アメリカの大学スポーツとチアリーディング、トライアウト

こんにちは。カンザス州の大学で世界史を勉強しながらカレッジチアリーディングに挑戦しております高校教師のNao(30)です。

前回の記事で、「4月に正式なトライアウト(選考)がある」と言いましたが、今回はアメリカのチアリーディングとトライアウトについてと、アメリカの大学スポーツと日本との違いについて、詳しく書いてみたいと思います。あくまでの自分で見て、聞いた知識なので、間違っている所もあるかもしれませんが、なんとなく一般論、としてお読みいただければ幸いです。非常にマニアックで非常に長くてすみません。

 

【アメリカの大学スポーツシステム】

日本の高校や大学で部活動をやられていた方はご存知だと思いますが、基本的には日本では入部選考のある部活動は少ないのではないでしょうか。超強豪、超名門でもない限り、よほどのことが無ければ、入部できない、ということは無いはずです。試合には出れずとも。

しかしアメリカでは、アスレチックデパートメントという大学の部署が部活を管理しており、選手にはスカラシップ(奨学金)が支給されます。額は部活にもよりますが、目玉の部活などは授業料全額カバーの場合もあります。日本でいう「スポーツ推薦」に近いですね。また、部活動にかかる備品やユニフォームなども支給または貸与されます。

詳しくは知りませんが、日本の大学の部活動は、厳密には大学の組織ではないそうです。最近話題になっているアメフト関連のニュースでも触れられていることがありましたが、それが学生の不利益になることもあるようですね。アメリカには総本山の「NCAA(全米体育協会)」というものがあり、この組織があらゆるスポーツ活動を管理しています。

奨学金が出るということは、当然予算に限りがありますので、登録できる部員数も決められていることになります。これは大学の規模やスポーツのレベル、予算によって変わるようです。僕の大学の男女混成チームは、厳密な人数は明言されませんでしたが、女子9人前後、男子12人程度、とのことでした。ちなみに大会はUCAという協会が主催しており、女子7名、男子9名で出場します。大会はフロリダのディズニーワールド内のホールで行われますが、そこまでの旅費も全て出るそうです。

余談ですが、そうなると、この広いアメリカ、大会会場に遠い方が不利になりますよね。そのため、アメフトやバスケなど規模の大きなスポーツでは、全米をブロックに分けてリーグ(カンファレンス)ごとにその地域で試合を行います。ですので、例えば自校のカンファレンスにハワイの大学があった場合、選手は喜びますが、大学は遠征費が高くつくので頭を抱えるということになります。まだバスケなどは西海岸くくりで会場校を回すので良いのですが、チアはNCAA管轄ではないためか、大学のチームは大規模な大会の場合、ほぼフロリダに遠征しなくてはなりません。そのため、ハワイの大学はとても強い学校が2つあったのですが、1つは今年まで5年間くらい出場できず、もう一つに至っては予算編成で廃部になってしまいました。なんとなく日本から見ると、アメリカは何もかも理想的なように見えますが、アメリカだから全てが上手くいっているというわけではないんですね。

話が反れましたが、所属チームはチアリーディング部ですので応援活動があります。うちはアメフトが無いので、基本的にはバスケと、バレーボールの応援になります。日本は応援と言えば野球ですよね。言われてみれば、アメリカって野球大国チア大国なのに、試合場にチアいなくないですか?アメリカは野球をチアが応援する文化が無いようです。びっくりですね。

 

【シーズン制】

アメリカのスポーツは基本的にシーズン制なので、バスケは3月で終了になります。それに伴い、チアリーディング部も、3月でシーズン終了になりました。

NCAAは学生のスポーツをそれぞれシーズン分けしています。メジャーなところで言うと、フットボールは秋(9~1月)、バスケは冬(10~3月)、野球は春(2~5月)という感じになっており、チアは基本的には8月~3、4月が一般的です。オフには公式の練習は禁止されています。ちょっと複雑なのですが、チアはNCAA管轄のスポーツではありませんので、厳密にNCAAのルールに縛られているわけではありません。でも、他のスポーツとの整合性のためか、シーズン制は採用されています。

