アイドルに会ってきちゃった
アイドルと言っても、所謂日本の「おニャン子」「AKB48」「ももクロ」のような方々ではない。
中学高校の頃からずっと(かれこれ四半世紀、男泣)憧れていたバンドのこと。
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小学五年生の頃、「うちの小学校に鼓笛隊ができる」との流れで「俺は太鼓を叩きたい!」と静かに思った、単純な披田野少年。
母が自宅でピアノを教えていたり、父がオペラ・ミュージカルなど西洋芸能ファンだったため、音楽への理解があった家族。
「理解があった」というより、一時期若干スパルタ過ぎて、小学・中学校程度の音楽のテストで90点以下を取ったり、笛・歌のテストがあった日などは、お母さんの反応が怖く過ぎて中々帰れないほどだった家庭環境。
厳し過ぎる母が嫌で嫌で、ピアノをやめてしまってから数年。
「太鼓やりたい」という次男に、「本当に続くの?楽器は何でも練習しないと上手くなれないのよ?」と疑う母。
母「じゃ、とりあえず修一(長男)に何か教えてもらいなさい。」
階段を上がり、7歳離れた長男の部屋に向かい尋ねる。
弟「なんか、担当の長谷先生から、ビートルズって人達の『オブラディ・オブラダ』て曲をやるから聴いてこいって言われたんだけど。」
数日後、「ほらよ」と兄から投げ渡されたのは、彼が色々と録音してくれた、ミックステープ。
ビートルズの代表曲が数曲入っていた他、ビリージョエルが数曲。あとツェッペリンが数曲。
弟「あ~何言ってるか全然分からんが、何か好きかも。」
そうこうしたものの、結局「はい、全然だめ」と長谷先生にスパッと言われて、太鼓は叩けなかったあの頃。
その後も兄は気が向くと色々なバンドを編集して、ミックステープにしてくれてたため、めげずに洋楽馬鹿になってしまった弟。
その内の一本に入っていたバンド、「Whitesnake」。本当に好きでたまらなかった。
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個人的に80年代全盛のバンドの話をすると止まらないのだが、90年代に突入すると、そのほとんどが解散。
年齢的なものや「破産」などの生々しい理由があったりしたものだが、それでも2000年代に入ると「まだ行けそう」な人達はどんどんと復活を遂げ、洋楽版「懐メロ」業界で活躍しだす。
「Whitesnake」のその内の一つだが、復活した彼らの多くは、世界中の夏フェスにて忙しく過ごすか、アメリカ中に存在する「カジノ」を巡業する。
皆がスロットやらカードやらに熱中するカジノの隣にほぼ必ず併設されているのが、この手の多目的会場。
一見「見世物」のような印象を受けるが、これはこれで確立されたエンターテインメント業界。
もちろん、多目的なので各種格闘技・お笑いなども多い。
ラスベガスが一番有名な例。ひょっとしたらアメリカで一番有名かつ大規模なコンサートや各種興行の大半はラスベガスで行われているかも。
やはりお金の流れが重要なのだな、と納得。
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そんな訳で、バイト先の楽器屋マネージャー・マットから携帯に連絡が来たのが二週間前。
「なんか『Whitesnake』が来週『Newkirk*』でやるらしいよ。」
(*Newkirk: ウィチタから一時間の所に位置するオクラホマ州北部の町。カジノがある。ちなみにマットはこのバンドに無関心。)
うぉ~
その勢いのまま、チケットを予約することに。
日本でいう「S席」は、$90。
その他の席は、$45。
や、安い…
調べると、高いほうの「ステージ間近」の席はほぼ完売状態。
さ、さすが…
「日本で見たら、凄ぇ混むんだろな」とか思いながらネットで予約してたら、またマットから、今度はメールが来る。
「(ドラムのTommyが契約している)ヤマハにメールしたら、当日バックステージ・パス出してあげるって。」
うぉ~
おじちゃん、ちょっと嬉ション漏れる。
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7月12日(金)、ライブ当日昼。
プルルルと携帯が鳴る。
「アイミー(Imy)てTommy AldridgeのTech(楽器の運搬・セッティングを)してる者だけど、今夜何時に来る?」
うぉ~
俺「何時でも行ける。(開演は8時だが)6時とか?」
ア「入らせてあげれるか分かんないけど、試しに早めに来てサウンドチェック見る?」
俺「イエスッ、見る見る~!」
ア「じゃ、会場着いたら電話して。」
俺「は~い。」
おじちゃん、ちょっと嬉ション漏れる。
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このNewkirkにあるカジノ、「First Council Casino」。初めて行ったのだが、何もない平野に突然ボコッと建っているという表現が一番ぴったりくる。
建物に入ると、一面スロットだらけ。
アイミーに電話をする。
「ちょっと今ステージで忙しくしてるから、ライブ前は無理だわ。」
なるほど。
あまりスロットなどに興味がないため、ご飯を食べることに。
さ、さすが…
レストランのカウンター席にもゲームが並ぶ。
軽く飲み食いしながら、カウンター越しに店員のお姉さんと談話。
時間になり、会場に向かうと、「BINGO」という看板の下に「Whitesnake」のポスター。
「やっぱ復活組。なんか随分な扱いだな」とか全盛期スタジアム級の会場でしかやっていなかった彼らの活動の浮き沈みを思う。
実際のステージに目をやると、何かが違う。
