アメリカの子供のお弁当

プリスクールに通う娘に毎日お弁当を作らなければならないのですが、我が家では私よりもずっと優秀な主婦(主夫)である夫が、主に毎朝作ってくれています。

主なメニューといえば

アーモンドバター・サンドイッチ
Macaroni and Cheese (Mac ‘n’ Cheese、マッカンチーズ、というように発音)
トマトパスタ
ピザ

と、非常にアメリカン。上記をメインとして、他に

ヨーグルト
りんご
クラッカー

などをスナックとして一緒にランチバッグにいれます。

日本のお母さんたちが作る幼稚園の子供のお弁当とだいぶ違うのではないでしょうか。

土曜日だけ通っている日本語幼稚園は、月に一度だけ「お弁当の日」があり、こちらはどうも日本スタイルのお弁当が多いようです。お弁当の日に帰ってくると、娘が「○○ちゃんがお顔のお弁当だった」「可愛いハートのお弁当だった」とちょっと不満げに伝えてくるので、「もしかして、いわゆる”キャラ弁””デコ弁”じゃないのはうちの子だけかも?」と可哀想に思いつつ、日本語幼稚園のお弁当もやっぱりアメリカ人の夫が作ることが多いので、とてもじゃないけどキャラ弁は無理そうです。

あの「キャラ弁」「デコ弁」の写真を日本のブログなどで見かけると、まさに日本文化だなぁ、と思います。

細かい顔のパーツを作れるのも、あの海苔というまるで紙のように自由自在に切って形を作れる食材があればこそ。アメリカに似たような食材があるか、それも黒い色、と考えてみてもちょっと思いつきません。卵をうすーく焼いてこれも紙のように自由に使うというのも、なかなか技術力がいると思うのですが、あんなきれいにうすく卵を焼ける器用なアメリカ人ママはそうそういないような気が・・・(それとも、お弁当用に最初から薄く焼いた卵シートでも売ってるんでしょうか?)。

ピンクの食材としてハムがよく使われていますが、アメリカにも薄切りのハムはあるものの、大量に重ねて無造作にパンにはさまれてサンドイッチになるのが関の山ですね。

もちろん個人差はあるものの、日本人ってやっぱり手先が器用だと思います。あの小さい可愛い容器の中に可愛いおかずがたくさんぎゅっとつまっている様子も、非常に日本的です。日本は箱庭のように限られたスペースの中で細部まで手の込んだ芸術品を作るのが得意なんですよね。盆栽もそうだし(Bonsaiという名前でアメリカでも人気です)、日本のお寺の石庭なんかを見ると、私は「ああ、箱庭だなぁ」って思います。閉じた空間の中に美しくバランスのとれた世界が完結している感じです。

キャラ弁が芸術?!と思われるかもしれませんが、プロが作ったキャラ弁は実際アートの域に達していると私は思います(キャラ弁にプロがいるかどうかわかりませんが・・・。最初の火付け役になったブロガーさんとか、本を出した人とか?!)。アメリカ人から見てもかなりアートっぽいんじゃないかと思います。Googleで「Bento Art」で検索してみたら15000件ほどヒットして、そのほとんどが日本のキャラ弁に言及したものでした。

アメリカの子供のランチバッグはもう少しおおざっぱで、サンドイッチサイズのジップロックバッグにサンドイッチ、それをもう少し大きい紙袋に、りんごやチップスと一緒につめこんで持っていく、という感じ。もちろん、子供用にキティちゃんの絵がついた可愛い容器もないことはないのですが・・・。アメリカのスーパーで「ランチバッグ」という名前で紙袋が大量に売られていて、とくに大人の場合はランチをこの紙袋に入れて会社に持ってくる人が多いです。

greenlivingideas.com

しかし最近のエコの流れで、「Reusable Lunch Bag」が自然食品スーパーなどで売られるようになってきました。これを見て思わず、「こんなの日本では私が小学校のときにやってたわよ」と言ってしまいました。よくお弁当を布で包んで風呂敷のようにしばってませんでしたか?!

「キャラ弁」もアメリカ在住の日本人ママや日本文化ファンの人々を中心にじわじわと知られるようになってきました。「Kyaraben」でGoogle検索すれば、ヒット件数は255,000。ちゃんとWikipediaにも載っています。キャラ弁の可愛さだけじゃなくて、使い捨てしない日本のお弁当、お弁当包み、お箸いれに入れたお箸なんかが見直されてアメリカで広まるといいですね。 

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4 comments on “アメリカの子供のお弁当”

  1. かわいいお弁当箱とかキャラ弁って、日本文化ですよね!
    アメリカのコミュニティカレッジの日本文化のクラスのプレゼンテーションで、キャラ弁のことを発表した生徒がいました。彼女は頑張って自分で作ったキャラ弁を持ってきてました。

    反って、うちのプレスクールの出すランチ、Tamamiさんのご主人がつくるランチと同じ内容です。私は、アメリカの食文化(文化か?)にも慣れなきゃいけないとおもうので(いつも白ご飯とか納豆とか食べれる訳じゃない!)、これはこれでOKです。

  2. ランチまで作ってくれる旦那さんなんて素敵!!(と私はそっちに感動)
    うちのデイケアはランチを用意してくれるので助かっていますが、持たせるとなると、前夜から準備しないとな~と思います。

    確かに、「食べ物を飾る」っていう感覚じたい、アメリカには存在しない気がします。だから食べ物の写真を撮る人もいない、みたいな。笑
    日本には昔から、食べ物をきれいによそう文化とか、彩りを気にしたり、というのはありましたもんね。

  3. Makiさん、キャラ弁=日本文化、賛同していただいて嬉しいです!
    私も娘が赤ちゃんのころはすごく日本食にこだわっていたんですが、あるとき、「体が半分東ヨーロッパ人なんだから、ヨーロッパの人やアメリカの人が代々食べて来たものもたべたほうがいいのかも」ときがついて、それからはミルクとかチーズもこだわらず食べさせるようにしています(以前は乳製品はあまり食べさせすぎない方がいいような気がしてました・・・

  4. Erinaさん、私のほうが勤務時間も長いし職場が遠いので、必然的に子育ては夫の役目になっています(笑)
    食べ物の写真撮る人、たしかに日本人に多いですね。アメリカ人もやる人はいるけど・・・。なんでだろうなー。ブログ自体、日本人はすごーく多いんですよね。

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