日本語を教えてみる!!(中西部で日本語教師)

みなさんこんにちは。カンザスシティのErikoです。ミリ妻の気持ち(ホームカミング編)から随分時間が経ってしましましたが、また少しずつ記事をアップしていきたいと思いますのでよろしくお願いします。

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さてさて、以前日本語を教えてみる(家庭教師編)を書いたと思いますが、今回は私の視点での「日本語を教えてみる」シリーズ第二弾です。

私はここ3-4年程カンザスシティで日本語のTutorをしています。そして去年の春に短期大学のAdult education (Continuous Education program/継続教育-日本で言う生涯教育に近いものですね-)で日本語を教えてみないかと言うオファーを頂いて、2014年の春、秋そして2015年の春とミズーリ/カンザス在住の方にに3シーズン程日本語を教えました。

この楽しかった経験も近々記事にしたいと思いますが、今回は去年より何人かに続けて頂いた「日本語を教えてみたいのですが」というメールについて考えてみたことを少し書かせて頂きたいと思います。

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ここ1年前くらいから続けて「アメリカで日本語を教えたいんですけど。。。」というメールを友達や知り合いの方から頂く事がありました。学校で正規に教える場合は州によってライセンスが必要であったり、卒業大学の専攻など条件が異なると思うのでアドバイスは出来ませんが、私がTutorと生涯教育でのインストラクター経験を通してアドバイス出来る唯一の事は「漠然と’教えてみたい’だけではなく「本気」で母国語と文化を教えたいかどうかを見極めてから取り組んでください。」と言う事です。お金を頂いて教えたい場合は特に。

日本に居た頃、英語学校で教えていた友達、米軍基地内で英語を教える軍人妻、そして実際Tutorを付けたりして多くの英語教師に会う機会がありました。きちんと英語を教える資格を持っている人、ただ小金稼ぎに「ネイティブ英語」と称してはいるもの、自分自身の教育もままならず教える事が全くできない人、学歴は素晴らしいけれども教え方が下手な人、機械的に授業をこなす人、そして学歴は一般的でしたが生徒の必要と要望をよく考えて、生徒に合わせて一生懸命教えようとしてくれる人がいました。あなただったらどの先生を選びますか?

本気で教師を目指すならばやはりそれなりの勉強が必要ですし、それに伴って大学に戻ったり、ライセンスを取ったり、通信講座で資格を取る道が必要になる場合があると思います。そういう方はその道に詳しい方からアドバイスを頂いたり、詳しく調べて頂いて目標に向かって頂けたら素敵だと思います。実際プロで教えられている方々のお話や教室を見ると、やはり私のクラスとは違い迫力も説得力もあると同時に、気持ち入れが強く、技術面でも気持ちの面でも学ばされるものがとても多くありますからね。

ただ、ちょっとお金が欲しいのでバイト感覚で日本語を教えたいな~という場合は、「どうやって生徒を探すの?」「資格を取ろうかなぁ?」「学校で教えるチャンス何てどうやって舞い降りるの?」という疑問の前に、まずは根本的な考え方を少し変えてみるべきではないかなと思います。「どうして私は日本語をここで教えたいのか」と言う事を。その答えが見つかった上で、必要な事(自分の日本語レベルを知る、教授法を勉強する、情報を集める、等など教えるにあたって必須な事を学ぶ)を習得していくと良いと思います。気持ちがあっても、日本語が話せる=日本語が教えられる訳ではないのでそれなりの準備は必ず必要です。

企業で部下に物を教えたりした経験がある方は多いと思いますが、人に物を教える事って意外としんどいですよね。私も引継ぎや部下に仕事を教える時「なぜ伝わらぬ。。。汗」と言う経験を何度かした事があります。例えば折り紙のように視覚と手の動きで学べるものでない場合は教える事の難しさを少なかれ経験された方は多いのではないでしょうか?

実際に日本語を教えようと思った時、学校で教えるのではなく、まずTutorになる事が一番近い道と思いますが、これまた意外と忍耐と根性がいります。

私は現在Tutorで7-8人生徒を持っていますが、みなさん個性があります。学習障害気味(ADHD)の生徒さんも居れば、別の事を考えながら勉強したい高校生の女の子もいますし、お喋り好きの子もいます。そして反対に習得速度が速い上に質問も多いので私がたじたじしてしまうような場合もあります。その為生徒個人の個性に合わせて頭を切り替えていかなければならないですし、○時間教えるだけではなく、一人一人の為にカリキュラムを作って準備し、レッスン後のフォローも考えるとかなりの時間を要するので割に良いバイトと言うわけではありません。日本語の様な科目の場合、生徒は強制されるのではなくほぼ100%自分の意志で勉強をしようと思っているので、それなりに受け入れる心が必要だと思います。

私は英語学校に通ったことはありませんが、上に書いたように「英語を教える」人に沢山出会って来ました。そしてお金を無駄にした経験があります。言葉が出来ない時ははっきりと苦情をいう事が出来なかったし、話せるようになってからは傲慢な教師と言い合って嫌な思いをしたこともあれば、結局お金を払っただけの事を学べなかったことがあります。だからこそ、自分は人にお金を無駄にさせるようなTutorやインストラクターにはなりたくないという気持ちが強いのです。

特に、全く初めての言語を習う場合、生徒側は「こうあるべきもの」「こう教わるものなの?」と基準が分かりにくいと思います。だからこそ、彼らの要望や成長を見極めながら教えていける気持ちが無いと難しいなと思います。

