アメリカで10倍うまく家を購入する方法:Love at first sight (一目惚れ)

今日は我が家の家探し(ハウスハンティング)体験を書いてみます。

これは我が家ではありません・・・・。(苦笑)
これは我が家ではありません・・・・。(苦笑)

ストレスフルなあれこれを経て、家が決まり、新居に引っ越したのは先月のこと。忘れないうちに、アメリカで家購入の体験を書き残しておこうと思います。

 

タイトルは”Love at first sight”。「一目惚れ」です。

家を見に行って、一目惚れすることありますよね。今回は、そこからどうやって家を決めるか、というお話です。

 

時は3年前。2009年11月に、サンディエゴダウンタウンの一軒家をショート・セールで売りに出した我が家。

その結果、「次のローンを組めるのは3年後」というペナルティを受け入れ、借家に移り住みました。

 

この時に売った家は、1903年に建てられた「Victorian Style (ヴィクトリアンスタイル)」と「Craftsman Style (クラフツマンスタイル)」のミックスで、とてもかわいらしい古い家。この家にたどり着いたとき、古いスタイルの家が大好きだった私たち夫婦は、「これだ!」と一目惚れしたのでした。

この家に2年ほど住んだものの、アメリカの不動産バブル崩壊の影響を受け、キープしていても損失しかしないと考え、手放す決意をしました。

 

ショートセールの3年ペナルティが終わり、さぁ、今度こそ良い家を買うぞ!と心に決めたのが今年に入ってから。狙っていたエリアに、毎週末のように足を運び、オープンハウスを探したり、エージェントと一緒に家を見て回りました。そこで、「この家だ!」と一目惚れした家にも出会いましたが、とても競争率が高く、あっという間に自分たちより高いオファーにかっさらわれること数回。

「もしかしたら、このエリアで家は買えないかも・・・・?」

と不安に思い始めた頃でした。

評判の良い小学校から歩いて2分のところにある家が売りに出ていたので、早速、エージェントと見に行くことにしました。

着いてみると、この家は、Investor (インヴェスター、投資家)が安く買い上げ、リモデルし、また売りに出された、フリップハウスでした。”flip”(フリップ)は「ひっくり返す」という意味で、インヴェスターたちが、短時間で買って直して売られるので、こう呼ばれます。”This house is flipped.”と言いますね。

 

「ふ~ん・・・・。」

 

というのが私の第一印象。キッチンも床もバスルームも全て新品。

 

「う~ん、フリップハウスかぁ・・・。」

 

自分がフリップされた家を買うとはあまり思っていなかったので、なんとなく違和感がありました。何せ、私たち夫婦はDIYが好きなので、自分たちで色々とリモデルしたいと思ってたのです。

 

「どう思う?」

「フリップハウスは、考えたことなかったね。」

「でも、この土地は良いよ。」

「でも、プールがないね・・・。」

 

サンディエゴ市内から少し内陸に行くと、砂漠になります。つまりめちゃ暑い。この近所の家も、ほぼ全ての家にプールがあるようなんですが、この家にはない。プールつきの家を探していた旦那には、ここでかなり「マイナス」がついたようでした。

加えて、フリップハウスは家の「特徴」(“character”と言いますね)がない。

 

しかし、この土地。

家のバックヤード(裏の庭)はきれいな芝生のエリアが広がっていて、ゴルフもできるしキャッチボールもできる。前の家にはなかったこのスペース!

私が欲しかった果物の木や、緑が充分にあり、外でのびのびとヨガができるという理想の土地。ここに住んだら、インドア派の私も、外で過ごす時間が増えそうです。

この立地、土地、家のレイアウトと開放感は捨てがたい。でも、燃えるような熱い思いが生まれない。

 

さぁ、どっちを取るか?

 

日常、理論的な私は、感覚的な直感を無視していいのかどうか迷いました。

頭で考えたらこの家は「イエス」。だけど、本当に好きになれるのか?毎日、帰ってくる場所なのに、それで住んでいけるのだろうか?

私の頭の中では、右脳と左脳が完全に対立していて、あっちがああ言えば、こっちがこう言う。あ~も~助けて~!!

