アメリカ政治101 大統領選挙編

大統領選挙を来年2012年に控え、ワシントンDCや、共和党(Republican, GOP)と民主党(Democrats)の動きも騒がしくなってきました。今日は、大統領選挙に向けて、少し、アメリカ政治についてお話ししたいと思います。

 

アメリカはご存知のように、「大統領制」をとっています。

・President(大統領)

・Congress (連邦議会): Senate(上院)とHouse of Representatives(下院)

・Supreme Court (連邦最高裁判所)

で「三権分立」をしているわけです。これは日本と同じですね。

 

それぞれの機能や役割はまた別の機会においておきます。(知りたい人がいれば。いるかなぁ・・・?)

 

現在のプレジデント、バラク・オバマはDemocrat(民主党)で、現在のCongress(連邦議会)の多数派はRepublican(共和党)。このせいで、プレジデントからの要望や法案が、なかなか議会を通過せず、法律にならずにいます。

 

 

それは置いといて、大統領選挙の話。

大統領本選挙(General Election)は、4年おきの11月の第一「月曜日のあとの」火曜日となっています。どうして「第一火曜日」じゃだめなんでしょうか?11月1日はだめってことですよね?不思議〜。

 

これに先走って、Primary Election、通称”Primary(プライマリー)”と呼ばれるものがあります。これは、それぞれのパーティ(党)の中で、最終的な大統領の「候補者」を決める選挙です。

つまり、民主党、共和党、グリーンパーティ、ティーパーティ・・・それぞれの党からは、「一人」しか候補者を出せないわけです。

これは同じ党内での戦いとなり、身内を蹴落としてでも上に行く強さがなければ、勝ち残れません。

私はこの戦いのほうが、「シビアだな・・・」と思ってしまうのですが、どうでしょうか?同じ身内ですから、批判どころを間違えると、自分にも返ってくるかもしれませんよね。う〜む、難しい。

 

プライマリーの日程は、州によって異なり、年明けの1月に行う州もあれば、今年はカリフォルニア州とユタ州が最後で6月だそうです。

ここで州別の日程がチェックできます。

 

プライマリーのシステムは州ごとに異なるようで、カリフォルニア州では、共和党か民主党の候補者を選ぶ場合は、事前に登録(registration)を済ませなければなりません。

これが、選挙前になるとターゲットやウォルマートの前で、”Are you a registered voter?”と聞いているあの人たちがやっていることです。(今、「あぁ〜!!」ってなった人、いませんか?笑)

 

晴れて、このプライマリーで「大統領候補者」に選ばれたあかつきには、11月の本選挙(general election)に向けて活動を行います。

アメリカの選挙活動は、日本に比べて静か。笑

不特定多数の人に向けた街頭演説や、演説カーなどを使って大音声で町中を過ぎる候補者はいません。これはありがたい。

候補者は各地で開催されるイベントなどに赴いて、そこで「スピーチ能力」をアピールをしたり、とにかくテレビで議論やらインタビューを行い、質問に対する「頭の切れの良さ」をアピールします。

 

そして、4年おきの11月第一月曜日の次の火曜日である、”Election Day”には、みなさん仕事を抜け出して投票しに行きます。

平日に投票、というのが日本と大きな違いですね。私の母は公務員でしたので、投票日の日曜には、投票場所に駆り出されていたのを覚えていますが、アメリカではそんなことはなく、投票場所の運営は一般ボランティアで行われています。

 

大統領選挙の得票数は、州の人口によって異なる「比例選挙」を使っていて、システムは”Electoral College“と呼ばれ、下院選挙と同じです。

これは10年おきに行われるCensus(センサス=国勢調査)で割り出された、各州の人口と投票者の数にもとづいて決められます。

この地図を見てください。

これは前回2008年の大統領選挙の結果です。青が民主党オバマで赤が共和党のマケインが勝利した州の分布です。それぞれの州の数字は、下院の席数で、大統領選挙での得票「単位」になります。

やはり人口の密集した北東部やカリフォルニアでの勝利が、大統領当選への道につながるわけで、どの州で勝てば全体として優勢になるかという「戦略」が必要になってきます。

特にカリフォルニアは一番大きい州で、決戦の地。しかも時差の関係で最後まで開票されません。なので選挙日は、夜中までテレビに釘付けになってしまうわけで、東海岸時間の人は、相当眠いだろうな〜なんて想像してしまいます。

 

2012年の候補者についてもお話しようと思いましたが、長くなったので今回はここまでにします。

次回は現在ニュースで報道されている共和党の候補者たちと、現大統領と民主党の動きなどについて書くことにします。

 

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4 comments on “アメリカ政治101 大統領選挙編”

  1. 前回のアメリカ大統領選挙のとき、日本でも「黒人初のアメリカ大統領」と大きく取り立たされていましたが、いまいち大統領選挙の仕組みが分からず、「一体何回リハーサル選挙があるんだ?」と勘違いして困惑していたのを覚えています(笑)

    平日の選挙、仕事を抜け出しての投票、日本では考えられませんね!でもその方が投票率が高そうですが、実際どうなんでしょう??

  2. 日本のように街頭演説。のないアメリカは静かですよねー。 日本の夜な夜な、回ってくるあの選挙Car, どうにかならんかな、と、苦情いれたい位でしたが… あの車の騒音に腹を立てて、日本では一度も選挙にいったことありませんでした… 今日の学校の話はElectionの事ばかり。 皆に、日本は選挙に行かないの?? と聞かれる始末。 日本の選挙… 街頭に人の顔の写真が掲示されて、 Prop は、スピーカーごに聞こえるそうおんだったし (勉強不足ですが) 誠実そうな人を選ぶ… っていう認識でした。 アメリカ人のElectionへの情熱に辟易して、余計な事言わないほうがいいな。 今痛感してます。 アメリカの4年後との選挙…まったく理解不能です… 日本は首相、事あるごとに替わってますよねぇ? 4年の任期果たさなくても… 

  3. Yumiさん、コメント返しが遅くなってごめんなさい。

    私も、プライマリーの時期に、毎月のように他州で選挙があって、「あれ?また選挙?」なんて思っていました。あ~こういうことなんだ、と気づいたのはその後です。笑

    投票率は日本に比べて高そうですが、どうなんでしょうね。ちょっと調べてみます。
    投票所も朝6時~夜8時までとかなり長く開いているので、仕事の前後に投票する人も多いですね。

  4. 風空さん、コメントありがとうございます。

    私もあの街頭演説は不快以外の何者でもありません。街頭演説のせいで、「選挙」というもの自体にネガティブに感じる有権者は多いはずです。本末転倒ですね。
    日本は内閣解散、議院解散があるので任期の意味がありませんね。ここしばらく、任期を全うした首相っていましたっけ?

    私は正直に言うと、日本の政治に全く興味がありません。
    もちろん、住んでいない=税金を払わない=権限がないのですが、それ以前に自分のコミットメントに対するefficiencyとworthを考えたときに、全く興味をそそられません。
    反面、何事もすぐに形になるアメリカの政治は面白いです。

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