ある人がこんな話をしていました。
「ビザなしで3ヶ月間はアメリカに滞在出来るので、それを繰り返せば、アメリカに住めることになる。」
確かに、ビザなしでの90日間のアメリカ滞在は法律上は問題ありません。
私の知り合いで、ビザなしで仕事をしていた人がいます。随分前の話なのですが、3ヶ月周期で日本に戻って、「90日」をリセットして、またアメリカに戻ってくると言う生活を続けていました。彼からは特に問題があった話を聞きませんでした。今は、正式に就労ビザを取って家族と一緒に暮らしています。
こんなこと、本当に出来るのでしょうか?どう思いますか?
思うに、入国審査官の判断で決まるはずです。
一般的には、アメリカ国内で働く場合には、就労ビザが必要になります。これがなければ、基本的には違法就労になります。
じゃぁ、アメリカで開かれている展示会を視察するとか、学会に参加するとか、あるいは、お客さん廻りをする場合はどうなんだと言う質問も出てきそうですね。これも一般的な話ですが、問題ありません。短期でしょうから、仕事が終わり次第帰国しますよね。入国審査の際に、渡航目的と帰りの飛行機のチケットを見せれば、特に問題はないと思います。
滞在期間が2ヶ月、3ヶ月になると、おそらくかなり詳しく滞在目的について聞かれるはずです。多分、別室に連れて行かれるかも。なぜ長期間の滞在が必要なのか、アメリカ国内で人員を調達する手段はないのかとか。その調査内容がすべてコンピュータのデータベースに残されます。
さらに、滞在期間満了で一時帰国して、再度、アメリカに入国する時、以前のデータがデータベースから簡単に取り出されますから、さらにややこしいことになるでしょうね。別室へ通されて、なぜ就労ビザを取らないのかとか、計画を見せてみろとか。
最悪は再入国拒否になるでしょう。それはすべて入国審査官の裁量に任されています。ある審査官で大丈夫でも、別の審査官だとダメと言うのはいくらでもあります。
また、この3ヶ月の滞在期間中にカナダとかメキシコに観光旅行...なんてことは考えない方が良さそうです。再入国の際に「何で観光なんかしてるんだよ?」と聞かれて、最悪は入国拒否。ちなみに陸路での出国→入国では、この期間はリセットされません。
もし、3ヶ月滞在を繰り返す必要がある場合には、正式にビザを取るか、あるいは、会社からその旨を書いた申告書を書いてもらって、それを常に持参するようにした方が良いでしょう。でも、ビザ以外は、あまり当てにならないと言うことも覚えておいた方が良さそうです。
もう一つ。不法滞在になると、その後10年間はアメリカに入国することが出来なくなります。
脅かすようですが、これが最近の状況のようです。
びくびくしながらのアメリカ滞在は楽しくないですから、面倒くさくてもきっちりと決められた手続きを踏んで入国した方が安心です。