学生ビザから米国市民権まで(1)

久しぶりの投稿になります。Hanaです。

先日、市民権を得るための試験、インタビューが無事終了しました。次のステップは宣誓式とCertificateの受け取り、これが終了すると晴れて正式に市民権を得ることになります。

あともう一歩で米国市民になるというこのタイミングを機に、私が留学してから市民権取得に至るまでの道筋を、ビザの変遷を軸に整理しておきたいと思います。

まず最初に注記しておきたいのは、移民法というものは毎年のように変化するので、このような個人的な体験談はあくまで参考にとどめること、かならず最新の情報を自分の手で確認するのが重要であることです。

さて、スタート地点は学生ビザ。これはもう15年前の話ですから、それこそ具体的な参考にはなりませんが、まずはここから始めたいと思います。

学生ビザ(F1)は私がアメリカで生活するために一番最初に取得したビザです。

今ではインターネットで情報を集めたり、用紙をダウンロードできたりするのかもしれませんが、このときは封書で用紙を取り寄せ、アメリカ大使館の専用ボックスに投函しにいったような記憶があります。それから面接をしたはずなのですが、さっぱり記憶がありません・・・

当時を振り返って今思うのは、このときDS-160というビザ申請用紙に記入したのが、その後長いこと続く移民関係手続きのたびに新しい種類を学ぶ、アルファベットと数字の組み合わせの一番最初だったんだなぁということ。

移民関係に限らずアメリカの政府、州、市の手続きはかならずこういう用紙番号がついていて、どういうルールで付けられているのかわからないのですが、税金関係など有名なものは暗記してるアメリカ人も多いです。

もうひとつよく覚えているのが「アメリカでゆくゆくは永住したい」とか「アメリカで結婚相手が見つかるといいな」みたいなことを、たとえ冗談でも決して口にしてはいけないと言われたこと。

F1というビザは留学のためのビザですから、渡米目的は勉強のみ。基本的には「卒業したら日本に帰ってきます」という姿勢でいることが大事です。

アメリカ側に立ってみたら当然のことですが、アメリカだって「移民どんどん受け付けます!」と制限なく受け入れることはできません。移民で成り立っている国ですが、やはり国力を豊かにするためにも、アメリカに役立つ、優秀な人々が少しでも移民してくれるよう、F1から就労、永住に至るまでに様々な制限や条件が付いてきます。

この制限や条件をスパッと切り抜けて例外的に認められるのが結婚による永住権取得。結婚は個人の自由ですから、基本的にはアメリカ人が外国人と結婚して永住権が与えられないということはあり得ず、かかる時間も労力もF1から出発して地味にステップアップするのに比べてずーっと有利です。

そんなわけでアメリカは警戒しています。「留学はただの手段で、本当はアメリカに結婚相手を探しに来るつもりはないでしょうね〜」と疑心暗鬼の目でチェックしています。たとえ本音がその通りであっても(笑)、口にしたり書いたりしてはいけません。

私もそんなことに気をつけて留学目的などを記入し、たしか、当時のボーイフレンドと帰国後は結婚します、とまで書いて気をつけたような記憶があります。今にして思えばそこまで書く必要はまったくなかったと思いますが・・・、読んだ大使館のオフィサーは「Too much information…」と思ったかもしれません。

無事F1が発行され、「I-94」(出た、アルファベットと数字の組み合わせ)がホチキスで止められたパスポートとともに私は渡米しました。

I-94は小さい紙切れで、まったく重要な書類には見えないのですが、実はビザと同じくらい、またはそれ以上に重要。

この件についてまた次回書こうと思います。

 

 

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3 comments on “学生ビザから米国市民権まで(1)”

  1. 私も結婚で永住権を得ましたが、確かに結婚じゃないルートのビザ取得と比べると、格段に楽でした。大学4年次に周りの留学生たちがOPTだなんだ、って走り回っている時、すでに結婚してましたから・・・。
    かといって、愛情のない結婚生活はビザ取得の価値があるか?聞かれるとまた別の話であり・・・。私の周りにも、ビザ目的で結婚を考えていた人(日本人じゃないです)がいました。結局その相手と結婚したのかわからないですが、スピード離婚し、子供も親権争いで奪われ・・・とかなり悲惨な状態です。
    結婚はもちろん個人の自由ですが、そこに「ビザ」という要素が入ってくるとなかなか難しいですね。

    Hanaさんのおっしゃるように、アメリカという国はきちんと明確な目的を持ってビザを発行しているわけだから、それを理解して色々と計画を練ることは大事かもしれませんね。

  2. Erinaさん、私も最終的には結婚による永住権の取得でしたが、そこに至るまで何年か地味なステップアッップを経ていたので、「この大変さの違いはなんだ〜」とつくづく思いました。

    永住権目的の結婚というのは、純粋にそれだけが目的だったら当然ながら犯罪ですし、協力したアメリカ人のほうも罰せられるし、大きな問題ですよね。

    でもそこが恋愛とか結婚の難しいところで、人の本当の気持ちはその人にしかわからない・・・というか、本人にさえわからず、「結婚してアメリカに住みたい」気持ちが強いあまり恋をしていると思い込んでしまう人もいるのかも。その結果愛情が育ってうまくいけばハッピーエンドですが、現実はなかなかそうはいかないですよね。

    お互いの文化への理解や受け入れがあって、人生をともにしたいという気持ちがあって、永住権があくまでも「結果」、という形で国際結婚する人が多くいてほしいものです。

  3. そうですね。
    私も、「結婚」という形にこだわらなくても良いや、彼と一緒にいられれば。という人間なんですが、ここはアメリカ、私は外国人、という立場を考えたときにその「形」は必要だなと感じました。

    市民権は永住権と違って、「必要に迫られて」というわけではないですよね。(10年おきの更新が面倒っていうのはありますが)
    これもあくまで「個人の自由」なわけで。
    こうやって、自分の人生をどう選ぶか、どう描くか、という局面に遭うことって、アメリカならではだなぁといつも思います。市民権のステップ、楽しみにしてます。

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