アメリカで家買ってしまうのか、俺?

「クレジット大国」と言われる米国。

驚くくらい「借金してなんぼ」な社会構造なので、ローンは基本「将来への投資」という発想。

「自己責任」を強調したい風潮が根強いから、一部の地域以外、電車・地下鉄・バスなどの公共の移動手段が発達しない文化。これは俗説かも知れないが「移動時間を他人に左右されたくない」という発想が根幹にある、と昔ビジネスの教授に言われたことがる。

なるほど。

でも、この価値観自体、金銭的に「石橋を叩いて渡りたい」「運転なんかしないで、バス・電車で生活したい」「貯金大好き」な生粋の日本人である僕には中々難しい。

ま、これがまた米国なのだな、と「内に住みながら外の目を持って」素直に文化比較を楽しむしかないような気もする。

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さて、最近、同僚が家を購入。

僕とは一回り年齢が離れていて、まだ20代な彼。

生粋のアメリカンでは意外と当たり前なのだが、「学生ローン(2種類)」と「車のローン」、さらに今回は「家のローン」が加わる彼の金銭事情。

大学職員の給料は、ほぼ世界中どこでも安いもの。

ウィチタを含む米国中西部の物件は「日本のそれ」と比べれば「これでもか」というくらい安いが、彼の給料で毎月これらのローンを払うと、基本的に生活費にまでお金が回らない。

そんな彼、週末は「T.G.I. Friday’s」でバーテンダー、芝刈り機をトラックに載せて依頼を受けた庭の芝刈り、割れた携帯スマホ画面の修理などをして、生活費を稼ぐ。

これまた意外と普通だったりするので、本人や周囲はこれらの選択や行動について何も問わない。何かたくましいアメリカ人の実情。

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今回彼が家を買い企画したのは、これまたアメリカンな行動の一つである「住宅のDIY改築」。

日本の「大改造・劇的ビフォーアフター」のような番組はこちらでも人気なのだが、かなり大多数が「改築(または修理)」を前提に家を購入している様子。

エリナさんが以前書いたが、大多数は「projects」とか言って「自前の工事」を本当に追及していて、週末などを利用してほぼ全部自分でドッカンドッカン行うアメリカ。

通常「立地、築年数で価格が変動する」日本の事情とは違い、(細かく言うと、色々な条件が存在するのだが)一般的に「改築することで建物の価値が上がる」というアメリカ。

他国と比べ、工事に関する規制が少なく、何かあっても「自分のケツは自分で拭けよ」という文化であるのも後押ししている気がするアメリカ。

ちなみに、いざ家を買って改築しようとすると、構造的に「欠陥だらけ」ということも多いらしいアメリカ。

なるほど、気を付けないと。

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さて、その年下の「(若干金銭感覚的に)チャレンジャー」な同僚に感化されてしまったのか、最近ずっと馬鹿みたいに妄想しているのが、「夢のマイホーム」。

この若干「昭和な発想」が良いのか悪いのか、若干時代錯誤なのかは別として、ウィチタなら「家が安いし、改築して自宅スタジオを地下に作れたりする余裕あるかも」と思う。

日本人からすると夢のようなこの「マイスタジオ」の話。

限りなく近く、手の届くところにある気がするから不思議。

もしかしたら、自分もアメリカで老後を迎え死ぬことになるかも知れない。そう考えると、ま、話は早いに越したことはない、という考え方。

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たとえば、米国にある訳有り物件を購入するとして…

もう日本の築ン十年の中古団地レベルの金額「800-900万円(横浜の地元相場参照)」程度で、(日本人にとっては)半端ない大きさの土地と建物を購入可能。

先日、横浜の実家近所のおばちゃんが売りに出していた一軒家の値段は、「3,480万円(たまたまネットで見つけた)」。こんな値段をウィチタで出したら、もう門が自動でウィーンと開閉するハイソなお宅の購入が可能。

