アメリカでポスドクになる方法:Part 4 インタビュー(面接)

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アメ10読者の皆様こんにちは、KAZでございます。

さて、長々と引っ張ってきた「アメリカでポスドクになる方法」シリーズも今回でいきなり最終回です。

前回の記事ではカバーレターの書き方について書いたのですが、今回はつぎのステップ、「面接編」です。

CVの内容が気に入って貰えたら、インタビューをしたい旨の連絡が来ます。

しかしさすがに面接だけのために渡米するのは、呼ぶ側も申し訳ないので(渡航費を出してくれるなら別ですが)、別の用件で渡米する予定があるか聞いてくると思います。もし国際学会などの予定があれば、それのついでに面接をしよう、というものです。

しかしここで大切なのは、たとえ予定がなくても「行く予定はありません。」といわない方が良いです。

「今のところ行く予定はないけど、面接に呼んでもらえるのであれば行きます!!」

ぐらいの情熱を見せておきましょう。少々お金は掛かりますが、それでもアメリカに行きたいという熱心さが欲しいところです。

 

で、ここからはボクの体験談です。体験談と言っても「失敗談」なので、こうならないようにという意味で参考にして頂けると幸いです。

ボクの場合、就職活動はし始めたのが7月頃でした。

まず、第一志望だったSan DiegoのLa jolla(ラホヤ)にある某研究所にアプライしました。

ちなみにLa Jollaはあるアンケートによると、「日本人研究者が留学したい地域No.1」の場所だそうです。

ボクがアプライした研究所は海岸沿いにあり、噂では、いつ良い波が来ても出かけられるようにラボにはサーフボードが置いてあるそうです。

そこのボスが、その時ボクがやっていた研究に関連性のあることをやっていて、また非常に名の通った教授でした。

なので、ダメ元でCVを送ってみたのですが、2日後ぐらいに返事が来ました。

「君のレターに興味を持ったので一度話をしたいんだけど、今後アメリカに来る予定はある?」

ボクはそれほど業績を持っていないし、CVも無視されるだろうと思っていたので大変驚きました。

でボクはすかさず、「今のところ行く予定はないけど、面接に呼んでもらえるのであれば行きます!!」と返事を書きました。

すると、

「おっけー。じゃあ、明日から2週間ほど出張で留守にするから、帰ってきたころまたリマインダーメールちょうだい。」

うずうずする気持ちを抑えながら2週間待ちました。そして、きっちり帰国日の次の日にメールを送ったところ、

「おっけー。じゃあ、明日から1週間ほど講演で留守にするから、帰ってきたころにまたリマインダーメールちょうだい。」

おぉ、さすが有名な教授だけ会って忙しいんだな!!と思い、さらに1週間待ってメールを送りました。すると、

「あぁ、わるい!! 明日からまた2週間ほど講演で留守にするから、帰ってきたころにまたリマインダーメールちょうだい。」

えええええ、出張ばっかりやん!!

まぁ、有名な教授だから仕方ないっか・・・と思って、またメールしたところ今度は

「いまNature Medicine誌のリバイスでスーパービジーなんだ。また後にしてくれ。」

いいいいいいいいーーーーーーーー!?!?

あとっていつだよ・・・

 

で、くじけずにまたメール送ったところ、

「いま、うちのラボのTomoが一週間ほど日本に一時帰国してるから、その間に彼に会って話ししといて。これがTomoのメールアドレスね。私のほうからも連絡しておくよ。」

そう、彼のラボには日本人のResearch assistantがいて、その人が身内の結婚式のために一時帰国しているので、代わりに面接をしてくれるというのです。これはラッキー!!しかも日本人だから英語の心配しなくてもいいし!!