シーズン制を取っている理由は、あくまでも学生は学生なので、完全にアスリートのようになってしまうことを防ぐためだそうです。ちゃんと勉強もできるように。なんだか日本からすると頭が痛いですね。一年中9時から5時まで毎日毎日部活やってしかも勉強しろ勉強しろと言われ、パンクしちゃいますよね。そりゃ「勤勉な」国民性ができあがるわけです。まあ、どちらにも良いところ、悪いところはありますが、日本の方が危ういですよね、破綻する恐れがあるというか。「ブラック部活」なんて言葉もできちゃう始末です。(高校の教員からすると非常に重い問題でもあり、アメリカのこういったシステムに触れると、複雑な気持ちになりますね。帰国しても何かを変える力はありませんし、専門外の「ブラック部活」の顧問になって心身ともに疲弊、なんて未来も遠くないかもしれません。)

ちなみにこのシーズン制というシステムは、大学に限ったものではなく、高校にも採用されています。ですので、生徒たちは、部活の掛け持ちが可能になります。僕の部活の部員たちにスポーツ経験を聞いてみたところ、やはり女子はチア部、体操、などが大半でしたが、男子は1人で3~4つの部活をやっていた子もいました。中にはチア部を経験していた子もいますが、アメフトや野球、バスケ、レスリングなどで、チア部というのは少数派でした。なのに、チア経験者が結構いるのです。どういうことでしょうか?これには、2つ理由があります。

 

【コミュニティカレッジ】

1つは、日本人にはなかなか理解が難しいのですが、「コミュニティカレッジ」というシステムです。日本語では「短大」と訳されることも多いのですが、厳密には異なるようです。このコミカレは一般的な4年制大学と比べて学費がメチャクチャ安いらしく、コミカレから4大への編入(トランスファー)が、アメリカではかなり一般的なのだそうです。もちろん、1年生から4大に通う子もたくさんいます。で、このコミカレにも、部活はあるわけです。ここで、初めてチアをやる子もいるわけですね。なので、一般的にはそこまでコミカレのチア部は4大ほど強くないとされているんですが、中には4大をも凌駕しちゃう学校もあるようです。ナバロカレッジ、トリニティバレーコミュニティカレッジ、などが有名ですね。うちの部活にも、コミカレ出身の部員がたくさんいます。

【チアジム】

2つめは、これも日本にはほとんど無いのですが、「チアリーディングジム」という専用の体育館がアメリカには至る所にあります。街に1つくらいあります。日本も習い事としてのチアはここ数年でかなり増えてきましたが、アメリカには、スプリングフロアやトランポリンなどの体操施設を完備したこのチアジムで幼い頃から練習してきた子がたくさんいるわけですね。僕の住んでいる街には「チアイクリプス」というジムがあり、幼少クラス~高校、一般クラスまで複数のチームを抱えています。男子もちらほらいたりします。

部活に、僕なんかが太刀打ちできないほどメチャクチャ体操上手い女の子がいて、「体操やってたの?」と聞いたら、「チアだよ」と言うのです。後々知ったのですが、彼女は幼少からチアイクリプスに通って鍛えられていたようです。僕も何度か行ってみましたが、バリバリの体操経験者のおじさんおばさんが非常に丁寧に指導をしていました。日本の場合、経験者は「体操上がり」なんてチア界ではもてはやされるのですが、これってあくまでも体操が上位に位置しているという前提ですよね。まだ逆はありえないと思います。アメリカの場合、能力的に体操とチアが拮抗しているんですね。すごい世界です。8年前にハワイの大学の売店で「チアやってました」と言ったら、「お、じゃあバク宙してよ!」と言われた経験があります。日本で同じこと言ったら「踊ってよ」になりますよね。これも根本的なイメージの違いですね。

