アメリカでポスドクになる方法:Part 2 CVを書く

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アメ10読者の皆様こんにちは、KAZでございます。

アメリカでポスドクになる方法2回目は、履歴書(CV)の書き方です。

CVとは「curriculum vitae」の略で、クリキュルム バイティーと発音します。
また、résumé(レズメ)といったりもします。

アメリカで用いられるCVは、日本の履歴書と比べていろいろ書き方が異なります。

まず第一に、日本の新卒採用で提出する履歴書は未だに手書きであるのに対して、アメリカではまず間違いなくワードプロセッサーで作成したものを提出します。

また、日本の履歴書であるような、生年月日、性別、捺印覧がないのも特徴です。

(逆に考えるとなぜ日本はこれらの記入欄が必要なのか謎ですが・・・)

一方で、サイエンスの世界におけるCVは、日本とアメリカでけっこう似ていますが、一般的なCVと比べるといろいろ特徴があります。

一番大きな特徴は、論文(Publication)覧があることでしょうか。
ちなみに、サイエンスの世界においてキャリアアップできるかできないかはPublicationの数によって決まってきます。
なので、この覧がどれだけボリュームがあるか、またどんなジャーナルにpublishしているかが問われます。

サイエンスの世界で用いられるCVの項目を以下に挙げてみました。

1)   Business address(職場の現住所)
2)   Education(学歴)
3)   Professional experience(職歴)
4)   Teaching experience(教育歴)
5)   Service activities(奉仕活動)
6)   Honors &Awards(受賞歴)
7)   Research support(研究費獲得歴)
8)   Publications(論文)
9)   Presentations(学会発表)

 

CVの作成で重要なのは、ただそれぞれの項目を箇条書きにするだけじゃなく、アピールするポイントがあればしっかりとアピール事が大切です。

 

それではそれぞれの項目についてみていきましょう。

 

1)   Business address(職場の現住所)

これは、ただ普通に現在働いている大学の住所を書きます。電話番号(国番号を忘れずに)とE-mail addressも一緒に書いておきます。
家の住所を書く人もいますが、あまり重要ではないのでいらないと思います。

2)   Education(学歴)

日本の履歴書では、
○○年○月 ○○大学○○学部○○学科 入学
○○年○月 ○○大学○○学部○○学科 卒業

というふうに入学と卒業を書くと思いますが、そこまで詳しく書く必要はありません。

例)
2005 March     B.S. in Medicine     Department of ○○, University of ○○.
2010 March     Ph.D. in Medicine     Department of ○○, University of ○○.

というふうに学位のみを書きます。

3)   Professional experience(職歴)

ここでは、大学院を含め日本でどんなことやっていたかを書きます。

例)
2007 April – 2010 March     Post-doctoral fellow, University of ○○. (Hyogo, Japan) Department of ○○. (Dr. ○○(Supervisorの名前))

supervisor(指導教官)の名前をかくのは、その教官がその分野でけっこう有名だった場合、きちんとした教育を受けてきたという印象を与えるためです。
また、相手に自分が携わってきた研究が把握できるように、どんなことをやってきたかと言うことを簡単に付け加えるといいと思います。

例)
Research experience: Initiated the project to analyze the effect of ○○ on ○○ activity and to elucidate the mechanisms of in ○○ cells.

4) Teaching experience(教育歴)

もし講義などの経験があれば、書いておくといいと思います。もちろん、塾講師のアルバイトは書いてはいけません。

例)
2003 Sep – 2007 Sep graduate students; Biochemistry

5)   Service activities(奉仕活動)

ここでは、公園清掃などのボランティア活動を書くのではなく、科学雑誌のレビュー担当などがあれば書きます。

 

6)   Honors &Awards(受賞歴)

最近では国内学会でも学生に優秀プレゼンテーション賞などを与える事も多くなってきたので、もしそういうのがあれば書きます。トラベルアワードも忘れずに書きましょう。

 

7)   Research support(研究費獲得歴)

大学維持費の40-60%をグラント(外部獲得研究費)に依存しているアメリカの大学では、その研究者にグラントの獲得能力があるかどうかは大きなポイントになります。日本では文科省や厚生労働省からのグラントが主ですが、その他、私設援助金や国際学会渡航費などの獲得歴があれば記入します。

例)
2008 Apr – 2010 Mar Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
Funding Agency: Japan Society for the Promotion of Science
Project number: ○○○○○○
Title: The mechanism of ○○○
Role: PI
Amount: ○○○ JPY

研究の質=グラント獲得金額

ですので、いくら支給されたかをしっかり書いておきます。
8)   Publications(論文)

前述の通り、この項目がCVの中で一番重要な箇所です。審査の90%がPublicationで決められると言っても過言ではありません。

また、どれだけFirst Author(第一著者)の論文があるかが重要です。それは、その論文に一番貢献した人がFirst Author、2番目に貢献した人がSecond Authorとして名前を載せることができるためです。極端な言い方をすると、Second, Third Authorの論文をたくさん持っていても、Firstがなければなんのアピールにもなりません。

研究の遂行能力を示すためにも、First Authorの論文の数はとても重要です。

ですので、論文リストはそれぞれの論文で自分が何番目の著者であるかを示すため、自分の名前にアンダーラインを入れたり、太字で強調しましょう。

9)   Presentations(学会発表)

この覧は、いつどこでどんな学会で発表したかを書きますが、あまり日本国内で発表したものは書かない方が良いかもしれません。国内の学会はやはり質の低いものと判断されてしまうためです。

また、発表方法にはポスター発表口頭発表がありますが、口頭発表の方がウケは良いです。

 

さて、以上のようにCVの書き方を説明してみましたが、他のヒトが書いているCVを参考にするのもいいかもしれません。

というのも、アメリカでは結構Web上で自分のCVを公開している人が多いのです。
ボクもそのひとりで、大学のHPにリンクを張っていますので、もし良ければ参考にしてみて下さい。

ポスドクに応募する段階ではCVのページはせいぜい3−5ページ程度ですが、准教授や教授クラスになると、メンター歴や招待講演歴なども加わってきますので、何十ページという量になってきます。

ぼくもCVのページ数が増えるように頑張りたいと思います。

 

 

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3 comments on “アメリカでポスドクになる方法:Part 2 CVを書く”

  1. 初めまして。
    CVの書き方が分からず、検索してこちらにたどり着きました。
    とても分かりやすく、参考にさせていただきます。
    私のCVは1ページで足りてしまいます。。。
    これから増えていくことを願って、まずは1枚完成させます!

  2. yoshieさん
    お役に立てて光栄です。
    もし分からないことがあればなんでも聞いて下さい。

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