アメリカは怖いか?
こんにちは。Erinaです。
私が渡米を決めたとき、人にアメリカ留学の話をすると、「アメリカは危ないよ~」と言われることがありました。また、このブログにも「アメリカは怖い」などの検索ワードでやってくる読者も少なくありません。
今日は、そのような考えをお持ちの方のために、どうしてそう感じるのか、実際のところアメリカは怖い国なのか?をちょっと考えてみましょう。
私が渡米を決めたのは10年前のこと。当時に比べると、最近はインターネットのおかげで、アメリカ人の友達ができたり、外国生活について知る手段も増えて、無条件に「アメリカは怖い」と感じる人は、少なくなっているかもしれません。
この10年間アメリカに住んで、私が思うのは「日本のほうがよっぽど怖い」。
日本のニュースでは、無差別殺傷事件があり、ストーカー殺人があり、大地震や大津波などの自然災害だってあります。経済復興の兆しはなく、計り知れないストレスを募らせる人が多いと聞きます。自殺も多いです。
だけど、日本で生活しているほとんどの人は、これらのことを心配しながら生活しているでしょうか?たぶん答えはノーでしょう。
それは、自分の身を守る方法をある程度知っており、予測できる程度なら、なるべく最悪の事態を避ける生活を送っているからでしょう。
アメリカでもそうです。
アメリカには、ギャングがおり、銃があり、テロリストに狙われる可能性もあり、竜巻もあります。それは事実です。
しかし、当たり前のことですが、アメリカには赤ちゃんもいて、子供は学校に行き、大人は仕事をしています。銃で傷つく人より、道路わきの交通事故のほうがよっぽど多いです。
アメリカでも、日本と変わらない日常生活を送る人はごまんといて、数少ない「怖いアメリカ」に関わりあわないように気をつけて生活することはそんなに難しいことではありません。
それではアメリカでは、具体的にどんなことを気にして生活しているのでしょうか。
・「危ない場所」を知る
アメリカと日本で大きく違うのは、「場所」。
アメリカでは、「危ない場所」という基準はとてもはっきりしており、日本のような「無差別殺傷」というものはほとんどありません。
「危ない場所」を示すために、地元の人たちは「あの道から向こうへは行くな」とはっきりと言います。そこはたとえば人気のない古い工場が密集しているエリアだったり、長年ホームレスが集まるエリアだったり、様々です。
私が個人的に「ここはまずいな」と感じるところは、とにかく人気(ひとけ)のないところ。夜のダウンタウンの街中よりも、昼間の誰もいないフリーウェイのバイパスとか、植物がうっそうとしている大きな公園とか、そういうところのほうが怖いです。ただ、これも自分の選択次第で、立ち寄らないようにできるはずです。
また、「あ、この人、なんか危ないな」という雰囲気をかもし出している人は、行動や生活態度から必ずわかるし、そういう人がいる場所にはなるべく立ち寄らない。自分の身を守るために、これは鉄則です。
日本では、どの家庭も似たような階級や生活スタイルで、このような違いがわかりにくいと感じます。
「みんな同じ」に慣れていると、アメリカに来て「ここは危ないな」と察知できない人もおり、そういう人が危険に巻き込まれやすいでしょう。日本を離れるなら、そういう洞察力は必要かもしれません。
・銃について知る
銃について、周りの人々がどう感じているのかを知るのは大切なことです。
まず、州という単位に目を向けると、銃の規制法というのは州によってさまざまで、ここカリフォルニアでは特別なライセンスなしで銃器を持ち歩くことは禁止されています。
ニュースに上がる「銃乱射事件」というのは、”pro gun”の州、つまり、銃規制の緩い州で起こるのがほとんど。大学で銃乱射が起こったヴァージニア州や、議員襲撃事件が起こったアリゾナ州も”pro gun state”で、銃保持者の割合も高くなっています。
