アメリカの医療制度

医療制度は一般的にHealthcareと呼ばれます。

注意:今日のトピックには、歯医者(dental plan)、眼科(vision plan)は含まれません。

アメリカに来て、学生であれ、社会人であれ、海外赴任の奥さんであれ、これに頭を悩ませることは少なからず一度はあったはずです。
そもそもの悩みの根本は、アメリカは、日本の全国民健康保険というような国からのカバーがないこと。

 

アメリカでは、基本的に個人で健康保険に加入しなければなりません。

 

アメリカでも、65歳以上はMedicare、低所得家庭と認められた場合はMedicaid、など国がまかなう保険に加入することはできますが、それ以外は基本的に自己負担なのです。

学生の場合、大学が提携している保険会社からなど、安く加入することもできますし、渡米前にAIUなどで長期旅行者扱いなどで加入してくる留学生もいるでしょう。私もそうでした。

仕事をしている場合は、雇用者がいくつか健康保険についてオプションをくれます。

今回は、会社を通して加入できるPPO とHMOについてとその違いについてもお話ししようと思いますが、カリフォルニア州でのケースなので、州によっては保険会社が異なる場合もあります。

参考にしたのは以下のリンクです。
HMOs vs. PPOs

 

1. PPO (Preferred Provider Organization) Blue Shield, Blue Crossなどの健康保険に加入

これらの健康保険に加入すると、保険会社が認めている個人ドクターのリストの中から、自分の好きなドクターを選んでかかります。Primary/family Doctor(一般内科)から耳鼻科、小児科、産婦人科など、自分の町のドクターを選ぶことができます。

長所は
・評判などをもとに自分でドクターを選べる
・年間の加入費が割安
・専門科医にかかる前に内科医に会う必要がない
・年間の保険料に加えて、ドクターにかかった分だけお金を払う

短所は
・症状によって行く病院が異なる
・大きな手術や緊急処置はできない
・保険会社とのやりとりを自分でしなくてはならない

などでしょうか。

 

2. HMO (Health Maintenance Organization, プライベートの総合病院)に加入

南カリフォルニアではScripps(スクリプス), Kaiser Parmanente(カイザーパーマネンテ)などがメインでしょうか。これに加入すると、歯医者以外は全てこの病院でかかれます。

長所は
・かかる病院が一カ所で良い
・自分のメディカルレコードがどこの科でも見られる
・保険会社とのやりとりをしなくてもよい

短所は
・年間の加入費が割高
・ドクターにかかってもかからなくても、毎年同じ料金を払う
・専門科医にかかるためには内科医のreferenceが必要

というところでしょうか。

 

我が家はこのHMOのKaiserに加入していますが、いたって便利です。

例えば緊急のとき。

昨年の秋、私の娘が生後9ヶ月になったとき、それまで歩いていた彼女が、ある日ピタッと歩くことをやめてしまったことがありました。
それが三日くらい続いたので、ナーストリアージュに連絡をしたところ、その日の夜にドクターにかかるように言われました。

小児科のドクターにかかったのが確か夜7時頃。
そこから、血液検査、X線検査として夜の9時。
そしてその検査結果が出るのがそこから数日。

検査結果には異常は見つからなく、単なる「気まぐれ?」ということで迷宮入りしてしまいましたが、それから数日後には娘もまた歩き出したので問題はありませんでした。

しかし、全ての検査や処置が、その場でその日にできる、ということは、小さな子供を持つ親としてだいぶ手間が省けました。

我が家はこのKaiserに

・夫婦の一般内科
・子供2人の小児科
・子供2人の妊娠中の定期検診と出産(産婦人科)
・息子のスピーチセラピー
・私の副鼻腔の手術
・私の皮膚科
・旦那の心臓科
・旦那の人間ドック的な検査

と色々なことでお世話になってきました。

 

