As a “SHOCKER” 三十路男子チアリーダー

こんにちは。Naoです。ちょっと今回は長くなってしまいました…

 

もうすぐ3月になります。休職させていただいている学校は、生徒が3年で卒業する場合もあれば、4年で卒業する場合もあります。無責任なことに、4年生の担任を途中で放り出して渡米してしまったため、3月には彼らの卒業式があります。

30にもなって夢を追ってアメリカへ行くという意味の分からない担任のことも、彼らは理解して、応援してくれました。遠い異国の地からですが、無事に卒業式を迎えられること、これからの彼らの健康と活躍を祈っています。こんな変な担任がいたなということが、彼らの人生に何か少しでもプラスになってくれれば幸いです。

同僚先輩方には、「申し訳ないと思って行くな。行くなら成功してこい」と激励していただきました。

 

 

その成功はおそらく勉学面に向けて贈られた言葉なんですが、

 

とにかく歴史の授業を英語で受けるということの難易度が高い。そして良く言われるアレですが、アメリカの大学のテストと課題の多さ。ダメ教員目線で「採点大変だから辞めた方がいいんじゃないですか教授」と心の中で毎日気遣っていますが一向にタスクが減る気配はありません。

 

先日短問短答の試験を受けましたが、史料問題が完全に意味不明で、77.5点でC+という評価を拝領いたしました。

 

 

 

歴史の教員が、C+ッ!!

 

 

 

愚痴りますが、どうも、「英語読み」が納得できません。日本人はすぐ迎合するので、教科書の人物名などは大体その国の言語に則っています。

 

例えばイタリア統一期の王「ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世」という方や、プロイセン王「フリードリヒ2世」は

 

英語だと「ヴィクター・エマニュエルⅡ」と「フレデリックⅡ」になります。

 

 

 

ちょっとは迎合してくれよ!全然リンクしねえよ!夫人かよ!

 

ということで勉学面が全然パッとしなくて合わす顔が無いのですが、挽回する気合だけは十分にありますのでこれから頑張ります。

 

 

 

本題に入りますが、例の部活について。

 

正式に入部OKとかそういう通達が来る前に、なぜか部活生奨学金が先に支払われるという、なんだかモヤモヤしたスタートで始まりました。

 

「これは、、OKなのか、、、?」

 

 

おろおろしているうちに、「健康診断受けてきて」と連絡があり、

 

 

1月上旬の雪の中トレーナーに会いに行くと、お医者さんがおり、色々測定。

問診はもはや英語の試験。「コンカッションなったことある?」などなど。

 

 

そして、「『Finger&Cough』やったことある?」という質問。

 

「え?指?咳?え??」

 

「はい、パンツ降ろして。」

 

「(パンツって、ズボン。。。?)」

 

「いや、パンツも」

 

「えええ!?」

 

 

 

 

30にもなって大学でちん〇ん晒すとは思いませんでした。

 

しかも、こういうのセクハラ防止策がしっかりしているのか、わざわざ脱がす前にトレーナー(女性)を呼んで同席させるという羞恥!

 

 

 

そのケアいらないよ!!!

 

トレーナーさんも新年早々アジアのおっさんの尻なんか見たくなかったでしょうよ!

 

ちなみに先生も女性です。おばさんでしたが。

何がフィンガーで何が咳なのかはもう恥ずかしいので割愛します。

 

 

 

 

そして後日、バッグやTシャツ、シューズ、ユニフォームが支給され、さらには登録した授業の教科書の一部(何かは行ってみないと分からない)も無償レンタルと、日本では考えられないくらい至れり尽くせりです。

 

 

そのまま練習に参加し始め、

 

 

あれよあれよと

 

 

 

試合応援に!

 

この大学はアメリカでも有数のバスケ強豪校のため、デビュー戦となった男子バスケはほぼ満員の熱気に包まれていました。

 

 

三十路日本人男子、ついにアメリカカレッジバスケの舞台に立つ。特に何もしてませんけど。とりあえず立つ!

