“Yes Means Yes” とアメリカの恋愛

こんにちは、Erinaです。

先日、カリフォルニア州である法律が可決されました。

通称、“Yes Means Yes Law”と呼ばれるこの法律は、アメリカの恋愛、特に大学生を中心とした若い世代の恋愛関係に大きな影響を与えるかもしれません。

そしてこの法律の存在は、日本人としてアメリカで恋愛するかもしれない人たちにも知っておいてほしいアメリカ文化になると思いますので、書いておこうと思います。

 

まずは、この新しい法律”Yes Means Yes Law”について書いてみます。

この法律は、大学で性的暴行(sexual assault)、つまりレイプが起こったときに、大学側が加害者の退学などの積極的措置や調査を行うことを義務づけたものです。

そもそも、アメリカで言う「性的暴行」というのは日本でのそれよりも広義であり、お互いが顔見知りだったり、デート相手、彼氏彼女、まして夫婦であっても、「無理矢理 (=forceful)」と片方が感じれば、それは性的暴行、夫婦間であればドメスティックバイオレンスとなります。

男女間の性的アドバンス(次のステップに進もうとすること)やセックスは、あくまで両方のはっきりとした同意(Affirmative Consent)が必要というこの国で、「セクハラ」に対する意識が急速に強まったのも納得できます。

そんなわけで、相手が顔見知りであるかどうかに関わらず、双方にその同意がない場合は、この新しい法律によって処分されるというものです。

 

では、この法律が生まれた経緯を見てみましょう。

 

これまでは、“No Means No”というフレーズが使われてきました。

「『ノー』は『ノー』です」という意味で、相手が「嫌だ」と言ったら、絶対にダメですよ、という意味です。

ちょっと図で考えてみましょう。

“YES”は同意があったケース、”NO”は拒否したケースでこの二つは独立事象。グレーの部分は、明確な”YES”も”NO”もないケースです。

まずは “No Means No”が使われていたときの場合です。

 

No Means No
この場合、赤の”No”の部分だけが定義されていました。グレーゾーンは、「”No”じゃないなら”Yes”でもある」と、加害者にとって都合よく解釈されてきたわけです。

しかし、このグレーゾーンの暴行事件が数多く報告されるようになりました。 これはカリフォルニアに関わらず、泥酔していたりして意識のない状態の女の子たちが、性的暴行を受けるというニュースが多数あったのですが、そのようなケースを裁くために、この新しい法律が成立したのです。

“Absence of ‘No’ doesn’t mean ‘Yes'”  「ノー」がないというのは自動的に「イエス」にはならない。 つまり、「イエス」と同意したときだけが「イエス」ですよ、という解釈になりました。

下の図では、青の”YES”の部分だけが定義されて、グレーゾーンは”YES”ではないよ、という理論になります。

 

Yes Means Yes

 

 

私はこの新法律のニュースを聞いて、思うことがいくつかありました。

まずは、恋愛関係におけるリスペクトや個人の人権が、こうやって公に守られるようになってきたという、オープンさ。そして、男女関わらず、個人が意識的に自分の意思を持ち、人間関係を築いていく必要性でした。

これは、日本人、特に日本人女性が国際恋愛・国際結婚を考える上で、知っておくべき情報、持っておくべき意識だと思ったのです。

 

よく、こういう質問をいただきます。(いえ、私は国際恋愛の達人でもなんでもないです)

 

「外国人の男性から、猛烈アタック(死語?)をされています。彼は本気でしょうか?」

 

日本人女性の多くは、おそらく体験したことはある、または聞いたことのあるシナリオでしょうし、その積極性に戸惑うことも多いはず。

 

私が、アメリカ社会での男女関係を見てきて思うことは、以下の通りです。

「この人と健康な男女関係を築きたい」と思っている人は、男女関わらず、お互いの意見と意思を尊重し、常に50/50であるという見方をする努力をしています。

そして、上でも述べたように、アメリカでは「セクハラ」の意識がとても強く、それが明らかになると、加害者の男性にとっては死活問題になります。会社で起こった場合は、企業も責任問題を問われることとなり、日本で想像する以上に大きな問題になりうるのです。