日本語と英語が混ざってしまうような場合も要注意。本当に英語の出来る方のお話を伺ったりブログを読むと彼らの日本語はきちんとしています。通訳を職業にされている方が良い例ですよね。そういう方の文章や会話は英語が堪能だからと言う理由で途中で横文字交じりで会話をしたりする事は殆どありません。英語も日本語も中途半端な方に限って、日本語の中に多々英語が混ざってしまったり、英語での会話も薄いものになってしまうような気がします。これは「Erikoの日本語変だ」と言われ続けた私自身にいつも言い続けて気にしている事なのですが、母国語のレベルが低ければ第二言語がそれ以上のレベルを抜く訳が無い。だからもちろんアメリカで住む以上英語は大切ですが、母国語のレベルを保つだけではなく上げていく事が必要だなと日々思います。あぁ、語学は本当にゴールが無いですね。

正直私は忍耐が足りないし(えっ!?)、資格の勉強とか苦手だし、教師気質ではないのですが、ありがたい機会を頂いたり生徒さんが続けてくれているのは「何を伝えたいかが明確」であり「生徒が何人いようと一人一人を気にかける事を忘れない。」そして「お金は二の次」という気持ちが少しでも伝わっているからかしらと勝手に自負しています。(←謙虚にならなければ!!!)

技術面やメンタル面ではまだまだ学ぶべきが沢山あります。特に語学なんて母国語だって一生かけて学んでいくものですよね。

日本はとても興味深い国です!日本に興味を持って日本語や文化を学びたい人が意外と沢山います。それと同時に全く日本と言う国を知らない人も沢山います。こんなに面白い国について何かを伝えられたらいいですよね。私もこの中西部で「日本が大好きなんです。是非勉強したいです。」と言う人々に出会うと本当に嬉しくなります。

「日本語を教える」と固く考えずにお友達同士で異文化交流をする事もとても楽しいし素晴らしい事ですが、実際に日本語を教えたい方は「どうして私は日本語をここで教えたいのか」という疑問の答えを明確にして、是非挑戦してみて下さい。異国で、生徒らの成長が見られ日本語で教え子と会話が出来るようになってくる時の達成感は素晴らしいものですから。 

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7 comments on “日本語を教えてみる!!(中西部で日本語教師)”

  1. 私が住んでいる街はほとんどがCaucasianで、子供の学校でもアジア人はほとんどいません。
    日本語を習いたい!って言う人にもいまだかつて出会ったことがないのですが、もしそういう人がいたら、自分に日本語を教えるセンスがあるのか?と考える機会になりました。
    とても勉強になりました!

  2. ステキなお仕事ですね♪チューターというお仕事に対する誠意が伝わってきました。
    日本語をほとんど話せない彼に基礎から日本語を教えようと思っているのですが、、どう始めれば良いものやら、重い腰がなかなか上がらずにいます。基礎を学ぶのにオススメのテキスト等があれば、ぜひおしえてください!

  3. Tomomiさん、

    お返事が遅くなりすいません。ごめんとありがとうございます。
    私も初めの二年程住んで居た町では日本語どころかアジア人自体見ないところでしたが、少し行動範囲を広げてみると日本に興味を持っている人が意外といる事が分かりました。大都市や西海岸に比べたら少ないかもしれませんが、教える人も少ないからこそチャンスが回ってきやすいと思ってこの機会を楽しんでいます。
    私も、教えるセンスを学んでいきたいと思います。

  4. MAYUさん、

    コメントありがとうございます。私も自分自身Tutorをしていながら夫は殆ど日本語が話せないので、なんとかして続けてお互いに勉強の時間を取って行きたいと思っています。本人にやる気があるのは嬉しいのですが、英語でのやりとりが楽だと私自身も英語でコミュニケーションを取ってしまった方が早くて済むと思ってしまうので、教える側の忍耐(勉強中は説明以外で英語をなるべく使わないようにする)など、しなくてはなと思います。
    テキストは講師の方や生徒によってまちまちですが、初心者にはJapanese for busy peopleが使いやすいかと思います。解説が英語なので自主勉強にも良いかと思います。教える事に慣れていればみんなの日本語もおすすめです。
    なにかご質問がありましたらメールをくださいね。

  5. はじめまして!

    現在、日米親善人形に関してお手伝いして下さる日本に興味があり、そしてカンザスシティに住んでいる人を探しています。内容は、10月中旬に以下の博物館を訪れる、人形専門員のお世話で、彼は親善人形修復の為に意欲的に米国を回っている方です。興味のある方には詳細をお知らせ致します。
    http://toyandminiaturemuseum.org/current/

  6. カンザスシティから比較的近い場所に住んでいますが、日本語を教えることに少し興味がありました。日本語(英語)が話せる=日本語(英語)が教えられる訳ではないって本当にそうですよね。アメリカ人の友達からくる日本語の質問にいつも上手く答えることができません(汗 また彼らも私からくる英語の質問に答えられないこともあり。。。いつか日本語(と文化)をきちんと教えられたら素晴らしいなーと漠然と思っていたけど、どうして日本語を教えたいのかよく考えてみるいい機会になりました。

  7. Nanaさん、
    コメントありがとうございました。久しぶりに自分の記事を読み直してみて熱く語っているなと思ってしましましたが、少しでもご参考になったのなら光栄です。
    語学はとても難しいですよね。最近、大学で講師をされている方と知り合いになる機会があり文法について語られているのを聞いてまた新しい発見をさせて貰いました。少しでもタジタジしないように、私ももっと理解を深めていけたらなと思います。

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