Talent Show(タレント・ショー)

どうもこんにちは、Erinaです。

 

アメリカに来てちょうど12年になりますが、今日は久しぶりにカルチャーショックを体験したので、書いてみようと思います。

 

アメリカの学校には、「タレント・ショー」と呼ばれるイベントがあります。

一年に一度行われるこのイベントは、日本で言うところの「学芸会」とか「発表会」みたいな感じで、子供たちが劇とか音楽とか発表するアレです。

 

どんなものかというのは、映画やテレビなどで知っていたつもりなのですが、実際に参加(というか鑑賞)してみて、日本との大きな違いにショックを受けているところです。

 

ネタがフレッシュなうちに、それを書いておこうと思います。

 

From http://disabilities.trinityonline.org
From http://disabilities.trinityonline.org

 

最初にタレントショーの通知が来たのは、おそらく2〜3ヶ月前。

 

内容は「タレントショーがありますよ!出たい人は応募してね!君もスターだ!!」みたいな感じ。

 

あくまで自由参加で、発表できる内容は、音楽、ダンス、詩などのパフォーマンス。小学校ですので、年齢に相応な内容であることは大原則です。

 

「ふ〜ん、うちの子は興味ないだろうな・・・」と我が家はスルー。まぁ最初の年だし、まずは様子見。

 

という感じで、時はあっという間に過ぎ、タレントショー前日。

「明日はタレントショーだよ。」とうちの息子がディナー時に切り出しました。

 

そして金曜日の夕方5時半頃、小学校の目の前には車がズラリ。

ドレスアップした子供と歩いているパパやママが、どんどん学校に入って行きます。

我が家も夕食を簡単に済ませて、歩いて学校に向かいます。

 

学校のAuditorium(オーディトリウム)には衣装を着た子供たちが待機していて、パイプ椅子が並べられた観客席は満員。おそらく500〜600人は入る会場ですが、ほぼ満席。お父さんたちは入り口あたりで立ち見です。

「おぉ!すごい観客の数!」

観客のほとんどは、パパとママ、おじいちゃんおばあちゃんたちで、子供はチラホラ。たぶんパフォーマーの家族ばかりで、興味のない家族は全く来ないんでしょうね。

 

パフォーマンスは、一組1分30秒までだそうで、その間は最高学年(5年生)の子供たちがMCをしたり、担当の先生の助けを借りてステージのセットアップをしたりと、まさに「子供たちが自分で作るイベント」なのでした。

MCの女の子二人のやりとりも、ぎこちないながらも心で「頑張れ!」と応援したくなったし、もちろんジョークを取り入れては、後ろに座っていたおじさん一人が大ウケしてました。

なんでもやらせれば良いんですよね、子供たちに。子供たちはこうやって「自分たちでやる」ということを学ぶわけです。

 

パフォーマンスはと言うと・・・・最初の感想は、「みんな勇敢だなぁ!」

 

音楽は、日本の音楽教育の水準がいかに高いかをひしひしと実感することになり、正直に言って「もうちょっと練習したら良いのに・・・」という子供たちのほうが大半でした。

でも、アメリカ人の子供たちの強みは「勇敢なところ」。

やりたいことを自分で決めて、それなりに準備をして、こんなに大勢の前で歌える勇気はすごい!本当に褒めたいです。

 

こうやって子供の頃から人前に立ち、表現するという精神を鍛え上げられてるんだから、アメリカ人(アメリカで生まれ育った人たちという意味)はよくしゃべるはずだよなぁ・・・とちょっとだけ理解することができました。

でも中には完成度の高い子供たちも居て、拍手喝采。

パパさんたちの、”YEAH!!”なんていう歓声も聞こえてきて、完全に大人たちが楽しんじゃってましたね。

 

最近の音楽が使われていたパフォーマンスは、私はさっぱりわからなくて、子供たちが「この曲、知ってる〜」と言ってるのを聞いては、「あぁ、私はきっとグランパとグランマ(祖父母)の年代と同じだわ・・・」と感じていました。

 

その中でも、かなりクラシックなものも。

マイケル・ジャクソン

エルビス・プレスリー

シャーリー・テンプルは30年代の子役

 

 

などなど、完全に親の趣味ですが、こういうのはやっぱりウケますね。

他には、マジシャンや詩の披露、兄妹でフラフープ、縄跳び、新体操など、様々でした。

 

終わりに近づいた頃、MCが「出演者は全員、横の通路に集まってください」とアナウンスをすると、客席にいた子供たちが、ゾロゾロと出て行きます。

最後の出演者は(ミニ)KISSで、歌が終わりに近づくと、出演者全員がステージに登場。小さなトロフィーを片手に持った子供たちは、みんなで一緒に踊ってました。夜8時。

誰が勝つかではなく、大人も子供も一緒に楽しめて、子供たちをあれだけ笑顔にできるイベントを作れるっていうのはやっぱりすごい。

 

「今日はありがとうございました。パパとママは、ステージに来て子供を引き取ってください。」

という最後のアナウンスにちょっと笑ってしまいましたが、「あ〜、こういうの良いわね・・・。」とちょっとしんみりしてしまったのは言うまでもありません。

 

 

帰り道に、歩きながら私は自分が日本の学校で体験したものとの大きな違いに、考え込んでしまいました。

どちらが良い悪いではなく、アメリカと日本の文化の違いは、こんなところにも現れてるんだな、と感じたのです。

 

日本の学芸会というものは、学年全員で作り上げ、全員が同じ台本に沿って練習する。先生たちがリードするため、完成度は高いし、たぶん団結力も強い。

アメリカ人から見たら、おそらくミリタリーレベルの規律です。

 

アメリカのタレントショーは、あくまで個人やグループのタレント(才能)を披露するもの。やりたい人がやり、やりたくない人はやらなくても良い。

自分でやりたいことを決め、練習し、披露する。評価されるのは完成されたものではなく、そこにたどり着くまでのプロセスなんですね。

会場も、出演者と観客はごちゃ混ぜで、登場が終わった子供たちは外でサッカーしてたり、衣装を見せ合ってたりとかなり自由です。(笑)

日本人から見たら、自発的にやりたがる子供はどれだけいるの?と疑問を持ちそうです。

 

 

う〜ん、面白いなぁ・・・。うちの子供たちはどっちなんだろう?

と思ってたら、まさかの息子の「僕も来年はやりたい宣言」。

そうか・・・私も旦那も、あまりパフォーマーじゃないんだけどな。スタンディングコメディでもやる?

 

 

From http://www.buzzle.com
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