アメリカで運転免許を取る!後編

正直、私、ナメてました。路上試験を。何故なら、「アメリカの路上試験は簡単!」と散々耳にしていたからです。アリゾナで取った人からも、「スリーポイントターン的な方向転換はあったけど、難しかったのはそれ位」という話を聞いていたし、カリフォルニアで取った友達は「本当に街中ちょろちょろ走って、普通に車停める程度でしたよ」と言っていたからです。

日本でMT免許を取得した際は、教習所で最初から前倒しで1コマで2コマ分の判子を貰い、後半やる事がなくなったので色々な小技を教えて貰い、当然落ちた事は無し。更に東京でもずっとMT車を運転していたので、夫よりバック駐車は上手い自信もありました。

それが、まさかの「Automatic Failed」を喰らって、路上にすら出られず初回敗退…。

試験開始予定時間の15分前にはMVDに到着し、受付のおばちゃまに書類を提出。念のため、「通訳を付けるのは可能ですか?」と窓口で確認したら「No. あんた、右とか左とか基本的な事は解るでしょ?」とバッサリ。州によっては通訳を乗せてもいい所もあるという話を耳にしたのですが、アリゾナは不可のようです。

またしても最初に写真撮影があり、その後待機。当然開始予定時間に始まる訳もなく、5分位経ってやっと名前を呼ばれ、おばちゃまに言われるがまま、表のポールに沿って車を停めて更に5分後。何とそのおばちゃまがバインダー持って歩いて来るではないですか。アプリケーション書類を受け取り、写真を撮り、サインをさせ、免許交付にまつわる事務仕事をし、更に試験官までやるとは、何とマルチタスクな職員。そのせいでいつもあの窓口で待たされるのか、と妙に納得。

おばちゃまの言う通り、駐車したままでウインカーを点けたりライトを点けたりホーンを鳴らしたりという指示に従ってやった直後、何と予想外の「縦列駐車」テスト。まさかの縦列。教習所卒業以来、初の縦列。マジかよ。ですが、これは奇跡的に上手く行きました。仁王立ちしてチェックしていたおばちゃまが「OK」と言い、「じゃあ、また出て、さっき停めていた所に戻って駐車して。」とオーダー。縦列が上手く行って気が大きくなっていた私、「ポールにしっかり寄せて停めようではないか」と色気を出したのが良くなかったのかも知れません。右後輪がほんの少し、ポールのベースの黒い部分に乗り上げてしまったらしいのです。

parallel parkingMVD駐車場入口に設置された、駐車テストコーナー。黄色の場所に駐車して待機し、縦列をし、また黄色部分に戻る時に、細いポールの土台を少し踏んだ模様…。

ギアをPに入れ、窓を開けると、おばちゃまは「はい、再試験の予約を取ってください」と一言。「Whaaaaat? Did I hit any pole??」と(何故こういう時だけは咄嗟に英語が出るんでしょう?)叫ぶと、「ポールには触れてないけど、右後輪が最後にポールのベースのフチに少し乗り上げたから、自動的に失格」とな…orz

何なのでしょうか、この敗北感。やらずして負けたみたいな。実際路上やってないけど。車にしても小型船舶にしても運転の実技に落ちたのが人生初なせいか本当にショック。うなだれてMVDに戻り、屋内から見てた夫に、「落ちた…」と言ったら、夫は「ウソッ!何で?」と何故か笑顔で言いやがりました。(ムカつく…あぁでも私も反対の立場だったらきっと「ウソッ落ちたの?ププッ」とか言いそう…)と己を納得させつつ、翌月曜日の予約を取って、すごすごと帰宅したのでありました。

2回目の前日、日曜日。縦列が成功したのはまぐれだと判っていたので、練習しにMVDの駐車場へ行きました。1回めは途中から自分が何やってるのか判らなくなってしまいキレイに入りきらず。2回めは外でビデオを撮りながら見てた夫にアドバイスを貰いつつ、ポールと車の位置でハンドルを切るタイミングを計ってまぁまぁの出来。3回めからはバッチリ入るようにはなったんですが、念には念を入れて、7回位やりました。当然縦列の後は、ポールのベースを踏まないように元の駐車位置に戻る、を繰り返し。

practice

ちなみに同じ事を考えていた方々は他にも居たようで、私がみっちり縦列&戻るのを練習している間、2台の車が入れ替わり立ち替わりMVDに入って来ました。待たずに練習出来てラッキーだったのかも知れません。


