バリアフリーなアメリカ

今回は、アメリカに来て、驚いた事のひとつ、バリアフリーについて書いてみます。私が、初めてアメリカに来たのは、ロサンゼルスでした。その時、一番驚いたのは、アメリカでは、あちこちで、バリアフリーな光景が見えるという事でした。例えば、バス。私は、車の免許を持っていないので、ロスにいる時も、学校に通うのに、バスを利用していました。車いすの方が乗ってくると、車いす席のそばの乗客が率先して、いすをたたみ、車いすが いつ来てもいいようにセットアップをするのです。ドライバーの人は、車いすに、セイフティベルトをすばやくつけます。この乗客と、ドライバーのチームワークの良さ、そして、慣れた手つきに驚かされました。見るからに、やんちゃそうな、モヒカンのお兄ちゃんまで、すかさず席を立って、手伝うのです。日本のバスに比べると、この差はなんでしょう。

日本も、だんだんバリアフリーに力を入れてきているとは いっても、まだまだです。バスはもちろん、電車も、乗り降りの際に、駅員さんが、車いすの乗客一人一人について、乗せるという、とても親切ですが、車いすの方からしてみれば、電車に乗るたびに、誰かに頼まなくてはならないという、面倒なやり方だと思います。もっと、気兼ねなく、簡単に利用できるようにはならないのでしょうか。

乗り物だけではなく、お店もカリフォルニアだと、エレベーターをつけたり、階段の横にスロープをつけてあったり、とてもバリアフリーです。そしてトイレも広々としていて、車いすの方でも、問題なく使えます。そして、一番大きな違いは、アメリカの社会では、障害者の方が普通に働けるという現実です。日本では、車いすで働いている人というのは、あまり見ませんが、ここ、アメリカでは、車いすだろうが、体に障害があろうが、仕事をする能力のある人は、普通に働けます。私のよく行く、映画館では、車いすの女性がスタッフとして働いています。日本でも、こんな光景が普通に見える日がくるのでしょうか。

アメリカのバリアフリーは素晴らしいという話をしましたが、実は、NYはロサンゼルス程、バリアフリーな街ではありません。もしかしたら、東京よりもひどいかもしれません。まず、車いすで地下鉄は、不可能です。階段は多いし、エレベーターは、すべての駅に設置されているわけではなく、あっても、故障していたり。赤ちゃん連れのお母さんなんかも、ストローラーを持ち上げて、階段を乗り降りしている姿をよく見かけます。車いすの人は、NYではタクシーか、バスで移動するしかないでしょう。そして、お店も自動ドアのお店が、割と少ない事にも気がつきました。スーパーなどでも、小さいスーパーや、洋服屋さん、本屋さんにしても、すべて手動です。NYで、よく見かける風景は、ドアを開けた時に、次の人のために、扉を手で押さえて待っているという光景です。私も今ではもう、これをするのが、習慣になってしまいましたが、これも自動ドアの少ないNYでのマナーでしょうか。

NYも、もっとバリアフリーに力を入れれば、もっと素敵な街になることでしょう。 

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3 comments on “バリアフリーなアメリカ”

  1. 次の人が来るまでドアを開けて待っている、そんな光景にカルチャーショックを受けました。というのも私にはダウン症の息子がいますし、当時ボストンに行ったときは子供たち(1歳と3歳)は双子用のストローラーに乗せていましたので、皆さんのその「当たり前に待っている」という行為に本当に助かりました。

  2. うねまきさん > コメントありがとうございます。私も、初めてNYに来た時は、この行為に感動しました。そして、ストローラーや、たくさんの荷物を持っている女性を見かけると、周りの人が、さっと手を貸してあげて、また、そのやり方が自然なんですよね。親切な人は、お店などから出るときに、入る人のためにドアを開けて、その人が入るまで待っている人にも よく出会います。私も、できるだけ他の人に対して、気を使うように心がけています。

  3. 私もこちらに来て、どこにでもエレベーターがあること、数段しかない階段の横にはかならずスロープがあることに驚きました。
    子供が生まれてからは、いかに人々が子育てに協力的かを感じます。ストローラーを運ぶのを手伝ってくれるのも、男の人だけでなく、女の人も手伝ってくれますね。それこそロックンロールな女の子から、おば(あ)ちゃんまで、ドアを押さえてくれたりします。

    最近では手荷物が多くなりそうな移動でも、「誰かが手伝ってくれるだろう」と思ってかなり気が楽になりました。笑
    一人じゃないって実感しますね。

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