コロナド大豪邸殺人事件 vol.3

ここ、サンディエゴのお隣に位置する平和な海軍の町、コロナド市で起こった一つの不可解な事件。7月に、ある大豪邸で女性が変死体で見つかりました。

今回は、この事件のレポート第三弾です。

事件の経緯などはこちら。

コロナド大豪邸殺人事件 vol.1

コロナド大豪邸殺人事件 vol.2

 

前回の記事でも、この事件はアメリカ全国区のニュースで取り上げられたと書きましたが、今回、”Dr.Phil”という全国ネットの一時間番組を二回に分けて取り上げられることになりました。

このDr.Philはアメリカではかなり有名なトーク番組で、元心理学者のDr.Philが、依頼者の家族内の争いや裁判ごとなどを取り上げては解決しようとしていくもの。Oprahみたいな感じですね。(日本にもこういうの、あったなぁ)

そして今回の番組収録は”closed studio”、つまり一般客を全く客席に入れずに行われたそう。これは放送前に情報が漏れることを徹底して防いでいるわけで、こういったトーク番組ではまれだとか。

 

Dr.Philは亡くなったレベッカの姉夫婦と両親からの依頼を受けて、なんと埋葬されたレベッカの遺体をお墓から掘り出し(exhume)、プライベートの検死医が再検死を行いました。

ザハウファミリーに雇われた弁護士のアン・ブレムナーや、プライベートの捜査官、法医心理学者も登場し、全員が「自殺はあり得ない」と口を揃えます。

それに加え、

・シャワー内の血痕

・ゴミ箱に捨てられた女性下着

・別人のあしあと

・クライムシーンに残された黒い革手袋

・レベッカの死亡時間後のインターネットアクセス

・近所の人が聞いた、女性の叫び声

 

など、殺人事件の証拠になりうるのに検証すらされていない事実がいくつも並べられました。

 

そして、警察が、事件現場(crime scene)に残されている多くの指紋やDNAを合致するための、関係者たちの指紋やDNAを集めようとしていないこと、関係者からの情報を集めようとしていないことを指摘しました。まるで、そうすることが誰かにとって都合の悪いことであるかのように。

 

これは「偽装自殺」(staged suicide)であり、警察はその証拠を無視している。「自殺」と結論づけるために、情報を都合のよいように選んでいる。これを”Confirmation bias”(日本語で「確証バイアス」)と呼ぶそうです。

 

 

そして二日目の火曜日放送分では、家族が個人的に依頼した「再検死」の結果が報告されました。

この検死医Dr. Cyril Wecht(シリル・ウェクト)は、あのJ.F. ケネディ元大統領や、ジョン・ベネちゃん、Anna Nicole Smith、Laci Peterson、そしてあのエルビス・プレスリーの検死も行った、名誉ある(?)ドクターだそうです。

しかし、再検死で新しく発見したことはなかったものの、crime sceneと同様、考慮されるべきことがいくつも警察によって無視されている、とドクターウェクトは証言。これはとても強い証言ですね。

たとえば、レベッカの頭にあった、4ヶ所の打撲による内部出血(hemorrhage)。
このドクターによると、可能性として、これは殴られて失神するほどのものであり、その間に首を絞められて殺されたとも考えられるとのこと。
この頭部の内部出血は、サンディエゴ市警の検死結果で報告されていたのにも関わらず、原因は何なのかというのは、全く検証されていません。

ドクターウェクトがもう一つ気になる部分は、首の損傷。

警察が結論づけたように、数メートルの高さから飛び降りて首を吊ったなら、首の骨が折れているはず。しかし、それが見つからなかったそ

 

 

家族はこのケースを再捜査することを望んでいます。
しかし、サンディエゴ市警による再捜査ではなく、州警察または独立機関による捜査です。
というのも、家族はサンディエゴ市警を全く信用しておらず、彼らが自分たちの間違いを認めて、結論を覆すことはないと思っているからです。

そして今月に入って、この家は別のオーナーに買い取られることになり、crime sceneに残された証拠もほとんどなくなっているようです。
しかし、すでに記録された証拠物品から、新しい事実が発見されるのは確実なのに、サンディエゴ市警はそれを無視しているのです。

 

もしこれが真実なら、こんなことが許されていいのでしょうか?

レベッカの姉の言葉がよみがえります。

“What can we believe? What can we NOT believe?”

真実を突き止めるのが役目であるはずの警察が、こんなことを本当にしていたら?

あなたの家族が同じ立場だったら、あなたはどうしますか?

 

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2 comments on “コロナド大豪邸殺人事件 vol.3”

  1. 今年7月にコロナドアイランドを訪れたときに
    その家の前を通りました。警察の黄色のテープが家の周りを巻きついていたとき。
    状況をコロナドに住む親戚の彼女に説明してもらいました。
    自殺と判断されたのは フィリピン人のガールフレンドだったと記憶してます。
    おかしな、不可解な事件だと 彼女もいってました。

    彼女はすぐ近くに住んでいるので、歩いても行けるのだけれど。
    そこは 私が犬のジミーといっしょに歩く散歩道でもあります。
    クリスマスになれば、またコロナドに泊まります。
    今度、またこの事件のことを聞いてみます。
    コロナドの住民はどう思っているかが、知りたいところです。

  2. シギーさん、コメントありがとうございます。

    7月、ほやほやの時ですね。
    今でもたまに、ニュース局のバンなどが来たりしてますよ。
    さすがに黄色のテープはないですが・・・。

    この事件、裏でかなりドロドロしてるはずです。
    たぶんお金も動いてるはず。って私の推測ですけど。
    亡くなった女性のボーイフレンド、つまりこの豪邸のオーナーはアリゾナのファーマスーティカルtycoon(これは日本語の「大君」から来てる英語らしい)だそうで・・・普通ならプライマリーサスペクトですけどねぇ。
    どうなることやら?という感じです。

    12月のステイ、楽しんでください!

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