自分の州が政治的にどんな立ち位置なのかを知っておくことで、このような可能性も知ることができます。
そしてもちろん、個人によっても銃への意識は違います。
私の旦那は純アメリカ人ですが、銃反対派。我が家の子供たちがおもちゃの銃を持つことも夫婦で禁止しています。一度、4歳半の息子がおもちゃの銃を欲しがったのですが、「これはおもちゃだけど、人を傷つけるためのものだから、私たちは持ちたくないの。」と説明したことがあります。
また、うちの子供たちが通う幼稚園でも、銃のおもちゃの持ち込みは禁止されていて、そのような学校ごとのポリシーは日本よりも厳しいと感じます。”No toy guns.”と注意書きにありました。
どんなに気をつけていたって、銃に遭遇する可能性がゼロなわけではありません。それは日本も同じだと思うし、こうやって自分で考えて行動することで、その可能性は限りなくゼロに近づけられます。
逆に、私が「アメリカは安全だな~」と感じることがあります。それは・・・
・警察の存在
私は日本で、警察を街中で見ることはほとんどありませんでした。
もちろん、近所の派出所(交番)の場所は知っていましたし、パトカーが横に停まっていたので、きっと警官もいたのでしょう。ただ、彼らの姿を見ることはほとんどありませんでした。それだけ平和だったということかもしれません。
アメリカでは警察をしょっちゅうお目にかかれます。笑
車を運転していればそこここにパトカーがいるし、ちょっと近所で怒鳴り声などが聞こえれば、すぐ警察が飛んできます。
あのスピード感と威圧感は、自分が何らかの形で助けが必要になったとき、頼もしい以外の何者でもありません。
もちろん彼ら・彼女らのお世話にならないのがベストですが、これもこの記事で書いたように、アメリカは「事後処理」の文化だからでしょう。交番を設置するあたりは、日本の「予防」文化ですね。
・他人への信頼感
アメリカでは知らない人同士の距離が近いので、「何かあっても誰かが助けてくれる」という他人への信頼感があります。最近の日本は、この他人への信頼感が薄くなってきたとよく聞きます。
アメ10の子育て関連の記事でもありましたが、小さな子供を抱えていると、誰だって自然と心細くなるものです。
「自分だけで子供を守れるのだろうか?何か起こったら、一人で対処できるのだろうか?」
そこに、ちょっとドアを押さえてくれる人や、自分のことを気に留めて声をかけてくれる人の存在というのは、とても心強いもの。
また、慣れない外国生活で家に引きこもるより、近所の人に自分の存在を知ってもらうのも大切なことで、私は日本でほとんどしなかった「近所づきあい」も、今は積極的に楽しんでいます。週末に家の外で作業していたら挨拶をしたり、家族について近況報告をしたり、子供たちを一緒に遊ばせたり。
こうすることで、何かあったときにお互いの変化に気づけるし、助け合えるからです。
以上のような考察を踏まえると、アメリカという国では(というか、おそらく日本以外の多くの国では)、安全は「自分で作るもの」ということになるかもしれません。その意識が薄い日本で生まれ育った場合、「アメリカは怖い」と感じるのでしょう。
そして人間は誰でも、「知らない」=「怖い」と思いがちです。きちんとした情報を得て、自分で判断できるようにトレーニングしておくことは、自分が生まれ育った場所を離れて生活するためには必要なことだと思います。
ただ、前にも述べたような日本での犯罪の変化を見ていると、「普通」の生活をしていながら危険な目に遭うかもしれない、というリスクは日本のほうが高いと私は感じますが、みなさんはどう思いますか?
