背番号51

こんにちは、Erinaです。

今日は超個人的なつぶやきを熱く書きます。(笑)

 

アメリカで活躍する日本人と言えば?と聞かれたら、おそらく10人中8人は答えるのではないでしょうか。

 

「イチロー」

 

ん?ひいきめかな?(笑)

アメリカで生まれ育ったアメリカ人、なおかつ日本とはなんのゆかりのない人たちでも、彼の名前を聞いたことがある人は多いはずです。

 

私が「アメリカで成功したい」と思うとき、目指す人はいつもイチロー選手です。

もちろん、畑違いではありますが、彼の哲学、生き方、姿勢、影響力、というのは成熟したアメリカ社会でうまくやっていく日本人として、学ぶべきところが本当にたくさんあります。

 

もともとスポーツファン、野球ファンの私ですが、イチロー選手は、今までの「アメリカンベースボール」とは違うという意味で価値のある選手だと思いますし、MLBプレイヤーたちもそれをRespectし、Admireしているように思えます。

今までのアメリカンベースボールというのは、大ヒット、ホームラン、完封、完全試合など、「誰(素人も含めて)が見てもすごい」結果主義でした。

しかし、イチローがそのようなMLBカルチャーを変えてきました。「偉大な選手はこうあるべき」というMLBの概念に、「こういう選手も必要だよね」という概念を足してきたわけです。

彼は、必要なときにヒットが打てて、進塁できて、点を取れる選手です。そしてその安定さと言ったら、ピカイチです。敵チームやムラのあるピッチャーから見たら、「超イヤな選手」でしょう。

 

 

そういうプレーのひとつひとつもそうですが、彼のすごいところは、それをポジティブな評価としてMLBに影響を残したことだと思います。

何か違っていたら、「イチローってイヤな選手だよな」で終わっていたはずです。しかし、それをポジティブな評価に変えることができたのは、彼の人となりだと思います。

それがどこからやってくるのか、私なりに分析してみたので書いてみます。

 

From fraserknowsbest.blogspot.com
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1.サムライ

日本のメディアでも取り上げられていますが、彼のストイックさや謙虚さは、やはりアメリカでも高く評価されています。

これは、「俺のやるべきことはこれだ」と自覚し、それを100%こなす実力。99%でも120%でもなく、きっちり100%の信頼性というのは、なかなかありません。

そして人間、評価されると誰でも調子に乗ったり、奢ったりするようになりますが、彼はそれをしてきていません。

 

私はそんな彼の生き方を「サムライ」だと思っています。

サムライたちは、自分の身分をきちんと理解し、その中で仕事をしていました。下克上を起こそうとか、「俺のほうがすごいぜ」という考えを持つサムライたちのほとんどは、長く続かなかったはずです。

イチロー選手は、チームとチームメイトたちに忠誠心を持ち、そこでの自分の仕事を自覚し、それをきっちりやるという謙虚さ(humble)を忘れない。

私は、それが真のサムライスピリットだと思っています。

そういう日本の歴史を知らないアメリカ人は、イチロー選手の哲学がどこからやってきたのかおそらく理解できないでしょう。

アメリカ企業で働いていて、私が感じるのはそこにあります。日本では当たり前の「自分の仕事はきっちりやる」という姿勢や、「謙虚に生きる」という姿勢は、アメリカでは美徳として受け入れられます。

 

 

2.英語

次に、彼が他の日本人選手たちと違うところは、「英語」だと思います。

彼がチームメイトたちと熱く議論しあったり、メディアでジョークを言うことは有名な話です。

私は日本人に限らず、アメリカにやってくる外国人に対して思うのは、やはりこの国への最低限の礼儀として、「英語」を不自由なく使えるべきだと思っています。

「郷に入っては郷に従え」という言葉の通り、その場所にはその場所の歴史やしきたりがすでにあり、アウェーからやってくる者はそれを理解し、少なくとも習得する努力をするべきだと私は思うからです。