 

そこで、不動産歴の長いホストマザーに、こんな質問をしてみました。

 

私:”Is it necessary to fall in love with the house at first sight?”(「その家に決めるのに、一目惚れって必要?」)

ホストマザー:「ノー。ちょっと落ち着きなさい。」

ホストマザーが自分の子供4人を育て、後に留学生350人を受け入れたあの家を買ったときのことについて教えてくれました。私も学生時代に二年間住んだ家です。

ホストマザー:「私たちがあの家を買ったとき、壁にはヒビがたくさんあったし、穴もあった。木のつくりつけなんてひどかったのよ。」

バルボアパークの前にそびえ立つ、現在の価格が億単位のあの家からは想像もできません。

ホストマザー:「私は引っ越してすぐに何ヶ月もかけて、それを直したの。ヒビを埋めて、穴もふさいで。つくりつけの棚も自分で磨いて。」

私:「そっか、そうやって『自分の家』にしてきたんだね。」

ホストマザー:「そう。『これだ!』と一目惚れした家は、すでに誰かの家で、誰かの人生がそこにあるのよ。それはあなた自身のものじゃないわ。」

 

確かに。

みんなそれぞれ、自分の好みでリモデルし、自分の好みで家を作り替えてきた。それはその人の人生であり、その人の家であり、私たちがそこに入って替わることはできない。

 

そこで私は、この家のネガティブとポジティブをきちんと書き出してみることにしました。

ポジティブ:

  • ロケーション(良い小学校から激近い)
  • 土地(広々としたバックヤード)
  • ランドスケープ(果物の木と花)
  • 近所(静かで家族向け)
  • 新しいインテリア
  • 価格がターゲットより低い

ネガティブ:

  • プールが無い
  • マスターバスルームが小さい(バスタブがない)
  • シンプルすぎる
  • フロアがラミネート

 

と書き出してみると、ネガティブな項目は、変えられるものであることに気づきました。

もちろんお金も時間もかかるけど、自分たちの好きなものに変えることができる。(プールは20,000ドルくらいから作れるらしいし、バスルームは壁を動かして広くできる。ハードウッドフロアなんてみんなDIYでやってる。)家の価格がターゲットより低い分、こういうことにお金をかけられるかもしれない。

逆に、土地やロケーション、近所の状態は、お金や時間をかけても変えることはできません。アメリカ不動産では、家を選ぶときに、”Location, location, location.”(「1にロケーション、2にロケーション、3にロケーション。」)とよく言われるのですが、これが理由です。

 

今あるものがシンプルなら、そこに自分の家族のストーリーを作っていけば良い。

 

夏はプールで遊び、冬は暖かい家の中で過ごす。

花や野菜を育てたり、家を直す。

家の前で近所の子供たちと遊び、学校に通い、年間行事を楽しむ。

子供を育て、家族を育てる。

 

このフリップハウスでできる可能性を思うと、ここに住むのが楽しみになりました。

 

家を買うのに、一目惚れは必要か?

あってもいいけど、それで他のことが見えなくなってはもとも子もありません。

 

あれから2ヶ月が経ち、引っ越して自分たちの家具を入れると、「自分たちの家 」という感覚が生まれてきました。

古くなっていた水道管や温水ヒーターをチェックしたり、庭仕事もし始めました。ご近所さんとも仲良くなりました。

毎日、仕事から帰ってきて家族と生活をしていると、この家に愛着も湧いてきました。

 

人も家も、こうやって少しずつ時間を一緒に過ごしながら、関係と愛情を築いていくものなんじゃないかと感じる体験になりました。

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「アメリカで10倍うまく家を購入する方法:Love at first sight (一目惚れ)」への1件のコメント

  1. Erinaさん、はじめまして。
    サンディエゴで家を買い替えるにあたり、情報を検索しており、こちらにたどり着きました。
    アメ10は前にも度々拝見させていただいてます。中でもErinaさんの書かれるトピックや意見がとても好きです。 いつも勉強になります。ありがとうございます。

    今回の記事も、ちょうど考えていた内容で目から鱗でした!私は不動産についてまだまだよくわかりません。これからレンダーさんやリアルターの方、信頼できる方とどうしたら出会えるのか、教えていただけたら嬉しいです。

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