ドラムセットが違う(一応その辺が重要なので)。アンプの数がやたら少ない(これも相当重要)。
フェースブック上に写真を上げると、「それは前座のでしょ」と友人のコメントが入る。
あ、なるほど。
「それにしても会場が空き空きだな」と思っていたが、前座が始める頃にはポロポロと人が入ってくる。
「みなさん、ようこそ」みたいな開場のアナウンスとお知らせが、ほのぼのと始まる。
ただ、演奏が始まった瞬間、一旦は着席していた客もカジノ会場のバーに向かい、アルコール補給に努めている。
このユルさは一体。
それでも、実際に「Whitesnake」のセッティングが始まると、会場はパンパンに。以前マサさんも書いていたが、この手の「懐メロ」コンサートは客の年齢層が高い(小生も含め)。
やっとお目当てのデカいドラムセット、マーシャルアンプの壁が登場。これが非常に重要。
よしよし。
いよいよ、バンドの登場時間。
俺、叫ぶ。
イエスッ
バンド創始者で唯一のオリジナルメンバー、ボーカルの「David Coverdale」が出てくると会場には大歓声。おじちゃんも感動して叫ぶ。
白いシャツが「David」。御大は61歳。Deep Purpleでの「Burn」が有名な方ですね。はい、これは知っておきましょう。
「Hey, girls」と話せば話すほどに、MCが昔と変わらない下ネタだらけ。
笑った。
よしよし。
フワフワな髪が70年代から変わらないドラムが、神様「Tommy Aldridge」様。62歳。
右側のギターが「Doug Aldrich」先生。実は20年前、川崎チッタというライブハウスのバックステージで握手してもらったことがある。本気でかっけぇ、49歳。
写っていないが、もう一人大好きなギターの「Reb Beach師匠」。同じくまだまだ見た目が若い49歳。「Winger」時代はもちろんソロ作品とかも聞きまくっていた方。
ベースはあんま知らない人だった(今回たまたま目的だったMarcoではなかった)ので、今回は軽くスルー。
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ヒット曲だらけのライブでお腹一杯になった後、写真中央にて帽子姿で片付けに汗を流すのが、今回お世話になった、アイミー氏。
セットリストを見せてもらいました。
(今回とほぼ同じような爆発的な内容であった、2004年の公演動画より)
David、Tommy、Reb、Doug。
全員まったく衰えてなかった。
よしよし(男泣)。
ここには掲載しませんが、TommyとDougとも写真をパシャリ。
感極まる。うぅッ
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そんな訳で、しばらくこの手の「復活組」のライブ活動を追いかけることにしました。
来月は、ウィチタから南に20分の町に位置する「Kansas Star Casino」にて「Journey」!
その前座になんと「Night Ranger」が!
はい、アメ10ではあまり興味ある人がいない可能性が高いですね。
はい、ごめんなさい。
おじちゃん、興奮冷めやらぬ、みたいな。
この手の音楽に足突っこんでみたい、みんな。
まずは「伊藤政則」の人生について、また彼の偉大さについてちゃんと勉強しておこうね。
ついでに髪型と眼鏡も真似しちゃおうね。
とりあえずは、マサさんと俺だけで先に行って、この手の音楽の話に花を咲かせるしかないんでないかという展開かもね。
みんな、ちゃんと付いて来なきゃだめだよ。
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Hard Rock、青春ですね。
年齢的に、もう盛春のほうが正しいかしら。
あ~音楽って良いですね。
おじちゃんもまだまだ頑張ります。
たっちゃん、嬉ションって。。。わかりやすい表現です~~
わたしはもうちょっと古くて、DeepPurple,ZedZeppelin,ELP、BadCompanyとかが解散やら活動停止しちゃってわたしのGirlsBandも高校卒業後進学でばらばらになっちゃった頃にかさなります。WhiteSnakeができたころにはもうハードロックは終わりだな、とベースのケースを閉めてサーファーの彼をつくってAirSupplyとか聴くようになっちゃてました。DavidCoverdaleは新人で、まあがんばったね、よくやったよ、でもSmokeOntheWaterの頃がなつかしいね、って感じ。。。そんな彼がもう60過ぎ。。。年を感じます~~。でもアメリカでは年関係なく演奏するがわも見に行く人たちも楽しむのがいいねぇ。わたしは9月にTower of Power聴きに行くよ。みんな年だけどすごくがんばってるみたい。楽しみ~~
ToPは二年連続でウィチタに来てましたね。
ボランティアでメンバーのラジオ出演の現場への送迎をやらせてもらって、神様ガルバルディ様を助手席に乗せ、僕の熱いを伝えたこともあります、ふ(恥)。
ロッコも含め、あちらも主要メンバーは皆還暦なんて通り越えますからね。頭が下がります。めちゃめちゃノリノリかつ、御大ガルバルディ氏をステージ脇から見てたら、客席からは想像できないほどにバシンバシンでスネアが揺れてました。びっくり。
みんな健康管理には気をつけて鍛えてる人は違うな、と改めて実感。
Tatちゃん、わかるわかる、その気持ち。日本でのコンサートと、アーティストとの距離が違いますからねぇ。
私もMr. Big、Tony MacAlpineとかの著名人の演奏をクラブで見たのですが、もう、自分の目の前で演奏してくれる、自分のために演奏してくれるって錯覚するくらい、目の前で見ることができますよね。
次は何を見に行くかな。