 

ちなみに、僕が学生時代に所属していたチームは、「SHOCKERS」と言います。

黒と黄色のチームカラー、全員男子のチアリーディングチームです。

(3年前の海外遠征の写真です)

そして僕が選んだこのカンザス州の大学には、ちょっと奇妙奇天烈なマスコットがいます。

彼は小麦をモチーフにしているそうです。カンザスなので。

 

小麦や穀物の束のことを英語で「SHOCK」と言うそうです。そして、それを運ぶ仕事をしていた人たちは「SHOCKER」と呼ばれていました。

 

ということで、この大学のスポーツチームは全て「SHOCKERS」と呼ばれています。しかもチームカラーも黒と黄色。

 

学生時代から、Youtubeなどでこの大学のことは知っていて、縁を感じていました。いつか行ってみたいなと漠然と思っていたのですが、渡米作戦が現実に近づくにつれ、本当に行けるかもしれないと思い始めました。仕事の合間を縫って、出願の論文20ページ書いたり、TOEFLに何度もボコボコにされたり色々大変でしたが。

 

 

世界で唯一人、2つのSHOCKERSを経験することができるんじゃないのか。

(誰もしたいなんて思ってなかっただけですけど)

 

 

結果、人生2つ目のチームユニフォームは、またしてもSHOCKERSになりました。

 

ここまで辿り着くのに本当に大変なことも色々ありましたが、このユニフォームに袖を通した理想の自分を想像することで、何度も切り抜けることができました。

 

 

とはいえ、本当の意味でようやくスタートラインです。

 

4月にはトライアウトがあり、下手したらそれで漏れてしまう可能性もあります。

 

周りはみんな10歳以上年下の屈強なヤングたちですが、なんとか三十路も追いついていかなきゃいけません。

平昌オリンピックを観ていると、自分より年上のオリンピアンがガンガンいるので、本当に心強く思います。並べるのも失礼ですけど。

 

部員は男女合わせて20人ちょっといるのですが、みんな本当に競技に熱心で、まさに「部活」だな、という感じの刺激を毎日受けています。

それでも、練習中コーチの話も聞かずにじゃれ合ったり、メンバーの短パン降ろしたり、屁こいたりゲップしたり踊り出したり、普通の大学生だな~と感じるところもたくさんあります。ただ会話にブル〇ットだのアス〇ールだのが多すぎです。

練習は前回言ったように、レベルは「ちょうどいい」くらいなんですが、自分は着いていくのがやっとです。

元々国内でも特別上手な方では全く無いので、技術的には素人みたいなもんでほんと恥ずかしいんですが、30でもまだまだ上達できるということを証明していければと思っています。

 

最終目標はもちろん、来年1月、フロリダディズニーワールドの全国大会出場です。

 

なんだか練習の度にどこかしら痛くなるし、英語もまだまだ聞き返しの毎日だし何を言っても反応は「Huh?」ばかりですが、

なんせ人生一回なので、悔いを一つたりとも残さないようにやり切りたいと思います。

 

 

最後に、僕の所属していた男子チアですが、最近では他大学生達の間でも新しいチームが作られ、卒業生などのチームを含めると片手では数えられないくらいになってきています。

 

しかし、数年前にショッカーズが規定違反の演技をイベントでしてしまったことをきっかけに(加えて何者かによる何らかの「圧力」があったとも言われていますが真相は闇の中)、ショッカーズはおろか国内の男子チア全てが、今まで出場していた協会の大会には出られなくなってしまいました。この協会はアメリカともつながっているので、先行きは暗い状況です。

現役生たちは、それでも毎日必死に練習し、自力でアメリカの協会にコンタクトを取り、この2月には全米有数の規模の全国大会のエキシビションにも出場することができました。

 

 

 

 

 

また一部のOB達は、彼ら現役生や、他大学の、「選手として戦う場」を持つことができないチームのために、この3月、全チームを一堂に集めて大会を開催するべく、準備に奔走しています。

 

この男子チア大会には、なんとちびっ子男子だけのチームも出場します。彼らは、小学生くらいの少年たちでありながら、ショッカーズに憧れて、みんなそれぞれ家も遠いのに毎週集まって練習しています。

渡米前に彼らを教える機会がありましたが、彼らの笑顔と必死さを見ていると、このスポーツや「男子チア」の可能性に強く期待したくなります。指導をしているのも僕のかつての仲間達です。

 

日本にいるオールメンズのチアリーダーたちは、確かに悪い意味で目立ってしまうことも多かったと思いますが、皆チアリーディングに真摯に向き合い、情熱は世界中のどんな他のチアリーダーたちにも引けを取らないと思います。

 

もし興味のある方は、是非大会に足を運んでみてください。華やかな女子チアリーダーはどこを探しても1人もいませんが、きっと情熱に溢れた素晴らしい大会になると信じています。『チア男子』の作者で直木賞作家の朝井リョウさんも、この大会のことを朝日新聞で話してくれていたそうです。場所は東京の新木場です。以下詳細

https://blam.co.jp/koc/

 

アメリカにいて手伝うことができないのをもどかしく思いますが、ここでの活動が彼らのプラスになることもあるかもしれないし、この経験は必ずいつか日本で還元できると信じて、こちらも頑張ります。

 

小麦は運んでないけど、「衝撃を与える者」、ショッカーとして。

 

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