#YesAllWomen:アメリカ社会の性差

こんにちは、Erinaです。

先週金曜日の夜、ここサンディエゴから北に数時間、ロサンジェルスよりちょっと上のサンタ・バーバラで、またも銃が関連した事件が起こりました。

場所はUniversity of California, Santa Barbara (UCSB)キャンパス付近。

エリオット・ロジャー(22歳)が、道行く人をランダムに銃撃。その直前に自分のルームメイトをナイフで刺し、計6人が亡くなりました。

ロジャー自身は警察との銃撃戦後、自殺したそうです。

 

事件の全容が明らかになってくると、今回の事件は単なる無差別銃撃事件ではないと考える人が増えてきたのですが、その原因を紹介したいと思います。

 

UCSBで行われたvigilの様子 (from AP)
UCSBで行われたvigilの様子 (from AP)

 

エリオット・ロジャーは、事件の直前に、ある動画をyoutubeにアップロードしていました。(気分を害するのでここには貼りませんが、興味のある方は”Elliot Rodger video”などで検索してみてください)

 

この動画では、彼が自分の高級BMWの中で、これから自分が引き起こそうとする悲劇の原因を説明しています。

 

「これは女性すべてへのリベンジである。僕はこの22年間、女性にリジェクトされ続けてきた。僕はこんなにナイスガイなのに、性的にアドバンスしようとすると、拒まれてきたのだ。僕がAlpha Male(動物社会的に魅力的な男性という意味)であることを証明するために、これから女性たちを襲ってやる。」

 

というような内容でした。これを聞いた人たちはまず、「なんて身勝手な!!」と怒りを覚えたはずです。

 

彼は自分の通うUCSBの、ソロリティ(フラタニティと似たような、結束の強いサークルみたいな団体)の女子学生たちを襲撃しようと、キャンパスに隣接するソロリティハウスを訪れました。しかし、誰もドアに出てこなかったので、道行く人たちを銃で撃ったのです。

また、ロジャーは長い間、精神的に重度のハンディキャップがあり、子供の頃から両親がそれを受け止められなかったことなども明らかになりました。

 

この事件を知って、アメリカ社会は色々な意味で動揺しています。

銃へのアクセス、精神的ハンディキャップの扱い方、親子関係、そして男女間の社会的性差。

特にこの「男女間の社会的性差」、つまりジェンダー問題は、今回、大きな話題になっています。

女性に対するエリオット・ロジャーの見方は偏見に溢れており、それは現代社会の風潮であると感じる人が増えているからです。ツイッターでは#YesAllWomenというハッシュタグで、女性が社会的弱者であることをつぶやく人が出てきました。

そのいくつかを紹介しようと思います。

 

「女性は全員、鍵を武器にして使うことを知っている。」

 

  「女の子はみんな、男性からの誘いを断るよりも、偽の電話番号を渡すほうが安全だと覚えて成長する。」    

 

「私は息子たちにこう教えました。女性の『ノー』は、議論終了という意味。交渉開始ではない。」    

 

「女子が大学に行くときはペッパースプレー(催涙スプレー)とレイプホイッスルを買う一方で、男子はコンドームを買う。」

 

  「アメリカの女性兵は、戦地で殺されるより、仲間の兵士にレイプされることのほうが多いから。」

 

男性からの視点もあって、興味深いです。

「もしあなたが男性で、#YesAllWomenを読んでないなら、読むべき。読んで気分を害されるべき。そうすることでより良い人間になれるはずだから。」

  「若い男性たちは、女性を同じ人間としてでなく、ものとして扱われているメディアから、性を学ぶからだ。」

 

また、有名なところではこんなツイートも。

「J.K. Rowlingはハリー・ポッターを出版する際、意図的にファーストネームをイニシャルにした。なぜなら、作者が女性だと知ると、男性読者が読まなくなると思ったから。」

 

 

紹介したいツイートはまだまだあるのですが、この数日間、ものすごい量のこのハッシュタグのついたツイートがされているので、とりあえずはここまでにしておきます。

 

 

女が男の悩みを理解できないのと同様に、男は女の持っている潜在的な「恐怖」を理解することはできないでしょう。

現代社会で女性がどれだけ強くなったとしても、やはりフィジカルな面では男性に比べて弱者であり、「何かあったら・・・」という気持ちを拭うことは絶対にできません。

だからこそ、そのギャップをきちんと男女両方に教育することが必要だと思うのですが、女性の社会進出がこれだけ進んだアメリカでも、やはり現実はそうではないところがたくさんあります。

警察系ドラマでは女性がレイプされるケースがごまんとあり、虐待的な恋愛関係を「ロマンチック」とする恋愛ドラマが作られ、特に若い世代はこういうメディアに多大な影響を受けて成長する社会です。

安全な日本でも、一人で夜道を歩いている最中、後ろから足音が聞こえた瞬間、頭に血が上る体験をしたことがある女性はどれだけいるでしょうか?おそらく99%の女性が体験あるはずです。

外部だけでなく、身内からフィジカルな攻撃を受けている女性もたくさんいます。

ただ単に「強いから」というだけで男性が加害者になり、「弱いから」というだけで女性が被害者になってしまう。この事実が今一度、見直されるべきだと考える人が続々とこのようなツイートをしています。

 

私は女として生まれてきたので、男性的な視点は全くわかりません。

ここで、男性社会を無条件に批判するつもりはありませんが、自分の立場が無条件に弱者的扱いされる文化には抵抗があります。

これはもちろん、男性側だけに原因があったわけではなく、私たち女性自身の中にも「自分はオンナだから・・・」と性差を利用してきた歴史があるからです。

 

そして、自分だけならまだしも、次の世代、特に自分の子供たちを育てる上で、これらのツイートはとても考えさせられることになりました。

私には息子と娘が一人ずついます。

二人を「自分の子供」として同じように育てていても、やはり男女という性差が年齢が上がるごとに現れてきます。

このような社会で、娘だけでなく、自分の息子をどうやって育てるべきか、今一度、立ち止まってみたいと思います。

 

#YesAllWomen:アメリカ社会の性差” への2件のフィードバック

  1. この事件の犯人はアジア人と白人のハーフで、自分の中にアジアの血が流れていることに嫌悪していましたよね。
    彼の父親のような完全な白人に生まれたかったと。
    この件には触れられていませんが、この事件の根底にあるのは人種差別問題ではないですか?

  2. Jaさん、コメントありがとうございます。

    彼の中で、子供の頃から、そういうコンプレックスもあったみたいですね。

    こういう犯罪って、原因が一つだけとは限らないと思います。
    本人が、どうやって育てられたか、どういう環境があったのか、色々なことが複雑に交じり合って、彼は自分を受け入れられなかった。周りに受け入れられ、愛されていると思えなかった。残念でたまりませんね。
    私も同じハーフの子供を持っていますが、もし彼らが「自分が100%白人じゃないのが嫌だ」と思われたら、とても残念に思います。それって本当に親の育て方ですからね。
    自分を愛せて、自分に自信がある人間になってもらいたいものです。

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