アメリカの子供が読み書きを学ぶとき
アメリカの子供が少しずつ読み書きを学習していく様子を見ていると、やはり大人が外国語を学ぶときとは根本的に違うんだな〜ということがよくわかります。
まず、読み書きを始めるのは(個人差がありますが)普通はKindergartenで本格的に始めるので大体5、6歳くらいですが、そのころには子供達は日常生活の会話にほとんど不自由なく、ペラペラと英語をしゃべっています。
つまり、大人と違って完全に音から入っているということ。
ABCも読めないのに会話ができる、って大人にとっては少し不思議な感じですね。
まあ、これはきっと世界中どこでも共通なことで、日本の子供達も最初は会話から入るという意味では同じです。
が、ひとつ大きな違いがあって、それは日本語で最初に学ぶ「ひらがな」が完全に音と文字が一致している表音文字なのに対して、英語の場合は「この音ならこの字」と対応しているわけではない、ということです。
だから、日本の子供達がひらがなを一通り学んだら、あとは1人でひらがなだけの本を読んだり、たどたどしくてもちゃんと文章が書けるようになるのに対し、アメリカの子供達はアルファベットを全部覚えてもまだ正しい文章を書くことができません。
それでも一応、読み書きの勉強はまずPhonicsから始まります・・・A, B, C… というアルファベットそのものの読み方を学ぶのです。
たとえば「B」という字は「ば」と「ぶ」の中間みたいな、母音の無い唇を震わせるだけみたいな音を出すのですが、これを覚えたあと、「さあ、BAT(こうもり)という言葉を書いてみましょう。最初の音は何ですか?」と先生が問いかけ、子供達はまず「Bat」と発音してから一番最初の「B」の音を切り離して(子供たちが一斉に「ばっ」とも「ぶっ」とも言えない音を出してて可愛いです)、そして口々に「B!!」と答えます。
「C」は難しくて、「Cat」みたいにKの音になることもあるし、「Center」だったらSの音。だから、「Cat」と書いてみましょう、と言われると、間違えてKATと書いてしまう子供はたくさんいます。
でも仕方ないのです。そうやって間違いを繰り返して、Cat という正しいつづりを覚えて、少しずつ知っている単語を増やすしかないのです。
で、このようなBat、Cat、と母音が韻を踏んでいる言葉をいくつも集めて、まとめて覚えます。Cat, Bat, Hat, Mat…と、一番最初の文字を切り替えていくことで、「この形の単語はだいたいこういう発音なんだな」と覚えていくのです。ある程度のパターンわけをしていく感じです。
こうやって読み書きの最初のステップだけ比較すると、ひらがなのほうがずーっと簡単だなぁと思います。本が好きな子供なら、ひととおりひらがなを覚えれば自分で読めるのが楽しくてどんどん上達していくことでしょう。
ただし日本語の場合、このあとに「漢字」という超難関が待ち受けているわけですが・・・(とくに海外に住んでいる私たちの場合、非常に難関)。
さて、スペリングがまだわからない子供達は、それでもあまり気にせずにどんどん文章を書くようになります。Phonicsだけを頼りに、自分なりに推測して、間違いだらけでもとにかく書きます。
我が家の5歳児は、今こんなかんじ。
まったく暗号のようですね。
暗号を解読すると、
「Dear Mommy. Tomorrow we can play the game.」
です。
母音をほとんどすべてすっ飛ばして、子音だけを推測して書いているのがわかります。「We can」が「WC」の二文字で済まされてますので、こんなの解読不可能ですが、それでも「C」がKの音であることはわかっています。
「Play」が「Plai」になってしまうのも、そりゃそう思っちゃうよね〜と同情します。
同じ年齢でもっとずっとまともな文章が書ける子もたくさんいて、個人差があるので、5歳児がみんなこんな暗号を書くわけじゃないのですが・・・、まあ、そのうち完璧に書けるようになったら、こんな暗号を書いていたころが懐かしく思い返されるんだろうな、と思って、この可愛いお手紙は大切に保存しておく予定です。
Hanaさん、私の記事も今日はトピックが丸かぶりしてしまったんですが、やっぱりこの子供たちのミステイクは共通して「カワイイ!」ですよね。
こんな間違い、自分ではすることないし、今しかしない間違いだろうし、何よりつたない手書きも良い!(と親バカ丸出しですが)
私は逆に、子供たちのphonicでスペルできるのを見ていて、英語って簡単だなと思いました。
日本でもphonicでスペルとか発音を教えればいいのに。
この短い子供のかわいい時期、お互いに楽しみましょうね♪