加えて、自分の雇用者とHMOとの契約内容によって、処置費用への自分の自己負担額(co-payと言います)が変わってきます。

例えば、私の会社を通してKaiserに加入していれば、診察に付き一回20ドルのco-payを払いますが、旦那の会社を通してKaiserに加入する場合は、co-payは基本なし。(緊急の場合は別)ややこしいこと、この上ありませんね。

 

 

とにかく、状況が変わればhealthcareも変わります。

喫煙者や、大きな病気を経験している方、持病持ちの方などは、年間の保険料も高くなります。
年齢でも変わってきます。
ミリタリーの家族であれば、ミリタリー専用の病院にかかることができたりします。

自分の加入している保険でカバーされるもの、されないものは「健康なうちに」必ず読んでおきましょう。

たとえば救急車。
こんなものをあっさりと呼んでしまったら、保険でカバーされなくて何万ドルという請求書が来たりします。病院へはなるべく自分で行きましょう。笑

最初に書いたように、歯医者と眼科は、健康保険とは全く別の扱いになります。
これはまた別の機会に書くことにしますが、健康保険だけでは歯医者はカバーされない、というのが基本です。日本にいるうちに虫歯は治しておくことをオススメします。

 

とってもとってもわかりにくいアメリカのHealthcare。

これで少しわかったと思ってもらえるとうれしいのですが、いかがでしょうか?

申し訳ないことに、我が家の情報をもとにしか書けないので、他のケースの場合にはあまり役立たないかもしれません。

それほど、多種多様なアメリカ健康保険。

何か質問などあれば、私のわかる範囲で付け加えたいので、ぜひお知らせください。

Erina

2011-07-25 12:15:28 

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5 comments on “アメリカの医療制度”

  1. ちなみにうちはPPOを使っています。やはり、医者は日本人が良いですよ。英語の医学用語ははっきりいってわかりません。私の理解度は半分くらいに落ちますから(苦笑)。

  2. Masaさん

    そうですね!
    ありがとうございます。確かにそういう長所もありました。

    うちのKaiser、通訳サービスがあり、日本語の通訳さんを連れてドクターにかかることができます。
    必要な方は問い合わせてみてください!

  3. Kaiserに通訳サービスがあるんですか。

    その昔、サンディエゴのShar●と言う病院に日本語の無料通訳サービスがありましたが、今は有料になっているみたいです。60ドルくらいだったかなぁ。

  4. こんにちは。見ていらっしゃるかわかりませんがお伺いしたいことがありましてメールをさせていただきました。私の息子は1型糖尿病と、言う病気があります。アメリカの語学学校に行っていたのですが、三回低血糖で倒れたので学校を止めるように言われてしまいました。病気のために留学が出来ないのは辛いです。一番良いのは同じ1型糖尿病の方がいらっしゃるおうちにホームステイさせていただくことなのですが、それを探す方法ってありますか?突然こんなことすみません。

  5. わかなさん、こんにちは。
    だいぶ前の記事ですが、コメントいただき、ありがとうございます。
    息子さん、大丈夫ですか?コンディションを持ちながらの留学、親御さんとしては心配は多いでしょうね。
    この記事でも書いたように、アメリカの医療費は莫大に高額で、それは「健康は金で買うもの」という日本とは全く違う考えが基づいています。ですから、アメリカ国内でも満足な医療ケアが十分に受けられない人がごまんといて、それがこの国の問題の一つでもあります。
    その現実で生きている私が、もしわかなさんだったらこうするだろうな、というのは、やはり情報集めです。
    アメリカには、様々な症状やコンディションを抱える人とその家族のためにサポートグループがとてもたくさんあり、アドボケートとして学校のような団体などと密接に関わっていることも多いです。
    まずは息子さんの一型糖尿病に特化したグループを探し、どんなサポートをしてもらえるのか、息子さんのような留学生としての立場でのサポートはどんなものがあるか、ということを調べてみると思います。日本人の方がいらっしゃらない限り、英語でのやり取りとなると思いますが・・・。

    私も専門分野ではないのですが、親として、アメリカに存在するシステムを利用するなら、こういうことができるかなぁ・・・というアドバイスです。
    応援しています。

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