待ち合わせ場所や日時を決めるため、さっそくTomoさんにメールアドレスを送りました。

ところが、全く返事ナシ。

滞在予定期間の一週間をとっくに過ぎた2週間後ぐらいにやっとTomoさんからメールが来て、

「日本にいる間メールを開かなかったので気がつきませんでした。」

な、ん、と、い、う・・・

 

もうこの辺りから、「アメリカ人 = いい加減。」というイメージが具現化してきました。

でも懲りずにコンタクトし続けた結果、やっとの事で電話インタビューするところまでこぎ着けました。

幸運なことに、ビデオ電話ではなかったので、カンペを用意しまくることができました。

事前に本屋さんに行って面接用の本「面接の英語」と「あなたの魅力を伝える面接の英語」という本を参考にして、聞かれそうな内容についてピックアップしておきました。

よく考えたら、いままで英語で電話をかけたことなど一度もありませんでした。

それでも、えいやっと思って電話をかけ、結局向こうのボスとTomoと3者面接をしました。

実は、この面接の前にTomoさんに電話をして、このボスがどんな人かというのを聞いていたのですが、「しゃべるスピードが速いからビックリするかもよ。」といわれてました。

ビックリしました。メチャクチャしゃべるスピードが速いです。

何度か聞き返しながら、30分ほど、僕のこれまでの研究経歴や、アメリカでの研究計画などを話しました。

電話インタビューを終え、「3日以内の結果を連絡するよ。」ということで、夜もロクに熟睡できない3日間を送りました。

結果は・・・

冒頭に書いたとおりです。

理由は、僕の研究計画がこれからやろうとしているプロジェクトに合わないから、ということでした。

おい、最初オレのletterに興味あるって言ってたくせに。

約6ヶ月引っ張られたあとの結論だったので、結構凹みました。

La Jollaのアパート情報まで検索してたのに。

 

ここでボクが犯した大きな失敗は、

「楽観的すぎたこと」

です。

本来ならばいろんなところにCVを送って並行してやっていかなければいけなかったのですが、最初の1発目が思いのほか好感触だったので「いける!!」と勝手に思い込んでしまい、他に手を打っていませんでした。

この時季節はもうすでにクリスマス直前。

毎日欠かさず飲んでいた焼酎もこの日だけは不味く感じるほどでした。

しかし、落ち込むだけ落ち込んだらあとは次に行くしかないので(この精神、研究者にとってけっこう重要。)、インターネットで片っ端からClassificationを探し、興味のあるラボにアプライしました。

結局返事があったのは、ボクがいまいるラボからだけで、「キミのレターに興味があるから、推薦状3通送って。あと、近々アメリカに来る予定ある?」というメールが来ました。

すぐに、あらかじめお願いしていた先生たちに連絡し、推薦状を送ってもらうようにお願いしました。

その結果、「推薦状読んだ結果、君を採用することにしました。いつから来れる? サラリーはこれくらいでいい?」

とのオファーをもらえることができました。

CVを送ってからたった10日間の出来事でした。

インタビューがなかったのが逆にちょっと不安でしたが、行き先が決まったことで大変興奮しました。オファーが来たのが大晦日直前というのもあったと思います。

でも、渡米予定日まで4ヶ月しかなかったのですぐさまビザの手配や引越の準備などを始めたのでした。

それで結局なんとかアメリカに来ることができたわけです。

いろいろありましたが、今となっては良い思い出です。

 

 

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2 comments on “アメリカでポスドクになる方法:Part 4 インタビュー(面接)”

  1. 海を越えて、時差のあるこういうやりとりって大変ですね。
    日中のメールを読むタイミングも違うだろうし・・・。

    それにしても、Tomoさんが一時帰国するって知ってたなら、事前にアレンジしてくれよ!って私も思いました。笑
    研究者の方とか、アカデミックな人って(うちの旦那もそうなんですけど)、ちょっとやっぱり人間スキルがずれてる人が多いですね。苦笑
    どこかでずば抜けてるんだけど、その分、しわ寄せが・・・。

    そんな中で、かつ外国語で、Kazさんはすごいと思います。この過程を経て、今のお仕事に就けたこと、おめでとうございます。

  2. とっても面白くてためになるお話です。

    就職活動って、本当に縁と運があるので、決まらない時は何をやっても決まらないし、決まる時は引寄せられるようにトントンと事が運んだりしますよね。

    直接顔を合わせての面接は無かったそうですが、英語での面接ってホント、お写真みたいな感じだと思います。見てちょっとゾッとしました。(笑)

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