夏休みのキャンプ
日本もそろそろ夏休みが近づいてくる頃ですが、アメリカの学校制度では5月や6月から夏休みに入ってしまい、今まさに夏休みまっただ中です。
2、3ヶ月におよぶ長い夏休み、我が子のような働く親を持つ子供はどうするかというと、「Summer Camp」と呼ばれる様々なアクティビティを売り物にする預かり保育のような場所に行く場合がほとんどです。
「Camp」と聞くとつい、野山でテントを張って自炊する、みたいな内容を思い浮かべてしまう私ですが、(そういうSummer Campもありますが)別にどこかに泊まるわけでもなく、日帰りの保育です。
毎年、「今年の夏休みは子供をどのキャンプにいれようかな」と春くらいに検討する時期になると、いろいろなキャンプ開催団体が「うちのキャンプはこんなことをするよ、楽しいよ〜」と子供のいる家に売り込みを開始します。
たとえばサッカーキャンプ、ジムナスティックキャンプ、水泳キャンプ、などなど。学年があがると真面目なお勉強のキャンプもあり、宗教団体が経営するキャンプもあります。
今年、うちの娘が入っているキャンプがちょっと変わっていて特色のあるキャンプで、とてもおもしろいので紹介します。
何が変わっているかというと、「一切Structureがない」ということ。
Structureというのは、決まった時間割とか一日のアクティビティのスケジュールのことです。
このStructureという言葉は、「あの幼稚園がいい、悪い」と子供を持つ親同士がいろいろと批評をするときに良く出てくる言葉です。
子供によってはこのStructureがしっかり決まっているほうが過ごしやすかったり、逆にゆるいほうがのびのびできたり、親にもどこまで幼稚園やキャンプにStructureを求めるか、個人の考え方によって違ってきます。子供だから元気に遊ぶのが一番、と言う人もいれば、ABCの読み方を教えて欲しい、ただ遊ばせるだけなんて手抜きだ、と怒る人もいます。
さてこのキャンプ、本当に決まった時間割というものがなくて、キャンプを開催している建物(近所の学校を借りています)に入ると、ある教室ではソーイング、そのとなりではダンス、その向かいはお料理、その向かいは映画づくり、などと様々なクラスが展開されていて、子供たちはその日の気分で好きなクラスに入って好きなだけアクティビティに参加する、というスタイルになっているのです。
赤ちゃんのころからマイペースと言われ続けてきたうちの娘にはぴったり。実際、とても楽しんでいる様子。
でも、先生の指示に従って「はい、今からこれをしまーす」などと誘導されないと自分からは行動を起こせない大人しいタイプの子供には、逆に淋しかったりつまらなかったりするようです。
また決まったクラスというものもないため、1人でこのキャンプに参加して誰かと新しく友達になる、というのが難しかったりするようです。
以前にも書きましたが、娘は土曜日になると、それこそ先生の指示に従ってきちんと団体行動をしないと怒られてしまう日本語学校に行くのですが、このキャンプはその対極と言っていいほどスタイルが違います。
親の私としては、子供たちが自分の意志であちこち移動して、誰も全体を把握していないというのがちょっと不安ではあるのですが・・・
ちゃんとミシンを使って何やら小さい枕みたいなものを作ってきたり(本人によるとテディベア)、今日はドラムをたたいたよ!今日はウォータースライダーが楽しかったよ!と毎日目を輝かせて報告してくれるので、これもアメリカのサマーキャンプならではの体験なのかな?と思いながら見守っています。