Vow Renewal -1
Vow Renewalという言葉をご存知でしょうか。
“Wedding Vow Renewal”、”Renewal of Vow”という言い方をすることもあります。
直訳すれば、結婚の「誓いの更新」。
結婚してから数年後にあらためて結婚式に似た儀式を行い、夫婦の絆を強める、という趣旨なのですが、アメリカではこのVow Renewalを行う人が少しずつ増えてきています。
私がはじめてこのVow Renewalを目にしたのは、夫の両親の友人夫婦が結婚40周年を迎えたときでした。
「結婚40周年のお祝いパーティに出席してください」と言われたときは、単純にみんなで集まってディナーでも食べるのかな、と思いました。
実際に出席してみると、会場になった夫婦の自宅のバックヤードに、美しくセットアップされた二つの長いテーブル。
50人くらいのゲストが集まり、弦楽器の生演奏が流れています。
一人ひとりの席にゲストの名前入りのメニューが置かれていて、小さな金色のウェディングベルのチャームで装飾されています。
これは・・・そう、まさに「結婚披露宴」の雰囲気そのもの。
この夫婦の自宅は広大なブドウ畑に囲まれ、バックヤードからははるか遠くの山脈を見渡せる絶景が楽しめます。まるで、ナパのワイナリーで結婚式、などという広告のパンフレットのようです。
やがて優雅なチェロの音が少し小さくなり、教会から来た牧師さんがセレモニーの開始を告げました。
そして新郎新婦、ではなくて、結婚40周年を迎えた夫婦が登場しました。ご主人はスーツ、奥様はさすがにウェディングドレスではないですが、シンプルなロングドレスをまとい、二人とも上品な正装姿という感じです。
セレモニーは結婚式と同じように、牧師さんが真ん中に立ち、夫婦がそれぞれ「誓いをあらたにします」と口にして、キスを交わして、ゲストたちの祝福を受けます。
そのあとは披露宴のようなパーティ。
カリフォルニアの爽やかな風に包まれて、私達はコース料理を楽しみました。やがて夕暮れになり、デザートやワインをいただきながらDJが音楽を流してダンスタイムです。
アメリカの結婚式といえば、最後はダンスで締めるのです。そして結婚式に限らず、大きなパーティといえばダンスがつきもの。
私が出席したこのVow Renewalも、なにしろ結婚40年目の夫婦が主役なのでゲストも全体に年齢層が高かったのですが、おじいちゃん・おばあちゃんカップルも、お母さんと5歳の男の子も、みんな楽しそうにダンスしていました。
このように私が出席したVow Renewalは、40年という長い年月を記念する感動的なイベントでしたが、最近はそのような長さにこだわらず、結婚生活の節目で行う人々が増えています。
5年、10年というキリのいい年数で行う人もいるし、年数に関係なく、たとえば離婚の危機を乗り越えて「再出発を記念するために」という夫婦や、どちらかが大病をして回復し、そのお祝いを兼ねてという夫婦もいます。
また、なんらかの理由で大きな結婚式ができなかったので、あらためてVow Renewalという名目で盛大な式を行いたい、という人もいます。
軍隊に所属していて海外に派兵されることになり、その前に急いで結婚した夫婦が、やっと夫が帰国したので改めて式をしたい、という場合もあります。
こういう場合は名称だけが「Vow Renewal」で、中身はまったく結婚式と同じだったりもします。
さて、このようにVow Renewalについて書いているのは、実は私がいままさにその準備の最中だからなのです。
私達の場合、もう結婚して6年になります。
婚約したときはアメリカと日本に離れていたので、とにかく入籍しないとグリーンカードの申請ができない=一緒に暮らせない、ということで、婚約して1ヵ月後に夫の実家でごく簡単に入籍手続きをしました。
生活が落ち着いたらあらためて親戚や大事な友人たちを招いて結婚式を挙げたいと思っていたのですが、すぐに子供が生まれたり、リーマンショックで夫婦そろって失業状態、結婚式どころではなくなってしまったり・・・その後二人とも仕事を見つけ、子供も大きくなってきて、「そろそろ式を挙げよう」と思ったらもう6年目。
さすがに結婚6年目でウェディングドレスを着て結婚式、っていうのも変だよね・・・と夫と話すうちに、こういうときこそ「Vow Renewal」がぴったりだ!という結論にいたりました。
Vow Renewalは結婚式ではないのですが、その規模が結婚式並みであれば、それなりの準備期間が必要になります。
私たちの予定は秋。すでに会場の予約は終了し、ゲストリスト作り、招待状の注文、ドレス選びなど、慌しい日常の合間を縫って夫と相談しながら準備を進めているところです。
これから何回かにわけ、このVow Renewalの準備の様子を秋の本番に向けてリアルタイムでご報告していきたいと思います。
Vow Renewal、おめでとうございます!
楽しみですね。
私もこの文化を知らなくて、初めて写真撮影をさせてもらったのが結婚50年のご夫婦のvow renewalの式でした。
自分の子供たちや孫に囲まれて、色んなものを乗り越えてきた時間をこうやって振り返れるって良いですよね。素敵な式だと思います。
Hanaさんご夫婦の式も素敵なものになりますように!
続きも楽しみにしています。
Erinaさん、ありがとうございます。検索してみたら、日本でも、旅行代理店が「ハワイでバウ・リニューアルをしませんか」などと広告を出しているみたいですね。でもまだまだ一般には広まっていないんじゃないかと思います。
でも、すごくいいビジネスだとは思います(笑)
本来は一生に一度、舞台の主役になれるチャンス!だったのが、別に何度やってもいいってことになったら、私もやりたい!っていう人がたくさん出てくると思います。アメリカもセレブから火がついたので、日本も芸能人が始めたら一般にも広まりそうです。
ただ、結婚式は一生に一度だからこそ神聖で特別なので、何度もやるなー!という批判もけっこうあるんですよね。
そこでキーとなるのがErinaさんもおっしゃるように「いろいろ乗り越えてきたからこそ感動的」というテーマにフォーカスすることだと思ってます。花嫁の初々しさのかわりに、妻であり母である女性の美しさを際立たせるような方法が必要で、それにはやっぱり花嫁と同じウェディングドレスじゃだめだなー、とか・・・
このへんをまた次回書きますねー!