そういったリスクを承知している良識ある男性は、うかつに、軽率に、女性に手を出すことはありません。 女性に迷惑をかける言動だけでなく、周りに誤解されるような言動も意識的に避けますし、それが紳士的振る舞いだと私は思います。

 

それでも猛烈アタック、性的言動をする場合は、2通りあると思います。

それは、男性が

1. 失うものがない(若い、独身=availableである、地位がない、and/or 良識がない)

または

2. リスクをおかしてでも、あなたとの関係を望んでいる

のどちらかです。女性はこれを察知し、状況を判断し、自分の行動を選ばなければなりません。そのためには「恋愛は二人でするもの」という意識を常に持ち、このリレーションシップにおける決断力は、50/50であることを自覚することです。

 

最初の質問に対する答えは、

「『彼は本気かどうか?』を知ることよりも、『彼とどうなりたいか?』を自分で結論付ける必要がある」

ということですね。

(ちなみに書いておくと、「彼が本気かどうか?」なんて、本当のところは一生かけてもわからないと思います。笑)

 

外国人という立場上、アメリカに住む日本人女性が、恋愛において受け身になってしまうことは自然なことですし、世界から見ても、まだまだ「日本人女性はおとなしくて従順」というステレオタイプは強くあります。

しかし、それで納得のいける男女関係を築けるか?と聞かれると、長期的に見た場合、「ノー」だと思います。

みなさんのリレーションシップがハッピーなものでありますように。

 

(注意:今回は外国人男性を相手にした日本人女性という視点で書いてみましたが、特に深い理由はありません・・・自分に近い立場を例にしただけですので、あしからず。)

“Yes Means Yes” とアメリカの恋愛” への5件のフィードバック

  1. Erina様

    いつもErinaさんのブログを読ませてもらっています。

    常々、アメリカは性犯罪には相当厳しい国だと感じています。
    性犯罪歴のある人には服役を終えても後々まで居場所を特定され、許されることは一生ないのかなと思えます。そこまでしても性犯罪が減らないというのでは、いったいどうすればいいのか、解けない課題ですね。

    一方で、普通の人が誰かとリレーションシップを結ぶにも相当に相手方との意思の疎通を確認しなければいけませんね。大学生の子供がいますので、今回の話は大変興味深く読ませていただきました。

  2. メリーさん、こんにちは!
    コメントありがとうございます。

    私も親として、きちんと向き合わなければならない問題だと思いました。子供はまだ小さいですが、男女の関係、他人へのリスペクトというものを、オープンに話すことは大事ですね。

    アメリカは性犯罪に厳しいですし、そのハードルも日本に比べて低いと思います。
    逆に日本では、夫婦やカップル同士の行為が犯罪になることって少なく、もっと厳しくするべきだとも思います。アメリカなら大問題になるようなセクハラも、日本では「無礼講」で済んでますからね。女性をもっとリスペクトしてほしいです。

    また読みにいらしてください。

  3.  初めまして。読ませていただきました。貴重なアメリカの情報、ありがとうございます。そこで一つ疑問があります。件の法律に限ったことではないのですが。”YES”とは言ってないって、どうすればそれを証明したことになるのでしょうか。前後の状況証拠も判断してとなると、例えば直前で翻意した場合などに証明は難しいのではないかと。一度”YES”と言ったとしても、その場の状況で”NO”になるってあり得ると思うのですよ。もちろん、だからと言ってのこの法律に問題有りとか言うつもりは毛頭ないのです。すごい前進だと思います。

  4. 辻井豊さん、こんにちは。
    コメントいただき、ありがとうございます。

    確かにおっしゃるとおり、”Yes”と言った、言ってない、両方証拠として残すことはできませんよね。それとも、アメリカらしく、書面に残してサインとか・・・ありえませんね。笑

    この法律が成立してからも、まだまだ学生同士での性暴力のニュースが聞こえてきます。私がこの年になって、親になって思うのは、男も女も、「後悔するようなセックスはするな」ということです。
    女の子だけが被害者とは限りませんが、そういうケースが多いので、女の子には「後悔するようなセックスはしちゃいけない」と言いたいし、男の子には「後悔されるかもしれない相手を選ぶな」と言いたいです。
    こういうことは、家庭で教育するべきことなのでは?と思うのですが、まだまだそういう意識が浸透せずに、性への興味だけが突っ走っているのが現代のアメリカのようです。

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