で港がクローズしているのでツアーはキャンセルします。」との事…。確かに今日は船見かけなかったし、波も高かったからか…と、失意のまま代理店に戻り、「明日フェニックスに帰るからツアー代を返却して」と頼むも、「了解、5分待ってて。あ、メキシカン時間の5分だから」と言われたまま放置。結局20分後位に、最初に対応してくれた人がお金を持って来て、更に他の従業員からお札を借りて返してくれました。

この日の夜は、Yelpレビューの良い近場の店に行く事に。歩いても行けるけど、ちょっと遠いし夜は少し怖いので車で行きました。やはりホテルから離れるとゲットー色が濃くなり不安になりましたが、店の真ん前に車を停められたので良かったです。店の前付近なら見張ってくれるし、自分たちからも見えるので安心感があります(見張りには帰りにチップが必要)。
こちらもやはりクーラー、アルコール無し。色々頼んでシェアしましたが、ここのチキンは今まで食べた中でも断トツでした!焼いただけなのに、何であんなに美味しいんでしょうか。謎です。

最終日はどこで朝ご飯食べようかな、と周りを見渡していたら、ホテル付近のバーに「Free Breakfast」という垂れ幕がかかっているのを発見。とりあえずどんなディールか訊きに行ったら、何でも良いから飲み物を頼めば、ベーコン、卵2個、ポテトが無料でついてくるとの事。男性陣は運転があるのでコーヒー、若奥様はメキシカンコーラ、私はブラッディメアリーをチョイス。朝ですし(笑)。
ブラッディメアリーは勿論、朝食も普通に美味しいのに飲み物代だけで良いという事で、安くて大満足。その後、またしても樽トラックでシュリンプケサディーヤをランチ用にお持ち帰りしてチェックアウト。

さて帰りの国境越えですが、日曜日にも拘わらず車は前に2台しか居なくて、これまたスムースに抜けられました。我々グリーンカード組は、陸路はグリーンカードのみでパスポートは要らない、と去年ここで聞いたのですが、念のためにパスポートも一応持参。友人夫婦は、パスポートとビザの有効期限が書いてあるI-94という書類を印刷して持参していましたが、係員に「何これ初めて見た」と言われておりました…。I-94がないと、いつまでビザが有効か等知り得ないというのに、用意していない人が多いという事なのでしょうか。グリーンカードがない方は、パスポートとI-94のハードコピーをお忘れなく。

帰りは通りがかりついでに、オルガンパイプカクタス国立モニュメントに寄って、打って変わって乾燥した風を頬に感じながら、テイクアウトのケサディーヤを皆で食べて、私はちょこっとテキーラも飲ませていただきました。そしてモニュメント内を車で巡って満喫し、フェニックスに戻って来たのでありました。短かったけど、充実の3日間でした。

やはりいきなりメキシコに行く、というのは躊躇する日本人も多いみたいですが、普通に行く分には基本問題はないので、綺麗なビーチに行きたい人にはお勧めです。高くはつくでしょうが、もっと高級なリゾートホテルに泊まれば安心感も増すのではないでしょうか。何より3時間半で行けるし、物価もアメリカに比べたら安いのでお財布にも優しいです。

最後に注意点を2つ。
1つめ。メキシコでの車の保険は絶対に入って行ってください。車種によりますが、$30~位から入れます。自分の入っている保険で特約で付けられるケースもあるし、ネットでもすぐに加入出来ます。
2つめ。こちらに帰って来て、うちの夫と駐在夫さんは暫く腹を壊したようです。他に行った友達で、生牡蠣を食べて入院した人も居ますので、くれぐれも生モノには気を付けてください。同じモノを食べた筈の、私と美人駐妻さんは平気だったんですけどねぇ。彼らは一体何に中ったんでしょうか…?

オマケ:I-94の取得方法
https://abc-campus.jp/i-94

世界最大規模の Tucson Gem Shows 初体験!

お久しぶりです。Junです。
今回は、行きたてホヤホヤのTucson Gem Shows (ツーソン ジェム ショーズ) について書きたいと思います。この世界最大規模のミネラル&ジェムショーは1月中盤から2月中盤までアリゾナ州南部のツーソンで行われ、世界各国から人が集まって来るそうです。会場はツーソン中の様々な建物や特設会場、はたまたホテル内にも設置され、一体いくつのショーがあるのか数えるのすら面倒な規模です。基本的にどのショーも入場は無料で入れますが、中には卸のライセンスパスがないと入れない、Wholesale オンリーとかのショーもあります。

