クリスマス前の”Giving”
“Giving”とは、無償で、必要としている人に何かをあげること。それは、ものやお金、時間だったりします。
私はアメリカでいかにこの精神が強いのか、クリスマス前のこの時期になるととてもよく気づかされます。
クリスマス前に多いのは、孤児や貧困家庭の子供達におもちゃをあげるもの。
有名なのはToys for Tots (Totsとはtoddlerで子供達っていう意味)で、銀行やお店などに大きなバケツや箱があり、そこに寄付したい人がおもちゃをどさっと入れていきます。これはMarine(海兵隊)が主催しているみたいです。(ウェブサイト)
おもちゃだけでなく、文房具や、ティーン用の小物など、幅広く寄付は集まるようです。
他には、”Shop with a Cop”と呼ばれる、子供達が地元の警察官と一緒に買い物に行けるプログラム。
これも、選ばれた地元の貧困家庭の子供達が、寄付されたギフトカードなどを使って、ターゲットなどにボランティアの警察官と買い物に出かけます。
(地元警察官と買い物をする子供:ソース)
アメリカの大手おもちゃ屋トイザラスでは、入り口前に大きなバケツやかごがあり、お店で買い物をしたものを直接寄付できるようになっています。
毎年、この時期になって寄付の話を耳にするたびに、すごいな〜と感心してしまいます。
渡米当初は、「どうしてこの人達だけもらえるの?」という思いがありましたが、これだけgenerous(寛大)なアメリカを見ていると、そんな気持ちも薄れてきました。「欲しいなら、もらえばいいじゃん♪」って感じでしょうか。
自分にも子供ができて以来、クリスマスを楽しみにしている自分の子供には、どんなに些細なものでも何かをあげたい、という気持ちは親には共通するものだと感じました。
その気持ちを理解して、お財布に余裕がある人は 、おもちゃの一つ二つ(またはもっと)を寄付できるのでしょう。私も、少し余分に買ったスティッカーブック(シールの本)を職場に備え付けられているかごに持って行こうと思います。
与えるものは、ものやお金だけじゃありません。「時間」もそう。
どこのボランティアイベントでも、その場で手伝ってくれる人材を募集しています。そこでお手伝いをして、お給料をもらうわけでもないのに自分の時間を誰かのために使う。それも大事な寄付です。
これらのイベントにボランティアでお手伝いする人はたくさんおり、それも小さな子供連れで参加する予定だとか。小さい時から「ある人はない人に与える」という精神が当たり前に植え付けられているんだな、と思いました。
日本では、震災後に寄付金が集まったり、物資が自費で送られたり、今までにないチャリティ精神を見せたそうですね。若い世代はボランティアで現地入りすることなどにも抵抗がないようだし、素晴らしいことだと思います。
これからの日本も、家庭間の格差はもっともっと広がり、「みんな平等」の時代は終わるでしょう。
そんな中で、「与える」、「与えられる」ということに抵抗を感じない世代になっていくといいな、と思います。