その感覚よくわかります。
アメリカはとにかく場所による差が激しいですよね。統計で見れば、人口1人あたりの犯罪率は日本より高いんでしょうけど、それは危険な地域がものすごく危険だからですよね。逆に安全な地域は、私は、東京の怖いところよりもずっと安全だと思います。たとえばLAの超高級エリアなんかはコミュニティごとゲートで守られていて、住んでない人は入れません。
私個人的な体験では、渡米直前に東京の自宅を出て1人暮らししてたんですけど、当時は「都会で若い女性が一人暮らし」ですから、渡米後よりずっと危機感が強くて、実際怖い目にも合いかけたりしました。夜8時とか早い時間でも、暗くなったらタクシーで帰ったりしてたし、戸締まりとかもすごく神経質でした。で、渡米したらのどかな田舎街でクラスメートと大きな家をシェア、隣は大家さん。非常に安心感があって、東京時代と違って毎日ぐっすり眠れました。つまり、日本からアメリカに来たからって「平和な国から危ない国に来た」とは言えないんですよねー。
あと、犯罪の種類も違いますね。LAは車社会なので、車で自宅のガレージに直接入れるので、東京の「暗い道を1人で歩いてると後ろから誰かがついてくる・・・」みたいな怖さがありません。一方で、たしかに、ショッピングモールですぐ近くにいる人が銃を持ってるかもしれないし、麻薬中毒者かもしれないし、っていう日本にはない怖さがありますよね。大きな駐車場で誰も人がいないときは怖いので、人気が戻るまで外に出なかったりします。
とにかく日本でもアメリカでも、犯罪などに巻き込まれず一生平和に暮らしたいものですね〜!
Tamamiさん、コメントありがとうございます。
そう、日本の怖いところは、人と人の物理的な距離が近いところ。
徒歩での移動がメインなので、そういう怖さがありますよね。
アメリカは車対車になるので、車がからんだ怖さがありますが。
私も夜は、駐車場とか路上駐車されている車のそばを歩かないとか、気をつけるようにしています。
本当、平和が一番です・・・。
だいぶ以前の投稿ですが。
以前アメリカに住んでいた時、治安面で不安もありましたが、車社会なので交通事故が怖いし、日本よりも遭遇する確率が高いように思いました。
確かにアメリカは住む場所によっても雲泥の差ですね。前に留学期間中過ごしたエリアは田舎町ですみやすい安全なエリアでしたが今住んでる場所は銃声、射殺や怪我をしたっていう事件なんてのは毎日のように起きています。私が通う大学の周辺でも夜中出歩いて銃を突きつけられて脅される事件もしょっちゅう起きています。凶悪犯罪やら自然災害は日本にもアメリカにも存在することですが(こちらではカトリーナやサンディ等の大型ハリケーンや竜巻が多いですね)、その上で日常的に起こる事件はやはりアメリカの方が多いのではないのかと感じています。えりなさんの旦那さんのように銃反対の人が増えればいいですが、私の周りのアメリカ人は銃を支持している人も多いです。銃は悪くない。それをもつ人間が悪いのだと。だから自分たちは銃の保持をやめない!とのことです。あとは護身用で持っている人もたくさんいます。銃は悪くないとはいいつつも年に銃関連の死亡はアメリカが先進国の中ではダントツ1位というのは事実ですもんね。日本でもアメリカでも、住んでいる場所や環境によって違ってくるように、日本の方が危ないとかアメリカの方が危ないとかは実際あまり決め付けられないのかなと思いました。
データがなく、主観的な主張ばかりで根拠がよく分かりませんね……。
22年いたパワハラの職場を4年前に辞め一人農家してるうつ病で臆病な平均的日本人です。
田舎者の僕にとって、本来国内の方が安全で海外が得体の知れない人がいる魑魅魍魎な世界のはずです。が、勇気を出し、「鉄砲で撃たれて本望じゃ!」と思って行ったニューイングランド、カナダ・モントリオール、デンマーク、ノルウェー、スイスでは、事前に調べて行ったせいか、すごく開放感を感じました。特にモントリオールのフランス系の方々の情やスカンジナビアの人たちの控え目な人たちに癒されたのが記憶に残ってます。
日本で怖いのは、知らない人への無関心です。以前、新幹線に乗っていた時のことが忘れられません。トイレの前で嘔吐して倒れている人を知らぬ顔して跨いで通ってました。「大丈夫ですか?」と声をかけ、乗務員さんを呼んで「大丈夫ですか?」と話しかけると、「あっ、あー、大丈夫っす」と言って自分の座席に変えて行きました。
アメリカにも差別とか怖いものがあるから安心はできないと思いますが、日本も情け無情な社会なのかなぁと思ってしまいます。