ちなみに、アメリカの高校生は基本的には3段のピラミッドは行いません。これは州や所属する協会によっても微妙に異なるようですが、中には空中に飛ばす技「バスケットトス」が全て禁止の州もあるそうです。練習をしただけでコーチがクビになった、という話もあったと聞きました。日本にはその文化は輸入されませんでしたので、日本では大学のレベルとほぼ同一の、かなりレベルの高い演技が高校生にも求められます。それだけに危険性も高いのですが、もちろん技術はそれなりに高くもなります。チームの選手に話を聞いたところ、日本のチアをネットで観たことがある子はなかなか多く、誰もが「上手い」と褒めていました。アメリカの高校生達は概ね、高校まではタンブリング(体操)技術と、2段までのスタンツを徹底的に磨き、大学での発展技(3段ピラミッド等)に備えます。

 

【トライアウト】

ということで、3月にシーズンは終わりましたが、これ以降は「オープンジム」という練習になりました。これは、部員ではなくでも、参加費を払えば誰でも参加できる公開練習会です。シーズン中にも、12月に1回、2月に1回開催していました。ケンタッキー大学などの強豪校になると各地から練習希望者が集まる一大イベントになるそうです。うちの大学には、高校生がたくさん来ていました。4月のトライアウトはうちの大学の学生しか受けられないはずなのに、なぜこんなにたくさん高校生がいるんだろうと最初は不思議に思っていました。

そして4月中旬(昨年は5月だったようですが)、金・土・日の3日間を使ってトライアウトが開催されました。金曜日は参加必須ではなかったのですが、基本的にはオープンジムとほぼ同じ内容、受験希望者は自分がトライアウトで行う予定の技を練習します。まずは受付で参加費を払い、受験番号を体に書いてもらいます。

前半はスタンツと呼ばれる組体操の練習でした。我がWSUはコエド(男女混成)チームの他にオールガール(女子)チームも持っていて、トライアウトも一緒に行います。また余談になりますが、これも大学によって異なり、全米一位のケンタッキー大学は女子チームを持っていませんが、代わりに「二軍」のようなコエドチームをもう一つ持っています。二軍でも鬼のように強いんですが。こちらは応援する種目や出場する大会、また奨学金にも差が出るようです。

またもう一つの大きな協会NCAの強豪、ルイビル大学などは、コエドチーム、オールガールチームに加え、男子4名までと女子の「スモールコエド」チームを持っています。そもそもチアは、男女混成は、2人1組のスタンツ(シングルスタンツ)、女子チームは4人1組のスタンツ(グループスタンツ)を基本に演技を作りますが、スモールコエドはグループスタンツになります。どちらのスタイルでも、タンブリング(体操床運動)とピラミッド(組体操の複合)が含まれます。

金曜の練習の後半はタンブリング、そして選考に含まれる応援歌のダンスの練習になりました。女子は振付が非常に多く大変なのですが、男子はそれを嘲笑うかのようなレベルのダンスで、この練習の時間はほぼ男子たちはゴロゴログダグダしていました。

土曜日も同じような練習の流れだったのですが、なんだか様子がおかしく、練習の際にボードを持った審査員的な人たちがうろついておりました。緊張感が高まります。後半はタンブリングになりましたが、1人1人並ばせられ、番号順に、立った状態からのバク転やバク宙などのタンブリング、あるいはそれ以上のレベルの技を審査員の前で披露させられました。ちなみにこのUCAという協会の大会は、16人編成で日本のメジャーな協会の演技と似ていますが(日本のJCAという協会は元々はUCAが母体であり、現在は元気勇気笑顔と歌いながら独立独自路線)、現在ではジャンプ(開脚ジャンプなど)や、ダンスは行われておりませんので、トライアウトでもそういったスキルは必要ありません。僕はジャンプが割と得意だったのでこれは残念でしたね。もう一つのNCAでは両方必須です。その後はマットの対角線を使って、左右から走り込みタンブリングになりました。最初はロンダートバク転、ロンダートバク転バク宙、など基本技を順にやらされますが、できない人はどんどん列から外れていき、残るメンバーが減っていきます。前回のブログでも書きましたが、うちのチームは設備も持っておらず体操面に秀でているわけではないので、この中では僕は比較的後半まで残れる部類でした。別に大した技はできませんが、せっかく日本人なのだから丁寧にやりたいと思い、着地をしっかりまとめるように努力しました。その後、審査員に呼び出されて、え、なんかまずいことしたかと怯えたんですが、褒められたので安心しました。

