アメリカで出産 【出産体験記Maki-K編 その6】

10人いたら10人それぞれのお産がある・・・。

【出産体験記Maki-K編 その5】からのつづき。

 

 

! ! ! !

また更に痛みの質が変わった!!午前1時過ぎ。

それとともに押したい!!という衝動。

チェックしてもらうと子宮口は全開!

陣痛が始まってから19時間。

いよいよ産むぞーーー!!

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体が分娩の体勢に入ったら、もう痛みを逃がす必要はなし。

そして不思議なことに、この時点ではあれほど痛かった陣痛が、もう痛みではなく上から下へと押す圧力に変わっていて痛みはそれ程感じない。

そんなことよりも早く生ませてっ! という逼迫感が強い。

あれほど長く、ただベッドの上で痛みを逃しながら耐えるだけだったlabor(陣痛)と違って、delivery(出産)になったら様子は一変。

陣痛=プッシュ!

ベッドはすでに分娩台に変身。

私の右足を看護婦さんが抱え、左足は看護婦さんの指導に従って夫が抱え、みんなで息をそろえて・・・

「One, two, three, PUSH!!」

・・・そうなんです。
友達(アメ10ブロガーのtamamiさん)からアメリカでの出産体験談を聞いたときにびっくりしたんですが、立会いの夫は単に立ち会うだけでなく、妊婦の片足を支えて積極的にお産に参加するのです。

血が苦手・・という男性がもし立会いをするなら、最初に相談しておいた方がよさそうです。「あ、でも・・」などとおたおたする隙を与えない、有無を言わさぬ看護婦さんからの指示が飛んできて、あれよあれよという間に妻の片足を抱えている状態になりますから。私の夫は、前もって知っていたにも関わらずあわてていました。それほど速い展開でした。

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みんなでそろって「One, two, three, PUSH!!」の掛け声はいいけれど、今まで何時間もお腹をリラックスさせて陣痛の痛みを逃すことに集中してきた私。急に陣痛の波にあわせてお腹に力入れて押せと言われても、なかなか気持ちと体の切り替えがうまくいきません・・・。

看護婦さんに「押さなきゃ駄目でしょ!」としかられながらも、やっと波に乗ってプッシュ!

っと今度は夫の足の支えるタイミングがまったく合わないっ!コラッ!

夫の掛け声も、足の押さえ方も、まったくなっていない!
そんなんじゃ力めないよぉっ!

と、最初はこんな感じだったんですが、なんとか夫ともタイミングが合い、プッシュもうまくできるようになり、babyは意外にすんなり出口まで出てきました。ここまで結構早い展開だったので、まだドクターは部屋に入ってきていませんでした。

看護婦さんが「That was a good strong push!」などとと励ましてくれます。

そしてドクターたちが部屋に入ってきて、いよいよbaby誕生!

・・・かと思ったら、ここからが長かった。。。

出口にbabyの頭がつっかえた状態で、何度押しても出てこない。

ちなみにこのプッシュ。どれくらいの力で押しているのかと言うと・・・
「もうこれ以上押せないっ(怒)!×10倍」くらいの力です。

そしてそんな強力プッシュを何回も繰り返して、私はもう、息も絶え絶え。
のど渇いた、水。。ちょっとまって、休憩させて。。。
ぜぇぜぇぜぇ・・・。

結局、プッシュするたびにbabyの心拍数が上がる(普通は下がるか変わらない)という、babyが普通と違う反応をしていたので、会陰切開(赤ちゃんが出てくる出口を切って少し広げる処置)をして出産を促すことに。

ここで私は勘違いしていたんですが、私はbabyの頭はまだ出口まで出てきてないと思って、先はまだ長い~と思ってたんです。が、実際には頭はもう出てて出口でつっかえた状態だったんですね。。。そうと分かっていたらもうあと一ふんばり、絶対自力で押し出せたのに!

babyの頭が見えた時点で、鏡で見てみる?と看護婦さんに聞かれたんですが、そんなグロテスクなものは見たくない!と見なかったのが悔やまれます。見ておけばあと少しだということが分かったのに。。これが私の出産での唯一の後悔。