その努力をせずに、環境について不満を言う人をごまんと見てきましたが、まずは自分から変わる努力をせずに、周りを動かすことはできません。

 

イチロー選手は、そういうことを意識的または本能的に理解し、おそらく人並み以上に努力し、本業の野球をする上で不自由のない英語を習得しています。

はっきり言いますが、スポーツ英語なんて、英会話教室とかESLとは違ってリアルタイムの英語ですから、超大変なはずですよ。分単位、いやおそらく秒単位の習得です。ものすごい反射神経です。

そんな努力も、彼は「相手は人間」ということを知っているからできるのでしょう。

「言えばわかる」「わかりたい」という気持ちがものすごく強くて、そのためには俺が英語を話さなきゃ!というモチベーションがあるのだと思います。

 

 

 

彼が渡米し、アメリカ人たちの視線の真ん中でバッターボックスに立つイチロー選手の姿をテレビで見たときは衝撃的でした。

キャッチャーや主審よりも一回り、もしかしたら二回り小さいイチロー選手が、野手のいないところにヒットを打ち、誰よりも優雅に一塁に走る。

マリナーズスタジアムの観客席から盛大な拍手が起こる。

 

「すごい」

 

舞台は外国なのに、一人の日本人が人々を翻弄している。

こんなこと、ありうるんだ。

そう思ったのはもう15年ちかく前のことです。

 

 

彼の来シーズンのホームは現時点でまだ決まっていないようです。

もしかしたらサンディエゴになるかもしれないそうですね。

どこに行っても、野球を楽しみながら、人に夢を与え続けて欲しいです。

 
今日は、ちょっと初心に戻りたくてこんな記事を書いてみました。笑

さぁ、私も頑張ろう!

 

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2 comments on “背番号51”

  1. イチローの大リーグ初年の活躍は、2001年の同時多発テロで、ドン底まで落ちたアメリカ人の気持ちを癒してくれました。彼のヒットの数が増えるごとにホッとし、暗い毎日に明かりを少し灯して来れました。その後も彼は数年間アメリカ中の野球フアンをワクワクさせてくれました。

    しかし私にとって、日本人大リーガーのヒーローは、野茂英雄です。彼が1995年にアメリカで起こした旋風は、イチローも及びません。彼の活躍をアメリカの球場でナマで見た時の興奮を超える経験は無いかも。この時代、アメリカでは、日本人は警戒されていました。日本に対する貿易赤字が拡張するおり、私はBIG3との共同研究に日本人だから外される様な状況。同時に日本もバブルが破裂した直後で、日本人としての自信もアヤフヤに思えてきた時です。野茂の活躍は気持ちをスカッとさせてくれました。

    残念ながら、野茂の活躍の記憶はアメリカの野球ファンからも薄れてきています。後のイチローや松井の活躍も野茂あってのものです。野茂こそ大リーグ史の中で一番重要な日本人です。初回のHall Of Fameの投票数の少なさの為、彼がCooperstownに殿堂入りする事は今後ないでしょう。私はこれが悲しくてしょうがない。

    ところで、最近の日本人の大リーガーは皆んな不甲斐ないなあ。

  2. Nao-Tさん、いつもコメントありがとうございます。

    そうですね、日本人メジャーリーガーとしてなら、やっぱり私も野茂選手だと思います。世界に「日本人もアメリカで勝負できるんだ」と見せしめたのはやはり彼でしょうし、彼の存在は、日本人がメジャーリーグに進出する何よりのきっかけになりました。
    彼は体格も大きかったし、マウンドに立ったときの存在感はアメリカらしかったですね。

    とは言っても、彼の活躍していた時期は私自身はまだ小学生~中学生で、日本人としてアメリカ生活をするというのはどういうことか、さっぱりわかっていませんでしたし、まさか自分がアメリカに移住するとも思っていませんでした。
    今になって、その苦労が理解できる、という意味で、やはり現役のイチロー選手ですね。彼が引退するとなると、私も年をとったなぁ・・・と寂しくなること間違いなしです。

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