この日の夜に、SNS上で(アメリカっぽいですね)、一次選考通過者の番号が発表されました。ちなみに女子はやはり高校生含め、非常にたくさん来ておりました。男子は15人くらいだったと思います。これも強豪校になると、男女ともに高倍率でかなりシビアな戦いになるそうです。数年経験している男子達はヘラヘラしていましたが、単身渡米の唯一の外国人の三十路アジアおじさんは非常に緊張しておりました。トライアウト中にはコーチとの集団面接が行われ、どういう選手になっていきたいか、同時にどういう学生になりたいか、卒業後の夢などが聞かれました。陳腐なカタコト英語で必死に喋りましたが、短所に「最近は老いです」と答えたら笑われました。

日曜日、土曜に続き朝から集合。昨日までいた子がちらほらいなくなっていてさらに緊張。しかもこの日はバスケの試合でも使われるメインアリーナを貸切っての開催で、なかなかの雰囲気でした。

前半はまたアップと練習、午後から全員ロッカールームに待機し、番号を呼ばれてアリーナに向かいます。継続が危ぶまれる高倍率の女子達は緊張の面持ち、初受験の高校生、コミカレ生達もそわそわ。ベテランメンズ、昼寝。アジアおじさん、ストレッチしつづける。冷えるとすぐブチっといく年齢なので。会場の端では、ユニフォームを着てヘッドショットの撮影を行います。

アメリカの学生スポーツなんて全然詳しくなくて、学生の頃に見たハイスクールミュージカルみたいなイメージしかありませんでしたが、まさにあんな雰囲気でした。

 

本番、まずは5名ずつ呼ばれて審査員の前で応援歌ダンスと立位・走り込みタンブリング。疲れと緊張のためか土曜よりも走り込みの方が狂い、着地がブレてしまいましたが概ねOKでした。またロッカールームに戻り、しばらく待機した後、スタンツ審査で再度呼び出されました。結果は無事に全て予定していた技は成功。環境に適応するのに必死で、渡米して新しい技などは習得していないので全然大した技もできませんでしたが、綺麗にまとめることができました。

で、帰宅。発表は月曜の15時ということで、月曜の授業は上の空。

発表はやはりSNSでしたが、まさかの動画でした笑(リンクはHP)

ということで、無事に継続成功いたしました。ヘッドショットで撮影した画像が発表動画に使われます。

てっきりこの後すぐに練習が始まるのかと思っていたのですが、先述のようにシーズン制とのことで、正規練習は8月上旬まで無いと聞かされ拍子抜け。ただ自主練はしょっちゅう行われているのでそれにはなるべく参加しております。秋学期は8月下旬からスタートなので、高校生がトライアウトを受けている理由もそれで分かりました。入学が決まっていれば、高卒見込みでも受験可、ということですね。やはり経験の差からか、高校生はたくさん落ちていましたが。

 

【日本との違い】

在校生も基本1年契約、という意識があるのは、いい点もたくさんあると思います。日本の場合はダラダラ惰性で過ごしてしまいがちですが、必ず年1回契約が全員解除される、というシステムは一定の緊張感を生みますし、仲間も馴れ合いではなくライバルなんだということを再認識させられます。それだけに、合格したメンバーの一体感も大きいと思います。ただ同時に、落ちてしまった子はもうどうすることもできないし、次の年に受けるとしても、現部員より絶対的に不利だと思いますので若干不公平にも感じます。スポーツをする権利が全ての学生に与えられていないというのはなかなかシビアなところもありますね。奨学金ナシでも部員として認めてあげればいいのに、と日本人的には思いますが制度上そうはいかないみたいですね。しかし最近では、高校のチア部で不合格になった子が不憫だと保護者が訴訟を起こして、全員入部の判決となった出来事が全米で大きなニュースとなっていました。シーズン制も然り、利点欠点はそれぞれですね。

 

