アメリカ大統領選挙 2012 – 候補者編
どうもこんにちは、Erinaです。
決戦の11月6日も間近に迫り、盛り上がってきたアメリカ大統領選挙。ドキドキしますね~。
この記事では大統領選挙のシステムについて書いてみましたが、今日は、民主党・共和党それぞれの、大統領&副大統領候補者の紹介をしていきたいと思います。
気になる候補者たち。この人たち、一体何者なんでしょうか?
今年に入って各地で行われたPrimary Electionを終えて、以下のような候補者の顔ぶれになりました。
大統領候補 | 副大統領候補 | |
Republican | Mitt Romney | Paul Ryan |
Democrats | Barack Obama | Joe Biden |
それぞれの候補者を紹介しましょう。
まずは共和党(Republican, GOP)の大統領候補者、Mitt Romney(ミット・ロムニー)。政治家であり、ビジネスマンである彼は、2003年~2007年までマサチューセッツ州の州知事に就いていました。実家がかなり裕福なことで有名な彼は、大学・大学院でビジネスと法律を学び、Bain Capitalなどの投資系で成功した人です。
社会保障やメディケア、生活保護などの受給水準を上げ、受給者を減らすことで予算削減を目指します。
次は副大統領(Vice President, VP)候補のPaul Ryan(ポール・ライアン)。彼はウィスコンシン州下院議員の42歳で、大学では経済と政治を勉強したそう。29歳で議員初当選しており、2007年からは下院予算委員会に参加し、2011年からは委員長だそうです。彼はすでに、来年からの国家予算案なども作り出しています。
実は彼のことについては私もよく知らなかったのですが、先週木曜日に行われた副大統領候補ディベートを見て、お勉強しました。ディベートを聞いてみると、やはり彼は数字に関しては得意な様子でしたね。
Primary Electionの間中、共和党の中で話題になっていたのは「誰が副大統領候補か?」という点でした。”Running mate”と呼ばれるこのポジションは、大統領選挙に大きく影響を及ぼします。
というのも、大統領選挙というレースは、大統領候補と副大統領候補の二人三脚であり、候補者として抜擢されるには、大統領候補に欠けている部分を、副大統領として補える人材であることが必須。また、ポリシーが偏り過ぎないように、大統領候補がリベラルなら、副大統領候補で少しコンサーバティブさを追加するというのも戦略のようですね。
ただ、今回のライアン抜擢には別の理由もありました。”Swing States”と呼ばれる、選挙の結果を左右する州があるのですが、そのひとつがライアンの担当であるウィスコンシン州なのです。つまり、勝敗を左右するであろう州の一つを手堅く得られることで、大統領当選を目指すよう。
この二人のバックグラウンドを見る限り、共和党のフォーカスはとにかく「アメリカ国内経済の建て直し」というところでしょう。
続いて民主党(Democratic Party)の大統領候補は現大統領のBarack Obama(バラク・オバマ)。2008年に大統領として当選して早4年が経とうとしています。彼が大統領に就任したときは、アメリカ経済はとんでもなく傾いていたし、イラク戦争も真っ最中。自分の政策を進める前に、まずは国政のお片づけが必要でした。
スタートがかなり底からだったので、「彼は何もやってないじゃないか!」と見る人もいるようですが、まぁ大統領が彼じゃなかったとしても、どれだけアメリカの経済に進展があったのかは疑問なところ。
ただ、数字を見る限りでは、失職率もまだまだ高く、アメリカ経済を悲観的に見る専門家も多く、2008年には彼を支持していたけれども、”今は100% sureじゃない”という投票者も多いようです。
私がアメリカ大統領制で一番わかりやすいなと思うのが、この「4年制」。アメリカ市民は、自分の国の政治や経済を「4年」のサイクルで考えるし、この4年という時間は、変化を起こすには長すぎず、短かすぎず、という長さのようです。
また、アメリカ企業にはつきものの、“performance review”ですが、私は二回目の大統領選挙をこれと同じと捉えています。つまり、現大統領の功績が認められたら、彼・彼女は次期大統領に再任されるというわけで、performanceが良くなければ落選、ということになります。
それでは最後に、民主党副大統領候補のJoe Biden(ジョー・バイデン) を見てみましょう。法律出身の彼は、1972年に上院議員に初当選して以来、長い政治の経験を持ちます。また、外交委員などに携わり、戦争や国交などに関しては強いバックグラウンドがあるようで、イラク戦争真っ最中の2008年には、強い候補者でした。
また彼は、「黒人初の大統領」とオバマ大統領が呼ばれたように、過激な意味での「マイノリティ」や、「リベラル」という印象を中和させるかのような役割だった気がします。これも上記で書いたように、同じ党内でも、ポリシーやバックグラウンドを分散させることで、偏った候補者陣にならないことを狙っているからです。
民主党のフォーカスは、とにかく「ミッション遂行」 。やり残した、または終わっていない仕事を完遂するべく、票を集めます。
どうでしょうか?
かなりあっさりでしたが、これからアメリカを熱くする4人のキーパーソンについてちょっと説明してみました。
この4人に見られるように、政治家にもそれぞれ得意分野があり、個々の能力ももちろんですが、それをミックスさせたり分散させることで、得票を増やそうというのが各党の戦略のよう。また、「大統領」とは、全体を広く見渡せて、決断力があり、色々な選択肢を生み出せるような人材が適任のようで、アメリカという国のCEOみたいなものだなぁと感じます。
明日16日の火曜日には、二回目の大統領候補ディベートが行われます。興味のある方はこちらで残りのディベートスケジュールをチェックしてみてくださいね。
次回は、この選挙に付随して行われる、”Proposition”や、州政府の選挙について説明しようと思います。実はこっちのほうが私たちの実生活に直接的な影響を与えるものだったりして。