Happy Kwanzaa!
前回、「次回にKwanzaaのことを書きます」と予告しましたが、ちょうど今日がKwanzaaとなりました。
正確には今日26日から1月1日まで、1週間がKwanzaaだそうです。
一日だけではなくて1週間続くところはハヌカ(8日間)と似ていますが、Kwanzaaは月暦ではなくて太陽暦で、毎年12月26日から1週間で変わらないようです。
で、Kwanzaaって何?
私も初めて聞いたのが2年くらい前で「何それ、聞いたことない」と思いました。
それもそのはず、Kwanzaaは1966年に制定された、比較的新しい行事なのです。クリスマスやハヌカと違って宗教的なものではなく、アフリカ系アメリカ人たちによる民族的なお祝いです。
制定したのはアフリカ文化研究者のMaulana Karenga教授。彼の言葉によると、Kwanzaa を制定した目的は、
「アフリカ系アメリカ人達が、世間一般で行われている行事を単に真似するのではなくて、既存の祭日(クリスマスなど)の代わりとなる祭日を持ち、自分たちの存在と歴史を祝う機会を持てるようにする」
ためだそうです。
言われてみれば確かに、多くのアフリカ系アメリカ人達が先祖を辿って行けば、もともと住んでいたアフリカの土地から強制的に無償の労働力としてアメリカに連れてこられたわけですから・・・
そこで彼らの古来の文化が断絶されていて、もちろん、なかには敬虔なクリスチャンとなった人々もいると思いますが、そうでない場合は「クリスマス」も、もちろん「ハヌカ」も、自分たち固有の文化とは思えないでしょう。
普段は別々に暮らしている家族が一ヶ所に集まって絆を確かめ、プレゼントを交換しあって「Merry Xmas」「Happy Channukah」と声を交わし合っているとき、アフリカ系アメリカ人達にも何か、「私たちが属するグループ、私たちのルーツはこれだ」と確かめ合える場を作りたかった、というのはもっともなことだと思います。
そういうわけで、新たに作られたこのKwanzaa。クリスマスのツリー、サンタ、トナカイ、ハヌカのキャンドル、ドレードル、などに相当する「必須アイテム」のほうを見てみましょう。
上の写真がKwanzaaのお祝いに使われるアイテムたちです。まず、アフリカらしいカラフルな色を使ったマットを敷き、その上に一週間分のキャンドルを置きます。これはあともう2本多ければハヌカのキャンドルと間違えそうですが、特徴的なのは色。緑・赤・黒、というのがアフリカのシンボルカラーです。汎アフリカ旗もこの色ですね。
その他にトウモロコシなど、秋に収穫する穀物などを飾るそうです。これはKwanzaa は収穫祭的な意味合いもあるからです。
非常に表層的な情報ばかり書いてしまいましたが、Kwanzaaは深い意図を持って考え抜かれた行事で、7本のろうそくと7日間の祝日には、アフリカ古来の知恵が反映されているそうです(Unity、Self-Determination、Collective Work and Responsibility、Cooperative Economics、Purpose、Creativity)。
Kwanzaaを祝う人々の数は年々増加しており、公的なアフリカ関連機関が大々的なイベントをするなど推進活動をしていて、アメリカだけでなく最近ではカナダにも広がっているそうです。
何しろ新しい行事なのでアメリカでも、ましてや日本にまで広く知られるようになるにはもうしばらく時間がかかるかもしれませんが、その背景にあるアフリカ系アメリカ人の歴史を含めて、多くの人に理解される日がくることを願います。
Happy Kwanzaa!