こちらに来て、コーチという職業が成立しているのもすごいなと感じました。もちろんそれだけでは食べていけないので、大学コーチは副業でやっている方も多いようですが、しっかりと学校に雇用されている、ということは大きいと思います。また同時にアメリカなんで下手すると一瞬でクビになることもあるようですが。ご存知日本は、スポーツの指導者として食べていくのは至難の業で、メジャースポーツならまだしも、チアのようなスポーツではあくまでもバイトやお手伝いの域をなかなか脱していません。アメリカはこのような雇用契約がハッキリしており、また報酬もしっかり定められているので、選手コーチ双方に一定の緊張感が生まれ、両者の立ち位置も明確になっていると感じます。それが曖昧だと、当然胡散臭い指導者も増えますし、学校側の管理が行き届かないためか、学生との距離感も不適切になってしまうことも多いと思います。それだけに、日本は現状しっかりと指導できる男性コーチなどはかなり少ないと思います。こちらも日本の高校の教員としては、今後頭の痛い課題です。

うちの部活に関しての話にはなりますが、コーチの男性と学生たちは、談笑するような関係でありながらも、決して近すぎない絶妙な距離感を保っているように感じました。しかしコーチは技術だけでなく、学生としての生活面にも常に指導を怠りません。学生のSNSの不適切利用等に関しても常に目を光らせており、また彼の口癖は「授業はサボるな!メシも抜くな!」です。日本の高校の担任や部活動顧問のような位置づけにもなっていると思いました。(ですので陰で悪口も言われます。)

チアジムでの指導者達の指導を見学して、やはり「褒め」の指導が多いなとも感じました。生徒が技に成功したときはコーチも大喜びでハイタッチ。もちろん日本のハードで厳格な指導にも一定のメリットはあります。アメリカの指導は、なんとなくですが悪く言えば「軽い」ので、なんだか締まりの悪いヘラヘラした空気になることも多くあります。実際アメリカの若者たちは日本人からするとドン引きするくらいテキトーなヤツもたくさんいるので(うちのルームメイトは半年食器を洗わない)、まあそういった緩めの環境も良し悪しだと思います。特に、「上下関係」が適当すぎて日本人的にはイラっとするポイントがたくさんありますが、彼らも悪気があるわけではないので、こちらも、まあどうでもいいか、となります。そう、割とどうでもよくなるんです何事にも、アメリカは。ちょっと日本が何事にも口うるさすぎるところもあるのかもしれませんね。細やかな気配りは素晴らしいですが、昨今は「炎上文化」なんて揶揄されることも多いですしね。アメリカ人チアリーダーはしょっちゅうSNSに公共の場でのスタンツの写真や路上でのタンブリング映像を投稿します。日本だったらまあ格好の火種ですし、確かにマナー違反なのも事実なんですけど、アメリカ人的には、「他人のことなんかどうでもよくね?」になるんですね。面白い方が勝っちゃうというか。コーチの解釈する「不適切利用」にもこの程度では入りません笑 そもそも最近の日本の炎上は、「マナー」という蓑に悪意や憎しみ、妬みを隠していることがあるから恐ろしいですね。

 

アメリカが全て正解というわけでは決して無いと思いますが、どちらも悪い部分は是正し、良いものを取り入れていく姿勢が大切だと、半年ちょっとの生活とチアリーディングでの経験を通して感じました。(早く皿洗え)

 

ちなみにアメリカのチアリーディング部は、先述のチアジムと連携を密にしているケースが多く、卒業生がジムで働くこともあれば、同時にジムの指導者が大学のコーチングをすることもあります。これも両者の組織がしっかりとしていないとできない芸当ですね。あと当然ですが、絶対的な生徒数の分母がそれを支えています。

オフ期間中はチアジムのオープンジムタイムにも積極的に出かけるようにしています。実際三十路を身体も冗談抜きに感じ始めているので、あまり激しい技術向上は望めないのですが、プロの指導を間近に見学することができるのは非常に大きな経験になると思っています。

 