実は私、10月から週イチで始めたバイトが縁で、12月からジュエリーメイキング教室に通い始めました。アメリカでのジュエリーメイキングがどんなものかイマイチ判っていない状態で初心者クラス(1日4時間×6週)に行ったら、いきなり糸鋸で金属板を切る事から始まり、その後は合金をトーチで溶かして、違う金属素材同士を溶接するなど、彫金の世界に足を踏み入れてしまったのでした。クラスの最後に作ったスピニングリングが簡単な割に出来映えが良かったのですっかり気に入り、1月からは Intermediate クラスに通い、よりガチな彫金を習っております。

そして、その教室を紹介してくれたMさんのお誘いで、2月3~5日まで泊まりでツーソンに行く事になったのでした。今回車を出してくれたMさんの友人であるCさん共々、お二方はEtsyでアクセサリショップを営んでいる、いわばプロ。卸の資格も持っているので、今回は私もバイヤーとしてパスを取ってもらい、一般人は入れないショーにも入れるというので、楽しみにしていました。やはりそういう会場の方がかなりお得で、消費税も取られず、Wholesaleでも単品から買える/ミニマムが少ない等、メリットが大きいそうです。

2月3日金曜日、早朝7時に迎えに来てもらい、一路ツーソンへ。途中で朝食を摂り、ツーソン手前で行われていたミネラルショーを見て、開場時間の10時まで時間を潰しました。(全てのショーは10時開場)
まずは、22nd Street Mineral, Fossil & Gem Show会場へ。こちらは、原石や宝石の彫刻、そして化石がメインのよう。巨大な化石の骨に「Sold Out」の札が貼ってあり、「これ買う人居るんだ!」と感心することしきり。

これが売り物かどうかは…定かではないです。レプリカかな…?
捕食シーンを再現した化石。博物館さながらで、面白い!

ここで「Close Out セール」というディスプレイを見つけたので何となく見てみたら、$30の石が$8、$20の石が$6と書いてあるではないですか。これはお得なのでは!とじっくり見て、アイオライトのカボションとホワイトトパーズを購入。
だがしかし!カード大国のアメリカだというのに、ブースによっては「現金かチェックのみ」という所や、クレジットカードだとミニマムが設定されている所も多々ある模様。「現金だからもう少しまけて❤」と、値引き交渉も出来るので、現金払いが一番良いという事を最終日に知り、大後悔…。私はカードで払う気満々で、さほど現金は持って来ていないにも関わらず、このブースはミニマム$20だったので、早速現金で払う羽目になりました…。勿論会場の外にもATMは設置してあるけど、手数料考えたらとてもおろす気にならずでした。

次は、今回の目玉の一つである、JOGS INTERNATIONAL EXHIBITS というショーへ。ここは、事前登録したパスがないと入れないので、Mさんが私達のパスも印刷してくれていました。入口でパスの紙を見せるとパス部分を切って入れて首にかけるケースをくれます。IDチェックもあるので、登録者以外は入れません。
巨大な建物の中には整然とブースが並び、一体何処へ行けば良いのやら…状態。最初はMさんについて回っていましたが、そんな中、私の目に飛び込んで来たのは、オール60%引きの表示。私はまだ素人に毛が生えた程度なので、自分のスキルアップと楽しみのために安めの石を買う目的しかない訳で、割引表示についつい吸い寄せられるのでした。

様々な石が入ったパックの山をほじくり回していたら、いつの間にか1人に(笑)。その方が気を遣わずに見られるので、その後もずっと石をチェックしまくり、気になるものをトレイに放り込み、最後に値段を計算しながら厳選。それでも結構買ってしまいました。その後も気になる所はちょこちょこ見つつMさん達を探しましたが、広大な会場で見つかる訳もなく、携帯で連絡を取って合流。
それにしても、ディーラーのインド人率、非常に高いです。恐らく一番多いのではないでしょうか。私が長時間石とにらめっこしていたブースもインド人のお姉さんがやってました。

その後、ホテルにチェックイン。このホテルには、Mさんがいつもチェーンを買い付けているフェニックスのディーラー(これまたインド人のおじさん)がブースを出していて、後で見ようと思ったものの、結局見られず。一日中立ちっぱなしで疲労も蓄積していたのか、ホテルのレストランでマルガリータを一杯飲んでナチョスをつまんだだけで酔いが回り、部屋に戻って他の2人が交代でシャワーを浴びている間に撃沈。その後シャワーを浴びたら復活し、Mさん持参のジャックダニエルハニーをチビチビ飲みながら歓談して0時前に就寝。

2日めは7時半頃に目覚め、出かける用意をして朝食へ。9時20分位までホテルのレストランでコーヒーをお代わりしまくって待機し、ホテルからシャトルバスに乗り、この日の目的の会場へ。会期中は殆どのホテルから無料のシャトルバスが各会場に出ているので、車がなくてもOK。駐車場も広大で、かなり早めに行かないと非常に遠くに停める羽目になるので、シャトルは便利と言えば便利です。但し、シャトルは20分おき位で時刻表などはないし、もし違うルートのバスに乗ってしまうと、違う所へ連れて行かれるので、ルート確認はしっかりしなくてはいけません。車の場合は駐車場が遠くても、随時ゴルフカートで入口への送迎を行っているので、カートを待てば歩かずとも済みます。(駐車場のアルファベットを覚えておかないと帰れなくなりますが)