さて、月曜日。前回とは違う強そげなおばさまに「車、停める所判ってるわよね?停めて待機してて」と言われ、前回同様車をポールの横に停めて待機。更に何故か「両方の窓を全開に」と言われ、窓を開けたまま言われた通りウインカーを点滅させたりホーンを鳴らしたりのテスト。

そして縦列。流石にバッチリ決まりました。よっしゃ、次もやったるで、と思っていたら、「じゃあ車をそのまま左に出して。ロードテストに行きます」とおばさま。 えええっ?? じゃあ前回落ちたあの謎の駐車は何だったの!? あれさえなきゃ前回もロードテストには行けていたのに…。

助手席に乗り込んだおばさまに、MVDの出口で路上試験の注意を受け、「必要最低限しか言わないから、指示されて判らない事があったら自分から質問する事。間違えたら減点もしくは失格になります。」と言われたので、もう言われた事全て復唱しながら運転。軍隊かっつの位。コースはちゃんと考えられていて、まっすぐ道路を横切って進み、左折、右折、右折、信号のない交差点の一時停止、右折、左折、左折、右折でうまい事MVDまで戻って来るようになっていました。(スリーポイントターンやバックによる方向転換等は無し)

最後、MVDの駐車場に前向き駐車したところで、「You passed. 中で手続きするから来て」と言われて一安心。中で待っていた夫に「受かったよ~♪」と報告すると、「何で今回は縦列の後あの駐車やらなかったの?縦列すごく上手く行ってたけど、あっちに車出してたから、また落ちたのかと思った…」と言われました。 おいっ! でも本当に、この統一感の無さはアメリカならでは…。

更にトドメとして、20分位待たされてやっと貰った仮の免許証の紙を良く見たら、住所が数ヶ月居候させて貰っていた友達の家になっていたという。確かに私の提出したIDカードは住所変更してなかったからその住所でしたよ。でもアプリケーションには現住所を記載して提出しているのに、何故照合しないのだ? これもホント、アメリカならでは…。 

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4 comments on “アメリカで運転免許を取る!後編”

  1. 初めまして。2014年8月から2015年までASUに留学し、Junさん同様アリゾナが好きすぎるため、就職までの間、しばしアリゾナ州テンピに滞在しています。
    来年の3月に日本の大学を卒業し、4月から日本企業に就職するのですが、アメリカ、主にアリゾナで働きたいという思いがあり、どうしたら良いか悩んでおります。
    もし何かアドバイスなどありましたらご教授頂けたら幸いです。
    どうかよろしくお願い致します。

  2. けいさん、コメントありがとうございます。アリゾナ、良いですよね~。
    さて、私はこちらではまだ就業していない(自宅で仕事をしています)ので、アリゾナで就職…の、良いアドバイスは出来ないです…。そして、けいさんはもう日本企業に就職が決まってらっしゃるんですよね? その会社にアリゾナ支社があれば、赴任希望を出すのが一番の早道だと思います。ともかく一番の問題は就労ビザの取得です。日本企業から海外赴任であれば何ら問題ないでしょうが、そうでなければこちらでビザサポートをしてくれる企業を探さないといけません。しかしそうなると転職という形になるので、早々に、という訳にはいかないでしょう。いつかはアリゾナで働きたい!というのであれば、運任せですが、年に一度のDVプログラムに申し込んで、永住権取得を狙うのも手です。

  3. すみません体調を崩したのと帰国などで忙しくて返事が遅くなりました。。。
    僕の行く予定の会社がアリゾナ支店を持っていなくて悩みの種になっています(笑)
    とりあえずDVプログラム来年から申し込んでみようと思います!色々とありがとうございました!

  4. けいさん、こちらもコメントが遅くなってすみません。お知らせが何故か来なくて気づきませんでした…。
    入社予定の会社に支社がないのは残念ですね。DVプログラムの実施期間は1ヶ月と短いので、いつから始まるのかのチェックをお忘れなく。ご幸運をお祈りしております!

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