そんなこんなで、「マイホーム、いつ買うか?」「今でしょ」と若干流行のやり取りを一人やりながら、こんなサイトを確認しちゃったりする。
http://www.hgtv.com/

http://www.diynetwork.com/

「地下室に作る(という妄想をしている)スタジオは、こうしてぇあぁしてぇ…」と、工事例を見せているサイトを参照しちゃったりする。

自分でやるのが一般的なアメリカ的発想だが、俺はやっぱ外注かな、とか。

日々住宅売買情報サイトで時間を無駄に潰してしては、「あ~」とヨダレもの。

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こういう話を母とすると、全然素っ気なく他人事なもので、「あら、良いわねぇ」程度のどっちとも言えない反応。

しかも、脅かしてくる。

母「でもねぇ、家も壊れるものだから、時期が来たときの修理代が半端ないわよ。」

俺「…(溜息)」

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大人って面倒臭い生き物だなぁと思う最近、やっと米国のクレジットカードを申込む。

これがないと、家のローンすら申し込めないアメリカにいる今の俺。

結構周りを固め始めてしまい、ふと思う。

「アメリカで家買ってしまうのか、俺?」

すると、いつものように周囲の女性陣から突っ込まれる。

同僚「てか、そんなことより、婚活しなさいよ。」
周囲「そうよ、そうよ、そうしちゃいなさいよ。」

え~と、はい、同時進行で精進いたします。
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Photo courtesy of Flickr.com 

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5 comments on “アメリカで家買ってしまうのか、俺?”

  1. 買っちゃえ買っちゃえ!(笑)

    金利はこれから上がりますよ。スピードはゆっくりですけどね。
    不動産は若いときに買っておけば投資にもなるし、ウィチタが好きなら買うべきですよ~。
    ホームオーナーっていうのは婚活にも有利かも?(笑)

    zillowの他には、truliaっていうサイトもオススメです。

  2. うん、買いましょう!ぜひ!もうLAで1億の壁と戦いつつ家買ったあとに800万とか聞くと、普段使いのクレジットカードを出して「買います」とか言ってしまいそう。

    ていうかたつやさん、今までアメリカのクレジットカードがなかったの?

    もう、これからすべての生活費をアメリカのクレジットカードで払ってくださいね!電気代も何もかも!どんどん借金してどんどん返す!それ以外にクレジットスコアを上げる方法なしですから。

  3. ■エリナさん、
    いやぁ勢いよね、やっぱ(苦笑)。

    金利上がるのは本当にヒシヒシと感じてるんですが、夏に終わる修士課程の分割支払い(給料自動引落)が終わらないと、ちょっと本当に厳しいので、それまでは身動き取れないんです。学費、8割引きされてても、税金では全額「給与扱い」でそちらも結構ガッツリ持ってかれてまして…はぁ、やだやだ。

    てか、そのもう一つのウェブサイトとか紹介してくれるのやめてくれないと、更に無駄にチェックしてしまう…

    ちょっと、これで勢いつけて、婚活がんばるしかないかしら。
    ドラムもギターもベースも弾けるよ、て全然プラスになってない気がするが、そこはあんま気にしないでおこう。

    ■ハナさん、
    ほんと、もう1000万超くらいの比較的小奇麗な「2000年代築」の家を、頭金で20%とか払うと、30年ローンでも毎月「は?」て支払いになるんす(zillow計算参照)。ちょっとびっくりして、オシッコもらしちゃう感じ。

    そう、「いや、本当に日本に帰るつもり」でいたので、地震が起きなかったら、身軽に身軽に、クレジットカード無しで生きてたんです。ずっと銀行の友達から勧めれてたんすけどね。人生って何があるか本当に分かりませんね、三十路でこの展開とは…みたいな。

    11月から、ほぼ全部クレジット払いで、スコア稼ぎに燃えております。キャッシュバックとかで「得した」とか錯覚(?)し出していて、段々「Americanized」されていく僕の価値観に若干危機感を覚えとります。アメリカ、こわいぜ。

  4. 逆に結婚して所帯を持ってしまうと(特に子供なんてできてしまうと)、腹をくくれて、ぽーんと家も買えちゃったりするとおもうんだけど。独り身だと判断基準が「自分」だけで、しばられる枠が少ないから、余計決断できないんですよね。結婚して「家族」とか「子供」とかの重石がつくと、選択肢が狭まってきて、もっと選びやすくなるんだけど。
    なんで、結活がんばってください(笑)。

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