この日のメインは、g&LW(Gem & Lapidary Wholesalers)。こちらは名の通り、卸パスがある人かそのゲストしか入れません。でもIDチェックはないので、初日のところよりは緩いです。ここには大きなテントが何個も設置されていて、その中にもこれまたいっぱいブースがあり、もう大変。私は入口すぐのインド人ブースで「お金の心配要らない、安い」という言葉を真に受けて可愛いジェム(並べてあるジェムによって、1カラット$●、という売り方)を何個か買ったら、思いの外高くて何だか損した気分に…。その後色々見たら、適正価格ではあったんですが、お得感ゼロ。

このように巨大なテントが点々と設置されています。

またしてもはぐれたので、ウロウロしながら色々物色。友達に頼まれたムーンストーンをチェックして、写真を撮って送ったり、自分も買った石に合いそうな安いチェーンを購入したり、とやっていたら、Cさんに遭遇。Mさんを一緒に探しつつ歩いたのですが見つからず、結局また携帯で現在地を訊いて合流。3人で違うテントを見終わってから、会場内の出店でランチを食べ、Cさんはそのまま残り、Mさんと私はWhole Bead Showという違う会場へ行く事にしました。

Bead Show は名の通り、ビーズなどがいっぱい。私はビーズ細工はやらないので、ブースを眺めるだけで散財せずに済みました。その後、更に違うビーズ系の会場に移動し、そこでつい買ってしまったのが、ヴィンテージ物のドイツ製のガラスボタン。クリスマスプレゼントに夫がミシンを買ってくれたので、良いボタンがあったら何かに使えるかも…と思ったのと、デッドストック故に、後から欲しくなっても買えないから、吟味して3種選びました。誰でも入れるブースという事で定価はなかなか高かったのですが、Wholesaleで$300以上買えば半額。Mさんのまとめ買いに混ぜて貰ったので、結果半額になりました。

1950~1960年代モノだそうです。

まだ18時のクローズ時間までは間があったけど、疲れたので一度ホテルに戻り、ホテル内のインド人おじさんのブースをじっくり見て、チェーンを数種類購入。おじさんに「カレーあるから食べて」と勧められたので、インドカレーをご馳走になりました(笑)。近所のインディアンレストランからデリバリして貰い、お客に無料で振る舞っているそうです。冷えてはいたけど、結構美味しかったです。結局全員疲れたとの事で、そのまま部屋で飲んで2日目終了。

金や銀のチェーンだけでなく、ビーズや天然石の付いたチェーンも! Cさんは爆買いしていました…

計画当初は3泊の予定だったのですが、1週間前にCさんは日曜朝11時にはツーソンを去らねばいけなくなり、私はCさんと一緒に帰り、Mさんのみ3泊してバスでフェニックスに帰る事になりました。毎晩、3人で「今日何買った?」と見せ合っていたのですが、Cさんが「あらやだ、何で私ターコイズをこれだけしか買ってないの?明日朝また行って、もっと買わなきゃ!」と言うので、帰る前に昨日の大きな会場へ行き、Cさんが買いたいという店のブースへ直行。

ここで自分用に少し良いターコイズを買おう、とじっくり見比べて、スリーピングビューティー鉱山産の2カラットのターコイズと、キングマン鉱山産の4カラットのターコイズを購入。1カラットにつきいくら、と決まっているので、小さい石でなおかつ安めのものであれば、スリーピングビューティーでも $10以下で買えます。様々な産地によって全然違うターコイズになるんだな、という事も初めて知りました。スリーピングビューティー鉱山は既に閉山となっていて、この先もう新規では手に入らないので、年々品も減り、価格も上がるだろうとの事でした。

空のように真っ青でキレイ~。この美しいブルーが、スリーピングビューティー産の特徴だそう。

最初は泊まりで行くなんて…と思っていましたが、会場が広くて多岐に渡るため、確かに日帰りでは厳しいです。フェニックスの我が家からだとツーソンまで約1時間半で着きますが、決して近い訳ではないですしね。この時期は当然ホテルも混み合うので、もし行ってみたいとお考えの方は、まずは日程が出次第、なるべく早めにホテルを予約した方が良いでしょう。

カリフォルニアナンバーの車や、スノーバード(避寒者)と思わしきカナダやミネソタなどのナンバーの車もかなり見かけました。ツーソンには他にもサワロ国立公園(東&西)や、デザートミュージアムなどの見どころもあるし、もう少し南に下ると、

Tombstone (トゥームストーン 続きを読む