NY Times 

日本で地震があった時の話ですが、NY Timesに勤めている友人から電話がありました。緊急で、日本語を翻訳してくれる人が必要だとのことでした。彼の知っている日本人が私しかいないということで、私にお願いしたいと頼まれたのですが、私はジャーナリストでもなければ、翻訳なんか 今までしたことがない。「私でいいの?」とかなり不安気な返事をすると、彼は、日本語と英語ができれば問題ないからと、軽い気持ちで来てくれということだったので、承諾した。

NY Timesのりっぱな建物の中に入ると、私のイメージしていた新聞社とは かけ離れたものだった。私の勝手な新聞社のイメージは、「スーパーマン」や「スパイダーマン」に出てくるような、いつも みんな慌ただしく駆け回っていて、社内もガヤガヤと騒がしいというものでした。現実は、それとは全く逆のもので、誰1人話している人はいなく、淡々と個人のパーティションで別れたデスクに向かって仕事をしている。誰かに話す時も、周りがシーンとしているので、なんとなくコソコソと話してしまうような感じです。

私が1週間 一緒に仕事をしたのは、グラフィック担当のブラジル人。そして、記事担当の、韓国人。そして、また別のグラフィックの中国人と、本当にインターナショナル。ちなみに、私を紹介してくれた友人は、スペイン人。こんなにインターナショナルな職場でも、日本人が1人もいないというのが、不思議でした。きっと違う部署には いるんでしょうけど。私が日本人ということを知ると、「家族や友達は大丈夫だった?」と みんな やさしい声をかけてくれて、「精神的にも辛い時期なのに、こんな仕事を頼んでしまって」と、心配してくれる人まで。本当にあの時は、日本のことが心配で、夜も眠れないという状態だったので、その気持ちだけで、うれしかった。

私の仕事内容は、とにかく、日本の地震情報を集める事。インターネットから、避難者数だったり、避難所の状態だったり、レスキュー隊がどこに どれだけ行っているのか、海外からはどんな支援があるのかなど、こと細かに、数字を出して調べる事。新聞に載せる情報なので、もちろん誤った情報だったり、情報源もしっかりしていないといけないという、プレッシャーの中、私は、日本政府のホームページだったり、東北の自治体のホームページだったりを覗いて、そこの情報をピックアップしていった。思いがけないことに、英語力というより、漢字の読み方という難題にぶつかった。東北の避難所の名前や、地域の名前などに使われている感じの読み方が、いまいち分からず、ローマ字表記をするのにも、正確ではなくてはならず、それを調べるのに、予想以上の時間がかかってしまったり…。人の名前だったり、場所の名前の感じは読み方がいろいろあって、分からないんだということを 他の国の人には分かってもらえず、なんで日本語なのに分からないんだ?というような顔をされたけど、そこで助けてくれたのが、スマートフォンにある漢字のアプリ。本当に技術の発展はすばらしいと、つくづく思った瞬間でした。(汗)

1つの記事に、グラフィック、写真、記事と、細かく分野分けもされていて、何人もの人が携わって 新聞というものは、できていくんだなと、1つの新聞ができていく過程を見れて、すごく貴重な体験をさせてもらいました。普段、NY Timesの中に入れる機会もないですし…。私はこの1週間で2つの記事に携わったのですが、最初の記事は小さな記事で、名前を載せるスペースがないということで、名前は載りませんでしたが、2つ目の記事は、NYTimesの日曜版に大きく載っていて、わたしの名前も しっかりありました。この新聞は、大切にとってあります。日本の大惨事という悲しい内容でしたが、私に貴重な体験をさせてくれた友人に感謝です。

NY Times ” への1件のフィードバック

  1. すごい!あのニューヨークタイムズで仕事したんですか。貴重な体験ですね。社員でなくても、一般市民でできる仕事って、新聞社でもあるんですね。社内に入ってみたい...。

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