日本のチア業界はなんだかんだトラブルも多く、正直帰国して何かやりたいとも思えないような状況ではあるのですが、せっかく普通の人ができないような経験をしているので、何かに活かせたらなと思います。ただ、こちらの世界から改めて日本を見ると、アメリカンスポーツを無理に独自解釈しようとするのも、あるいはまた無理にアメリカナイズドされようとするのも、どちらも不自然であり、なんだか滑稽にも映ります。輸入マイナースポーツが抱える課題は、まだまだ多いですね。

とりあえず、現状毎日日曜日状態なので(30歳なのに。もう社会戻れる気がしない。)、積極的に色々な所に顔を出して多くのことを吸収していきたいと思います。 

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5 comments on “アメリカの大学スポーツとチアリーディング、トライアウト”

  1. はじめまして。吉田と言います。
    チアリーディングをしている娘をもつ母親です。
    娘はジュニアのチアリーディングチームで9年チアをし、県内のチア部のある高校に進学しました。現在2年生です。
    本人は卒業後もチアを続けたいのですが、英語力も高めたいという強いおもいもあり、アメリカに留学することを希望しています。
    しかし、アメリカといえども広くて、どこに行けばいいのか、まずは語学学校で学ぶことになると思うけれども、その方法でいいのか、そもそも入部できるのか、など、調べ始めたばかりで、なにもわかっていません。
    何か情報ないかな、と思い、検索したら、このブログにたどり着きました。
    今からこれまでの記事を遡って読んでいきたいと思います。

  2. 藤本様
    コメント頂きありがとうございます。
    もし何かご不明な点がありましたら、私で分かる範囲であればいくらでもお伝え致しますのでご連絡ください。

  3. アメリカではコミカレでもトライアウトなどを行なっていますか? 私は、バスケでスポーツ留学をしたいと考えているのですが、トライアウトを受けずに入学し、部活にすら入れてもらえないのではと悩んでいます。なのでもちろん勉強も大事ですが、バスケで行きたいと考えているのならトライアウトを必ず受けた方がいいですよね?
    もしよろしければアドバイスください。

  4. R,Nさん、(投稿者ではなく、短大勤務者でもないのですが)アメリカの(奨学金目的で、短大リーグNJCAA加盟の)各種チームに参加する場合、入学希望の前の年よりトライアウトが必要です。プレーや練習風景などの動画などで評価される生徒もいますし、高校時代から渡米し、短大を含む大学チームの選考会のようなものに参加する選手も多々います。

    実際、NJACC加盟校に入学してから、単純にチームに参加させてもらうのと、実際に一員としてゲームに出させてもらうのは全然異なる事項だと思いますが、コミカレでも相当競争率は高い(各チームに登録できる選手数などが細かく指定されている)ので、もし実際にゲームに出させてもらえる評価の場合、相当額の奨学金がもらえるはず(コミカレでは学費・寮費全額または一部免除とかが結構当たり前です)。

    日本で云う、所謂「(楽しみのための)サークルや部活」のようなものを指す、Intramural。この場合は、誰でも参加できると思います。

  5. R,N様
    コメント頂きありがとうございます。
    自分もそこまで詳しいわけではないので、今日同じ部員でコミカレ出身の友人に質問してきました。
    コミカレであってもアスレチックチームはトライアウトを行って部員を集めています。スカラシップ(奨学金)も、額は学校や部活によって異なるようですが支給されるようです。元々コミカレは学費が安いのですが、さらにスカラシップも支給されたとのことで、その友人は1セメスター$400のみで通うことができたそうです。
    トライアウトは、シーズンの期間在学していることが条件ですので、まずは希望の学校のホームページや問い合わせなどでトライアウトの時期、部活のシーズン等を確認しておくと良いと思います。

    全体的に、バスケットボールはコミカレであれば4大よりも比較的難易度が低いようですので、挑戦する価値はあると思います。もしそこでアピールができれば、4大へのルートも少なからずあるようです。

    ただ、TATさんの仰る通り、ただアメリカのバスケの雰囲気を味わうだけであれば、学内クラブのようなものに参加するのも一つの手段だとは思います。

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