新種ビジネス?アート?サインフリッパー

sign-spinning-competition

アメリカに住む人なら、街中を運転していて「サイン・フリッパー」をよく見かけたことがあると思います。

「Human billboard」、「Sign walker」「Sandwich men」などという言葉が昔からあるように、人間が大きな看板を持って立つという広告手段は、大きなビルボードやポスターのスペースよりもずっとコストが安く、かつ、人の目につきやすいということでよく使われる手段だそうで、それ自体は別に新しいビジネスではありません。

が、いつ頃からでしょうか・・・

この看板を持つ人たちが、看板をくるくると回しはじめたのです。

やがて回すだけじゃなく、器用にバトンのように両手で持ちかえたり、縄跳びのように足で乗り越えてみたり、そうするうちにダンスが上手な人は看板を回すのと同時に独特のダンスまでし始めました。

そして彼らは「サイン・フリッパー(flipper)」とか、「サイン・スピナー(spinner)」と呼ばれるようになり、そのダンスや回し技?のレベルが、街角で見るたびにあがってきました。

今ではyoutubeで完全に一種のパフォーマンスと化しているサイン・フリッパーのダンスを見ることさえできます(多くは実際のサイン・フリッパーじゃなくて、ビデオ用に踊っているダンサーの動画ですが)。

こうなると見るほうも「あ、サインフリッパーだ」と気づくたびに「この人のダンスはどれくらい上手かな?」と思わずチェックしてしまうようになります。

ダンスをするほうも、なかには、プロのダンサーを目指しながらこのサイン・フリッパーでお小遣い稼ぎをしている人なのか、ぼーっと立っていても同じお給料なのに、仕事並みの真剣さで踊っている人さえいます。

彼らを雇う側も、ダンスに注目した人々がついでに看板も目にしてお店に来てくれれば文句はないわけで、集客の数でお給料を上げたり、今までの「実績」で他より高い時給を提示して雇ったりすることもあるそうです。

(しかしあまりに速くクルクルと回していると肝心の看板の文字が誰にも読めないんじゃないかと、若干心配です・・・)

今ではすっかりオリンピック競技となっているスポーツが、もとをたどれば民衆の遊びから生まれて次第に正式なスポーツとして成立したように、もしかしたらこのサインフリッピングも100年後くらいにはダンス競技のひとつになるかもしれません(?!)。 

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