会陰切開といっても、ほんの少し(5mmほど)切っただけで、その直後のプッシュで・・・

「おぎゃぁ!」

大きすぎず、小さすぎず、体ににあった声の大きさの産声を上げて、娘が誕生しました。

産声は、私には本当に「おぎゃぁ!」と聞こえました。午前2:15。

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口の中の羊水をささっとドクターが吸い取って、長いへその緒がついたままの状態で、babyが私のお腹の上へ置かれました。babyとの初めての対面。

初めてbabyを見た私の感想は・・・「そうそう、このお尻と背中だった!」

妊娠後期、常にお尻と背中を外側に向けていた彼女。彼女のお尻を膨らんだお腹の表面で常に感じていた私には、そのお尻と背中はとってもfamiliarでした。

白くてゴムのような触感のへその緒。もっとやわらかいものかと思っていたので、ちょっと驚きました。例えて言うならイカとかタコとかホルモン(笑)。これならbabyがお腹の中でしゃぶっても、切れたりしないわけです(娘はお腹の中でへその緒をしゃぶってました)。

そして看護婦さんがへその緒をbabyの体の近くでクリップで留め、夫がハサミででカット。

その後、babyは部屋の中にある新生児処置台に乗せられて、体重を量ったり、体を拭いてもらったり。

この間私は会陰切開の傷口を縫合されながら、水をがぶ飲みしていました。
アメリカでは入院したら食べ物はおろか、飲み物もダメなことが多いようです。

一旦処置された娘が、おくるみにくるまれ帽子をかぶって私のところへ戻ってきて、初めての授乳タイム

赤ちゃんは生まれた直後30分くらい覚醒している時間があるそうで、その間が最初の授乳タイムです。実際におっぱいが出てるのか、赤ちゃんがちゃんと飲めてるのかは別として、とにかくおっぱいに吸いつかせて今後の母乳生産の準備です。

そしてパパの初めての抱っこ。父娘、見つめ合ってますね。

 

 

 

 

 

 

このあとbabyは別室でいろいろな検査を受けるために夫と一緒に部屋から出て行きました。そしてドクターやナースも一人を残して退場。

あ~、終わった終わった。

そして部屋にサンドイッチと牛乳の軽食が運ばれてきて腹ごしらえ。16時間ぶりの食べ物です。生き返る~。

では、荷物一式もって、babyと一緒に車椅子で回復室へ移動します。

 

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以上、私の出産体験記、いかがでしたでしょうか。

この出産体験はもう四年も前の出来事なのですが、私は書いているうちにまた出産をした気分になりました。さすがに陣痛の痛さは忘れていますが・・・。

破水スタートだったり、促進剤を使ったり、麻酔がちょっと失敗したり。振り返ってみると、安産だったとはいえないかな?でも思ったほど大変じゃなかった、というのが私の感想です。お産が終わった後「私って安産だったよね!」と言って、夫に「あんな大変な思いをして、それを安産だったと君は言うのかい!?」とあきれられましたけど。

このあと、まだアメリカでの新生児との入院生活の話や、エピデュラル(そして余分にかかった脊椎麻酔)の後遺症の話があるのですが、それはまた後ほど書いてみたいと思います。

ではこれからアメリカで出産をされるみなさん。よいお産を! 

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2 comments on “アメリカで出産 【出産体験記Maki-K編 その6】”

  1. おぉ〜やっと生まれた〜!!感動の瞬間。
    他人のお産ストーリーをここまで実況中継で聞くことってないから、楽しめました。笑

    自分にこんな力があったのか!ってくらいのプッシュですよね。
    だから生まれた後はあんなにぐったりだったんだな〜。あそこまで疲れることないですよ。
    私の出産体験も近々アップしてみます!

  2. >Erinaさん

    最後まで読んでいただきありがとうございます。って感じですね、長かったから。

    そういやそうですよね。
    出産大変だった~とか聞くけど、実際にここまで詳しく話を聞いたりはしませんよね。

    Erinaさんの安産だった(でしたよね、確か?)出産体験は、また私のと全然違って読むのが楽しみです!

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